島津が行く! 世界のスーパーマーケット

アーティスト・クリエイター・デザイナーの島津冬樹氏は、使用済み段ボールを財布として蘇らせるプロジェクト「Carton」の運営者。段ボール収集のため世界中を旅する彼は、現地のスーパーマーケットに並ぶ日用品が大好物なんだとか。アメリカ、エチオピア、モロッコ、フィリピン、ブルガリアなど、日本とは文化が異なる国々の、庶民的お店に並ぶアイテムとはどんなものなのでしょう?

公開日 2018.11.22

更新日 2018.11.22

島津が行く! 世界のスーパーマーケット

世界では基本的に袋が有料

島津が行く! 世界のスーパーマーケット
世界中どこでもスーパーマーケットといえば庶民の味方。食料に飲み物、消耗品や雑貨など、品揃えが豊富でタイムサービスや特売品といったお得プライスに出会えることも。「日本と海外で決定的に違うのは、ショッピングバッグ=ビニール袋が有料な点。どこもエコ意識が高いんですね。袋一つでも限りある資源ですし、処分すればCO2だって発生する。買うのが当たり前で、お客さんも不満な顔は一切ナシ」。日本でも購入させる店が増えてはいますが、まだまだ少数派。加えて、無地の味気ない袋ばかり。「有料だから、というわけではないのでしょうが、たかがビニール袋のくせにデザインは優れていることが多いと思います。ショップ名に派手めの色使いなど、少なくとも個性があって面白い。デザイナーとしてインスピレーションを受けますよ。しかも安いですからね、初見のスーパーに寄ったら必ず買います。 ほかの商品を買わずにショッピングバッグだけ購入し、怪訝な顔されることもしばしば」。
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鮮やかなオレンジ色をしたミャンマーの「シティマート」や、アイコンが反映されたアメリカの「ターゲット」など、海外ではレジ近くにオリジナルのリユーザブルバッグが陳列されています。

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ブルガリア「ビラ」、ドイツの「リドル」、「カウフランド」はいずれも大型ディスカウントショップ。日本でもファンの多いファブリックトートは、現地なら200〜300円ほどで購入できるそう。

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冷凍食品売り場にはフリーザーバッグが。「おそらくベースは同一メーカーの袋。ショップロゴだけプリントしています。ピザが1枚丸々入るほどの大きめサイズ」。

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「ブルガリアで出会ったパッカブルバッグですが、なぜかレモン型」。意味や合理性を感じさせないデザインは日本では珍しく、島津さんの琴線に触れやすいようです。

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レモンを広げるとチープなエコバッグに。「日本では手に入れられず、情報もネットにすらない。やっぱり現地でしか買えないものに惹かれます」。

スーパーには各国の文化が如実にあらわれる

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「アジアは全般的にインスタント麺の品揃えが豊富でリーズナブル。ジャパンブランドまで入っていました。アラブ諸国も同様ですが、宗教の関係でお酒を置いてないのが独特かもしれません」。ヨーロッパだとインスタント文化はあまり浸透しておらず、置いてあっても高いのだとか。「ヨーロッパでは手軽な食品といえばパンなんです。美味しそうなサンドイッチなら充実ですよ」。ブルガリアの各駅前や名所のそばには有名チェーンの「ビラ」が展開。「ここの袋をみんなが持ち歩いているほどメジャー。観光地のMAPもオリジナルで作成、販売するほど影響力がありました。日本にはないスタイルで印象強いですね」。島津さんが訪問した最貧国がエチオピアで、スーパーよりも露天商が目立ったとか。「それでもビニール袋は有料。エコ意識もあるでしょうが、使い捨てずに普段からバッグとして使用している人が多い。一種のステータスなのだと思います」。
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インドネシアやミャンマーなどを中心に人気がある袋麺。「エキセントリックな色使いが我々の目には新鮮に映ります。味が悪くないのもグッド」。

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「ブルガリアといえばヨーグルトだけに、バリエーション豊富で安価。しかも美味しい。ただ、容器が似たようなデザインばかりで、牛乳と間違えて買ったことも」。食べた後はフタまで持って帰るのが島津流。

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キリスト教の中でも、教義が厳しいとされるエチオピア正教を信仰する人々が多いエチオピア。「宗教画のステッカーは、買った時点で何枚か抜けていました。こういうのもお国柄かと」。

日本でも買える日用品をあえて外国で

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島津さんはその国ならではのアイテム以外にも、どこのスーパーでも扱っているような日用品をたくさん購入して帰国します。「旅先で購入したものと暮らすと、日常的にその時のことを思い出せます。ものが手元にあって、実際に使うことでメモリーが鮮明に蘇るんです。ですから、僕にとってマテリアルを手に入れる行為は、思い出作りの一環」。そして、用途不明でも財布の口は固くならないそう。「文字は読めないし、デザインの意味がわからない。それが逆に面白いでしょう。想像が膨らむし、いつか役に立つかも知れない、クリエイティブに繋がるかも! という期待も。珍しいと直感したらコレクション入り確定です」。
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紙に対する認識を覆されたのがミャンマー。「典型的なダウンサイクル(元の物質よりも質を下げた再利用)で、コピー用紙なのにグレーなんです。そして安い。別に真っ白じゃなくたっていいよね…という価値観が生まれました。また、とても薄い。穴が開いてるくらい...製品としてどうなの? という気もしますが、これぞ再生紙という感じは魅力的。市民と近い存在な分、その国の状況や環境がわかりやすいのがスーパーなんです」。

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イエローで入ったアラビア語がたまらないという、エジプト産のアルミホイル。「キッチン用品とは思えない美しいデザイン。サイズが少し大きく、品質は日本メーカーの方がいいですが」。

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「香港で購入した薬たちは完全にジャケ買い。肖像画を落とし込むのは中国ならではです。店員さんはもっと効く商品を勧めてくれたようですが、効能は謎のまま」。

国やエリアごとに個性が異なり、ユニークなデザインで溢れているスーパーマーケット。クリエイターにはすべてが新鮮に感じられるようです。「訪れた国の標準的な生活水準や食文化を知るのに持ってこいのスポットだと思います」。そして、エコバッグへの認識。「世界中でゴミの問題が噴出していますが、改善策の一つがレジ袋の有料化。先進国のヨーロッパはもちろん、アフリカ諸国やアジアでは中国も実践しています。日本でもつい繰り返し使いたくなるようなビニール袋が生まれて欲しいです。こちらでは細かく分別してエコな雰囲気を出していますが、その分収集車が何度も来るわけで。そのCO2は気にしないのかな? なんて」。
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リサイクルのアイコンをダイレクトに落とし込んだショッピングバッグ。「モロッコで買いました。カラーリングこそ単純ですが、主張はストレートに伝わってくる。素敵です」。

島津さんに密着したドキュメンタリー映画『旅するダンボール』公開間近!

世界30カ国の街角で捨てられた段ボールを拾って、かわいくてカッコいい段ボール財布に。<不要なものから大切なもの>を生み出す、いま世界からもっとも注目の<段ボールアーティスト>島津冬樹の活動に迫ったドキュメンタリー映画。あなただけの大切なもので、未来を支えるアップサイクル。

12月7日より
YEBISU GARDEN CINEMA/新宿ピカデリー
MOVIX仙台、MOVIX橋本、ミッドランドスクエア シネマ、MOVIX京都、神戸国際松 竹ほか 全国順次公開

http://carton-movie.com
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島津冬樹(段ボールアーティスト)

1987年、神奈川県生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科卒業後、大手広告代理店を経て2015年よりアーテイストに。「不要なものから大切なものへ」と掲げ、放置されている段ボールから財布を作るプロジェクト「Carton」立ち上げ。段ボールを集めるために巡った国は30以上。展示やワークショップも国内外問わず、多数開催している。

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