キッチンリフォーム、費用相場はいくら?各施工内容にあわせて解説

キッチンのリフォームには、システムキッチン、ガスコンロ、換気扇や食洗機、内装工事や給湯器など多くの要素が関わります。できるだけ安く済ませるため、一括見積りや住宅ローン減税を利用し、移動やレイアウト変更、不要なオプションをなくし、シンプルなモデルを選ぶようにしましょう。

公開日 2020.09.11

更新日 2022.01.07

キッチンリフォーム、費用相場はいくら?各施工内容にあわせて解説

毎日使うキッチンも、古くなったり使い勝手が悪かったりする場合、思い切ってリフォームを考えることもあるでしょう。しかし、一口にリフォームと言っても、キッチンやその周辺のアイテムには多くの種類があり、規模や内容によってもかかる費用は変わってきます。
そこでこの記事では、様々な状況ごとの費用の目安や事例、予算をできるだけ抑えるために実践すべきポイントなどをご紹介します。事前に十分な検討をして、安心できるリフォームをしてください。

キッチンをリフォームする際の価格相場は?

まずはシンクや収納、ガスコンロやグリルなどを備えたキッチン本体のリフォームにかかる料金の目安を見ていきましょう(いずれも税込み価格、取付工事費用等を含めています)。

キッチン本体の交換

キッチンのリフォームで最も多いのは、システムキッチンへの交換です。国内では、「アレスタ」や「シエラ」ブランドを展開するLIXIL(リクシル)、Panasonic、タカラスタンダードなどが評価の高いトップメーカーです。
システムキッチンには、横長でシンプルなスタイルの「I型キッチン」、角を活用した「L型キッチン」、2列で構成される「II型キッチン」などがあります。
リビングなどに向けて設置する「対面式」、壁に向けて設置する「壁付け」、左右いずれかが壁に向く「ペニンシュラ」、部屋の真ん中に独立する人気の高い「アイランド」など、設置方法も様々。各社それぞれにグレードの違うモデルを用意しており、リフォームにかかる費用に大きく関わる要素になっています。上位モデルでは、素材やオプションがより豊富な候補の中から選べるのも特長です。
下記は、一般的な4人家族の利用を想定した場合の、価格ごとに可能なシステムキッチンへのリフォーム内容の目安です。
・50万円以下
最も安いタイプのI型キッチンを設置できます。ただし間口が小さくなるなど、選択肢は大きく制限されます。
・50万〜100万円
一般的なキッチンリフォームの中心帯です。ハイグレードモデルのI型キッチンや、食器洗い乾燥機などのオプションを付けることも可能です。L型キッチンも候補に入ってきます。
・100万〜200万円
対面式やアイランドを希望する場合は、これくらいの値段を想定しておく必要があるでしょう。オーダーメイドのキッチンも可能になります。水道の配管の移動を伴う工事が入った場合、その工事費用がかさむので、この金額では収まらず、200万円を超えることもあります。

ガスコンロの取り付け・交換

次にキッチン本体まるごとではなく、ガスコンロのみを交換する場合の金額を見てみましょう。長く使えるキッチン台とは異なり、ガスコンロは長くても10年程度が寿命なため、部分的に交換を行うことも多いのです。
ガスコンロは数万〜20万円程度がメインの価格帯になっており、サイズや性能に加え天板の素材などによって価格は変わります。例えばホーローは安価ですが、ガラストップなどは値が張ります。
ガスコンロは火災の原因となる可能性があるため、予算に余裕があれば、自動消化機能の付いたものを選ぶようにしましょう。
価格帯としては、数万円程度のモデルでは、用意されているカラーが単一だったり、中には焦げ付きやすいものがあったりします。10万円前後になるとカラーバリエーションが増え、掃除しやすい機能なども付いてくるのが特長です。さらに上の価格帯になると素材がより高品質になり、多彩な機能も搭載されます。
なお、システムキッチンに組み込まれているビルトインタイプの場合、設置費用として2万円程度が必要です。また、オーブンの交換や収納庫の交換も行う場合は、さらに2万円程度かかることを想定しておきましょう。
テーブルタイプであれば置くだけなので自分でも設置できますが、安全を期すには業者に依頼し、ガス漏れや動作確認をチェックしてもらうのがおすすめです。
キッチンリフォーム、費用相場はいくら?各施工内容にあわせて解説

キッチン周りの内装や機器のリフォーム相場は?

キッチンのリフォームにおいては内装や換気扇、給湯器なども対象になります。これらキッチン周りに関する費用についても見ていきましょう。

キッチン周りの内装工事

壁のクロスを張り替えたり、床をフローリングにしたり、あるいは間仕切りの追加や撤去によって、お部屋の印象は大きく変わります。とくに床や壁のリフォームは低価格で大きな効果を出せるでしょう。これらに必要な作業が内装工事です。
内装工事はただ見た目だけの問題ではなく、例えば壁向きのキッチンを対面式に変えた場合や、キッチンの周囲の床や下地材が水などで傷んでいる場合にも必要でしょう。
これらの料金は作業を行う対象や、その面積によって左右されます。例えば壁のクロスを貼り替える場合、クロス本体の料金に加えて、床や壁を保護する室内養生費、現在の壁紙を処分するための廃材処理費、作業のために家具などを動かす荷物移動費などが生じます。
一般的なクロスの値段は1平方メートル当たり800円程度ですが、そこに作業費用が加わるため、例えば6畳の部屋であれば合計で4万〜7万円程度が貼り替えにかかる金額です。窓や扉の有無にもよりますが、1平方メートル当たり1,000〜1,200円程度が目安になるでしょう。
同様に、床のフローリングの貼り替えは1平方メートル当たり約1,000円、床下地の補修は1平方メートル当たり約3,000円、間仕切りの撤去や追加は1平方メートル当たり約5万円が相場です。
キッチンリフォーム、費用相場はいくら?各施工内容にあわせて解説

換気扇の取り付け・交換

換気扇もガスコンロと同様、消耗しやすい設備です。排気能力が落ちてきたら交換した方が良いでしょう。
換気扇は壁に付けられているシンプルな構造のプロペラファンと、レンジフード付きのものがあり、前者は数千〜1万円程度と安価ですが、後者は数万円と、価格に大きな差があります。
最近のキッチンでは、レンジフード付きの大きな換気扇が主流です。プロペラファンとは異なり、セルフクリーニングなどの機能が付いていることもあり、その分高くなってしまうのです。
注意したいのは、どちらも設置費用として1万円程度がかかるということ。また、現在の換気扇の処分費用なども発生する上に、工事の出張料金が加わることもあります。このあたりは業者によって差が大きいので、見積もりなどで確認しましょう。
壁付きの換気扇の取り付け・交換についてはDIYで行うことも可能です。必要な工具から揃えると3万〜5万円程度かかってしまいますが、日頃からDIYをやっている人なら、新しく工具を買う必要がない場合もあるでしょう。
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給湯器の取り付け・交換

キッチンの、というよりは家全体に関わるのが給湯器です。キッチンやお風呂に給湯するほか、追い焚き機能や暖房機能のついたモデルもあります。
本体価格は安いもので5万円~15万円程度です。追い焚きや暖房が付くものは、10万〜30万円程度は見ておく必要があるでしょう。
給湯器の取り付けや交換に関わる作業料金は、概ね3万~6万円程度です。また本体に加えリモコンの設置工事などもかかります。
なおメーカー希望価格はありますが、実際にはかなり値引きされることが多く、あまり参考にはなりません。実際にいくらになるかについては、まずは業者に問い合わせましょう。

食洗機の後付け・交換

最近のシステムキッチンでは食洗機をビルトインで装備するタイプも増えてきました。システムキッチンがなくても、キャビネットやシンクの下にスペースがあれば、後付することは可能です。多いのはシンクの隣にあるキャビネットを外して、そこに食洗機をはめ込む方式です。実際に付けられるかどうかは、寸法をきちんと測り、電源があるかどうかの確認も必要です。
食洗機の本体価格は10数万〜20万円程度が主流ですが、実際は大きく値引きされるケースが多く、数万円程度で済むこともあります。
キッチンリフォーム、費用相場はいくら?各施工内容にあわせて解説
設置については当然ながら費用が発生します。今使っているモデルと同じものに取り替える場合は問題ありませんが、後付けの場合はそのための工事費や、電源がない場合は増設をするなどの作業も必要です。
取り付けに関するものが4万円程度、オプション的なものが1万円程度、また保証を有料延長する場合、それに応じて数千円程度が必要となります。
これらを総合すると、食洗機に関する費用は、概ね10万〜30万円となるでしょう。

キッチンリフォームの予算を格安に抑えるポイントは?

キッチンのリフォームは関わる要素が多いため、合計すると意外に高いものになってしまうことも。そこでリフォームの費用をできるだけ抑えるために実践すべきポイントをいくつかご紹介いたします。

フルリフォームを避ける

最も重要な点として、フルリフォームをするかしないかがあります。フルリフォームは家全体をリフォームするもので、骨組みなどを残してほかは撤去してしまうため、既存の設備を全て入れ替えることになります。それでは費用が膨れ上がってしまうので、できるだけ対象を絞り、ピンポイントでリフォームするようにしましょう。

移動やレイアウト変更を控える

キッチンリフォーム、費用相場はいくら?各施工内容にあわせて解説
アイランド式など、キッチン自体を移動させるようなリフォームも、工事費が高くついてしまいます。壁向きだったのを対面式に変えることも同様です。キッチン台の移動だけではなく、水道の配管なども変えるため大掛かりな工事になってしまうからです。

一括見積を依頼する

1社だけの見積もりでは、高い金額を請求されてもそれが他の業者と比べて高いかどうか分かりません。ですので、最初に複数の業者に見積を取るのがおすすめです。業者によっては設備の本体価格を大きく値引く代わりに、それ以外の工事費や雑費などの部分で金額を乗せていることもあるので、あくまで総額いくらになるかで判断しましょう。
そうはいっても、総額が安いからといって、すぐに飛びつくのも危険です。金額と中身が釣り合っているかなど、総合的にコストパフォーマンスが良く、何より自分自身が納得できる内容の見積もりを出してくれる業者にリフォームを依頼することが重要です。

オプションを削りシンプルなものを選ぶ

記事の中で解説したように、それぞれの設備や用品には多彩なグレードがあり、機能が少ないほど、また構造がシンプルなほど、価格は安くなる傾向があります。普段は使いそうにない機能があったり、素材が高価だったりすると、つい目を引かれがちになりますが、予算を抑えるためには目を閉じることも必要です。
キッチンリフォーム、費用相場はいくら?各施工内容にあわせて解説

アウトレット品などを利用する

給湯器や食洗機などは元から大きな値引きがされていますが、キズものや型落ちなどのアウトレット品であれば、その値段はさらに安くなります。店頭の展示商品が処分価格で売られることもありますので、情報収集にも力を入れましょう。

住宅ローン減税制度を利用する

マンションで築25年以内、戸建で築20年以内の中古物件を住宅ローンで購入した場合、減税制度が利用できます。さらに住宅ローンでリフォーム工事を行い、その金額が100万円以上だった場合にも、減税の対象となります。ローンの返済期間や年収などに条件はありますが、当てはまるようなら検討しましょう。
キッチンのリフォームには関係する設備が多く、時には水道や電気などを絡めた複雑な工事になります。このため、施工業者の選び方はとても重要。単純な工事価格だけではなく、その業者の実績・信頼度、そして実際の施工事例の画像やアフターサービスなども十分確認してから選ぶことが必要です。
そこでおすすめなのが、リノベーションで実績があり、マンションの大規模修繕なども任されているカシワバラ・コーポレーションです。キッチンのリフォームに定評があり、すべてを含めた費用のコストパフォーマンスも良いため、理想のキッチンを現実に近づける大きな手助けとなるでしょう。

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