音をDIY!もっと気楽に音楽にふれよう

表参道駅から徒歩約1分のCOMMUNE 2ndにメインキャンパスを置く「自由大学」。“知る楽しさと考える面白さを日常の中に取り込む”きっかけを提供するべく、ここでは様々な分野の学びをキュレーションしています。 そんな自由大学で行われている講義の中から、DIYer(s)編集部が気になるコンテンツをご紹介する本企画。今回は「音楽をDIY」する楽しさを学ぶ『DIYミュージック』をピックアップ!

公開日 2017.10.04

更新日 2022.01.11

音をDIY!もっと気楽に音楽にふれよう

テクノロジーを使い、暮らしに寄り添った音楽を楽しもう

自由大学では9月21日(木)より、機器や楽器の知識が無くても気楽に音楽の作成を学べる「DIYミュージック」の講義が開催されています。今回は、講師を務めるサウンドアーティスト、sawakoさんにお話をうかがいました。

自由大学とは

2009年に開校以来「大きく学び、自由に生きる」をテーマに、およそ170種類のオリジナル講義を実施している自由大学。9000人を超える人たちが受講しているこちらでは、それぞれが講義を通して自分について考え、人と対話し、そして思考力を身につけています。自由に生きるヒントを得る場として、様々な角度から「学び」を提供しているのです。

-まずは、sawakoさんが音楽の世界に入ったきっかけを教えてください。

「私は慶応大SFCという、テクノロジーを核にしながら様々な分野について学べる大学へ通っていたんです。そこで、ひょんなことをきっかけに受けた電子音楽の授業がおもしろくて。当時、私にはプログラミングなどの知識がなかったので、先入観もない状態で音楽を作ることができたんですよ。そんな私の作品を教授がとても評価してくださり、今私が作っている“テクノロジーを使った音楽”に本格的に興味を持つようになりました」

-sawakoさんが思う音楽のおもしろさとはなんでしょうか?

「私が作った時にイメージした通りではなく、聞く人によって思わぬ受け取り方をしてもらえる点がおもしろいですね。たとえば私の曲を映画で使っていただいた時、春風のイメージで作った曲が冬の雨のシーンで使われていたことがあったんです。そうすると今までとは全く違う聞こえ方がして、なおかつ、不思議なことにそれが映像とぴったり合っていたんですよ。多面的な楽しみ方をできるのは、音楽のおもしろさのひとつだと思います」

uta tane

-“音楽を作る”となると、ハードルが高いように感じられます。実際はどうなのでしょうか?

「まず、私たちが思っている以上に人と音には深い繋がりがあるんです。それこそ一部の国々では、コミュニケーションとして音楽が日常の中にあります。それが都会に暮らす人からすると、音楽といえば高度な技術や楽器の知識が必要なものになっていますよね。でも実際は、そんなに難しいものではないんですよ。今はアプリで簡単に音楽作りを楽しめますし、耳を澄ませば毎日いろんな音に囲まれていることに気づくはず。音楽を作ることも聞くことも、日常の延長にある身近なものであることに、皆さんにはぜひ気づいてほしいんです」

続いて、講義の内容や流れについて伺いました。

DIYミュージック ~耳を澄まして、自分だけの音楽を作ろう~

自由大学の講義は5回で1セット。そしてsawakoさんが担当をされている「DIYミュージック」では、基本的に携帯電話やパソコンのアプリを使って音楽作りをします。

これまでの受講生やゲストの方が作った音楽の一部は下記URLから視聴可能です!
URL:http://diy-music.com/listen/

流れとしては、毎回下記のようにされているそうです。
■1回目
受講生に好きな曲を一曲持ってきてもらい、それを流した上で自己紹介をしてもらいます。どういった音楽が好きか、趣味は何かなどといったバックグラウンドもあわせて聞き、どのような音楽の作り方が合いそうかを皆で考えるそうです。また、残りの時間で電子音楽の歴史や簡単なアプリの紹介もされているとのこと。これは決まったものを毎回紹介するのではなく、膨大な数のアプリの中から受講生一人一人に合わせたものをピックアップされているそうです。
■2~4回目
毎回違うゲストに来てもらい、ご本人の活動や音楽制作方法について紹介してもらいます。時には、フィールドワークに出たりセッションやサウンドスケープを楽しんだりすることも。
たとえばギタリストの方に来てもらった回では、受講生の方々がカセットテープレコーダーで録ってきた音にギターをあわせ、即興で音楽を作るといった内容の講義もあったのだそうです。
■5回目
最終回は、各々の作品の発表です。たとえば、自作のコマ撮りアニメーションのための音楽を作ったり、音のある風景を建築模型という形で提案したりするなど、受講生の仕事や特技を活かした個性豊かな作品が並びます。

受講生の中には、イラストレーターや料理家、ミュージシャンなどと言った、様々なバックグラウンドを持った方がいらっしゃるのだとか。

講義自体はどれも発表、共有の場となっているので、本格的に音楽作りを習いたい方は授業前でもどんどん来てくださいとのこと。せっかくの機会です。受講生の方はぜひ早めに向かい、sawakoさんから技術を学んでみてはいかがでしょうか?

音楽を作ってみよう

今回は、sawakoさんがまったくの初心者の受講生に紹介されることが多いiPhoneのアプリ、GarageBandで音楽作りを体験させてもらいました。

GarageBandでは、元々内蔵されている楽器の音(ギターやドラム、ピアノなど)の他、実際に鳴らした楽器の音や音声も録音して使えるそう。今回はまず、sawakoさんの声を入れさせてもらいます。

続いて、ドラム音を鳴らします。本格的なドラムセットがiPhoneの中に!思わず横から手を出してしまいました。

シロフォンを用意してくださっていたので、こちらも録音。

録音された音を重ねて、完成です。本当に簡単に音楽が作れてしまいました!このデータをPCに移し、音量の調整やエフェクトをかけることも可能なのだそうです。

そしてもうひとつ、簡単に音楽を楽しめるアプリをご紹介いただきました。

◯Lullatone
http://www.lullatone.com/

こちらのサイトでは、PC上にて簡単に音で遊べるアプリを作成、公開されています。公開されているもののひとつ、Typatoneを使わせていただきました。

好きなように文章を入力すれば完成!再生すると一文字一文字のイメージに合わせた音が鳴り、文章が音楽になります。 その他にも、新しいアプリは毎週のように発表されているようです。自分好みのアプリを探して、気軽に音楽を楽しんでみては?

最後に、この講義に込められた思いについてお伺いします。

-DIYミュージックを通して、受講生の方には何を得てほしいとお考えですか?

「この大学に来られる方は、人生の岐路に立っていることが多いんですよ。転職を考えていたり、フリーランスになることを考えていたり。そんな人たちが講義での出会いから刺激を受け、“音楽を作る”という行為を通して自分と向き合うことで、心にかけているリミッターを外せたら嬉しいですね。“こうあるべき”という、自分で作ってしまいがちな枠から自由になってほしいのです」

-最後に、音楽に興味があるけれどハードルを感じてしまっている方にメッセージをお願いします。

「まずは考えすぎずに、音にふれてみてほしいですね。耳を澄ませば、外を歩くだけでも今まで聞き逃していたいろんな音が聞こえてくるはず。それから、とにかく音を出してみてください。探してみればおもしろいアプリがたくさんあるので、音を鳴らすおもしろさを肌で感じてみてほしい。音楽のハードルは、全然高くないんですよ。ぜひ楽しんでみてください!」
sawakoさんが担当される次の講義が11月より開催されます。お申込みも受付中!機器や楽器の知識が無くても気楽に音楽の作成を学べる「DIYミュージック」に興味を持った方はこちらのページもチェックしてみてくださいね。
https://freedom-univ.com/lecture/diy_music_lab.html/

PROFILE

sawako
「音と暮らしとテクノロジー」をキーワードに、フィールドレコーディングやデジタル技術を用いて音楽を作るサウンドアーティスト。12kやscholeなどのレーベルからCDをリリースしている。楽曲担当として指名されたカナダのドキュメンタリー映画、「Geek Girls」が先日公開され、イギリスのドキュメンタリーフェスティバル 「Sheffield DocFest」にてワールドプレミアされた。

ブログ:http://ototabi.tumblr.com/

School Data

自由大学 COMMUNE 2ndメインキャンパス
住所:東京都港区青山3-13 COMMUNE 2nd内
URL:https://freedom-univ.com/

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