リフォームで固定資産税は変わる? 上がる場合や下がる場合などを解説
住宅やオフィスをリフォームすると、固定資産税が増額または減額するケースがあることはご存知でしょうか? 本記事では固定資産税が上がる場合・下がる場合・変わらない場合のリフォーム内容、固定資産税を減額できる特例措置をご紹介します。
公開日 2023.03.21
更新日 2023.04.06
住宅やオフィス・店舗のリフォームを行うと固定資産税が変動することがあります。
場合によっては建築物の価値が上がったとみなされて、固定資産税が増額するケースもあるため、リフォーム前に確認しておきましょう。工事の規模によって増額の有無が変わるため、税額が変化しないような工事も可能です。
本記事では固定資産税とリフォームの関係について主に解説します。個々のケースによって固定資産税の扱いが変わるため、受けられる軽減措置の内容や最新情報については、各自でご確認ください。
場合によっては建築物の価値が上がったとみなされて、固定資産税が増額するケースもあるため、リフォーム前に確認しておきましょう。工事の規模によって増額の有無が変わるため、税額が変化しないような工事も可能です。
本記事では固定資産税とリフォームの関係について主に解説します。個々のケースによって固定資産税の扱いが変わるため、受けられる軽減措置の内容や最新情報については、各自でご確認ください。
固定資産税とは
固定資産税とは、土地・家屋・償却資産の所有者に固定資産の価格に応じて課される税金です。
固定資産の対象は、田・畑・山地・宅地などの土地、住宅・店舗・工場・倉庫などの家屋、償却資産(事業用の備品・設備)などが該当し、毎年1月1日時点で固定資産が所在している市町村(東京都23区の場合は都)に対し、登記簿または課税台帳に所有者として登録がある住民は納税しなければなりません。納税額は「課税標準額(基本は固定資産税の評価額)×標準税率1.4%」という式で算出されます。評価額は3年ごとに再評価されるため、再評価の時期以外は原則納税額は据え置きです。
固定資産の対象は、田・畑・山地・宅地などの土地、住宅・店舗・工場・倉庫などの家屋、償却資産(事業用の備品・設備)などが該当し、毎年1月1日時点で固定資産が所在している市町村(東京都23区の場合は都)に対し、登記簿または課税台帳に所有者として登録がある住民は納税しなければなりません。納税額は「課税標準額(基本は固定資産税の評価額)×標準税率1.4%」という式で算出されます。評価額は3年ごとに再評価されるため、再評価の時期以外は原則納税額は据え置きです。
固定資産税について考える重要性
固定資産税は土地や家屋にかかわる重要な税金であり、所有者であれば必ず課税される税金です。
土地や家屋の所有者が押さえておきたいのは、建築物の価値や地価が変われば住宅の評価額も変わり、その分税額も変動する、という点です。
固定資産の評価額は総務大臣が定める固定資産評価基準に基づき、評価額に新築で建て直す際の「再建築価格」と、経年劣化を反映する「経年減点補正率」などを掛けて算出します。
そして建築物を含む固定資産の評価は1回で終わらず、3年に1回、その時の物価水準や経年劣化を考慮して再評価します。ここで注意しなければならないのは、新築から年数が経過して徐々に減額していくとは限らない、という点です。
固定資産税には、再評価により納税額の急上昇を防ぐため、課税標準額を少しずつ引き上げ段階的に税額を上げていく「負担調整措置」が取られています。
納税負担が緩やかに大きくなるため、所有者にとっては大きなメリットですが、場合によっては評価額は据え置きでも、経年により課税標準額が上がったことで税額も上がることもあります。
そしてもし住宅や店舗・オフィスをリフォームすれば、住宅の価値が上がったものとして固定資産税が増える可能性もあります。
このように一度土地や家屋を所有すると、手を加えても加えなくても固定資産税額が上下します。特にリフォームの予定がある場合は税額が上昇する可能性も出てくるため、事前に充分に確認しましょう。
土地や家屋の所有者が押さえておきたいのは、建築物の価値や地価が変われば住宅の評価額も変わり、その分税額も変動する、という点です。
固定資産の評価額は総務大臣が定める固定資産評価基準に基づき、評価額に新築で建て直す際の「再建築価格」と、経年劣化を反映する「経年減点補正率」などを掛けて算出します。
そして建築物を含む固定資産の評価は1回で終わらず、3年に1回、その時の物価水準や経年劣化を考慮して再評価します。ここで注意しなければならないのは、新築から年数が経過して徐々に減額していくとは限らない、という点です。
固定資産税には、再評価により納税額の急上昇を防ぐため、課税標準額を少しずつ引き上げ段階的に税額を上げていく「負担調整措置」が取られています。
納税負担が緩やかに大きくなるため、所有者にとっては大きなメリットですが、場合によっては評価額は据え置きでも、経年により課税標準額が上がったことで税額も上がることもあります。
そしてもし住宅や店舗・オフィスをリフォームすれば、住宅の価値が上がったものとして固定資産税が増える可能性もあります。
このように一度土地や家屋を所有すると、手を加えても加えなくても固定資産税額が上下します。特にリフォームの予定がある場合は税額が上昇する可能性も出てくるため、事前に充分に確認しましょう。
リフォームと固定資産税の関係性
それでは実際に、リフォームによって固定資産税にどのような影響が出るのでしょうか。
リフォームすると固定資産税が変わる可能性がある
リフォームにより建築物の価値が変わると、固定資産税も変動する可能性があります。
固定資産税が変わるケースとして挙げられるのは、建築確認申請を提出するほどの大規模なリフォームです。
建築確認申請とは、大規模な建築・修繕を行う際に、建築物が建築基準法・都市計画法が定める基準に沿っているかの審査を受けるための申請です。増築工事や屋根のふき替え、外壁の補修といった大規模工事を行う際は必ず実施しなくてはなりません。
このような大規模なリフォームを行うと、付加価値の上昇により税金が増額する可能性が高いです。
固定資産税が変わるケースとして挙げられるのは、建築確認申請を提出するほどの大規模なリフォームです。
建築確認申請とは、大規模な建築・修繕を行う際に、建築物が建築基準法・都市計画法が定める基準に沿っているかの審査を受けるための申請です。増築工事や屋根のふき替え、外壁の補修といった大規模工事を行う際は必ず実施しなくてはなりません。
このような大規模なリフォームを行うと、付加価値の上昇により税金が増額する可能性が高いです。
どのように変わるかはケースバイケース
固定資産税が上がるか下がるかはリフォームの規模や内容によります。
例えば、外壁や屋根の修繕といった住むために必要な範囲の修繕・改修だと税金に影響がありません。価値が上がったのではなく、原状復帰でマイナスの状態が元に戻ったと見なされるためです。
そもそも申請が不要なほどの小さな変更を、役所が逐一把握・評価するのは困難なため、建築物の一部分を修繕・改修する程度の小規模リフォームであれば基本的に付加価値がないものとして扱われ、税額にも影響しません。
固定資産税が上がりそうに見える大規模のリフォームでも、「大規模」の定義に該当しなければ固定資産税の税額に影響しません。
建築基準法には大規模な修繕・模様替えについて書かれた条文がありますが、条文では大規模な修繕・模様替えに該当するのは、「建築物の主要な構造部分(壁・柱・はり・屋根・階段)のうち、ひとつ以上の過半を修繕・模様替えする場合」に限ります。
つまり、修繕・模様替えの割合が半分以下で建築物の付加価値が上がらない範囲の変更なら建築確認申請が不要なため、税額に影響しない可能性が高いと考えられます。一方で、バリアフリー・耐震といった意図でリフォームする場合、固定資産税が減額されることもあります。
そのほか、リフォーム済みの中古物件や空き家は、固定資産税が通常より相場が高いこともあるなど、固定資産税の上がり下がりは実にケースバイケースです。
例えば、外壁や屋根の修繕といった住むために必要な範囲の修繕・改修だと税金に影響がありません。価値が上がったのではなく、原状復帰でマイナスの状態が元に戻ったと見なされるためです。
そもそも申請が不要なほどの小さな変更を、役所が逐一把握・評価するのは困難なため、建築物の一部分を修繕・改修する程度の小規模リフォームであれば基本的に付加価値がないものとして扱われ、税額にも影響しません。
固定資産税が上がりそうに見える大規模のリフォームでも、「大規模」の定義に該当しなければ固定資産税の税額に影響しません。
建築基準法には大規模な修繕・模様替えについて書かれた条文がありますが、条文では大規模な修繕・模様替えに該当するのは、「建築物の主要な構造部分(壁・柱・はり・屋根・階段)のうち、ひとつ以上の過半を修繕・模様替えする場合」に限ります。
つまり、修繕・模様替えの割合が半分以下で建築物の付加価値が上がらない範囲の変更なら建築確認申請が不要なため、税額に影響しない可能性が高いと考えられます。一方で、バリアフリー・耐震といった意図でリフォームする場合、固定資産税が減額されることもあります。
そのほか、リフォーム済みの中古物件や空き家は、固定資産税が通常より相場が高いこともあるなど、固定資産税の上がり下がりは実にケースバイケースです。
リフォームで固定資産税が変わらない場合
固定資産税が変わらないリフォームの例は以下の通りです。
耐震補強をする場合
はり・床・基礎の着工が必要となる大規模な耐震補強の場合は固定資産税は変動しますが、基礎に手を付けない部分的な耐震補強・耐震改修の場合は、固定資産税が上がりません。例えば、腐食部分の修復や柱・壁の補強などがここに当てはまります。
また、後述するように、固定資産税額の減額措置が適応されるケースもあるため、どの部分にどのような補強を加えるかをクリアにしておきましょう。
また、後述するように、固定資産税額の減額措置が適応されるケースもあるため、どの部分にどのような補強を加えるかをクリアにしておきましょう。
間取りに変化がない場合
建築物の構造・間取りはそのままで内装だけリフォームする場合、建築確認申請が不要なため固定資産税は変わりません。
例えば、壁紙や床の張替え、水回りの修理、外壁のひび割れなどは原状復帰に相当するため、建築確認申請は不要です。しかし、新築以上の改修や新設備の増設などのリノベーションをする場合は、建築確認申請が必要なため、固定資産税が変わる可能性があります。
例えば、壁紙や床の張替え、水回りの修理、外壁のひび割れなどは原状復帰に相当するため、建築確認申請は不要です。しかし、新築以上の改修や新設備の増設などのリノベーションをする場合は、建築確認申請が必要なため、固定資産税が変わる可能性があります。
主要な部分に関係がない場合
主要構造部や基礎部分に影響がない工事の場合も、固定資産税は変わりません。
また、主要構造部とされる屋根や柱、壁を変更する場合でも規模が半分以下であれば同様です。
ただし、屋根材のふき替え、2~3階建て住宅の外壁補修(外装材の張替え)がいずれも過半に及ぶ場合や増築などは建築確認申請が必要なため、課税額にも影響します。
ほか、壁・柱・床は原則として主要構造部にあたるものの、間柱や間仕切り壁、付柱、最下階の床・揚げ床については主要部分に該当しません。劣化部分の修復といった規模の小さい工事であれば固定資産税の変動はありませんが、修繕する箇所が主要部分か否かの判断は素人では難しいため、専門家に相談したほうがよいでしょう。
また、主要構造部とされる屋根や柱、壁を変更する場合でも規模が半分以下であれば同様です。
ただし、屋根材のふき替え、2~3階建て住宅の外壁補修(外装材の張替え)がいずれも過半に及ぶ場合や増築などは建築確認申請が必要なため、課税額にも影響します。
ほか、壁・柱・床は原則として主要構造部にあたるものの、間柱や間仕切り壁、付柱、最下階の床・揚げ床については主要部分に該当しません。劣化部分の修復といった規模の小さい工事であれば固定資産税の変動はありませんが、修繕する箇所が主要部分か否かの判断は素人では難しいため、専門家に相談したほうがよいでしょう。
リフォームで固定資産税が上がる場合
固定資産税額に影響するリフォーム例は以下の通りです。役所に申請が必要なレベルの大規模な工事であれば、ここに該当します。
面積が増加する場合
固定資産評価額の計算に総床面積が関係するため、床面積が増える場合は固定資産税も増えます。
基本、10平方メートル以上の増築をする時は建築確認申請が必要です。
床面積が増える工事の例としては主に、階数や部屋数、フロア、離れ小屋、別棟、サンルームの増築などがあります。
ほか、屋根と3方向以上囲う壁があるガレージタイプの車庫や、基礎工事済みで屋内的な用途にも使える物置も課税される可能性が高いです。
このように、固定資産税が増額するか否かは外気分断性・土地への定着性・用途性で決まります。
住宅のように外気を遮断し、土地から容易に動かず、天井が1.5m以上あり、何らかの用途に使える空間がある場合は課税の対象です。
基本、10平方メートル以上の増築をする時は建築確認申請が必要です。
床面積が増える工事の例としては主に、階数や部屋数、フロア、離れ小屋、別棟、サンルームの増築などがあります。
ほか、屋根と3方向以上囲う壁があるガレージタイプの車庫や、基礎工事済みで屋内的な用途にも使える物置も課税される可能性が高いです。
このように、固定資産税が増額するか否かは外気分断性・土地への定着性・用途性で決まります。
住宅のように外気を遮断し、土地から容易に動かず、天井が1.5m以上あり、何らかの用途に使える空間がある場合は課税の対象です。
用途が変わる場合
住宅を店舗や事務所として利用するなど、これまでとは異なる用途で使用するためにリフォームする場合は、建築物の資産価値が変わるため固定資産税も上がる可能性があります。
住宅から事務所や店舗に変わると、面積に応じて税額の軽減割合が変動する固定資産税の軽減特例にも影響します。事業用に確保したスペース次第では、住宅用の時よりも適用される軽減割合が下がり、負担が重くなる可能性があります。
住宅から事務所や店舗に変わると、面積に応じて税額の軽減割合が変動する固定資産税の軽減特例にも影響します。事業用に確保したスペース次第では、住宅用の時よりも適用される軽減割合が下がり、負担が重くなる可能性があります。
スケルトンリフォームをおこなう場合
スケルトンリフォームとは、建築物の骨組みだけを残す大規模なリフォームです。壁や床などを一度取り壊して改修するため、間取りの変更がしやすい工事方法でもあります。
基礎部分に手を付けない工事ですが、住宅の機能性や安全性・耐久性が上がるため、固定資産税が上がる可能性が高いです。また、キッチンや空調などの設備増設も評価額が上昇する要因になります。
基礎部分に手を付けない工事ですが、住宅の機能性や安全性・耐久性が上がるため、固定資産税が上がる可能性が高いです。また、キッチンや空調などの設備増設も評価額が上昇する要因になります。
リフォームで固定資産税が下がる場合
特例措置の利用で固定資産税が下がるケースを紹介します。どの特例も、期限の2024年3月31日までに工事を完了させなければならないため、注意が必要です。
2023年2月現在の情報であるため、制度の詳細、必要書類などは各自治体や官公省庁の公式ページなどでご確認ください。
2023年2月現在の情報であるため、制度の詳細、必要書類などは各自治体や官公省庁の公式ページなどでご確認ください。
バリアフリーリフォームをする場合
一定の要件を満たすバリアフリーリフォームをすると、工事完了から翌年度分の固定資産税を3分の1まで減額できます。
主な要件は以下の通りです。
・工事費用が50万円以上
・新築から10年以上経過
・バリアフリーリフォーム費用が補助金等を除いて税込み50万円を超える
・床面積が50〜280平方メートル
・床面積の1/2以上が居住用
・65歳以上or要介護・要支援の認定or障害者が同居している
・賃貸でない
・一定のバリアフリーリフォームがされている(手すりの取り付けや滑りにくい床材への変更など)
そのほか詳細は各自でご確認ください。
主な要件は以下の通りです。
・工事費用が50万円以上
・新築から10年以上経過
・バリアフリーリフォーム費用が補助金等を除いて税込み50万円を超える
・床面積が50〜280平方メートル
・床面積の1/2以上が居住用
・65歳以上or要介護・要支援の認定or障害者が同居している
・賃貸でない
・一定のバリアフリーリフォームがされている(手すりの取り付けや滑りにくい床材への変更など)
そのほか詳細は各自でご確認ください。
耐震リフォームをする場合
一定の要件を満たす耐震リフォームをすると、工事完了後、翌年度分の固定資産税を2分の1に減額できます(※床面積120平方メートル相当分まで)。
要件は以下の通りです。
・1982年1月1日以前に建てられたもの
・新耐震基準を満たしていること
・工事費用が50万円以上
1982年(昭和57年)1月1日以前からある住宅の場合に措置を受けられます。また、店舗など事業併用住宅の場合は、床面積の半分以上が生活用であることが追加条件です。
要件は以下の通りです。
・1982年1月1日以前に建てられたもの
・新耐震基準を満たしていること
・工事費用が50万円以上
1982年(昭和57年)1月1日以前からある住宅の場合に措置を受けられます。また、店舗など事業併用住宅の場合は、床面積の半分以上が生活用であることが追加条件です。
省エネリフォームをする場合
一定の要件を満たす省エネ改修工事を行うと、工事が完了した翌年度分の固定資産税を3分の1に減額できます。
省エネ改修工事には主に以下が相当します。
・窓の断熱改修工事
・床・天井・壁の断熱工事
このうち、窓の断熱改修工事は必須なためご注意ください。
また、主な要件は以下の通りです。
・2014年4月1日以前に建てられたもの
・床面積の1/2以上が居住用
・2016年省エネ基準に相当
・省エネリフォーム費用が税込み50万円超
以上がリフォームと固定資産税の関係です。税額に影響があるかどうかは工事の規模によるため、本記事を参考にして住宅の工事についてぜひ検討してみてください。
省エネ改修工事には主に以下が相当します。
・窓の断熱改修工事
・床・天井・壁の断熱工事
このうち、窓の断熱改修工事は必須なためご注意ください。
また、主な要件は以下の通りです。
・2014年4月1日以前に建てられたもの
・床面積の1/2以上が居住用
・2016年省エネ基準に相当
・省エネリフォーム費用が税込み50万円超
以上がリフォームと固定資産税の関係です。税額に影響があるかどうかは工事の規模によるため、本記事を参考にして住宅の工事についてぜひ検討してみてください。
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