“仕舞えるだけ”の収納で満足?汚れも防げる超快適サイドテーブルをDIY

決して綺麗な地面ばかりではないキャンプサイト。お気に入りのギアをそのまま置いておくのがはばかられる場面も多々ありますよね。今回はそんな声にお応えして、トランクカーゴを宙に浮かせてしまう折りたたみスタンドをDIY!しかも、小物を入れやすくなる仕切り板も一緒に作る、2本立てでお送りいたします。

2023.11.02

はじめに

近年、お気に入りのキャンプギアを、使い勝手のいいようにリメイクする人が続々と増えているのはご存知でしょうか?自分で手を入れてカスタマイズするからこそ、愛着が湧いてより永く使っていくことができるのだそうです。
そんな話を聞いたら、DIYer(s)編集部だって黙ってはいられません!本記事では当メディアでもお馴染みの収納アイテム、トランクカーゴをより使いやすくカスタマイズしていきたいと思います。宙に浮かせたり、仕切ったり、サイドテーブルにしてみたり、編集部の夢が詰まった仕上がりになっていますので、ぜひ真似して作ってみてください!

作るもの

本記事では2つのDIYレシピをご紹介するのですが、まず一つ目がこちらのスタンド。ご覧のように、取り付けることでトランクカーゴが地面から数センチ浮きます!こうすることで、キャンプサイトの荒れた地面に直接置かなくて済むので汚れる心配がなくなりますし、中の荷物を立ったまま取り出すことができる高さになってくれます。さらにキャンプチェアの横に置けばサイドテーブルとしても使えなど、一石三鳥のすぐれものとなっています!
「えっ、これどうやって固定してるの?」と思ったあなた、鋭いですね。実はここの仕組みが本プロダクトの目玉となる部分。トランクカーゴの側面にあるこちらの溝を利用してスタンドを固定しているんです。おそらく本来は蓋の縁がベコベコと動いてしまわないためのスペーサーなのだと思われますが、「こんな良い溝を使わない手はない!」ということで、木材と組み合わせてみました。
トランクカーゴDIYは世の中に数知れませんが、この溝を利用したのはDIYer(s)が初ではないでしょうか...!?
しかもこのスタンド、撤収時にはこの通り、コンパクトに折りたたむこともできるんです!こうなってしまえば車のちょっとした隙間に入れておくこともできて、スペースを圧迫することもありませんね。

材料

ヒノキ工作材(脚部分):10×15×900mm 4本
丸棒:8×910mm 2本
ふくろナット M4
さら小ねじ 30mm M4
蝶ナット M4
今回使うのはTC-30Sという比較的コンパクトなタイプのトランクカーゴ。同製品は高さや横幅などさまざまなサイズ展開がありますので、お好みの製品に合わせたサイズで作ってみてください。ちなみに、前述した材料はあくまでもTC-30Sに合わせたものですので、お使いになるトランクカーゴに合わせて材料も調整しましょう!

STEP.01 木材のカット

それでは、早速作業に入っていきましょう!まずはスタンドを構成する木材を切り出していくために、木材を端から430mm、433mmそれぞれの地点でマークし、斜線で結んでください。どうしてこのようにするかというと、今回のスタンドは地面に対してハの字に立つことで、バランスを保つ構造になっています。なので、地面との接地面を平行にするために、3mmずらして角度をつけている、ということなんです。
マークができたら、手のこでカットしていきます。角度がずれないように慎重に作業を行ってください。
また、木材が長いのでカットしている途中でグラグラと揺れてしまうことがあります。そうなると切断面がズレる上に危険なので、クランプで固定するか誰かに抑えてもらいながら作業するようにしましょう。
同様に、残りの3本の木材も角度をつけてカットしていきます。毎回長さを測るのも手間なので、写真のように1本目の木材をガイドにしながら作業を進めるとスムーズです。
次に、切り出した木材を連結させるために丸棒や蝶ナットを使っていくのですが、そのための穴を開けていきます。写真の通り、木材の中心線に合わせて定規を置き、上から100mm、下から75mm・110mmそれぞれの地点をマークしてください。
マークを終えたら、それぞれにドリルで穴を開けていきます。8mm径のドリルビットを使用して、3箇所それぞれを処理してください。
次に、開けた穴に入れるための丸棒をカットしていきたいと思います。こちらは手のこで4本とも255mmでカットしてください。
ただ丸棒を切り出しただけでは、先ほど開けた穴には入っていきません。そこで、カッターを使って先端を加工していきます。ここでの注意点ですが、あまり削りすぎては穴に対して棒が細くなってしまい、安定感が薄れてしまいます。鉛筆の芯を削るように、何度も穴に合わせながら少しずつ作業を進めてみてください。
いい具合の形になってきたら、紙やすりなどで表面を整えます。こうして滑らかにしておくことで棒がギリギリまで穴の奥に入っていき、上手くフィットします。

STEP.02 各パーツの接合

ここまでの工程で各パーツの加工は済みましたので、いよいよ組み立てに入っていきたいと思います。まずは丸棒を入れるために、穴に木工ボンドを薄く流し入れます。
そして先ほど加工した先端を穴に向かってグッと押し入れます。両方の脚に計4本の丸棒を差し込めば自立しますので、上手くできているかの確認で、冒頭でご説明したトランクカーゴの溝に木材を取り付けてみてください。
丸棒だけでも自立はしますが、このままでは安定性に欠けるため、揺れ防止に木材を渡していきます。用意した木材は脚部分をカットしてもまだ半分以上残っているはずですので、写真のようにスタンドに対して横向きに合わせてみてください。そして、下から110mmの地点に開けた穴からペンや金具を通して印をつけておきます。
印をつけた箇所を4mm径のドリルで穴を開け、スタンドと蝶ネジで連結できるようにしておきましょう。
上記の工程を4箇所にそれぞれ施すと、このような状態に。測ってみると、接合部分の間隔は470mmで、ちょうど開き具合もちょうど良くなっていました。参考にしてみてください。
さて!この段階でほとんどスタンドの形は出来上がっていますね。あとは仕上げをするだけですので、完成までもう少しです!
用意していた蝶ネジをネジに取り付け、しっかりと締めてください。
そして、はみ出していた揺れ止めの木材を手のこでカットして、見た目を整えていきます。

完成

以上で完成です!前後左右の揺れにも強い、オリジナルのスタンドが仕上がりました。今回はあえて木材は塗装しませんでしたが、トランクカーゴのナチュラルな色合いとマッチして、いい雰囲気になってくれています。
ちなみに、先ほど取り付けた蝶ネジを手で緩めればこの通り、パタンと折りたたんでコンパクトに収納することもできます。先ほどの安定感からは想像できないほどスタンド自体は軽量なので、女性でも片手で持ち運ぶことができます!見た目もスッキリとしていて、非常にクオリティの高いスタンドになりました。

材料はたったの板1枚!仕切りも作ってみよう

これで終わりだと思ったら大間違い。今回はトランクカーゴの中にも一つ仕掛けを作っていきます。そして、先ほどのスタンドで利用した溝に続いて、次もトランクカーゴにあるニッチな溝を攻めていきたいと思うのですが、その溝というのが...
そう、ここの溝です。ちょうどトランクカーゴの”くびれ”の位置にある溝ですが、本来の使い方ではあまり意味を感じることができないものになっていました。次はここに注目して、さらに利便性を獲得するための上下の仕切り板をDIYしていきたいと思います。
引き続きサイズはTC-30Sを基準に作っていきたいと思います。そして、より簡単にみなさまに真似していただけるよう、図面を用意してみました!こちらを原寸サイズで印刷していただければ作業がとても楽になるのですが、A3用紙2枚分と少し大きめです。そのため、何枚か印刷してつなぎ合わせるなど工夫していただいて、ぜひご活用ください。
そして、必要な材料は9mm厚のベニヤ板が1枚だけ。端材でもできてしまう簡単DIYなので、お気軽にチャレンジしてみてください。

STEP.01 図面に沿ってカット

それでは作業を開始!まずは型紙を仕切りの形にハサミでカットして、それをベースに木材へ書き写していきます。ちなみに作業中に紙が動いてしまうとやりづらいので、マスキングテープなどで固定しながら進めるのがオススメです。
マークできたら、ジグソーでカット。写真のように、木材の端を使うようにしておくとカットの手間が減り、時短となります。

STEP.02 持ち手をつける

次に蓋を持ち上げるための持ち手をつけるべく、ホールソーで中心に穴を開けていきます。この穴の大きさはお好みで問題ありませんが、今回は25mmとしました。
穴が開いたらこんな状態!仕切り板としては既に機能しそうですね。ここで完成としていただいても構わないのですが、今回は利便性を高めるためにもうひと手間をかけてみたいと思います!

STEP.03 半分にカット

出来上がった仕切り板を、さらに真っ二つにカット。ホールソーで開けた穴に向かって、左右から切り込んでいくイメージで作業してみてください。こうすることでどんなメリットがあるのかは、この後のお楽しみ。

完成

1枚の板で作れるお手軽仕切り板、完成しました!実際にトランクカーゴにはめてみると分かりますが、予想以上のフィット感で、かなりの耐荷重を期待できそうです。それでは、先ほどのスタンドと一緒に、早速使ってみましょう!

設置

外に出たら、まずはスタンドの組み立て。折りたたまれていた状態のものを開いて、蝶ネジを締めて固定することで自立します。
そしてトランクカーゴを載せると...こうなりました!脚をハの字にした甲斐あってかなりの安定感があります。試しに、それなりに荷物を入れてから前後左右に揺らしてみましたが、ほとんど揺れは感じませんでした。
また、地面からもしっかり浮いてくれているためトランクカーゴが汚れてしまう心配もなく、何より屈まなくても中の荷物を取り出すことができるのがとても便利です。
キャンプチェアの横に置くとこの通り!サイドテーブルとしてもちょうど良い高さですね。荷物を極力抑えたい時、テーブルを持っていくのは嵩張ってしまうので躊躇しますが、これなら無駄もなくスマートです。ちなみに、今回使用したTC-30Sはコンパクトながら蓋の面積も程よいので、サイドテーブルにするにはオススメのサイズでした!
撤収時には、蝶ネジを手で緩めるだけでパタンと畳んでコンパクトに収納することができます。留め具によってはドライバーや六角レンチが必要になってしまうのですが、今回はキャンプサイトで手軽に調整ができるよう蝶ネジを採用しているのもポイントです。
中を開けるとこの通り。仕切り板を作ったおかげで立体的にものを積むことができるようになりました。キャンプギアの中にはランタンや食器などの割れ物もあるため、あまりガチャガチャと収納するのが憚られることも多々ありますよね。ところが、この仕切り板を入れておくだけでそうした心配もご無用!大切なギアを守りながら、トランクカーゴの収納力も最大限に活かすことができるんです。
「でも、これって背の高いものが入らなくなっちゃうんじゃ...?」と思った方もいるのではないでしょうか?最後に仕切り板を半分にカットしたのは、そんなあなたのためでした。というのも、収納するものによっては写真のように、板を片方外して、逆側に重ねておきます、こうすることで、部分的に仕切りつつ、2ℓのペットボトルなど背の高いものを収納することができる設計になっているんです。
以前の記事で、座面をDIYしてトランクカーゴをオットマンに変身させる方法をご紹介しました。それを今回のサイドテーブルと合わせて設置してみると...この通り!トランクカーゴ尽くしの、夢のような快適環境を作り出すことができました。普段キャンプをやらない人が見たら、まさかこれがどちらも収納アイテムとは思わないでしょう。トランクカーゴに秘められた底知れないポテンシャルを感じる、有意義なDIYとなりました。

まとめ

トランクカーゴの2本立てDIY、いかがでしたでしょうか。キャンパーみなさまはもちろん、お部屋で収納としてトランクカーゴをお使いの方々にもぜひチャレンジしていただきたいDIYレシピとなりました。他にも、「この製品、こうなったら便利なのに」というアイデアがある方は、ぜひご自身で作ってみてはいかがでしょうか?
撮影:薮内努(TAKIBI)
監修:岩西剛

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