耐震基準って?費用は?中古住宅リノベーションで知っておきたい「耐震性」の話

古い住宅の耐震性能を向上させるには、どのようなリノベーションを行えばよいのでしょうか。当記事では、耐震性能を表す基準や、耐震リフォームが必要な物件の特徴、費用の目安など、物件の耐震性にまつわる知識を総合的にまとめました。これから中古住宅を購入する人は、ぜひ参考にしてください。

公開日 2020.12.23

更新日 2020.12.23

耐震基準って?費用は?中古住宅リノベーションで知っておきたい「耐震性」の話

近年ますます人気を集めている、古民家や日本家屋のリノベーション。現在はあまり使われていない趣ある建具や資材などを活かした、モダンなデザインに魅力を感じる人は多いでしょう。しかし、古い住宅は現在の耐震基準を満たしておらず、耐震補強工事でリフォーム費用が膨らむこともあるのです。そこで今回は、中古住宅リノベーションで知っておきたい耐震性について解説します。これから古い住宅を購入する人は、ぜひご一読ください。

中古住宅のリノベーションで見落としがちな、「耐震補強工事」の費用

中古住宅のリフォーム費用を決めるのは、何も内装・外装の工事費用や導入設備などだけではありません。見落としがちなのは、建物の耐震補強工事費用です。リフォームを行う物件が現在の耐震基準を満たしていない場合は、家の基礎部分や接合部の補強・強化などを行う必要があります。

耐震補強工事の費用はおよそ150万〜200万円で、より耐震性能の低い住宅だともっと高額になることも。また、物件の耐震性がわからない場合は耐震診断を受ける必要があり、診断料は簡単なものだと5万〜6万円ほど、より精密なものだと10万〜20万円ほどかかります。鉄筋か木造かなど、住宅の種類によっても費用は異なります。

耐震診断だけでもかなりの費用がかかるため、耐震性能の低い住宅はリフォーム費用がかさみやすいでしょう。できるだけコストをかけずにリフォームを行うためには、一定の耐震強度を満たしている物件を選ぶのがオススメです。

リノベーション時、耐震補強が必要になるのはどんな物件?

耐震基準って?費用は?中古住宅リノベーションで知っておきたい「耐震性」の話
耐震性が低い住宅にはいくつか条件があり、中古物件すべてに必ずしも耐震補強が必要なわけではありません。ここでは、耐震補強が必要な物件の特徴や、物件購入時に注目すべきポイントなどを紹介します。できるだけお得にリフォームを行いたい人や、どの建物を購入するか迷っている人などは、ぜひ参考にしてみてください。

建築基準法で定められた「新耐震基準」を満たしているかどうかがひとつの目安

日本で大きな地震が起こるたびに、耐震基準法は小さな改正を繰り返してきました。その中でも一際大きな改正が行われたのが、1981年6月1日の建築基準法大改正です。改正後の「新耐震基準」では、1978年に発生した宮城県沖地震の被害をもとに、新たな基準が設けられました。従って、現在建てられている建物は新耐震基準に則って基礎部分や壁などを構築しており、旧耐震基準のものよりも安全性の高い設計で造られています。

しかし、現代に残っている建築物でも、築40年を超えるものは旧耐震基準で設計されている可能性が高いです。中古物件を購入する際は、築年数や建てられた年などを確認し、どの耐震基準で造られた建物なのかを確認しておきましょう。特に、1981年より前に建てられた物件を購入する際は、注意が必要です。

住宅性能表示のひとつ、「耐震等級」も参考にしよう

住宅性能を表す基準のひとつに、「耐震等級」があります。耐震等級とは、物件がどれくらいの耐震性能を持っているかを示す指標のことです。全部で3段階の評価があり、数字が大きいほど耐震性が高くなります。

新耐震基準と同等の耐震性を持つ建物を「等級1」とし、その1.25倍であれば「等級2」、1.5倍であれば「等級3」と定めています。等級1にすら認められない物件は、現在の耐震基準を満たしていないことになるので、リフォーム時に補強工事が必要です。ただし、耐震等級の算出方法は、建築基準法の算出方法とは異なるので注意しましょう。

適切なメンテナンスがされていないと耐震性にも悪影響が!

1981年6月以降に建てられ、かつ新耐震基準に則って造られているにも関わらず、住宅の耐震性が現在の基準値に届かないケースもあります。建物のメンテナンスが適切に行われていないと、建物の基礎部分が劣化し、耐震性が損なわれてしまうのです。定期的な修繕が行われているか、これからの修繕計画はどうかなどを前もって不動産屋に確認し、きちんとメンテナンスされている物件を購入しましょう。

本格的な耐震診断の前に!耐震性能セルフチェックのやり方

耐震基準って?費用は?中古住宅リノベーションで知っておきたい「耐震性」の話
床下や外壁などをチェックすることで、ある程度は自分で耐震性能を確認できます。リフォーム予算を決める基準など、あくまで目安として使用するとよいでしょう。正確な耐震性を知りたい時は、プロに依頼するのが安心です。

まず基礎部分や床下、外壁を目視し、ひび割れや表面の荒れ・変色、資材の浮きなどがないか確認します。床板の裏に断熱材が入っている場合は、それらが外れていないかもチェックしましょう。住宅の内装も同様に、床材や壁、天井、建具などに破れや割れ、変色などが発生していないか点検します。また、建具は壁との間に隙間が開いていないか、不自然にこすれている箇所はないかなども要確認です。可能であれば屋根裏に入り、断熱材に隙間はないか、木材は腐敗していないかなども点検するとよいでしょう。

どんなことをするの?耐震強度を高めるリフォームの施工内容と費用目安

旧耐震基準の住宅をリフォームし、現在の耐震基準を満たす建築にリフォームする耐震工事の費用目安は、約150万〜250万円です。工事内容によって金額はかなり異なりますが、冒頭でも触れた通り、基本的に多くの費用がかかります。ここでは、より具体的な耐震補強リフォームの施工内容と、その費用をまとめました。

土台や筋交いを補強!建物の強度を高めるリフォーム

耐震基準って?費用は?中古住宅リノベーションで知っておきたい「耐震性」の話
多くの耐震工事で使用されるのは、建物そのものの強度を高めるリフォームです。主な内容は、耐震補強金物の取り付け、耐力壁の設置、基礎部分の補強など。耐震補強金物は、建物を支える柱や筋交い、土台や基礎部分などの接合部をより丈夫に繋ぎ止める役割があります。10箇所ほどを目安に取り付けした場合、費用はおよそ30万〜40万円です。壁の補修工事が追加される場合は、それだけ追加費用もかかります。

ちなみに「耐力壁」とは、風や地震などによる水平方向の力に抵抗し、建物を支える機能を持った壁のことです。筋交いの入った耐力壁を見たことがある人も多いでしょう。これらを家にバランスよく配置することで、建物の耐震性を向上できます。費用は設置する場所によって異なり、9万〜15万円ほどが相場です。

旧耐震基準の住宅には、基礎部分に「鉄骨」と呼ばれる鉄針が入っていないケースもあります。鉄骨入りの基礎を増設する場合、施工費用は40万〜60万円ほどです。耐震工事の中ではやや高額なリフォームですが、基礎補強をきちんと行うことによって、地震時も安定して家を支えられるようになります。

建物を軽量化!屋根材を葺き替えるリフォーム

耐震基準って?費用は?中古住宅リノベーションで知っておきたい「耐震性」の話
資材を変更し、建物の軽量化を図るリフォームもあります。代表的な施工は、屋根の葺き替え工事です。既存の屋根の上から資材を被せるカバー工法とは違い、葺き替えは下地部分から丸ごと屋根を取り替えていきます。屋根材が新しくなるだけでなく、下地の劣化やトラブルなども修理できるメリットがあります。

費用は屋根材の種類によって異なり、昔ながらの瓦から軽量のスレート材やガルバリウム材に変更する場合、70万〜210万円ほどかかります。セメントや石などを原料とするスレート材より、金属のガルバリウム材のほうがやや高額になるでしょう。

いざというときも安心!耐震シェルターを設置するリフォーム

耐震シェルターは、近年注目を集めている耐震対策リフォーム。「家の全面に耐震工事を施すと予算オーバーしてしまう」「よりお得に耐震工事を行いたい」という人にオススメの施工です。

「耐震シェルター」とは、既存住宅の中に設置された耐震性の高い空間をいいます。住宅の一部に新たな部屋を増設するイメージです。地震で建物が崩れてしまっても、耐震シェルターが倒壊することはありません。ベッド型・部屋型・クローゼット型・テーブル型などさまざまなタイプがあるので、住宅の広さや予算などに合わせて選ぶとよいでしょう。設置の平均費用は90万円ほどですが、商品によっては30万〜50万円ほどで導入できるものもあります。

活用しないと損!耐震補強に使える補助金・助成金などはしっかりチェック

耐震補強では、国や自治体が行っている補助金制度・減税制度なども利用できます。地域によって補助の条件や上限金額などが違うので、住んでいる自治体のホームページなどを確認しましょう。

例えば東京都千代田区では、「1981年5月31日以前に設立され、区で耐震診断を受けた木造住宅」を対象に、上限120万円を助成する耐震化促進助成制度があります。ほかにもさまざまな地域で独自の制度があり、それぞれ住宅診断の結果や建物の構造などが詳しく定められていることもあるので、注意しましょう。
(参照元:https://www.city.chiyoda.lg.jp/documents/4317/mokuzojutaku-1.pdf

また東京都23区では、「耐震工事後の住宅が半分以上住居スペースであること」「耐震工事費用が50万円以上」「耐震基準を満たしている証明書を受けていること」などを条件に、1年分の固定資産税・都市計画税を全額免除する制度があります。地方公共団体によって減税の条件などが異なるため、それらも併せて確認してみてください。
(参照元:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shisan/info/taishin.html
耐震基準って?費用は?中古住宅リノベーションで知っておきたい「耐震性」の話
耐震補強が必要になる築年数の古い家のリフォームでは、断熱やバリアフリー、省エネなどのリフォームが必要なケースも多いです。それらを網羅した助成金・補助金制度もあるので、施工内容に応じて活用を検討するとよいでしょう。
こちらの記事は、耐震・バリアフリー・省エネリフォームなどに使えるリフォーム減税制度について紹介しています。減税の種類や対象となるリフォームといった基本情報から、確定申告で必要な書類、手続きの仕方まで詳しくまとめられていますので、これから活用できる減税制度を探したい人にはオススメです。
耐震基準って?費用は?中古住宅リノベーションで知っておきたい「耐震性」の話
古い日本家屋や平家などは、現在ではあまり見られないデザインや工法などが使われていて魅力的です。その一方で、現在の耐震基準を満たしていない建築物も多く、リノベーションに多くの費用がかかることもあります。場合によっては、住んでいる地域の助成金・減税制度などを利用して、お得にリフォームを行うことも視野に入れましょう。
具体的なリノベーション内容や費用、耐震診断の相談などは、耐震リフォームの実績豊富な「カシワバラ・コーポレーション」にぜひお問い合わせください。

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