“60年代の洋品店”をリノベで実現!高難度のオーダーを叶える、店舗デザイン。

リノベーションは、住居や店舗など、自分の空間を作る際の選択肢の一つです。なので何より、“どんな空間にしたいか”というコンセプトをはっきりさせて臨みたいところですよね!そこで今回は、南青山の空き物件を、確固たるコンセプトを持ってリノベーションした方に密着取材しました!「いずれは自分の店舗を...!」という野望を持つ方、必見です。

公開日 2020.08.29

更新日 2020.08.29

“60年代の洋品店”をリノベで実現!高難度のオーダーを叶える、店舗デザイン。

ひっそりと佇む、洋品店。惹きつけられるそのワケは?

“60年代の洋品店”をリノベで実現!高難度のオーダーを叶える、店舗デザイン。
今回ご紹介するのは、JR渋谷駅から6分ほどの路地に、ひっそりと佇むこちらのお店。お世辞にも目立ってるとは言い難い外観ですが、なんだか目を引く不思議な雰囲気。“知る人ぞ知る”といった様子にも関わらず、店内にグッと引き付けられる理由は開放的なファサードデザインのおかげでしょうか?ショーウィンドウを覗き込むと、店内には綺麗にテーラリングされたジャケットや、映画のポスターが並びます。
“60年代の洋品店”をリノベで実現!高難度のオーダーを叶える、店舗デザイン。
そう、今回紹介するのは、“60年代のフランス”をイメージしたというこちらの洋品店『Godard(ゴダール)』。本物件は、カシワバラ・コーポレーションによるリノベーションによって誕生した店舗。こだわりが強く、造詣の深いオーナーならではのオーダーを叶えたというリノベーション工事が、どのように進んで行ったのか?施工担当者と、オーナーそれぞれに話を伺いました。いつかは自分のお店を持ってみたい!という思いのある方、必見です。

以前は小さな雑貨屋さん

“60年代の洋品店”をリノベで実現!高難度のオーダーを叶える、店舗デザイン。
それではまず、この物件の歴史からみていきましょう。リノベーションされる以前、ここには小さな雑貨店があったのだそうです。写真は施工前の外観ですが、白いドアにレンガのアクセント、西洋チックで可愛らしい印象を受けました。
ちなみに、この建物が出来たのは1960年代。40年以上経過しているからこそ、このレトロな味が滲み出ているのだと納得しました。そして、実はこの年代の物件を選んだところから、既に店主のこだわりは始まっているんです。それに関してはこのあと、詳しくご説明します!
“60年代の洋品店”をリノベで実現!高難度のオーダーを叶える、店舗デザイン。
では、店内はどうなっているのか?今回のリノベーションが行われる前の内装を覗いてみました。中に入ると、店内はうなぎの寝床のように奥に細長く伸びています。そして、通路の両脇にはディスプレイラックがびっしり。きっとここに雑貨が数多く展示されていたのでしょう。残念ながら営業していた当時の写真は見つけられませんでしたが、お客さんが所狭しと入っていたのが目に浮かぶようです。

高難度の縦長物件!快適空間を実現するリノベがスタート

“60年代の洋品店”をリノベで実現!高難度のオーダーを叶える、店舗デザイン。
今回のリノベーションの、解体風景も特別に見学させていただきました。そして、写真は左右のディスプレイラックを取り外していく様子。存在感のあったこの棚がなくなるだけで、一気に開放感が出てきそうですね。
こうして、歴史ある什器や店舗に敬意を払いながらも、慎重に作業が進んでいきました。
“60年代の洋品店”をリノベで実現!高難度のオーダーを叶える、店舗デザイン。
先ほどのファサード部分も取り壊しに。長く使われてきた外壁に穴を開けると、躯体があらわになってきました。活かせる部分は活かして、不要な部分を取り除き、少しずつ店主のコンセプトによせていきます。
“60年代の洋品店”をリノベで実現!高難度のオーダーを叶える、店舗デザイン。
今回の工事に際して一番困ったことは何か、と施工担当者さんに尋ねると、予定外の配管が見つかったこと、と答えてくれました。「床に這うような形で配管があったので、床自体を100mmほど嵩上げして対応するしかなかったんです。そこで店主と相談して、あえて腰をかけたり、物を起きやすい400mmまであげてしまう形にして対応しました」とのこと。図面が残っていない建物の工事では度々起こるこうしたトラブルですが、そこへの柔軟な対応も、経験豊富なプロのなせる技ですね。

テーマは“巨匠の生きた60年代”!洒脱なセレクトショップが完成

“60年代の洋品店”をリノベで実現!高難度のオーダーを叶える、店舗デザイン。
そしてリノベーションが済んだ店内がこちら。Godard(ゴダール)というセレクトショップに生まれ変わり、一気に大人な雰囲気の漂う空間になりました。
また、店名はフランスの映画監督ジャン=リュック・ゴダールから拝借。何を隠そう、店主はゴダールの大ファン。店名だけでなく店内の至る所に、ゴダールが活躍した1960年代のアイテムがズラリと並んでいました。なるほど、店主の強いこだわりの源はここにあったんですね。
“60年代の洋品店”をリノベで実現!高難度のオーダーを叶える、店舗デザイン。
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店内の商品を紹介しながら、趣味丸出しで作った店なのだと笑いながら話してくれました。装飾やリノベーションのオーダーに至るまで、自身が海外を渡り歩いて目にしたショップを参考にしているのだそうで、趣味を同じくする方はたまらない空間です!
また、こうして気さくな店主と洋服やブランドについて語れることも魅力の一つ。そういう意味では、セレクトショップというよりはサロンに近い店舗と言えるかもしれませんね。

ルーブル美術館でも採用!古き良き床材に隠れるこだわり

“60年代の洋品店”をリノベで実現!高難度のオーダーを叶える、店舗デザイン。
それではいよいよ、店主がこだわり、カシワバラ・コーポレーションが実現した施工部分をみていきたいと思います。
まず注目したいのは、床。フレンチヘリンボーンという組み方が採用されており、左右を45度にカットした長方形の板が幾何学的に並べられているんです。これは、一般的なフローリングに比べると約5倍の時間がかかり、工費も高くなる贅沢な床なのですが、どうしても譲れない部分だったのだとか。というのも、これまた店主が愛するフランスのルーブル美術館の床こそ、フレンチヘリンボーン。このように自分の”好き”を自由に取り入れていけることこそ、リノベーションの醍醐味ですね。
“60年代の洋品店”をリノベで実現!高難度のオーダーを叶える、店舗デザイン。
こちらが完成したフレンチヘリンボーンの床。ヘリンボーンとは「ニシンの骨」という意味なのですが、確かに出来上がると魚の骨のように見えますね。一つ一つの古材に濃淡のバラ付きがあり、並べてみると壮観です。
また、目を引くデザインの床に対して、壁・天井の仕上げはシンプルな単色の艶消し塗装でした。施工担当者さん曰く、こうすることでゴダールが活躍した1960年代のモダニズム建築を表現しているのだとか。このように、施工会社はただ淡々と工事をするのではなく、施主の思いを汲み取った提案をして、共に作り上げていくものなのだと実感しました。

お店の顔!ファサードで“魅せる違和感”

“60年代の洋品店”をリノベで実現!高難度のオーダーを叶える、店舗デザイン。
次は、今回のリノベーションで特に力を入れたというファサード(正面)部分です。ここの木材も先ほどの床材にあわせて選定することで、店内と統一感を出しているのだそうです。以前の雑貨屋店だった頃の写真と比較すると、ガラス面が大きくなり、開放的な印象になったことがわかりますね。
そして、あえて看板などは出しておらず、店頭に展示してあるのは商品というよりもこのお店の世界観を象徴する小物たち。それでいて奥には素敵な空間が広がっているので、つい「なんのお店だろう?」と覗き込んでしまいます。こうした“良い違和感”こそ店主が狙っているもので、イメージは「ヨーロッパの冴えない洋品店」なのだとか。
“60年代の洋品店”をリノベで実現!高難度のオーダーを叶える、店舗デザイン。
ちなみにドアノブも特徴的な形をしていたので、施工担当者さんに聞いてみました。するとやはりこちらにも店主のこだわりがあり、海外から取り寄せた品なのだそうです!「本当はこれだけ大きな扉であれば、縦に長くのびたバータイプのドアノブが一般的です。ですが、今回は店主の思い描く理想のドアノブ像があったので、それに全力で応えてみました」と教えてくれました。
“60年代の洋品店”をリノベで実現!高難度のオーダーを叶える、店舗デザイン。
店内にはアンティークの椅子や机、小物などがずらり。それぞれが調和してお店の世界観を作り上げているのですが、その中でも目を引いたものを2つご紹介します!
まずはこちら、1967年にフランスで発表されたレザルクチェアという椅子。緩やかなパイプフレームとレザーの相性がとても良い作品で、座り心地はもちろん、ビジュアルも素晴らしいです。そして、しっかりここもゴダールの年代とあわせてきていているあたり、徹底してます!お店の空気感にもバッチリ合っていました。

ちなみに、試しに座らせてもらったのですが、柔らかいレザーに包み込まれるような感覚がとても気持ちよかったです。
そして、お店にあるものは全て店主の私物なのだそうです。一体どんな部屋に住んでいるんでしょう、気になってしまいました...!
“60年代の洋品店”をリノベで実現!高難度のオーダーを叶える、店舗デザイン。
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もう1つは冒頭にも触れましたが、店内中に所狭しと飾ってあったポスターの数々。聞くと、ゴダール作品に出演していた俳優や、店主の好きなシャンソン歌手などのポスターなどを飾っているのだそうです。「店内に置いてある物で意味のないものはありません」という言葉がとても印象的で、カッコ良かったです。

最後にお店の今後についてお聞きすると、「この店では、自分がかっこいいと思うものを追求して展示・販売しています。大人の男が行き着く場所、ゆくゆくはそんな店にしたいですね」と語ってくれました。

リノベに大切なのは、コンセプト。

南青山の洋品店Godard(ゴダール)、いかがでしたでしょうか。店内に強いこだわりを取り入れていて、見事に“60年代の洋品店”を再現していましたね。
そして、リノベーションでは「こうしたい!」という強いこだわりを持って臨むと、施工会社にもイメージが伝わり、満足度の高い仕上がりになるのだと強く感じた取材でした。
また、同店は取り揃えるアイテムはもちろん、一流のセンスを持った店主との会話も楽しめますので、気になる方は是非訪ねてみてください。そしてその際、商品だけでなく、リノベーションを施した内装・外装にもご注目を!

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