外構工事を成功させるポイントは?外構工事の施工例と注意点

外構がよく作り込まれている住宅を見て、素敵な雰囲気に思わず立ち止まってしまった経験はありませんか?外構は住宅の第一印象を決定づけます。オシャレな外観作りに役立つ外構工事の施工例、費用の目安などをご紹介します。

公開日 2020.07.06

更新日 2023.04.16

外構工事を成功させるポイントは?外構工事の施工例と注意点

家の外構が充実していると、カーテンを開けた時の窓からの眺め、散歩の帰り道に見えてくる植栽など、毎回居心地のよさを提供してくれます。お気に入りの外構に仕上げるには、求める機能や好みのスタイルは何なのか、ポイントを絞ってからプランニングするとよいでしょう。今回は、外構工事の際に参考になるおおまかな費用相場と施工例をご紹介します。

完成までにどんな工事が必要?外構工事の基礎知識

住宅まわりに使われる「外構」「造園」「エクステリア」の違いをご存じでしょうか。「外構」とは、門塀、植栽、アプローチ、カーポートなど構造物そのものを指します。「造園」は植木や花など土まわりの工事のことで、外構に含まれます。外構と同じような使い方をされている「エクステリア」は、住宅の周辺環境全般を意味します。室内に言い換えれば、外構は建具や水回り設備で、エクステリアはインテリアや間取りのようなイメージです。エクステリアのほうがより広義的な意味を持ち、外構を含む幅広い概念を持っています。外構工事は予算や土地の形状、敷地の広さによって使用する材料や工事内容が異なるので、オーダーメイドが基本です。構造物別に、施工例と工期目安、おおまかな費用目安を解説します。

玄関・門塀の外構工事

外構工事を成功させるポイントは?外構工事の施工例と注意点
門塀は住まいの顔となる重要な構造物で、門柱、門扉、表札、ポストなどが含まれます。デザインのポイントは、住宅が持っている雰囲気やグレードと調和させることです。例えば、洗練されたモダンな住宅には同じくモダンな雰囲気のものを合わせるならしっくりとまとまります。フェンスとセットで商品展開されているケースが多いので、リフォームの場合は同時に見直してみてもよいでしょう。また、道路から玄関までの道のりを「アプローチ」、門塀から玄関へと続く道のりを「玄関アプローチ」と呼びます。門扉から玄関までを曲線でつなげば、プライバシー保護に役立ち、滑りにくい素材や手すりを設置すれば転倒リスクを減らせます。足元に使う素材は、暖かみのあるレンガや枕木、洗練された天然石やタイルなど、デザインと機能性をうまく融合させながらプランニングしてみましょう。工期目安は約1~2週間です。地面を平坦にする「土間コンクリート工事」をしてから、基礎が乾くまで数日待機します。玄関・門塀自体の施工は1~2日程度で済みます。費用目安は一式で約50~70万円、アプローチは10㎡あたり約40~50万円です。門、玄関まわりの設備には、照明機能が搭載されていますが、防犯も兼ねるとなると、追加でタイマー付き、センサー付きライトの設置を検討してみましょう。足元を明るくするフットライト、階段があるならスタンドやポールタイプの照明も一緒に設置すると夜間も安心できます。

フェンスの外構工事

フェンスには目隠しの役割があり、防犯性も兼ねています。高さ、素材の重さを調整することで、道路や隣家への圧迫感、内からの閉鎖感が変わってきます。主流の素材はアルミで、鉄に比べ錆びにくく、生け垣と違いメンテナンスは不要です。昨今のトレンドは、まるで木材と見間違うような「木粉(もくふん)入り樹脂フェンス」。主張しすぎないので、植栽との相性が抜群です。工期目安は土間コンクリート工事、養生期間を含めて約1週間程度で、設置は1日で終わります。費用目安は一般的なアルミ材10m程度で約20~40万円です。

ブロック塀の外構工事

外構工事を成功させるポイントは?外構工事の施工例と注意点
劣化したブロック塀は、地震などによって倒壊する危険性があるので、建築基準法で高さや塀の厚み、施工手順が細かく指定されています。欠けやヒビが発生しているなら、リスク回避のため修復工事に取り掛かりましょう。損傷が少なく基礎がしっかりしているのであれば、比較的安価な再塗装もオススメ。工期目安は土間コンクリート工事を含めて約10日です。ブロック塀自体も乾燥させる必要があり、家全体を囲う場合などはさらに工期が伸びるでしょう。費用目安は使用するブロックの値段にもよりますが、隣家との間に2段ほどの境界ブロックを設置する場合は10mで約8~10万円、家全体を2.2m以内のブロック塀で囲う場合は1式で約100万円、再塗装は10㎡約4~5万円です。

駐車場の外構工事

外構工事を成功させるポイントは?外構工事の施工例と注意点
駐車スペースを舗装するだけの「オープンタイプ」、柱と屋根を設置する「カーポートタイプ」、壁と屋根で囲った「ガレージタイプ」の3つがあります。道路と住宅へのアクセス、駐車のしやすさ、積雪や潮風、台風の頻度などを考慮し、地域環境に合わせてプランニングします。壁や住宅との間に60cm確保することができれば車の出入りは可能ですが、ストレスなく出入りしたいのであれば90cmの幅をとるのががオススメです。工期目安はタイプにより異なりますが、養生期間を含めて約1週間、カーポートの設置作業は2日程度です。費用目安は車1台のカーポートで約40~50万円、2台で約60~80万円です。ガレージ(シャッター付き)は約100万円が中心価格帯です。駐車スペースをデザインする時に一緒に考えたいのがセンサー付きのLED照明やカーストッパーの設置です。そのほか、将来的に電気自動車を検討している、洗車の頻度をアップさせたいなら、コンセントと水栓の位置を見直してみましょう。

テラス・ガーデンルームの外構工事

テラスは住宅の外側に地面より高い台座で、掃き出し窓から続く庭にタイルやブロックを使い舗装したスペースです。ガーデンルームは住宅から直接つながった空間で、室内に近い構造が特徴です。気密性があるので天候や季節の影響を受けにくく、観葉植物を育てるのはもちろん、雨の日の洗濯物エリアにしても便利です。テーブルやチェアを置き、もうひとつのリビングとして活用できます。工期目安約1~3日、費用目安はテラスで約60~75万円、ガーデンルームは約70~85万円です。

ウッドデッキの外構工事

ウッドデッキは大型ホームセンターでDIY用キットが販売されており、簡単に施工できそうなイメージがあります。しかし、基礎に精度が足りないと、後にガタつきが生じ、テーブルチェアを置いたり遊び場にしたりするには安全性に欠けます。長く使い込みたいなら業者依頼がオススメです。素材は木製と樹脂製があり、樹脂製はガーデニング用の鉢を置いても劣化の心配がなく、メンテナンスが簡単なのが魅力です。デッキに加え、柵やスロープ、屋根などのオプションを取り入れると使い勝手がアップします。工期目安は約1~3日ですが、基礎に難がある場合はコンクリートを流し込むなど追加で時間がかかります。費用目安は一般的な樹脂製ウッドデッキ6㎡で約30~40万円。柵の代わりに高さ1mほどの苗木(約3~4万円)を使うと、オプション料金を抑えられます。

予算オーバーに注意!外構工事費用の目安をチェック

外構工事の費用は、新築時において住宅価格の10%が目安といわれていますが、あらかじめ大まかな予算の上限を決めておくとよいでしょう。例えば、3,000万円の住宅価格なら300万円前後です。
また、敷地内の条件だけではなく周辺環境によっても外構工事の内容は変わります。外構について考える時、オープン外構とクローズド外構を例として挙げるとより分かりやすいでしょう。

○外構スタイル
オープン外構は、土間とさりげないアプローチのみのスタイルです。欧米の郊外で、道を行く人が植栽を楽しむよう工夫された庭ですが、日本においては狭小地が多く、少しでも土地に広がりを持たせるために採用しているケースが多いでしょう。道路や隣家との境界はタイルやコンクリートを用いて、芝生や低木などで視覚的に区別しています。
外構工事を成功させるポイントは?外構工事の施工例と注意点
一方クローズド外構は、道路や近隣から視線が遮断できるよう、門扉や塀を設けるスタイルで、オープン外構に比べ費用は割高です。防犯設備をプランに組み込めば、プライバシーが確保できます。構造体の高さを調整し、耐久性も考慮しながらプランニングを進めていきます。
また、中間に位置するスタイルのセミクローズド外構も参考にできます。塀やフェンスは設けつつ、高さは抑えめに。隣家の境界はブロック塀、しかし道路側のカーポートは開放的にするなど、オープン外構とクローズド外構の要素を組み合わせたスタイルです。

○コスト削減のポイント
外構工事は一式で行うと高額になってしまいます。支出金額を抑えたいなら、必要なエリアから庭を育てる気持ちで少しずつ工事を進めていきましょう。新築時の段階では、境界のフェンスのみ、コンクリート面積は最低限に。カーポートやウッドデッキは必要になった時点で追加工事をするなど工夫ができます。工事の段階になったら、見えない部分はグレードを下げたり、特価品を使うなどしてコストが削減できます。施工業者と相談しながら、アウトレット品の提案もお願いしてみましょう。

こんな家に住んでみたい!オシャレな外構工事の施工例

魅力的な外構は全体的に統一感があり、飽きのこないデザインが特徴です。部分的でも真似したくなるオシャレな外構デザインを3例をご紹介します。

憧れの白い家×リゾート感が素敵な外構工事の施工例

こちらは、Room Clipからピックアップしたaym.hさんの事例です。シンプルな外観に合わせた外構は、住宅と調和のとれた美しいデザインに仕上がっています。門壁が敷地内にセットバックされているので、アプローチに広がりを感じるプランニングです。フェンス付きの化粧ブロックはプライベートを確保する役割と、室内から見る庭の背景を兼ねています。植栽はリゾートガーデンにぴったりのソテツとニューサイランを採用。めずらしい熱帯植物はアイキャッチとしても機能する優れものです。

まるでカフェ!おうち時間が充実!ウッドデッキの施工例

同じくRoom Clip から紹介するのは、Mi-Ma-Yaさんの投稿です。リゾートテイストのウッドデッキとウッドフェンスは、DIYの自信作。隠れ家的雰囲気たっぷりの、カフェのような落ち着いた空間に仕上がっています。照明づかいにも凝っていて、グリーンを照らすタイマー式アッパーライト、日没とともに点灯するソーラーランタンなど、絶妙なポイントに配置されています。

2階からの眺めも最高!駐車場×庭スペースの施工事例

最後に紹介するのは、Room Clipに掲載されているEneteさんの事例です。道路との高低差をなくし、少ない構造物で絶妙なバランスが保たれているオープン外構です。アプローチには芝生と枕木を配置。さわやかな風が吹き抜ける、シンプルながらゆったりとしたデザインに仕上がっています。植栽やウッドデッキなどを活用する「楽しむ庭」ではなく、「眺める庭」をテーマにしていて、メンテナンスに時間を掛けずにのんびり過ごしたい方にオススメの施工例です。

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