部屋の寒さ原因は窓? 寒さ対策を紹介

部屋が寒いと感じる方に向けて、冷気はどこから来るのか、その原因や対策方法を紹介する記事です。自分でできる簡易的な対策から、しっかりとした工事を伴うような対策方法まで幅広く解説します。冬の寒さが本格化する前に、防寒対策を行いましょう。

公開日 2022.12.27

更新日 2023.03.27

部屋の寒さ原因は窓? 寒さ対策を紹介

秋や冬の寒い時期には部屋の中、とりわけ窓際のあたりが冷え込むのではないでしょうか。
最近ではリモートワークをする方も増え、住まいの環境を整備する必要性は大きくなっています。防寒対策は、健康維持のためだけでなく、仕事に集中するためにも欠かせません。
快適な室内環境を維持するため、部屋が寒くなる原因や、防寒対策の方法について解説します。

部屋が寒くなる理由は窓

部屋の寒さ原因は窓? 寒さ対策を紹介
部屋が寒くなる原因として大きいのは、窓の断熱性能が低いことです。一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会によると、冬場には約60%もの熱が窓から流出するといいます。各部屋に設けられている窓の断熱性は、そのまま住まいの断熱性に直結するでしょう。したがって、部屋の寒さを解消したければ、窓に防寒対策を施すのが効果的です。
窓から熱が逃げる原因は主に2つあります。一つは窓が薄いこと、そしてもう一つは隙間から冷気が侵入することです。新しい建物は断熱性の高い仕様となっていることが多いため、近所に新しい建物があれば、訪問して室内の温度を比べてみるとわかりやすいでしょう。
窓への対策は、壁を断熱仕様に変えるといった方法よりも容易で、しかも低コストです。

窓の断熱性が低いことによる悪影響

部屋の寒さ原因は窓? 寒さ対策を紹介
窓の断熱性が低いと、生活する上でさまざまな悪影響が生じます。中には命に関わることもあるため、注意しなければなりません。例えば、高齢者が浴室などで倒れるヒートショックは、断熱性の低い窓によって生じた、暖房を点けている部屋との気温差も原因とされています。
具体的な悪影響として挙げられるのは、以下の3つです。

部屋が暖かくなりにくい

断熱性の低い窓を使い続けていると、室温の上昇に時間がかかるだけでなく、一度上昇した室温もすぐ下がってしまいます。暖めた先から熱が逃げていくため、なかなか望ましい温度まで室温が上がりません。場合によっては、暖房機器をフル稼働させ続ける必要があります。
部屋が暖まらないと居心地も悪くなり、ストレスにつながるでしょう。また、断熱性が低いと温度の調整にもいちいち気を配らなければならず、気が休まりません。

余計な光熱費がかかる

部屋を暖めるのに時間を要する分、必要な熱量も増えます。暖房設備の稼働時間が長くなることで光熱費も高額となり、暖房機器にかかる負荷も増大するでしょう。エコの観点からも望ましいとはいえません。
住まいの断熱性が上がれば、暖房機器を電気毛布のような簡易で安価なものに変更することも可能です。これにより、冬場の光熱費を大幅に削減することにもつながるでしょう。
とりわけリモートワークを行う場合などのように、部屋の中で長時間を過ごしていると、暖房が光熱費に及ぼす影響は大きなものとなるため、無視できない問題です。

健康面へのリスクがある

部屋が寒いままだったり、暖房機器の長時間稼働によって室内が乾燥したりすると、健康面でもリスクがあります。具体的には、寒い部屋に居続けることで体温と共に免疫機能が低下し、病気になりやすい体になってしまうなどの危険性です。コロナウイルスやインフルエンザなどが冬に蔓延しやすいのも、この免疫力の低下が一因となっています。
また、各部屋の室温に高低差があると、ヒートショックといわれる急激な血圧の変化により、心臓に大きな負担をかけてしまいかねません。窓の断熱性が低いと、暖房を点ける部屋と点けない部屋で温度差が大きくなりやすいため、対策を要します。
自分の身を守るためにも、部屋を暖かくして対策をしなければなりません。

手軽にできる寒さ対策

部屋の寒さ原因は窓? 寒さ対策を紹介
いきなり本格的な対策を行うことに抵抗のある方や、断熱対策にあまりコストをかけられないという方は、手軽にできる対策から始めてみてはいかがでしょうか。少しの手間でも十分効果のある対策は多くあります。できることから始めていき、それでもなお不十分だと感じた時に、効果の大きい対策を検討するとよいでしょう。
自分で簡単にできる寒さ対策としては、次に紹介するものがあります。

断熱シートを貼る

窓に断熱シートを貼ることで、冷気の侵入を防ぐ対策があります。シートによる断熱の仕組みとしては、二重サッシのように空気の層を設けることで、室内の空気が冷たい窓へダイレクトに接する状態を防ぐというものです。
空気層を設けるという点からは、梱包などに使われるような、いわゆる「ぷちぷち」の緩衝材を活用することもできます。これでも断熱シートと似たような効果は得られるでしょう。ただ、断熱シートは緩衝材より空気の層が厚くとれるため、薄くても十分な断熱性能を確保できます。ホームセンターなどでも手に入るので、断熱効果を重視するなら専用の断熱シートがオススメです。
断熱シートは材料が軽く楽々運べて、カッターなどで切断できるため、自分でも簡単に貼れます。手っ取り早く対策をしたい場合にも適しているでしょう。

プラダンを貼る

「プラダン」と呼ばれる、プラスチック製の段ボールを使うのもよいでしょう。これは段ボールのようなつくりの板材で、断熱シートと同様に空気の層があるため、断熱効果が見込めます。プラスチックなので結露など水分に強く、メンテナンスも少なく済むため、工事現場などでもよく利用されるアイテムです。
そのまま窓に貼る場合には、少しばかり見栄えが気になるかもしれません。しかし、プラダンは形が整っており、見た目もスッキリするため、来客に見られるような所でも活用しやすいでしょう。
プラダンもカッターなどで簡単に切断でき、両面テープで貼るだけなので、お手軽です。

遮熱断熱カーテンに変える

カーテンを遮熱・断熱性能の高いものに変えることも有効性があります。遮熱とは熱を吸い込まずに跳ね返すことで、断熱とは熱の移動を防ぐことです。いずれも防寒対策となることに変わりはありません。カーテンを取り替えるだけですぐ効果があるため、取り組みやすい方法でしょう。遮熱断熱カーテンは家具屋やショッピングセンターなどで購入できます。取り付け方も通常のカーテンと同様です。窓のサイズに合わせて様々なサイズの商品があるため、インテリアとしての観点からも選んでみるとよいでしょう。
カーテンそのものの性能だけでなく、窓との間に空気層ができることも断熱効果につながっています。後述する窓の耐熱性能の向上と併せることで、より大きな断熱効果を得られるはずです。

カーテンの隙間を埋める

カーテンを遮熱・断熱性能の高いものにしても、隙間が大きいとそこから冷気が漏れてしまいます。例えば、カーテンのサイズが小さく窓をカバーできていないと、十分な断熱効果は得られません。カーテンの活用においては、窓を覆うサイズのものにすることが重要です。カーテンが床に着くものを選ぶとよいでしょう。
カーテンで窓を密閉すれば断熱効果も上がるため、サッシ枠にカーテンをテープで固定するなどの方法もあります。ただし、開閉はしにくくなるため、窓の使用頻度に応じて検討するようにしましょう。

窓をリフォームする

部屋の寒さ原因は窓? 寒さ対策を紹介
ここまでは簡易にできる対策を紹介してきました。しかし、より効果のある対策は、窓の断熱性が向上するリフォームを行うことです。
リフォームをすれば、断熱性の大幅な向上が見込めるだけでなく、見た目もスッキリします。基本的には、あとから補修などのメンテナンスを実施する必要もありません。

また、内装などの改装工事と比べて、改装にかかる時間が短めです。壁の断熱性能を変えようとすれば、壁を一度壊したり、内装仕上げをもう一度貼り直したりする必要があります。他方、窓のリフォームは窓のみで完結するため時間がかかりませんし、安価な工事で済む場合も多いでしょう。家のつくりが古いほど効果も感じられるので、検討してみる価値があります。
窓のリフォーム方法として挙げられるのは、二重窓の設置と断熱ガラスへの変更です。

二重窓の設置

現在の窓を残したまま、新たな窓をもう一枚取り付け、二重とする方法です。風除室や縁側のように広い幅を設けるものではありません。サッシのすぐ前後にもう一枚取り付けることにより、サッシの断熱性に加えて空気層の断熱効果を活用できます。新設する窓を断熱ガラスや樹脂製などの高断熱なものにすることで、より大きな効果が期待可能です。
また、窓が二重となることにより、サッシの隙間などから入り込む冷気も抑えられます。
ただし、窓周辺の形状などにより設置方法が異なる場合や、そのまま取り付けができない場合などもあるでしょう。工事の仕方によって費用が異なるため、一度専門家に相談してみることをオススメします。

断熱ガラスに変える

二重窓の設置が難しい場合、今の窓ガラスを断熱性の高いガラスに変えるだけでも効果が見込めます。
断熱性の高いガラスとして挙げられるのは、二重にガラスを設置するペアガラスや、三層以上の複層ガラスです。さらに断熱性を高めたいのであれば、「Low-Eガラス」という、ガラス間の空気層に金属膜でコーティングしたものを活用する方法もあります。
断熱ガラスへの交換は、結露の発生を少なくする効果もあるため、仕上げ材や下地が長持ちするなどといった住まいの耐久性向上も期待可能です。
複層ガラスやLow-Eガラスは新築時の仕様として選ばれていることも多く、断熱効果も認められています。
自分での対策と比べると費用はかかりますが、光熱費や暖房機器にかかる費用は削減できますし、室内の快適さも変わるため、費用対効果が高くオススメの対策方法です。


窓の防寒対策は、暖房費の節約につながり、快適な室内環境も確保できる効果的な方法です。
近年は特にエコな住環境が重要視されており、サッシやガラスの断熱性を向上させる工事に補助金が出ていることも少なくありません。お住まいの自治体の制度を調べたり、施工工事に支給される補助金がないか確認したりしてみるとよいでしょう。
ほとんどの補助金は着工前に申請が必要であるため、安価で施工を行うには事前の確認が不可欠です。
紹介した対策は費用対効果の高い方法ばかりなので、簡単なことからでも始めてみて、その効果を実感してみましょう。

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