リノベーションの基本の「き」をプロに教えてもらいました:ORGAN CRAFT
経年劣化した建物に新たな息吹を与えるリノベーション。老朽化した自宅や購入予定の中古物件に施工を考えている人も少なくないはず。でも、実際のところ、リノベーションをちゃんと理解していますか?そんな分かっているようで分からないことが多いリノベーションについてご紹介します。
公開日 2018.06.18
更新日 2022.01.07
知っているようで、わからないリノベの話
不動産でよく目にする言葉、「リノベーション」。改修されて新しくなるってことは分かるけれど、詳しくは分からないという人も多いのではないでしょうか。筆者もその一人で、実際に施工を依頼するなら、どうすればいいのか、どう仕上げてくれるのか。疑問は深まるばかりなので、直接話を聞いてみることにしました。
今回伺ったのは、リノベーションなどを手掛ける工務店、株式会社リペアが運営しているORGAN CRAFT(オルガンクラフト)の渡會さん。リノベーションについて、まだまだ勉強不足の編集部員に対して真摯に対応していただきました。
今回伺ったのは、リノベーションなどを手掛ける工務店、株式会社リペアが運営しているORGAN CRAFT(オルガンクラフト)の渡會さん。リノベーションについて、まだまだ勉強不足の編集部員に対して真摯に対応していただきました。
今回、リノベーションの基本の「き」を教えてくれるORGAN CRAFTの渡會さん。
それでは早速、いろいろと疑問を投げかけていきます!
基本的なところになりますが、リノベーションを分かりやすく説明して頂けますか。
「リフォームは、その言葉の通りフォーム(形)を元に戻す、老朽化した部分を新築時の性能に戻すこと。ちなみに、使用する目的を変えることはコンバージョン。そしてリノベーションは、『革新、刷新、修復』を意味し、プラスαの価値を引き出していくこと、その新たな価値を自分のライフスタイルに合わせたりすること。お客さんの注文に合わせて、イチからすべてを作り直すことなんですよ。その中で僕らの特色とも言えるのが、すべてを壊して新装するということではなく、『このドアノブの雰囲気がいいから、それを再利用しませんか?』とか、『窓枠のヨレ感がいいから、残しませんか?』といった提案をしています。その家に対して、建材の持つ空気感だったり、ストーリー性を感じ取ってくれる人は、僕らの感性と一致するのかなと思います」
こちらはORGAN CRAFTが実際に手掛けた施工事例。1つの木材を表裏ランダムに貼ることで抑揚をつけた内装です。キッチンにカウンターを設置しているので使い勝手がよくなりました。
ORGAN CRAFTではどんな依頼が多いですか?
「僕のところにいただく依頼は、『お任せでいいよ』って言ってくださるお客さんが多いです。でも、どこかしらにこだわりを持っている人がほとんど。そのフィーリングはお互いに感じ取るというか、僕のほうで掘り出しています。どうヒアリングをして引き出すか、というのは大事ですね」
実際のところ、費用はどれくらい掛かりますか?
「正直に言ってピンからキリまでですね。100万円しかないんだっていうお客さんがいれば、2000万円くらい掛けてもいいよってお客さんもいます。100万円くらいの予算なら、部屋のアイコンとなるものを作ることに重きを置いています。それだけでも雰囲気はガラッと変わりますからね」
コンクリート打ちっぱなしの壁があったり、ブラックやホワイトに塗装していたりと見る角度によってイメージが変わる、飽きのこない内装。
費用に続いて気になるところの工期は大体どれくらいなんですか?
「それも案件によりますが、50〜60平米のときは、35日から40日くらいで納めます」
住宅以外にも手掛けているそうですね。
「オフィスや店舗もやっていますね。最近多いのが、店舗のディレクションです。ロゴから作ったり、メニュー表の配置を作ったり。あとは新築工事もやっています。もはやリノベーションの域を超えてやっていますが、工務店ですので形はなんであれ作るというところは変わりません。うちの会社のスタッフは、"Do It Yourself"の精神を強く持っているように感じます。僕らとお客様がおもしろくなるような話し合いからスタートできるように一つ一つの工事に対してあらゆる角度から検証し話し合いを重ねます」
バームクーヘンをメインメニューに展開するカフェ「HACHI KAMAKURA」。施工にあたって作成したイメージ画も拝見させてもらいました。
リノベーションにおいて大切にしていることはありますか?
頼む側と作る側、それぞれのいい関係作り
「リノベーションって、デザインをどうするかとか、小手先や足のタッチ感とか表面的なことが多いんです。でも、住宅で本当に大事なのは中身なんですよ。『段取り八分、仕上げ二分』って言葉があるように、工事をはじめるまでの段取りが全行程の8割だし、工事が始まっても仕上げに掛かるまでの中身をどう使うかがすごく大切。『お客さんはこの材料を使いたがっているけど、それを使うと冬は寒すぎる。じゃあ、壁を20mm浮かせて空気層を作ろう』など計算をして、お客さんと話し合いをしなくてはいけない。職人さんも、『自分たちにとって不利な部分もお客さんにしっかりと全部伝えなさい』って指導してくれるお父さんのような人たちとお付き合いをさせてもらっています」
こちらはオフィス。ウッドベースにまとめつつ、随所をブラックを配置していることで引き締まった印象に。
そういうエピソードが聞けると頼む側も安心しますね。
「お客さんも職人さんも、そして僕らもWin-Winになったほうが絶対にいいじゃないですか?すべてにおいて責任がありますからね。あとは『楽しいことをやりたい』。それが重要かなと思っています。お客さんがグルーヴ感を感じ取ってもらえると、本当にすごくいいものが完成するので、そこは大事にしています。完成して引き渡すと、お客さんからお食事にお呼ばれすることも多いです。それはすごく嬉しいですね」
無垢材とホワイトの壁を基調にしているので、自分らしいインテリアを楽しむことができます。何を、どこに配置するかを考えるとワクワクしますね。
正直なところ、リノベーションをする際に問題点はありますか?
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Japan
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