富士山麓で、鹿を捌く ~解体編~

地域の猟師さんから獣を買い取り、捌く、解体施設「富士山麓ジビエ」の運営を通じて、富士山麓の森づくりとその価値の発信に挑戦しています。

公開日 2018.11.14

更新日 2018.11.14

富士山麓で、鹿を捌く ~解体編~

DIYersなみなさん、こんにちは。

富士山南麓の森をベースとして主に自然ガイドの活動を行う”ホールアース自然学校”です。

私たちの掲げる理念は“実践主義”です。
理念に基づいて、家畜や有機野菜を育て、山奥に分け入り、竹や木を切り、それらを使って自分たちの事務所や子どもたちと過ごすキャンプ場を作ります。
まさに「Do It Yourself」であり、「自ら実践し、その意義を真に学んで、自分の内側から湧き出るものを世の中に発信する」というスタンスです。

そんな組織文化の中で、”獣を獲り、食べる”という行為に深く踏み込んだのがスタッフである浅子智昭氏。
7年前に狩猟を始め、今年の春には野生鳥獣対策チームによる解体施設「富士山麓ジビエ」を立ち上げました。

自然ガイドやエコツアーを実施する組織がジビエ解体施設を運営する理由を、浅子氏のルーツを紐解きながらご紹介したいと思います。

自然ガイドが鹿を捌く理由

「ホールアースに入って2年目で沖縄校に赴任、6年間沖縄にいたんだけど、富士山に戻ってきたら、森が別の場所みたいに姿を変えてて。前は道路から森を見ても、藪だらけで中に入れない状態だったんだけど、戻ってきたらスカスカになってる。低木が食べられてるんだよね、動物たちに。大きい木だけ残って、小さいのは食べられちゃって、50年後この森はどうなるんだろう?って考えさせられた」

「で、それを守っていくには、自分で獲っていけばいいんじゃないかと。自然守ろうとか、自然大切だよって日頃のガイドで伝えてて、じゃあ自分はなんかやってんの、ってなったときに、そこまでやってないなって思って。自分が直接的に手を出す一つの方法が狩猟だなと」

「自分自身が猟に出るだけじゃなく、解体所を運営することで、猟師の親父さんとの小さい経済が回って、たくさんの人に美味しいジビエを食べてもらえて、富士山の森が守られる。大変だけど、やるしかないよね。」

浅子智昭、43歳、一児の父。職業はガイド兼、猟師兼、お肉屋さん。

”鹿”が”鹿肉”になるプロセス

富士山麓に佇む解体処理施設。周囲には里山の風景が広がる。

「先月は13頭買い取った。だいたい猟師の親父さんから電話がかかってくるのは朝の7時から8時くらいの間が多いね。仕掛けた罠の見回りを朝にばーっとして、獲れてたら俺に電話。」

「解体所に持っていけば捌く作業もしなくていいし、罠代くらいにはなるから、持ってきてくれる人がいるんじゃないかな」

搬入後最初の仕事として、内蔵を取り出し、皮を剥ぐ。 肉の熟成前に、食肉にならない部分や汚染された部分を切り落としておく。

「自分で初めて内臓を出したときのことをよく覚えてる。知り合いと猟に出て、そこで獲れたのを自分で腹割いて、心臓ガボッて取ったときの、あの内臓のあったかさ。熱いんだよね。熱い。燃えるような熱さ。あとむせるような血の臭い。今でも覚えてるね」

「そのときは井川のマタギの流れを汲む親父さんの罠にかかったんだけど、心臓を十字に割りな、って。で、東に向かって一礼しなさいよって言われて。獣の魂を山に返す儀式。初物だったらちゃんとやんなって教えてくれて。それはすごく印象的だったね」

個体受付確認表で肉の状態を確認・管理する。また、各部位に個体識別番号を付け、誰が、いつ獲ったどのような獣であるかを管理する。

解体から約5日間、冷蔵庫で肉を熟成させる。

自然ガイドの傍らで解体施設を運営することには難しさもありますが、スタッフどうしで助け合いながら、富士山麓の自然と真正面から向き合う日々を過ごしています。
私たちのミッションに共感してくださる方、「食べる」という形で富士山麓の自然をともに守っていきませんか?

◆富士山麓ジビエ◆
http://wens.gr.jp/gibier/
※お電話・オンラインショップから鹿肉の購入が可能です。

ホールアース自然学校

WRITTEN BY

ホールアース自然学校

Japan

1982年、動物農場として創設。
富士山・沖縄・福島・新潟に拠点を置き、キャンプやエコツアー、有機農業、狩猟、森づくり、地域支援等をツールとして、自然の中に身を置くこと、自然と共生することの価値を発信する団体。
株式会社ホールアース、NPO法人ホールアース研究所、農業生産法人・株式会社ホールアース農場の3つの組織から成り立つ。

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