ベランダはいらない?ベランダなしのメリットや不要の理由を解説

近年、徐々に見かけるようになってきた、ベランダのない戸建て住宅。この記事では「ベランダいらない派」が主張する、ベランダのない住宅のメリットを紹介します。新築にベランダを付けるか迷っている人や、ベランダの必要性について調べている人は、ぜひ参考にしてください。

公開日 2022.07.17

更新日 2022.07.17

ベランダはいらない?ベランダなしのメリットや不要の理由を解説

近年注目を集めている、ベランダのない一戸建て住宅。「外に洗濯物を干さない」「ベランダがない外観のほうが好み」などの理由で、あえてベランダを設けない住宅が増えてきています。
この記事では、ベランダのない住宅のメリットや設置後に後悔した失敗例などを挙げながら、ベランダの必要性についてまとめました。新築にベランダを付けるか悩んでいる人や、ベランダのある賃貸を選ぶかどうか迷っている人などは、ぜひ参考にしてください。

ベランダとバルコニーの違いとは?

ベランダ・バルコニーという言葉はどちらも、「家の外に張り出した屋外のスペース」を指します。しかし厳密には、建築基準法施行令に「ベランダ」という記載はないため、設計関係ではベランダという言葉は用いず、すべて「バルコニー」と呼ぶのが一般的です。

このように建築基準法および同法施行令では、ベランダとバルコニーの区分方法や定義を明文化していません。そのため、一般的には屋根がある屋外スペースを「ベランダ」、屋根がない屋外スペースを「バルコニー」と呼び、区別しています。住宅のカタログや賃貸の情報などに表記される「ベランダ」も、こうした区別に基づいています。

ベランダいらない派が主張するベランダなしのメリット

日本では一般に、2階建て以上の戸建て住宅には多くの場合、ベランダを設置してきました。しかし近年は、ライフスタイルの変化や住居ニーズの多様化により、「ベランダなしの住宅」を求める声も少なくありません。ここでは、こうしたベランダなし住宅のメリットを紹介します。

メンテナンスが不要なので気楽

ベランダは紫外線や雨水などを受ける場所であるため、定期的なメンテナンスが必要です。一般的には、「5〜6年に一度ほどの頻度で、防水のトップコートを塗り替える」必要があり、費用は2,000~3,500円/㎡ほどです。
ただ、ベランダの劣化がひどく、下地から施工する場合などは、4,000~7,500円/㎡ほどの費用がかかります。劣化をそのままにしておくと雨漏りの原因になるため、ベランダは外壁や屋根などと同じように、こまめな修繕やメンテナンスが必要です。

ベランダのない住宅は、このようなメンテナンスにかかる費用を削減できます。また、雨風などで汚れたベランダを掃除する手間も省けるため、家事負担を減らすメリットも期待できるでしょう。

雨漏りの危険性がない

雨漏りの原因は「窓・外壁・屋根などの劣化」だけと思われがちですが、実はベランダも劣化すると雨漏りを招きます。
外壁・屋根・エクステリアなどのお手入れを優先するあまり、ベランダにまで注意が行き届かないことは少なくありません。実際、ベランダの床材に雨水が染みてしまうトラブルは、多く見受けられます。
ベランダに染みた雨水は、家の内部まで浸透する恐れすらあります。したがって、ベランダの劣化を放置すると、住宅の躯体を修理する大規模なリフォームまで必要となるリスクもゼロではありません。当然、大きな修繕費用がかかってしまうでしょう。

ベランダの雨漏りは、定期的なメンテナンスによってある程度防止できます。しかし、「メンテナンス費用をなるべく減らしたい」「トラブルのリスクを削減したい」といった人は、ベランダなし住宅を検討するとよいでしょう。

外観が綺麗に整う

ベランダは住宅に凹凸をつくるため、外観の印象に大きく影響を与えます。住宅によってはベランダがデザインのアクセントになり、メリハリのある外観がつくれることもあるでしょう。しかし、「スタイリッシュでかっこいい印象の家にしたい」「現代風のシンプルなデザインにしたい」という人にとっては、ベランダがある外観は少々野暮ったく感じるかもしれません。

ベランダのない家は、屋根の形状をアレンジし、全体をシンプルな印象でまとめると統一感のある外観に仕上がります。こうしたポイントを強調することで、ほかとは違うオシャレな雰囲気を演出できるため、外観にこだわりのある人があえてベランダのない家をつくるケースも少なくありません。

建築費用を抑えることができる

ベランダを設置すると、「防水工事費・外壁工事費・排水工事費・材料費」などの費用が発生します。一般的なベランダの設置費用は約50~100万円と言われており、通常の部屋よりも多くの費用がかかるでしょう。ベランダのない住宅はそれら費用がかからないため、なるべく安く新築を建てたい人や、ほかの箇所に予算を割きたい人などに適しています。

また、ベランダの防水機能は一定期間ごとにメンテナンスを行う必要があります。ベランダをなくすと定期的なメンテナンス費用もかからないため、住宅管理のコストを削減できるでしょう。

防犯リスクを減らせる

一般的なベランダは、外から家の中が見えないように、網目の細かいフェンスや目隠しシェードなどが設置されています。しかし万が一、空き巣がベランダに降りた場合も、フェンス・シェードによって外から発見されづらくなるため、窓の解錠作業を助長してしまう恐れもあるでしょう。特に住宅が密集している地域などでは、ベランダから不審者が入り込みやすいため、ベランダを設けずに防犯リスクを低減するケースも多く見受けられます。

なお、ベランダのセキュリティ性を高めるためには、人感センサーライトなどの防犯グッズが効果的です。また、毎日同じ時間に洗濯物を干したり取り込んだりすると、空き巣に生活スタイルを悟られ、標的にされるリスクが高まってしまいます。「外から見えない場所に洗濯物を干す」「部屋干しに切り替える」といった対策を行いましょう。

ベランダ購入後に「いらない」と後悔するケース

「新築でベランダを付けたものの、結局使わなかった」という失敗は案外多いものです。ここでは、ベランダ購入後に後悔した事例や、ベランダをあまり使わないライフスタイルの事例などをまとめました。ベランダを設置するか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

外に洗濯物を干さないケース

「洗濯物にホコリや砂などがつくのを防ぎたい」「防犯上の理由で部屋干しをしている」など、ライフスタイルによっては外に洗濯物を干さない人もいるでしょう。また、普段は外に干していても、黄砂・PM2.5・花粉などが舞う季節は、外干しを避けるというケースもあります。

そのような場合、「ベランダではなくランドリールームを設置して、室内干しの環境を整える」という選択肢もあります。
ランドリールームとは、文字通り洗濯に関する一連の動作を行える部屋のことで、多くの場合は脱衣所と隣接して配置されます。ランドリールームは大気汚染から衣類を守れるだけでなく、天気を気にせず部屋の中で洗濯・乾燥が行えるため、家事効率をアップしたい人や家事導線を短縮したい人などにも適しているでしょう。

狭いベランダを選んでしまうケース

ベランダの設置で多い失敗事例は、「費用を削減するためにベランダを狭くしたものの、かえって使い勝手が悪くなった」というものです。一般的なハウスメーカーについてくるベランダの奥行きは90cmほどですが、内側の寸法では80cm程度なため、洗濯物の量によっては、やや狭く感じるかもしれません。
奥行きが狭く、細長い形状のベランダは使い勝手が悪くなってしまうかもしれません。余裕をもってベランダを行き来するには90cm以上の奥行きがほしいでしょう。ベランダを設置する時は、「どのような用途で使うのか」「ガーデニングや食事などで複数人が使う可能性はあるか」などを考慮して、適切な広さのタイプを選ぶことが大切です。

ベランダは本当にいらない?ベランダの使い方

外に洗濯物を干さない場合など、ライフスタイルによってはベランダをあまり使わない人もいるでしょう。しかし、ベランダの使い方にはさまざまなものがあり、リフレッシュスペースや室外機置き場などとして再活用できることもあります。ここでは、洗濯物を干すスペース以外でも使える、ベランダの活用方法をまとめました。

リラックスするスペースとして使う

ベランダはいらない?ベランダなしのメリットや不要の理由を解説
ベランダはコロナ禍における新たなリフレッシュスペースとして注目を集めており、リフォームやDIYなどでベランダをアレンジする人も増えています。「すのこなどの床材を敷いて部屋との段差をなくし、アウトドアリビングとして使用する」「テーブルと椅子を置いてリラックス空間をつくる」など、ベランダの活用事例もさまざまです。

「洗濯物を干すスペースとしてベランダは使わない」という人も、おうち時間の趣味を楽しむ空間や、在宅勤務のリフレッシュスペースなどとしてベランダを活用できるかもしれません。賃貸の狭いベランダも工夫次第で居心地のよい空間がつくれるため、ひとり時間を楽しみたい人や、屋外にリラックスできる空間がほしい人などは、ベランダの設置を検討してみるとよいでしょう。

エアコンの室外機の置き場にする

一般的に、2階にあるエアコンの室外機は、日陰になる軒下のベランダに設置されます。すべての室外機を1階にまとめることも可能ですが、配管が長くなったり、住宅の美観を損ねたりするリスクが懸念されます。そのためやはり、2階にあるエアコンの室外機は、ベランダに配置する人が多いでしょう。

例えば、ベランダをあまり使わない場合でも、「エアコンの室外機置き場」として狭いベランダをつくるケースも多く見受けられます。また、「住宅の外観にこだわってベランダをなくした結果、多くの室外機を1階部分にまとめて置かなければならなくなり、外観が美しくなくなってしまった」という失敗事例も起きています。住宅の外観を優先して「ベランダの有無」を検討する場合には、室外機の存在も考慮し、慎重に判断してください。

近年、ライフスタイルの多様化や住居ニーズの多様化などにより、ベランダのない住宅が増えています。ベランダなし住宅の主なメリットは、「建築費用・メンテナンス費用を削減できること」や「防犯リスクを軽減できること」などです。また、洗濯物を外に干す習慣がないなら、ベランダは必要ないかもしれません。
ベランダいらない派がいる一方で、ベランダを新たなリフレッシュスペースとして積極的に再活用している人たちも多く存在します。例えば、「アウトドアリビングがほしい」「ちょっとした趣味の空間がほしい」といった場合は、ベランダのある住まいが適しているかもしれません。
リフォームでベランダの設置を検討している人は、住宅設計のプロ「カシワバラ・コーポレーション」までお気軽にご相談ください。

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