0428 Mellow Pages Library
DIYerとして独自のスタイルをニューヨークから発信する人々を紹介したムービー『DIYer(s) in New York』。前回は総集編をお送りしましたが、今回からはそれぞれの人物にフィーチャーしていきます。第1回目としてピックアップするのは本が好きという思いから生じて、コミュニティースペースを作り上げた2人の話。DIYマインドがくすぐられるのに、国籍なんて関係ない、と実感させてくれる。
「本の楽しさを皆でシェアするためのスペースを作りたかったんだ」と語るのは「メロウ・ページズ・ライブラリー」を主宰するジェイコブ・パーキンズとマット・ネルソン。大学の同窓生という二人は、2年前、かつてアーティストのアトリエだったスペースに、自らと同じく“本の虫”のためのライブラリー兼リーディングルーム、イベントスペースを作り上げた。
「ふたりとも大の読書家だから、家に山ほど本があったんだ。家のスペースは限られているけれど、どうやったら本を全部とっておけるかって考えた。ある意味チャリティーだよ、誰もが棚に眠っている本があって、そんな本を置くスペースを設けて、皆でシェアして、読書の機会を与えるってね。最初は貸本屋のアイデアだったんだけど、しばらくするうちにもう少し組織化しようと会員制にして、ちゃんとしたライブラリーらしくなったんだ」。
ライブラリーという形態も新鮮だが、ユニークなのはインディペンデント系の発行物に限定している姿勢。2人は紙の書籍をアートの一つととらえ、小さな出版社だからこそのハンドメイド感あふれる本を集めているのだ。しかも陳列のルールはあってないようなもので、ごちゃ混ぜ状態。だから、探すという行為もここでの楽しみ。他では見つからない作品との一期一会があり、その作品はまた誰かの手へと繋がっていく。そんなシェアリングの概念も、ニューヨークの中でもブルックリンらしい考え方。
そして、置いてある本棚や家具は、なんとすべてストリートで見つけたもの。本はメンバーからの寄贈、あるいは作家の持ち込みによって支えられている。スタートさせたときは、2人の愛蔵書700冊くらいだったが、今ではどんどん増えて7,000冊を軽く超えるという。その数は本人たちもはっきりと把握していない様子。
「大きなスペースに移って、もっとたくさんの本を集めたいね。いつも誰かがいるようなスモールスペースの雰囲気はそのままに。ライブラリーとしての活動を変わらず続けていきたい。たとえ誰も読まなかったとしても、それが僕らにとって重要なんだ」。
自分たちで作った空間が自分たちの手だけでなく、そこに集う人たちの手によっても進化を遂げていく。この空間作りもまた一種のDIYじゃないだろうか。好きこそ物の上手なれという言葉そのままに、ひたむきに思いを行動にすることで形にした彼らのエピソードには、DIYerなら誰もがパワーをもらえるはず。それでは第2回もお楽しみに。
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Japan
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