オフィスのコミュニケーションを活性化させる事例・レイアウトを解説

この記事では、従業員のコミュニケーションを促進するオフィスレイアウトの事例を紹介します。コミュニケーションの改善によって得られる効果に触れながら、空間づくりのコツをまとめました。オフィス環境改善で悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

公開日 2022.07.20

更新日 2022.07.20

オフィスのコミュニケーションを活性化させる事例・レイアウトを解説

オフィスのコミュニケーション不足は、従業員のモチベーションや自社全体の生産性まで低下させかねない重大な問題です。今日、リモートワークの普及によって、従業員たちが直接顔を合わせる機会は減少しています。それだけに、「オフィスレイアウトを工夫することで、従業員同士の交流を活性化すること」がより大切な課題になりました。
この記事では、オフィスでのコミュニケーションを活性化させるメリットを解説しつつ、その活性化に有効なオフィスレイアウトまで、事例付きでまとめています。従業員同士に交流を深めてもらいたい・コミュニケーションを軸として企業の生産性を高めたい、という人はぜひ参考にしてください。

オフィスのコミュニケーション不足は重要課題

オフィスのコミュニケーションを活性化させる事例・レイアウトを解説
経営者の中には、「オフィスは業務を行う場所だから」と従業員同士のコミュニケーションを軽視する人もいます。しかし、「所属チームや部署などでよい人間関係が築かれていないことが原因となり、さまざまな業務進行に支障が生じてしまう」という例は少なくありません。

例えば、上司や部下などと日頃から会話をしている従業員なら、ひとりで多くの仕事を抱えた時も手を貸してもらいやすくなります。仕事量の調整を頼んだり、業務の一部を手伝ってもらったり、状況に応じて柔軟に対応可能です。
しかし、コミュニケーションを取り慣れていない従業員は、そうした周りからの手助けを得づらくなるでしょう。結果、ひとりでは処理できないような作業を抱え込んだり、日々の業務効率を悪化させてしまったり、または過剰なストレスを溜めてしまうなど、さまざまなリスクが懸念されます。

このように、「従業員同士が日頃から十分にコミュニケーションを取れる環境」を整備することは、職務を的確に進めてもらうために重要な課題です。快適な職場を従業員側へ提供できれば、業務効率や成果も自然と向上していくでしょう。

オフィスのコミュニケーション改善で活性化するメリットとは?

オフィス内のコミュニケーションが活性化すると、離職率が低下したり、会社全体の動向を把握しやすくなったりするメリットがあります。ここでは、「コミュニケーション改善策」として代表的な成功事例を紹介しつつ、それによって得られる効果をまとめました。

事例1. 離職率の低下や社員の定着

こちらは「KOKUYO」より、自宅のリビングのようにリラックスしつつも、効率的に業務を行えるオフィスをつくった事例です。仕事で困っている部下や後輩にも、上司が自然と声をかけてくれる空間を実現しました。上司・部下間でも気軽に会話し合える雰囲気が、問題の発生防止や早期解決につながっています。

自然に会話が生まれる空間でなら、従業員それぞれが、悩みがある時や協力してほしい時などに助け合いやすくなります。従業員同士でストレスを溜めない環境をつくることで、従業員満足度の向上や離職率の低下などにつながります。そうした環境を実現することで優秀な従業員が定着すれば、営業成績や自社全体の生産性なども向上していくでしょう。

事例2. 他部署の社員同士が交流可能

こちらも「KOKUYO」より、リフレッシュルームを設置した事例です。ワークテーブルと卓球台を兼ねた、遊び心あふれるインテリアも配置しています。
部署や所属チームなどにかかわらず、すべての従業員が使用するリフレッシュルームは、従業員のコミュニケーション活性化にぴったりの場所です。気分転換しやすく、多くの従業員が交流できる設備を導入することで、自然な会話を生む効果が期待できます。

また、「他部署のスタッフと気軽に交流できる環境」は情報共有の場としても機能するため、経営層が会社全体の動向を把握しやすくなるメリットもあります。会社の経営戦略・理念などを周知させる時など、従業員全体への働きかけを行う際にも重宝するでしょう。

オフィスのコミュニケーションが活性化するレイアウト一覧

次に、コミュニケーションを活性化させるオフィスレイアウトを8つ紹介します。フリーアドレスを有効に活用した事例や、充実したフリースペースを設置した事例、短時間の打ち合わせに最適なマグネットスペースなど、さまざまな実例をまとめました。自社にフィットするスタイルを探してみてください。

フリーアドレスに対応したワークスペース

こちらは「UCHIDA」より、フリーアドレスに対応したワークスペースを導入した事例です。フリーアドレスとは、従業員が個人のデスクを持たず、カフェや図書館などのように自由に席を選ぶスタイルを指します。席が固定されていないため、さまざまな部署の人が顔を合わせやすく、組織や立場を越えたコミュニケーションを活性化させる効果があります。

また、オフィスの間仕切りを取り払った大空間のフリーアドレスには、休憩・個人作業・ミーティングに加えて、お客様との簡単な打ち合わせなどまで、さまざまな目的に合わせて柔軟に空間を活用しやすいメリットも持ちます。「多くの従業員が行き交いながら、気軽に声を掛け合う」といったカジュアルな雰囲気の職場が実現するでしょう。

大人数で集合できるフリースペース

こちらは「WORK KIT」より、大人数で使用できる広々としたフリースペースを導入した事例です。4人掛けのテーブルやソファ席・ひとり用カウンター・個室タイプの防音スペース、など多様な席を設けることで、「従業員一人ひとりのワークバランスに寄り添ったオフィス環境」に仕上げています。また、テーブルは可動式タイプを導入し、少人数の打ち合わせから社内イベントまで、さまざまな用途で活躍する空間をつくりました。

柔軟にレイアウトを変更できるフリースペースなら、用途が限定されないため、各所から従業員が集まってきやすくなります。席数や会場設備の問題で断念しがちな社内イベントもスムーズに開催できるため、従業員同士の交流も活性化しやすいでしょう。
さらに、移動が簡単なパーテーションや、スライディング式の壁などを併せて設置すれば、簡易的な個室空間をつくることも可能です。各従業員に、オンラインミーティング参加用のスペースなどとして使用してもらえるでしょう。

リビングルームと似た雰囲気があるワークスペース

こちらは「toolbox」より、リビングのような親しみやすいワークスペースを実現した事例です。オフホワイトの壁紙と高い天井が、限られた空間に開放感を与えています。さらに木目のインテリアにたくさんの観葉植物、大きなソファなどを設置して、自然と安らげる雰囲気を演出しています。

「従業員が気軽に会話を楽しめる、オープンな会社」をつくりたい場合は、こうしたゆったり感を心掛けるとよいでしょう。従業員たちにより気軽なコミュニケーションを交わしてもらえれば、部署間をまたぐプロジェクトも素早く進めやすくなり、業務全般の効率向上に期待できます。

社内イベントで大人数が集まれるフリースペース

こちらは「Designers Office」より、大人数が集まれるフリースペースを導入した事例です。内装はグレーを基調とした色使いと、トーンを落とした照明で落ち着いた空間に仕上げ、天井はすべてスケルトンに。赤や黄色などのポップなインテリアをアクセントとして使用し、バランスのよいデザインに仕上げています。

間仕切りを取り払った広い空間に、少人数用のテーブルを組み合わせて配置することで、用途によってレイアウト変更がしやすい空間になります。チーム単位の会議やセミナー、社内行事など幅広く活用できるため、オフィス空間が限られている場合にもオススメのレイアウトです。

1対1でミーティングができるスペース

こちらは「KOKUYO」と「オカムラ」が展開する、可動式ミーティングブースの導入事例です。近年では働き方の多様化に伴い、フリーアドレスやオープンレイアウトなど、より空間を柔軟に使えるオフィスレイアウトが主流になっています。
一方で、「防音性能の高い個室」などを求める従業員側の声も多く、それに応え、可動式のミーティングブースを併設するケースも少なくありません。
オープンレイアウトのオフィスは、空間の自由度が高い一方で、「1対1でのしっかりとコミュニケーションが取りづらい」というデメリットもあります。そのため、定期的に面談をしたり、機密性の高い情報を扱ったりする場合は、1〜2人用の個室ブースを設けるとよいでしょう。しっかりと防音対策が施されており、居心地がよく穏やかに会話できるものを選ぶことが大切です。

立ち話で短時間話すワークスペース

こちらは「KOKUYO」より、業務スペースの一角に立ち話用のハイテーブルを導入した事例です。ちょっとした確認作業や少人数の短い打ち合わせなどを行う場合、わざわざ会議室を予約する必要性を感じないかもしれません。そのような場合は、すぐに集まって話し合いができる立ち話スペースを活用するのがオススメです。

立ち話ができるハイテーブルやカウンターなどは、自然と人が集まりやすい場所に配置するよいでしょう。例えばコピー機・自販機・コーヒーマシンの周りなどが候補エリアです。それらの場所は「マグネットスペース」と呼ばれており、偶発的なコミュニケーションや会話などが生まれやすい空間と考えられています。

カフェのような落ち着くリフレッシュスペース

こちらは「文祥堂」より、カフェのようなリフレッシュスペースを導入した事例です。壁や床は明るい木目を使用し、ひとり掛けのソファとローテーブル、観葉植物など温かみのあるインテリアを配置。壁付の棚には本や小物類などを飾り、オシャレで居心地のよい空間に仕上げています。

快適なリフレッシュルームは、従業員同士のカジュアルなコミュニケーションを促進し、モチベーションや満足度の向上につながります。業務スペースとは異なる内装デザインを採用し、照明・インテリア・小物類などにもこだわって、ゆとりのある空間をつくることが大切です。

予約不要で使うことができる多目的スペース

こちらは「3Dオフィスデザイナー」より、予約不要の多目的スペースを導入した事例です。多目的スペースがあれば、大人数の会議でもスムーズに進められます。
参加人数によっては、リフレッシュスペースや業務スペースの一角などで会議を行うことも有効です。しかし各部署での合同会議など規模が大きい場合や、会議の頻度が多い場合などでは、開催場所の確保が難しくなることもあるでしょう。そうしたときに備え、多目的スペースを設置しておくことがオススメです。

また、ガラスのパーテーションやソファなどを用いて、空間を緩やかに仕切ることで、フロアの見通しがよくなります。結果、「従業員同士で自然と交流しやすい空間」が実現します。参考資料・ファイル・書籍なども収納しておくと、アイデア収集の場としても活用できるでしょう。

従業員同士のコミュニケーション活性化は、企業の生産性などに関わる重要なポイントです。「コミュニケーションの密度が、従業員たちの働きやすさを決める」といっても過言ではないでしょう。実際、従業員たちのコミュニケーション不足を放置すると、各業務に支障をきたしたり、優秀な人材を確保できなくなったりするリスクも生じ得ます。
従業員同士の交流を深め、快適に業務が行えるオフィス環境をつくりたい人は、ぜひオフィスレイアウトの変更から検討してみてください。具体的な費用やデザインなどは、「カシワバラ・コーポレーション」にご相談ください。

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