リフォームの相見積もりの取り方とは?上手な断り方やマナーも丁寧に解説

リフォームの際に必要となるのが相見積もりです。相見積もりが必要な理由、相見積もりの具体的な方法、注意するポイントなどの基本的なことから、相見積もりを行う際に必要なマナーや、業者への断り方など、相見積もりの詳しい情報をまとめました。

公開日 2022.06.25

更新日 2023.04.14

リフォームの相見積もりの取り方とは?上手な断り方やマナーも丁寧に解説

リフォームをしてもらう業者を決めるには、複数の業者に見積もりを依頼する相見積もりがオススメです。しかし、相見積もりとは何か、気を付けるべきポイントなど、わからないことが多く困っている人も多いのではないでしょうか。そこで、まずは相見積もりが必要な理由や具体的なやり方、重要なポイントなど、基本的な情報を解説します。また、業者への上手な断り方やマナーも紹介します。

リフォームに相見積もりが必要な理由

リフォームの相見積もりの取り方とは?上手な断り方やマナーも丁寧に解説
リフォームは住宅の広さや築年数、状態などさまざまな要素によって費用が決まるため、詳しい金額は見積もりを取ってみないとわかりません。もちろん、インターネットで調べたり、経験者に話を聞いたりすることで大まかな金額は把握できるでしょう。しかしいざ見積書を確認すると「思わぬ損傷が見つかり、相場よりも割高になってしまった」「複数箇所をまとめて施工したため割引で安くなった」など、予想していた費用感と異なる場合も多いです。

一般に、書面の施工内容などだけから費用を判断するのは難しいでしょう。加えて、一社から見積もりを取っただけでは、「費用は適正か」「なぜこの金額になるのか」などを見極めづらいため、複数の業者から相見積もりを取ることで適正価格を把握する目的もあります。

相見積もりで大切なのは、見積書をよく比較し「金額の理由や条件の違い」「施工の内訳」などを理解したうえで、信用できると感じた業者を選び出すことです。
施工内容が同じでも、業者によって提示される金額が異なる場合もあります。疑問に思ったことはなるべくその場で質問してください。その際、金額だけでなくスタッフの対応力なども併せてしっかりとチェックしましょう。

相見積もりのやり方

相見積もりを取る時は、知りたい情報や住宅に求める条件などを書き出し、それぞれの業者に伝える情報を整理しておくと安心です。ここでは、相見積もりの取り方や注意すべきポイントを紹介します。

目的を再確認しておく

リフォームの相見積もりの取り方とは?上手な断り方やマナーも丁寧に解説
相見積もりを取る時は、ただ漠然と説明を聞くのではなく、あらかじめ相見積もりで達成したい目的を決めておくとよいでしょう。多くの人は「費用の相場を確認しつつ、お得な施工会社を選びたい」「業者の選び方がわからないので、説明を聞きながら納得できる業者を選びたい」など、相見積もりを取ることで知りたい情報があるはずです。
こうした「自分はなぜ相見積もりを取るのか」を振り返り、比較基準として明確化しましょう。あらかじめこの基準が定まっていれば、適切な業者を選定しやすくなります。

また、初めてリフォーム業者と打ち合わせをする場合、「どのような質問をすべきか」「何に重点を置くべきか」などがわからず、不安になる人も少なくありません。上記のように「相見積もりの目的」を自分の中で決めておくことで、初めての打ち合わせでも冷静な判断力を失わずに済むでしょう。

各社に同じ内容で見積もりを取る

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相見積もりを取る時は、複数の業者をまったく同じ条件で比較しなければ意味がありません。「A社には間取り変更の相談を、B社には水回りの変更を依頼する」など、業者ごとに異なる相談を持ち掛けてしまうと、サービスの内容や費用などを正しく比較できず、相見積もりのメリットを活かせない恐れが生じるため注意しましょう。

オススメなのは、依頼したい内容や希望のデザイン、予算などを書面に起こしておき、打ち合わせの際に担当者に渡すことです。優先順位の高い希望を箇条書きにするなど、ざっくりとした内容でも構いません。信頼できる業者なら、その希望書を参考にしつつ、イメージのすり合わせや施工内容の提案などを丁寧に行ってくれます。
また、同じ希望書を複数の業者に提示してみましょう。金額・提案内容・担当者の雰囲気などを具体的に比較しやすくなります。これにより、金額以外の要素も総合しつつ、業者を選びましょう。

リフォームの相見積もりで失敗しないためのポイント

業者選びは、リフォームの満足度を左右する大切なポイントです。ここでは、「相見積もりを依頼する業者数の目安」をはじめ、「準備するもの・確認事項・注意すべきマナー」などまで、失敗しないためのポイントを詳しく紹介します。

相見積もりを出す業者は3社程度でOK

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見積もりを依頼する際は、担当者との打ち合わせのほかにも、現地調査・見積書の確認といった多くの工程を踏みます。そのため、あまり多くの業者に相見積もりを依頼すると時間・コストがかさみ、なかなかリフォーム業者が決められなくなってしまいます。
加えて、見積書の作成が有料の業者もあるため、多くの業者に依頼し過ぎるとせっかくのリフォーム費用が無駄になる可能性もあります。

相見積もりは、得意な施工分野や施工実績などを調査したうえで、適切だと感じた業者を3社ほどに絞り込んで依頼するのがよいでしょう。あらかじめ業者を厳選することで、それぞれの業者と密に関わる余裕ができ、比較の質を高められます。

予算や間取り図を準備しておく

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相見積もりの打ち合わせでは、大まかな予算や間取り図を提示することが大切です。予算を明確にすると、リフォーム業者はプランを立てやすくなるため、具体的かつバランスのよい提案を受けやすくなります。
なお、「相場よりも提示予算が多いと、割高なプランを提案されるのではないか」といった不安から予算を実際よりも少なく伝える人も少なくはありません。しかし相見積もりの場合は、「ほかの業者と比較される」という点を業者側が認識しているため、多くの場合、良心的なプランを提案してくれるでしょう。

また、間取り図を担当者に渡すと、見積書の精度が高まります。一戸建て住宅であれば「建築確認申請時の図面」を用意しておきましょう。マンションであれば、購入時にもらった図面や、不動産仲介業者のホームページに載っている平面図などをコピーして準備してください。

「一式」「別途」に注意!

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見積書を確認する時、どのような基準で良し悪しを判断すべきかわからない人も多いでしょう。特に、「一式」や「別途」などの表記で金額が記載されており、内訳がわからない見積書をもらった時は注意が必要です。

一般的な見積書は、どんな素材を使っていて単価がいくらなのかがわかるように、必要な設備をそれぞれ記載しています。しかし上記のように「一式○円」などの表記がある場合は、内訳を新たに出してもらうか、依頼を考え直すのが賢明でしょう。
素人では、施工の質について目視で検証しづらいでしょう。そこにつけこみ、施工がずさんだったり、施工内容に対して高額過ぎる費用を請求してきたりする悪徳業者も存在します。そのような業者の特徴として、「見積書に詳細な内訳がなく、まとまった金額を記載する」という点があります。

また、「別途費用が発生します」などの記載がある場合、オプションなどで後々値段が変わることもあります。契約する前に、オプション内容や、追加費用の発生条件などまで、詳しく確認しておきましょう。

担当者と直接打ち合わせを行う

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リフォーム業者によっては、打ち合わせをメールや電話などで済ませることもあります。しかし、リフォーム規模が大きいほど業者との付き合いも長くなるため、なるべく直接合って打ち合わせを行い、担当者との相性を見極めるのが望ましいでしょう。対面でコミュニケーションを取ることで、担当者の人柄や仕事の丁寧さなどを見極めることができ、より業者選びの精度を高められます。
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書式は統一してもらった方がわかりやすい

見積書の書き方は業者によって異なります。同じ内容のリフォームを相談している場合も、各業者の見積書で単位・施工範囲・内容などが揃っておらず、うまく比較できないケースも少なくありません。あらかじめ相見積もりであることを伝え、「こちらの希望する書式に統一して、見積書をもらえないか」を相談するとよいでしょう。

また、見積書に書かれている内容は同じでも、「アフターサービスの有無」「クリーニングの程度」のほか、無料サービスの内容なども異なり、それらが見積額に反映されているケースもあります。書式を統一しても、各業者間での見積額が大きく異なっている場合は、上記のようなサービスの有無を確認するとよいでしょう。

リフォーム業者への断り方

リフォームの相見積もりの取り方とは?上手な断り方やマナーも丁寧に解説
相見積もりでは、契約に至らなかった業者には自ら断りの連絡を入れる必要があります。ここでは、リフォーム業者への断り方や適切なタイミングなどを解説します。

見積もりの比較後に断るのがベスト

リフォーム業者へ断りの連絡を入れるタイミングについて説明します。契約前とはいえ、何度も打ち合わせの場を設けたり、現場調査を依頼したりして業者との関係性が深くなると、なかなか断りづらくなるものです。

基本的には、すべての見積書を見比べて一社を選んだら、なるべく早く、選ばなかった業者に対して断りの連絡を入れるのがよいでしょう。
こちらが見積書を受け取って検討している段階では、業者側も断られる可能性を想定して連絡を待っています。したがって、リフォーム業者にかかる業務負担もそれほど多くないため、遠慮なく断りの連絡をしてください。なお、この時営業トークなどをされることもありますが、曖昧な応対をせず、「今回は貴社を選ばなかった」という旨をはっきりと伝えることが大切です。

断りはメールでも電話でもOK

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断りの旨を伝える場合、直接会って申し出る必要はなく、電話やメールなどでも問題ありません。きちんと担当者に伝達できればよく、手段は決まっていません。ミスや情報の行き違いなどを防ぐためにも、なるべくそれまで使用していた連絡方法で伝えるとよいでしょう。

断る理由は無理に伝えなくても大丈夫

断る理由を伝えるのに抵抗があれば、無理に伝える必要はありません。ただ、「他社の方が安い価格でできる」「スケジュールが急過ぎる」「保証内容が明確にされていない」など具体的な理由があるなら、業者としては知りたいところです。もし内容的に伝えられると業者としては助かります。

なお、見積もりを取っただけと言っても業者とは何回かやり取りをしてお世話になっていますので、断る時には必ずお礼の言葉を伝えましょう。

他社に合わせようとする業者には要注意

断ると、他社に金額感などを合わせる、またはより安くすると提案するリフォーム業者もいます。断った途端に値下げを提案する業者は信用しない方がよいでしょう。このような業者は、最初の見積もりの時点でベストな見積もりを出しておらず、本当はもっと安く済ませることができたのに、高めの金額で契約させようとしていた可能性が否めません。

または、他社に契約を奪われまいと無理に値下げし、手抜き工事をする恐れもあります。

マナーを守ろう!相見積もりの作法とは

相見積もりでは、リフォーム業者に失礼のないよう守った方がよいマナーがあります。以下に紹介するマナーを守ることでリフォームを気持ちよく進めていくことができますので、あらかじめ知っておきましょう。

見積もりごとに条件を変えない

相見積もりは、同じ条件下で複数の業者から見積もりを取り、どの業者にリフォームを任せるか決めるために行います。ですから、業者によって条件を変えていては業者同士を比べられず、どの業者に依頼するか決められません。必ず同じ条件で依頼するようにしましょう。

また、見積もりを取ったあとに条件を変更しないことも重要なマナーです。もし見積もり後に条件を変更すると見積もりをやり直さなければならないので、業者にとっては大きな負担になってしまいます。

そのため、条件を変更して再見積もりを依頼すると、業者と良好な関係を築けなくなるかもしれません。あらかじめ、プランや希望する保証など、条件をしっかり決めておきましょう。

他の業者の見積もりを見せて値引き交渉するのは控える

他社の見積書を見せて値引き交渉をするのもマナーに反しています。

他社の見積書を見せると業者はライバル社の情報が手に入るので、値引き交渉がしやすいと思う人もいるでしょう。しかし、業者としては「この顧客は当社の見積書も他社に見せているのだろう」と不信感を抱きかねません。顧客と業者が築いてきた関係性が崩れる恐れもあります。

また、他社の見積書を見たことで値引きを提案してくる業者は要注意です。見積もりは、本来最初から適正価格で提示されています。それをさらに安くするために、設計、施工などで手抜きをされたり、使用する建材を安いものに変えられたりする恐れがあるため、他社の見積書は見せないようにしてください。

複数回プランを変更することも避ける

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見積もりを取ってもらったあと、複数回プランを変更することもマナーに反しています。
業者はリフォームの契約ができるかわからない状態で、また多くの場合、無料で見積もりを行っています。複数回プラン変更を依頼されると、業者は何度も見積もりをやり直さなければなりません。

もちろん、見積書を見て納得がいかなかった場合、見積もりをもう一度やり直してもらうことは問題ありません。
しかし、「プランが気に入らなくなったから」「ほかのプランの方がもっと安くできるかもと思えてきた」などの理由で、安易に何回もプランを変えるのはマナーに欠け、業者に対して失礼にあたります。
見積もりの依頼は、基本的には1回だと心得ておきましょう。

まとめ

リフォームやリノベーションは、DIYでしようとしてもなかなか上手くできるものではありません。そこで業者を見つける必要がありますが、そのためには相見積もりが必要です。

業者が決まったら、ほかの業者には契約を断る連絡をしましょう。断る理由が言いにくければ断りの言葉だけ伝えてもよいですが、具体的な理由を伝えるとより丁寧です。

また、相見積もりでは業者に失礼のないようマナーを守ることも大切です。
「業者によって条件を変える」「見積もりが出たあとに条件を変更する」「他社の見積書を見せて値引きを交渉する」「複数回プランを変更する」といったことはマナーに反しているので、しないように気を付けてください。

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