“プロの仕事”見せます。建設会社が自分たちのオフィスをフルリノベーション

オフィス内装は見た目だけでなく、そこで働く方々を意識した機能性も欠かせません。部分的にはDIYで賄える部分もありますが、フルリノベーションともなるとプロの手を借りたいところ。そこで今回は、建設会社であるカシワバラ・コーポレーションが自分たちのオフィスをフルリノベーションした事例をご紹介いたします。

公開日 2023.01.25

更新日 2023.05.16

“プロの仕事”見せます。建設会社が自分たちのオフィスをフルリノベーション

はじめに

近年、テレワークが急速に普及したことで、オフィスの在り方や存在意義は大きく見直されつつあります。そう、もはやオフィスはただ働くだけの無機質な事務所ではなく、社員間のコミュニケーションを促したり、業務のモチベーションが上がる内装やインテリアを備えているといった付加価値を求められる場所へ変化しているのです。
とはいえ、どんなオフィスにするとそのような条件がクリアできるのか、なかなか思いつくものではありませんよね。そんな時は、プロの事例を参考にするのが一番!ということで、内装リフォームのプロである「カシワバラ・コーポレーション」が、自分たちの働くオフィスをフルリノベーションした事例をご紹介いたします。

プロは一体どのような目線でオフィスを作るのか、令和の時代に求められるオフィスはどのようなものなのか、ぜひご注目ください!

コミュニケーションの希薄な工事前

“プロの仕事”見せます。建設会社が自分たちのオフィスをフルリノベーション
こちらの写真は、リノベーションが行われる前のカシワバラ・コーポレーションのオフィスの一角です。見ての通り非常に一般的なオフィスで、ある程度綺麗に整頓はされているものの、モチベーションが上がるオフィスかと言われると、そうではありませんでした。

当時のオフィスで抱えていた課題について聞いてみたところ、それはズバリ“コミュニケーションが取りづらい”点にあったのだとか。一見、顔を見合わせているレイアウトになっていて話しやすい環境に見えますが、机が個々人で固定されているため関係性は限定的なものに留まってしまい、さらに部署によって階が分けられていたため、同じビルで働いている社員なのにほとんど面識がないなんていうことも。

そこでこれらの課題を解決するため、オフィス全体のフルリノベーションが決定。プロならではの技で、より働きやすい環境へと生まれ変わらせていきました。

通常業務に対する配慮

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いざ工事が開始!となったものの、もちろんその間にも通常業務を止めるわけには行きません。そこで、工事中の来客はすべて旧館へ誘導して対応、社員の勤務に関しては工事のスケジュールに合わせて柔軟に場所を工面していきました。具体的には、ワンフロアずつ工事を行って工事を行うことで社員への負担を最小限にしたり、コピー機等の物の移動スケジュールを予め組んで配布することで設備の使用にも不便がないようにする、といった具合です。

工事中の事故対策例
①工事導線と所員・来客導線を完全に分離。
②社員、来客者の工区への進入を原則不可に。
③作業員へは工区以外の立ち入りを原則不可に。
④どうしても導線が交錯する場合は誘導・監視員の配置を徹底。
⑤常に整理整頓、清掃し導線としての機能を阻害する要因を排除する。
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こうした対策を施しつつ、工事は無事スタートしました。今回は一度オフィスを躯体だけの状態(スケルトン)に戻し、0から空間を作り替えるフルリノベーションという手法を採用しています。
写真は壁や天井を豪快に解体していく様子ですが、さすがプロ。手慣れた様子であっという間に作業は進んでいきました。

スケルトンにしてイチからデザイン

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そして、こちらがスケルトンにし終わった際の様子。ご覧の通り、天井を剥がしたことで配管が剥き出しになり、随分と広くなったような印象を受けます。
この時の苦労話をお聞きしてみたところ、梁囲い造作の幅をデザイン優先で狭くしたため鉄骨梁からはみ出たり、スラブ下に耐火被覆と呼ばれる素材がこびりついたてしまっていて除去に時間がかかるなど、実際に壁や天井を剥がしてみないと分からないことも実際は多いのだそう。フルリノベーションの難しいポイントですね....!
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天井の配管と、壁・天井の塗装が終わった様子がこちら!いかがでしょう、古くなった部分を取り払い、塗り替えるだけでここまで見違えてきます。

このようにして、解体→配管→配線→内装造作→内装仕上げ→器具取り付け→サイン取り付け→クリーニングという流れで工事は進行していきました。5ヶ月間の工事の末、一体どのようなオフィスになったのでしょうか。早速みていきましょう!

コミュニケーションを促すオフィスへ

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こちらが、リノベーションを終えたオフィスの一部。インテリアはウッド中心の洗練されたものになり、圧迫感のあった天井が取り払われることで広々とモダンな印象に大変身しました。
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さらによく見ると、デスク前の椅子は全て異なるものが用意されていました。実はこちらもカシワバラのエンターテインメント精神。場所だけでなく、座り心地や椅子の動き方が変わることで、また違った視点で業務へ取り組んでもらうことが期待できます。

私だったら、お気に入りの椅子ができてしまってその椅子から離れられなくなりそうですが(笑)。
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またフロアによっても変わりますが、このフロアはセンターにはフリースペースを配置しています。基本的にカウンターでの業務ですが、ミーティングやちょっとした雑談時・気分転換にうってつけです。
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さらにオフィス家具に関しては、カシワバラが海外の家具を中心に多種多様な家具をチョイス。現行品からアンティークまで、その企業の雰囲気や目的に沿ったセンスある提案を受けられるのだとか。カシワバラにオフィスのリノベーションを依頼した際には、ぜひ利用したいサービスですね。
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“じゃあ、リノベーションして温かみのあるウッディなオフィスになったんだ”と思えば、実はそういうわけでもありません。こちらは別の階ですが、ご覧の通りシックな仕上がりに。これは各階でテーマを変えた内装にしておくことで、気分や好みに合わせて階を移動してもらうための仕掛けなんだそう。また、個室ブースも設けられており、リモート会議などにも配慮した設計です。
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各階で違っているのは、オフィスだけではありません。なんとトイレも各階ごとにコンセプトの違いが。どれも素敵なデザインですが、次第に自分の“お気に入りのトイレ”ができていくと思うと、なんだか面白い試みですね。
中には、カシワバラ社員の公募によって決定したデザインがあったり、建設会社らしく工事の仮囲いを再現したデザインが施されるなど、できる限りその企業の色や遊び心を取り入れようとする姿勢が伺えました。
さらに、3階は男性トイレのみ、5階は女性トイレのみとすることで、これもまた人の動きを促す効果があるのだと言います。

企業イメージを変えるエントランスアプローチ

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リノベーションをするとなると、来客者の第一印象となるエントランスの改修も欠かすことはできません。写真はリノベーション前のエントランスですが、どことなく古めかしい印象を受けますね。とはいえ、建設業としてお客様の空間デザインを任せていただくにあたり、このエントランスは最初に見ていただける実績ですので、手は抜けませんね!
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そしてこちらがリノベーション後のエントランス。ぐるりと大きな窓を配して開放感を出しつつ、光を取り込むことで全体が明るい印象になりました。さらに特徴的なのは正面の大型LEDモニター!ここではカシワバラのCMや工事作業中の映像が流されており、訪れた方はそのインパクトからつい足を止めて見てしまうのだとか。

また、以前は導入されていなかったセキュリティシステムも新たに完備。来客者はもちろん、ここで働く社員にとっても安心できる環境へと進化しました。
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エントランス前にあるスペースで、何やら気になるものを見つけました。お聞きしたところ、こちらは間伐材を使用して作られたベンチなのだとか!環境に配慮するとともに、オフィスの前を通る近隣の方にも使っていただいて“社内と外がつながる場をデザインしたい”という目的で設置されました。リノベーションというとどうしても考えが内側へ向かってしまいがちですが、地域に溶け込むという外への観点も忘れないのは流石です。

また、ただのベンチにするのではなく、このようにアイコニックなビジュアルであることにもこだわりを感じます。こうすることで待ち合わせに使ってもらえたり、「あのベンチがある会社か」と記憶にも残ってもらいやすいことでしょう。

まとめ

今回はリノベーションのプロ、カシワバラ・コーポレーションがどのようにオフィスを改修していくのか、その一部始終をご覧いただきました。ただ綺麗にするだけでなく、いかにして課題解決するかというのも考えなくてはならないということがお分かりいただけたかと思います。
とはいえ、自分たちが抱えている課題に気づくことも実は難しかったりもします。そんな時はぜひ、提案から課題解決までをサポートするカシワバラ・コーポレーションにご相談してみてはいかがでしょうか。

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