店舗を改装したい! 費用や補助金制度、改装のコツやコロナ対応のポイントを徹底解説

店舗の改装にかかる費用、活用できる補助金制度、失敗しない店舗リフォームのコツなどをまとめました。「withコロナ時代」を意識した店舗作りなどにも触れているので、個人経営の実店舗型ビジネスを営んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

公開日 2020.12.12

更新日 2022.11.24

店舗を改装したい! 費用や補助金制度、改装のコツやコロナ対応のポイントを徹底解説

コロナ禍を経て、働き方や家での過ごし方など、生活が大きく変わった方も多いのではないでしょうか。外食に行く際はなるべく人の少ない店舗を選んだり、テイクアウトを利用するようになったりと、人々が店舗やサービスを選ぶ基準も多様化しているようです。

この記事では、店舗改装にかかる費用、使える補助金制度などをご紹介します。「新しい生活様式に対応するために、店舗の改装を行いたい」「店舗改装に使える助成金を知りたい」という方はぜひ読んでみてください。

店舗の改装にかかる費用の目安は?

店舗の改装費用は、施工面積や店舗の業種によって変わるほか、居抜き物件かスケルトン物件かなどの種類によっても大きく変化します。アパレル・雑貨などの小売店、自宅を改修したオフィスなどでは、特注の設備や水回りの工事などが必要ないケースも多く、比較的安価に改装が可能です。逆に、厨房設備のある飲食店、シャワーの設置が必要な美容室・サロンなどは工事費用が高くなる傾向があります。
店舗を改装したい! 費用や補助金制度、改装のコツやコロナ対応のポイントを徹底解説
【改装費用の目安】
飲食店(居抜き物件):15万〜30万円/坪
飲食店(スケルトン):40万〜60万円/坪
美容室・サロン(居抜き):15万〜20万円/坪
美容室・サロン(スケルトン):20万〜50万円/坪
小売店・オフィス:10万〜20万円/坪

複雑な設備を導入する場合や、新しく物件を購入する場合などはさらに費用がかかります。また、どこまでデザインにこだわるか、床材やインテリアは何を使うかなどでも金額が大きく変わるので、上記の金額はあくまで目安としてください。費用を削減したい場合は、壁紙や簡単な家具をDIYで自作するなど、内装を低予算で抑えるのもオススメです。

店舗の改装に使える補助金制度の一例を紹介

店舗の改装は、一般的な住居リフォームよりも多くの費用がかかります。改装の種類によっては補助金が活用できるので、事前に準備しておくと安心です。ここでは、コロナ禍で新たに設置された事業も含めて、店舗リフォームで使える最新の補助金制度をお知らせします。

受動喫煙防止対策助成金

店舗を改装したい! 費用や補助金制度、改装のコツやコロナ対応のポイントを徹底解説
2020年4月から、多くの人が利用する施設や店舗での禁煙が義務化されました。それに伴い、喫煙室設置や空調管理機の導入など、分煙設備の設置費用を補助する制度が設立されました。
対象となる店舗は、小売業、サービス業、卸売業などを行う中小企業です。資本金や従業員の数などが業種ごとに定められているので注意しましょう。喫煙室の設置にかかる電気・配管工事、建築工事、材料費、設計費、機材導入費などに適用され、デザインやインテリア、消耗品といった設置費用以外は認められていません。単位面積あたりの上限金額なども詳しく定められているので、店舗の広さによって使える助成額も異なります。

【受動喫煙防止対策助成金の補助額】
上限金額:100万円
設置予定の禁煙室などについて、単位面積あたりの上限金額:60万円
補助率:リフォーム費用の2分の1(既存特定飲食提供施設は3分の1)

受動喫煙防止対策助成金
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049868.html

小規模事業者持続化補助金

店舗を改装したい! 費用や補助金制度、改装のコツやコロナ対応のポイントを徹底解説
こちらはサービス業や飲食、宿泊、製造業などさまざまな小規模事業者を対象とした補助制度で、店舗の改装にも活用が可能です。販路の開拓、非対面型ビジネスへの転換、新型コロナ対策、などで使用されており、改装費や設備導入費、また新商品開発でかかった専門家謝金、資料購入費などを幅白く支援していますが、物件購入の費用には適用されないので注意しましょう。

この補助金は小規模事業者を対象にした制度なので、従業員の数に制限があります。商業・サービス業は5人以下、宿泊業・娯楽業・製造業は20人以下に定められているので、すべての事業者が対象となるわけではありません。

【小規模事業者持続化補助金の補助額】
コロナ特別対応型の上限金額:100万円
補助率:3分の2〜4分の3

小規模事業者持続化補助金
https://r3.jizokukahojokin.info/doc/r3i_gaidobook.pdf

業務改善助成金

働き方改革のひとつとして実施されている、最低労働賃金引き上げを支援する助成金です。最低賃金を底上げし、生産性を向上するために必要な設備導入費などに適用されますが、店舗の改装費として使用された例も存在します。

対象となるのは、「事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差が30円以内」「事業場規模が100人以下」の2つを満たす事業者です。最低賃金の引き上げ額や引き上げる従業員の数、現在の賃金などによってコースが分かれており、助成率や上限金額が異なるので注意しましょう。

【業務改善助成金の補助額】
上限金額:25万〜450万円(従業員数、引き上げ額によって異なる)
補助率:5分の4(最低賃金850円未満)、4分の3(最低賃金850円以上)
なお補助率は、改善の結果、生産性向上を実際に満たした場合は、10分の9(最低賃金850円未満) 5分の4(最低賃金850円以上)へ引き上げられます。

業務改善助成金
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、事業の再構築を目指す企業を対象とした補助金制度です。新たな業種や業態への転換、新分野への参入、事業再編など思い切った取り組みを行う企業を支援するための制度です。

補助金の対象となるのは、機械やシステムの構築・導入、広告宣伝費、外注費などをはじめ、建物の建築・改修も含まれます。そのため、飲食店が新たにテイクアウト事業を始めるにあたり店舗を改装する、といったときに必要な費用も補助金でまかなえます。

こちらの補助金は、通常枠や大規模賃金引上枠、回復・再生応援枠、最低賃金枠、グリーン成長枠、緊急対策枠などの枠が用意されており、それぞれ必須申請要件が異なります。詳しくは、以下の資料をチェックしてみましょう。

事業再構築補助金
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/download/jigyo_saikoutiku008.pdf

売上向上につながる店舗改装のコツ

暮らしの変化とともに、顧客が求める店舗や業態なども変わりつつあります。売上向上を目指すには、どのような点を意識してリフォームすればよいのでしょうか。ここでは、業績アップにつながる店舗改装のポイントを紹介します。

動線や設計をレイアウト段階から意識する

店舗を改装したい! 費用や補助金制度、改装のコツやコロナ対応のポイントを徹底解説
動線を意識した内装・レイアウトは、店舗リフォームで欠かせないポイントのひとつです。顧客だけでなく、スタッフの動線にも気を配り、2つがなるべく交わらないように適切な配置を考えましょう。事前に動線や全店舗体の設計を組み立て、作業効率や生産性なども考慮すると、一層効果的です。

また、店舗の業態によってふさわしいレイアウトは異なります。たとえば、小売店や販売店では店内をじっくりと見て回れるように顧客の動線は長く取ります。他方、飲食店ではスタッフがスムーズに業務を行える動線作りが好まれるでしょう。業種に合った正しい動線をレイアウト段階から意識してみてください。

現状の課題を洗い出して問題解決を目指す

店舗を改装したものの「以前よりも集客が減り赤字になった」「問題解決につながらず無意味なリフォームになってしまった」などといった失敗例は多いです。改装の目的意識が薄いと、逆に固定客を失ったり改修費で借金が膨らんだりと、デメリットになることもあります。

店舗改装で失敗しないためには、事前に何が現状問題かを事前に洗い出し、必要な箇所から改装することがポイントです。特定の意図がない場合は、デザインの大幅な変更などは行わず、部分的な修繕や設備の交換などにとどめましょう。店舗の現状や傾向などをきちんと分析し、方針を定めてからリフォームを行うことが大切です。

予算と工期の目安を把握する

店舗を改装したい! 費用や補助金制度、改装のコツやコロナ対応のポイントを徹底解説
店舗改装では、予算や資金繰りの方法、何週間店舗を閉めるのか、どんなリニューアルを施すのかといった事柄を事前にイメージし、予算と工期も考慮しつつ、最良の改装を目指すことがポイントです。

店舗改装は、普通の住宅とは違ってよりシビアに工期を決める必要があります。店舗の工事中は営業ができないため、売上が全く入ってこない状態になるからです。施工の期間が長くなるほど経営は赤字になるので、店舗を閉められる期間をあらかじめ計算しておきましょう。無理に長期間店舗を閉めるのではなく、限られた期間中に可能な工事を業者に相談するのがオススメです。

また、店舗改装はローンを組めないケースも多く、銀行で融資を受けるのが一般的です。しかし経営状況などによっては融資が受けられないこともあるので、十分に資金調達の目処が立ってから改装を依頼するとよいでしょう。「改装資金にはいくら必要か」など、必要な情報を正確に把握するのが大切です。

改装費を回収するための時間を試算する

店舗改装には多額の費用がかかり、工事中の営業も難しくなる可能性があります。そのため、投資を何ヶ月・何年で回収するかをシミュレートすることが成功の秘訣です。

とはいえ、経済回復の見通しがつきにくく、売上予想を立てづらい業種もあるかもしれません。「大幅な改修をしたいものの予算が足りない」「費用の改修に時間がかかりすぎる」といったときは、無理に借入額を増やすのではなく、助成金制度なども積極的に活用してみてください。

コロナ禍の今、店舗改装に求められる要素とは?

店舗を改装したい! 費用や補助金制度、改装のコツやコロナ対応のポイントを徹底解説
コロナ禍における店舗改装に求められる要素として、徹底した感染対策の実施が挙げられます。たとえば、間仕切りの設置やアルコール消毒などが該当します。また、メインのターゲットに特化したお店づくりを意識することも大切です。

徹底した感染対策を行うこと

消費者が安心して過ごせるよう、徹底した感染対策を行いましょう。たとえば、来店客が直接触れるイスやテーブルなどのアルコール消毒、入店前に体温を計るための検温機器の設置、抗菌コーティングなどが挙げられます。

また、間仕切りの設置も感染対策として有効です。近年では、カウンター席のみの飲食店でも、座席ごとにアクリル板などを用いた間仕切りを設置するケースが増えています。間仕切りを簡単に脱着できるよう設計しておけば、複数名で来店した方へも容易に対応できます。

来店客との接触を極力回避できるような工夫も求められます。たとえば、タブレット端末でオーダーできるシステムの導入です。システムの導入により、スタッフがオーダーをとりに行く必要がなくなり、接触の頻度を減らせます。オーダーの聞き間違いなど人為的なミスを回避できるのもメリットです。

自店舗の強みを「特化」させること

新型コロナウイルスの脅威がまだ完全に去っていない現代において、店舗に徹底した感染対策を施すのは当然です。ただ、集客のことを考えるとそれだけではなく、消費者が足を運びたいと思えるようなお店づくりが求められます。

成功のポイントは、狙っているターゲットに特化したお店づくりです。たとえば、シニア層がメインの客層であれば、店舗入り口へのスロープやトイレへの手すり設置など、バリアフリーな店づくりが求められます。

また、子連れの母親がメインターゲットであれば、キッズスペースやトイレへのおむつ台設置が有効です。このように、狙っているターゲットに特化したお店づくりを意識すれば、来店客によい印象を与えられ、口コミでよい評判が広がる可能性もあります。

まとめ

新しい生活様式に向けて、店舗の改装を行う事業主が増加しています。リフォーム内容によっては給付金や補助金制度を活用するなど、無理のない資金繰りを採択しましょう。これからの店舗リフォームをお考えなら、実績豊富な「カシワバラ・コーポレーション」へ相談してみてはいかがでしょうか?

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