オフィスは床でイメージが変わる! 使用される床材や事例を紹介

本記事では、オフィスの床材を選ぶ際に知っておきたい、色の系統によってもたらされるイメージや効果、使用される床材の種類や床材選びの注意点について解説します。また、オフィスのエリア別のレイアウト例や、実際にリフォームを行った事例についても併せて紹介しています。

公開日 2021.12.18

更新日 2022.08.22

オフィスは床でイメージが変わる! 使用される床材や事例を紹介

内装の大部分を占める「床材」は、空間のイメージを左右する大切なポイントです。素材やカラー、質感などさまざまなものがありますが、オフィスに取り入れる床材は、どのように選べばよいのでしょうか。この記事では、床の色がオフィスに与えるイメージをはじめ、オフィスで使用される床材の種類や選び方、デザイン事例などを紹介します。オフィスの内装デザインで悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

床の色がオフィスに与えるイメージ

オフィスは床でイメージが変わる! 使用される床材や事例を紹介
床は内装の大部分を占めるため、どの色を使うかによって、空間の雰囲気はがらりと変わります。「明るく開放的な雰囲気の執務室をつくりたい」「高級感のあるシックな応接室にしたい」など、部屋のイメージが決まっている場合は、床材の色にこだわるとよいでしょう。ここでは、暖色・寒色・中性の3系統に分け、それぞれの色がオフィスに与えるイメージについて解説します。

暖色系

暖色系の色は、人間の活動時に働く交感神経を活発化させる作用があると言われています。そのため、オフィスの床材に暖色系の色を取り入れることで、従業員の活動性や積極性を高め、仕事のモチベーションアップ効果が期待できます。床全体に用いなくても、差し色(アクセント)として特定の箇所だけに用いるのも効果的です。

このように、オフィスに前向きで活発的なイメージと効果を与えてくれるのが、暖色系の床材の特徴です。ほかにも、温かみのある色には気持ちを切り替える効果があるので、休憩時に利用するカフェスペースの備品などに利用するのもよいでしょう。

寒色系

オフィスは床でイメージが変わる! 使用される床材や事例を紹介
ブルーやホワイトなど寒色系の床材を用いることで、オフィスに清潔なイメージを与えられます。ブルー系統の床材は従業員に冷静さや集中力を高める効果をもたらし、ホワイトの床材はオフィスに広々とした奥行きのある印象を与えてくれます。

寒色系の色は副交感神経に作用し、見る者の興奮を抑えて、落ち着きを与える効果があるとされています。そのため、特に集中して作業を継続する作業スペースや、講習で利用する学習スペースなどにこれらの色を用いると、さらに効果が見込めるでしょう。

中性系

さまざまなオフィスで使用されている木目調のフローリングは、どの空間にも馴染みやすく温かみを与えてくれます。ブラウンやベージュの床材には親しみやすさがあり、リラックス効果が期待できます。グリーン系統の色もナチュラルなイメージを与え、緊張をほぐす効果があるとされます。グレーのシックな色使いなら、オフィスの雰囲気に高級感を与えてくれるでしょう。

なお、系統だけでなく明度によっても全体の印象が変わる点には注意しましょう。明度が高くホワイトに近い色の場合は、オフィスに軽い雰囲気を与えられます。一方で、明度が低くブラックに近い色の場合は、暗さを感じて重たい雰囲気になりがちです。

このように、オフィスに取り入れる床材の色を決める際は、どのような雰囲気のオフィスづくりを目指しているかを十分考慮したうえで検討する必要があります。

オフィスに使用される床材

ここでは、オフィスで使用される人気の床材を紹介します。それぞれの素材ごとに特徴やメリット・デメリット、オススメの使用シーンなどをまとめました。

タイルカーペット

「タイルカーペット」とは、40〜50mm四方の正方形にカットされた、文字通りタイル型のカーペットのことです。オフィスの床材では最もスタンダードで、業種に関わらずさまざまな企業で使用されています。

タイルカーペットのメリットは、遮音性や保温性に優れていることです。足音や話し声などが響きにくいため、大人数が使用する執務室やミーティングルームなどに適しています。加えて、汚れた部分を剥がすだけで簡単に交換でき、メンテナンス性にも優れています。飲食可の休憩スペースや、裸足で使用する更衣室などにも適しているでしょう。

また、カラーやデザインが豊富なため、求めている空間をつくりやすいメリットも。並べ方を工夫すれば、ほかとは違う個性的な柄をつくることも可能です。無地のシンプルなものや、柄入りのものなどさまざまな種類があり、組み合わせ次第でデザイン性の高い床に仕上げられるでしょう。

ビニルタイプ

オフィスは床でイメージが変わる! 使用される床材や事例を紹介
「ビニルタイプ」とは、塩化ビニル樹脂でつくられた床材のことです。タイル型の「フロアタイル」とロール型の「フロアシート」とがあります。広さや部屋の種類などによって使い分けるとよいでしょう。前者は表面が硬く、焼き物のタイルのようなリアルな質感のものも見られます。高級感があるため、応接室やエントランスなどの使用に適しているでしょう。一方、後者はクッション性があり、撥水性も高いため、給湯室やトイレなど水回りでの使用にぴったりです。

ビニルタイプのメリットは、滑りにくく、メンテナンス性が高いことです。拭き掃除のみで簡単に汚れを落とせるため、飲み物をこぼしたり、ホコリや泥などが付着したりしても、メンテナンス費用がかかる心配はありません。廊下や通路、エントランス、水回りなどに使用すると、掃除に手間がかからない快適な空間になるでしょう。

一方で、耐久性がやや低いというデメリットもあります。執務室などに使用する場合は、オフィスチェアとの摩擦などで寿命が短くなる可能性もあるため、ウレタンキャスター使用のものなど、なるべく床が傷付きにくいオフィス家具を導入するとよいでしょう。

天然素材タイプ

オフィスは床でイメージが変わる! 使用される床材や事例を紹介
フローリングや大理石、レンガ、タイルなど、自然の素材を使用した床材のことです。フローリングシートなどで木目のデザインを内装に取り入れることは可能ですが、手触りや質感などを楽しみたい人にとっては、いささか物足りないと感じるかもしれません。その点、本格的に天然素材を用いた床なら、独特の風合いが楽しめます。ワンランク上の内装を目指したい人に適しています。

天然素材タイプのメリットは、素材ならではの風合いや効果を得られることです。天然素材のフローリングは調湿効果に優れており、季節や気候に関わらず快適な空間をつくることが可能です。窓がない部屋や換気が難しい部屋、湿気がこもりやすい部屋などに導入すると、より過ごしやすい空間になるでしょう。

一方、天然素材タイプには、導入コストやメンテナンスコストがかかりやすいというデメリットもあります。費用を抑えて導入したい場合は、強調したいポイントのみ部分的に使用するのがオススメです。天然素材タイプは特別感や高級感を出しやすいので、エントランスやロビー、受付周りなどに使用すると、印象のよいオフィスをつくれるでしょう。

ラグマット

オフィスの床材の張り替えを検討しつつも、リフォームにハードルの高さを感じている場合は、「ラグマット」を導入してみるのもオススメです。ラグマットとは床の敷物のことで、カーペットが床全体に敷くものであるのに対し、こちらは床の一部に限定的に敷いて使います。

デスクや電子機器などが並ぶオフィスは、とにかく無機質なイメージになりがちです。そこで床にラグマットを取り入れることで、無機質なイメージを緩和し、和らいだ雰囲気を演出できます。

エリアの役割や要求されるシチュエーションに合わせて、デザインや素材を選べるのも利点です。休憩室のデスクの下などに敷けば、リラックス効果が高まり、従業員の生産性向上につながります。また、外部の客を迎える応接室に利用することで、高級感もアピールできます。ほかにも、ラグマットには椅子や事務機器を動かした際の軋みから、床材を保護する効果もあります。

ただし、あまり厚いものを採用すると、従業員が行き来の際に足を取られるなど、不便に感じることもあります。導入の際は、あらかじめ導線を考慮しておく必要があるでしょう。

オフィス床を選ぶ際のポイント

オフィスは床でイメージが変わる! 使用される床材や事例を紹介
オフィス床を選ぶ際は、デザイン性だけでなく以下のようなポイントにも着目することが大切です。

お手入れがしやすい素材にする

オフィスの床材を選ぶ時は、デザイン性とメンテナンス性のバランスに注意することが大切です。多くの人が出入りするオフィスは、一般住宅に比べて設備やインテリアなどが汚れやすいものです。毎日の清掃やメンテナンスに手間がかかると、それだけで多くのコストと時間がかかってしまいます。

例えば、「休業日など定期的にメンテナンスを行えるオフィス内には、汚れた箇所だけ取り替えられるタイルカーペットの床材を利用する」「人の行き来が多く、泥や砂などが付着しやすいエントランスには、水拭き可能なビニルタイプの床材を使用する」など、場所ごとの用途や状況に合わせて素材を選ぶとよいでしょう。

また、オフィスを使用しながら床を張り替える場合は、事前によく工事期間を確認しておきましょう。改修工事は土日や祝日など、休業日に実施するケースがほとんどです。しかし、施工範囲が広い場合や部屋の種類などによっては、工期が長引く場合もあります。特に事務機器が並ぶOAフロアは、配線作業や事務機器を動かす必要があるため、ほかの部屋よりも工事に時間がかかることもあるので注意してください。

原状回復がしやすいタイプを選ぶ

毎日のメンテナンスに加えて気をつけたいのが、物件解約時の「原状回復」です。原状回復とは、物件を借りた時の状態に戻してから貸主に返却することです。多くの場合は、経年劣化や自然消耗なども含め、すべて借主の負担で復旧工事を行います。しかし、床材を剥がすのに手間がかかったり、剥がす際に傷がついてしまったりすると、その分の費用がかかることもあります。原状回復のコストを減らしたい人は、自分で簡単に剥がせる床材や、床に置くタイプの床材などを選ぶのがオススメです。

エリアごとに与えたいイメージを意識する

オフィスの床材を選ぶ際は、それぞれのエリアごとに与えたいイメージを考慮し、デザインの完成形を考えたうえで決めるとよいでしょう。以下、各部屋の役割ごとに考えられるレイアウトを順番に確認してみましょう。

会議室

アイディアを積極的に出し、仲間や上司と活発的にやり取りを交わす会議室では、コミュニケーションの活性化が不可欠です。そのため、ここでは交感神経を優位にする、暖色系の色使いを積極的に用いるのが有効です。

特に鮮やかなオレンジのビビットカラーは、交感神経を刺激して、利用者の行動を活発化させてくれるでしょう。イエローも明るさやポジティブさに貢献するので、アイディアを生み出すクリエイティブな場にはぴったりです。

また、明るいデザインのラグマットを用いれば、会議室の雰囲気を和らげ、参加者の緊張をほぐす効果も期待できます。

休憩室

従業員の休憩室にはブラウンやベージュなど、目に優しいアースカラーを用いるのがよいでしょう。温かみのある木目のフローリングも、休憩室によく馴染みます。これらの色は、草木や土などの自然にも通じる色合いであるため、見る人に安心感を与えてリラックスさせ、ストレスを軽減できるのです。

執務室

集中力を高めて作業する執務室は、ブルーなどの寒色系を意識して取り入れるとよいでしょう。床を寒色系にすることで、集中力の向上やストレス軽減などの効果が期待できるほか、清潔感のある印象を与えられます。

応接室

来客を案内する応接室は、会社の顔とも呼ぶべきエリアです。高級感や清潔感が大事であることから、ブラックやホワイトなど、シンプルさやスタイリッシュさを演出してくれる色を用いると効果的です。特に奇抜なデザインなどは求められていない応接室ですが、自社アピールのために、会社のイメージを象徴する色や意匠などをデザインに取り入れてもよいでしょう。

デザインだけでなく床の配線にも注意

オフィスの床は、パソコンや専用の機器などの配線で、どうしても雑然とした印象になりがちです。ワンランク上のオフィスをつくるには、床のデザインだけでなく配線の整理にも気を配るとよいでしょう。小規模なオフィスであれば、コードレス機材を導入したり、余った配線を短く調整したり、見えない位置でまとめたりするだけでも、すっきりとした空間に仕上がります。スパイラルチューブなどのアイテムを活用し、複数のコードをまとめるのもオススメです。
また、IT企業やパソコン業務を行う業種などは、オフィスをOAフロアに変更するという手もあります。OAフロアとは、床を二重構造にすることで、床下に配線をまとめて収納できる部屋のことです。露出する配線の数がぐんと少なくなるので、日々の掃除の手間や転倒リスクなども減り、過ごしやすく安全なオフィスがつくれるでしょう。「支柱式」と「置敷式」の2種類があり、それぞれ施工方法や工期などが異なるため、予算や休業日の都合なども踏まえて適切なほうを検討することが大切です。

オフィス床のデザイン事例集

ここでは、オフィスの床材を活かした魅力的なデザイン事例をまとめました。モルタルやカーペット、フローリングなど、さまざまな床材を使用した内装を紹介します。

注目度抜群の文字デザイン

こちらは「事務所デザイン.COM」掲載の「株式会社レガリス」のデザイン事例です。駐車場から地続きになった企業のエントランスには、大胆な企業名のプリントが見られます。床材にはシンプルなモルタルを使用し、フォントは都会らしいスタイリッシュなものをチョイス。ファッション雑貨や家具などを扱う、オシャレな企業イメージを表現しています。

コーポレートカラーをアクセントにしたデザイン

こちらは「WORK OFFICE CREATOR」掲載の「株式会社エデンレッドジャパン」のデザイン事例です。執務フロアの床には、企業のロゴをイメージした赤い水玉模様を施しました。シンプルなオフィス家具でまとめ、カラーに統一感を持たせたことで、床をアクセントにしたバランスのよいデザインに。床材は温かみのあるカーペットを使用しています。

ヘリンボーン張りで高級感を演出

こちらは「WORK KIT」掲載の「株式会社日本エスコン」のデザイン事例です。フローリングをヘリンボーン模様に貼り合わせ、高級感のある印象的な内装に。どんなデザインにも馴染みやすく、多くの企業で用いられているフローリングですが、貼り方を工夫すれば、ほかとは違うワンランク上の内装に仕上がります。

内装の広い範囲を占める床材は、オフィスの第一印象を決定する大切なポイントです。さまざまな種類があるため、デザイン性とメンテナンス性のバランスを考慮し、部屋ごとに適切なものを選ぶとよいでしょう。
その際は、日々の掃除の手間や原状回復に要するコストなどにも気を配ることが大切です。もし配線が多く雑然とした印象になる場合は、OAフロアへの変更工事を検討するのもオススメです。
詳しい費用やデザインなどを知りたい人は、オフィスのリノベーション実績が豊富な「カシワバラ・コーポレーション」に、お気軽にご相談ください。

DIYer(s)

WRITTEN BY

DIYer(s)

Japan

DIYer(s)編集部です。DIYのアイデアやハウツー、おすすめツールやショップ情報まで幅広くお届けします!