ホステル ×カフェ×食品加工場!リノベで築50年の古さを楽しむイワシビル
近年、住居や店舗として物件のリノベーションが選ばれることが多くなってきました。古いものが好き!こだわりやアイデアを形にしたい!といった方にとっては、ぴったりの手法ですよね。さて、今回は鹿児島県阿久根市にある、一際ユニークなリノベーションビルをご紹介していきたいと思います。
公開日 2020.05.19
更新日 2022.01.07
INDEX目次
古き良き港町、阿久根に佇むイワシビル
鹿児島県阿久根市は古くから港町として栄え、ウルメイワシや伊勢海老などの名産地としても知られています。そんな阿久根市で昭和14年から水産品の加工をしてきた老舗『下園薩男商店』が、自社のストーリーをもっと身近に感じてもらいたいと、2017年にオープンしたのがイワシビルです。
名前には、イワシのように人がたくさん集まる場所、という意味が込められており、実際に県内外からイワシビルを目当てに多くの人が訪れるのだと言います。その中には、地域活性に興味のある人や、デザイン関係の仕事をしている人なども。みなさんイワシビルの噂を聞いて、話を聞きに来るのだとか。では、一体何がそこまで人を集めるのか、イワシビルの魅力をたっぷりとお伝えします!
『今あるコトに一手間を。』築50年のビルをリノベーション!
イワシビルは築50年。以前は生命保険会社が入っていましたが、その後は数年間空きビルとなっていました。それが、ちょうど店舗を持ちたいと考えていた下園薩男商店のオーナーの目に入り、購入に至ったのだそうです。店舗として物件のリノベーションを選んだのは、同商店の企業理念である『今あるコトに一手間加え、それを誇り楽しみ、人生を豊かにする』に沿ってのこと。『地域に既にある歴史を繋げていく方が、新築よりも面白いじゃないですか』とオーナー。
リノベーションに際して、コンセプトを伝えるべくプランナーと綿密な打ち合わせを行い、本業の加工工場を見学などしてもらったそうです。結果、着工から完成までは、約4ヶ月かかったそうですが、その甲斐もあり、『今あるコトに一手間』を体現した店舗が完成しました。ちなみに、リノベーションで大変だったことは?とお聞きすると、『田舎なのでこうした店舗形態があまり無くて、用途変更がなかなか認めてもらえませんでした(笑)』と、地方ならではの苦労を教えてくれました。
人が集まる3階建、イワシビルの正体とは!?
それではいよいよ、イワシビルの正体に迫っていきたいと思います。イワシビルはリノベーションを経て、1Fはショップ・カフェ、2Fはイワシの生産加工場、3Fはホステルと、なんと3つの顔をもつ複合ビルになっていたんです!
入り口には『たい焼きとお土産処』の文字が。すっかり田舎の景色に溶け込んでいて、新しいのですが、まるでずっとここにあったお店かのような佇まいです。
入り口には『たい焼きとお土産処』の文字が。すっかり田舎の景色に溶け込んでいて、新しいのですが、まるでずっとここにあったお店かのような佇まいです。
看板にはイワシをモチーフにしたとっても可愛いロゴが描かれています。ちなみに夜は光るのだそう。
それでは、早速1階から調査開始です。
それでは、早速1階から調査開始です。
1F 地元を活かす、こだわりのショップ&カフェ!
中に入ると、まずはとってもお洒落なカフェスペース。コンクリート打ちっ放しの壁やインダストリアルな照明がリノベ物件!という雰囲気を醸し出しつつ、置いてある椅子が懐かしさを感じる小学校テイスト。この椅子も、近所の小学校で以前使っていたものをリメイクしたのだそうで、一手間かけるというビル全体のテーマに沿っているんですね。
こちらが大人気のたい焼き。見た瞬間『でかっ!』と思うこと必至の大きなハネが特徴で、食べ応えバッチリ!中にはあんこがぎっしり詰まっており、横に添えられた塩クリームをつけて食べると、甘さとマッチして素晴らしい味わいに。なるほど、人気も納得です。
カフェメニューはもちろん、パスタや定食といった食事も充実しています。新しいメニューも次々出ているようなので、是非チェックしてみてください。ちなみに朝食メニューとしてイワシの丸干しも用意され、苦味の少ない阿久根市の朝採れウルメイワシや、寒い地方の脂の乗った真イワシなど、様々なイワシを楽しむことができます。こうした素材へのこだわりも、港町ならではですね。
また、観光客だけでなく地域の方の来店も多く、お茶を飲みながら語らうなど憩いの場になっているようでした。ただの観光スポットではなく、地域に根ざしたお店だということがよくわかりますね。
また、観光客だけでなく地域の方の来店も多く、お茶を飲みながら語らうなど憩いの場になっているようでした。ただの観光スポットではなく、地域に根ざしたお店だということがよくわかりますね。
こちらはカフェと併設しているショップスペース。商品展示棚は、水産加工の際に干物を干す台車をリメイクして使い、時計やゴミ箱などといった細部までこだわりの品なのだそうです。カフェと同じく、ここにも企業理念の『今あるコトに一手間』が現れており、オーナーもとても気に入っているポイントなのだとか。
ここでは阿久根市のお土産も買えるのですが、なんと半分以上はイワシビルのオリジナル商品!こちらは創業以来作り続けてきた丸干しイワシをもっと知ってもらいたいというコンセプトで開発された、その名も『旅する丸干し』!ウルメイワシが地元である阿久根を飛び出し、南イタリアやプロヴァンスなどを旅するうちに色んな味になっちゃった!というユニークなストーリーがあるのだそう。それぞれの地域に思いを馳せながら、いただきましょう。
他にも本業の水産加工品が中心のラインナップがズラリ。そのパッケージの可愛さからギフトなどに買っていく方が多いのだそうです。
オンラインショップでの購入も可能なので、そちらも是非チェックしてみてください。
オンラインショップでの購入も可能なので、そちらも是非チェックしてみてください。
2F 目が釘付け!大迫力の食品加工場
カフェでまったりした後に2階に上がると、そこには大迫力の食品加工場が!こちらでは1階で販売していたオリジナル商品の製造過程を、無料で見学させてくれます。こうして生産現場と販売現場が見えることで、それぞれのスタッフが誇りを持って働けるようにしているのだそう。
『旅する丸干し』が丁寧に瓶詰めされていく光景は、思わず見入ってしまいます。加えてラベルが貼られる様子も見学することができるため、ぼーっと眺めているとあっという間に時間が過ぎてしまいますね。しかも予約不要なので、行けばいつでも見せてもらえるそうです。太っ腹!
3F 自分を見つめる旅の拠点!癒しのホステル
そしてついに3階に到着!そう、実はイワシビル、宿泊もできちゃうんです。ご飯を食べて工場見学を楽しんだら、そのままここに泊まれるなんて、本当にイワシビルだけで1日が終わってしまいそうです(笑)。周囲には日本快水浴場100選に選ばれている美しい海や、イワシビルとも親交の深いユニークな農園やレストランもあるそうなので、イワシビルを拠点にいろいろ歩き回ってみるのも良いですね!
こちらは和室と洋室のシングルルーム。田舎に閉鎖的なドミトリーは向かないだろうということで、部屋の上部が50センチほど空いた半個室になっています。その分開放感があり、『旅にきた!』という気持ちにさせてくれますね。また、自分自身に向き合う空間にしてもらいたいということで、テレビやラジオはあえて置かず、共有部に旅の本だけが置いてあります。うーん、粋なコンセプト!
ちなみに、洋室にも小学校テイストな椅子と机があるのですが、こちらも近隣の小学校で使っていたものをリメイクしたのだとか。
ちなみに、洋室にも小学校テイストな椅子と机があるのですが、こちらも近隣の小学校で使っていたものをリメイクしたのだとか。
もちろんダブルベッドのお部屋も。カップルや夫婦も一緒に宿泊することが可能です。
トイレ周りにはエビやイワシの可愛いイラストが!実は全部手書きで、一つ一つ模様が違うんです。こうした遊び心も、リノベ物件ならではという感じがします。
次の目標は2店舗目!地域から世界を盛り上げたい
こんな楽しみが詰まったイワシビルを運営する、オーナーの下園正博さん。今後の目標を聞いてみると、2店舗目を考えているのだとか。イワシビルとは違ったエリアに出店して、その地域のものを使ったお店がやりたいのだそう。『こうやって地域の特徴を持つお店が増えていけば、世界はもっと楽しくなるはず』と語ってくれました。イワシビル、アツいです!
まとめ
とってもユニークな3階建、イワシビル。いかがでしたでしょうか。物件のリノベーションはただお洒落なだけでなくて、建物を通じてそれぞれの熱い想いを知ることまでが魅力なのだと改めて感じさせられました。こうした試みで、地方から世界を盛り上げていくなんて、ワクワクが止まりませんね!今後のイワシビルの活躍にも目が離せません。
INFORMATION
住所 〒899-1626 鹿児島県 阿久根市鶴見町76
電話番号 0996-73-3104
駐車場 あり
営業時間
ショップ・カフェ 11:00 ~ 18:00 (ランチ 土日祝限定11:00 ~)
ホステル チェックイン 15:00 ~ 20:00、チェックアウト 10:00まで
定休日 なし
電話番号 0996-73-3104
駐車場 あり
営業時間
ショップ・カフェ 11:00 ~ 18:00 (ランチ 土日祝限定11:00 ~)
ホステル チェックイン 15:00 ~ 20:00、チェックアウト 10:00まで
定休日 なし
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Japan
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