ニューノーマル時代を乗り越えるために。オフィスの課題と必要な対策とは
本記事では、ニューノーマル時代に求められるオフィス環境について解説します。新型コロナウイルスの影響で起こった変化や、これからのオフィスの課題点、具体的な対策方法などをまとめました。コロナ禍での働き方改革に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。
公開日 2021.08.26
更新日 2022.01.07
新型コロナウイルスの影響によって、私たちの生活は大きく変わりました。これまでの常識が覆され、新たな価値観や状況が生まれたのです。そこで本記事では、ポストコロナ社会で重要な「ニューノーマル」というキーワードに触れながら、新しい時代の働き方について解説します。コロナ禍でのオフィス環境改善方法や、企業の課題などを知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
「ニューノーマル」という言葉の意味
コロナ禍を経て変化した社会を表す時、しばしば「ニューノーマル時代」という言葉が用いられます。「ニューノーマル」とは「新しい状態」という意味で、もともとはインターネットの普及や世界金融危機、リーマンショック後の社会構造の変化を指す言葉でした。しかし、新型コロナウイルスの影響によって、これまでの常識が大きく覆されたため、ポストコロナの状態を「第三のニューノーマル時代」と呼ぶようになったのです。
第三のニューノーマルでは、感染リスクを減らすためにソーシャルディスタンスの確保や外出自粛などが求められ、日常生活だけでなく働き方にも大きく影響を与えました。
第三のニューノーマルでは、感染リスクを減らすためにソーシャルディスタンスの確保や外出自粛などが求められ、日常生活だけでなく働き方にも大きく影響を与えました。
ニューノーマル時代の到来によって起きた変化
新型コロナウイルスの影響によって、在宅勤務や時差出勤など、働き方が従来と大きく変わった人も多いことでしょう。ここでは、第三のニューノーマルによって、オフィス環境や働き方がどのように変化したのかを詳しく解説します。
テレワークへの移行
新型コロナウイルスの感染拡大を機に、今までオフィス勤務を行っていた企業の多くがテレワークを導入しました。もともとは人との接触を避け、感染拡大を防ぐための対策であったものの、業種によっては業務効率化やコスト削減などのメリットがあったことから、オフィスを撤退して完全に在宅のみに切り替える企業も見られています。
一方で、接客業や生産業、金融業など、どうしてもテレワーク化が難しい業務も中にはあります。部署によってオフィス勤務とテレワークを使い分ける企業や、請け負う業務の種類によってどちらかを選ぶ企業などもあり、仕事内容によって働き方がさらに多様化してきているのです。
さらに、商談や営業といった取引先とのやり取りをリモートで行う企業も増えており、今後もますます多くの業務がテレワークへ移行していくことが予想されます。
一方で、接客業や生産業、金融業など、どうしてもテレワーク化が難しい業務も中にはあります。部署によってオフィス勤務とテレワークを使い分ける企業や、請け負う業務の種類によってどちらかを選ぶ企業などもあり、仕事内容によって働き方がさらに多様化してきているのです。
さらに、商談や営業といった取引先とのやり取りをリモートで行う企業も増えており、今後もますます多くの業務がテレワークへ移行していくことが予想されます。
ペーパーレス化
今まで、「昔からのやり方を何となく受け継ぎ、紙の資料を配布していた」「紙で保存していた資料の整理が億劫で、なかなかデジタル化に踏み切れなかった」などの理由で、紙資料を使っていた企業は多いのではないでしょうか。コロナ禍でのテレワークの導入に伴い、普段なら書類で配布していた資料がデジタル化し、ペーパーレス化が促進されました。
ペーパーレスへの移行にはコスト削減や業務の効率化など、さまざまなメリットがあります。そのため多種多様な企業が自社にフィットする形で、すべての業務をペーパーレス化して「脱ハンコ」を目指したり、オフィスをフリーアドレス化したりして徐々にペーパーレスへの移行を進めています。
ペーパーレスへの移行にはコスト削減や業務の効率化など、さまざまなメリットがあります。そのため多種多様な企業が自社にフィットする形で、すべての業務をペーパーレス化して「脱ハンコ」を目指したり、オフィスをフリーアドレス化したりして徐々にペーパーレスへの移行を進めています。
オンラインツールの導入
テレワーク化の実現に伴い、これまでビジネスで使用されていなかった、新たなオンラインツールが導入されました。代表的なものとしては、社内チャットツールやWeb会議システム、オンラインの勤怠管理システムなどです。これらにより、今まで対面で行っていた打ち合わせや勤務中のやり取りが、オンラインで完結するようになりました。
しかし、オンライン上のみのコミュニケーションでは、「微妙なニュアンスが伝わらず誤解を招いてしまった」「チームメイトの状態を把握できず、不具合が起きた時のケアがしにくい」などのデメリットも見られます。対面で会話する機会が減る分、トラブルが起きないように日頃から気を配る必要があるでしょう。
しかし、オンライン上のみのコミュニケーションでは、「微妙なニュアンスが伝わらず誤解を招いてしまった」「チームメイトの状態を把握できず、不具合が起きた時のケアがしにくい」などのデメリットも見られます。対面で会話する機会が減る分、トラブルが起きないように日頃から気を配る必要があるでしょう。
オフィス環境の変化
コロナ禍でもオフィス勤務を続ける場合、人との距離感を保ちやすいように、社内環境を整備する必要があります。ポストコロナ社会では、体温測定カメラやパーテーションの設置、座席数の削減など、感染症対策を取り入れたオフィスが主流です。また、従業員が個別にデスクを持つ従来のスタイルでは、ソーシャルディスタンスを保つのが難しいため、フリーアドレス制を取り入れる企業も増加しました。
ニューノーマル時代のオフィスでは、変化する情勢に対応できるよう、柔軟性の高い間取りやオフィス家具などが重宝されています。壁を取り払って部屋の面積を広げたり、可動式のパーテーションを設置したりと、オフィスリノベーションに乗り出す企業も少なくありません。
ニューノーマル時代のオフィスでは、変化する情勢に対応できるよう、柔軟性の高い間取りやオフィス家具などが重宝されています。壁を取り払って部屋の面積を広げたり、可動式のパーテーションを設置したりと、オフィスリノベーションに乗り出す企業も少なくありません。
ニューノーマル時代における課題と対策
コロナ禍での働き方改革は、業務効率化やコスト削減などのメリットがある一方で、対策すべきデメリットもあります。ここでは、ニューノーマル時代のオフィスで注意すべきポイントを紹介します。
マネジメントの難しさ
テレワークでの業務がメインになると、出社の頻度が減り、ほかの従業員と直接顔を合わせる機会も減少します。これまでチームで連携を取りながら働いていた人は、従来のマネジメントスタイルが通用しなくなるかもしれません。
テレワークでは、従業員一人ひとりの様子を正確に把握できないため、各員が自律的に業務に取り組む必要があります。また、デジタルツールを上手に活用しながら、業務の可視化やコミュニケーションの活性化に努めることも大切です。
テレワークでは、従業員一人ひとりの様子を正確に把握できないため、各員が自律的に業務に取り組む必要があります。また、デジタルツールを上手に活用しながら、業務の可視化やコミュニケーションの活性化に努めることも大切です。
コミュニケーション不足
テレワークが常態化すると、ほかの従業員と対面で会話をする機会が少なくなります。日頃から連絡を取り合う人も固定化しやすいため、会社全体がコミュニケーション不足に陥ってしまうことも。
新しいアイデアは、普段関わらない従業員同士の会話から生まれることも多いため、コミュニケーション不足は自社の創造性を損なう恐れがあります。定期的に出社日を設けたり、コミュニケーションを取りやすいオンラインツールを導入したりするなどの対策が必要です。
新しいアイデアは、普段関わらない従業員同士の会話から生まれることも多いため、コミュニケーション不足は自社の創造性を損なう恐れがあります。定期的に出社日を設けたり、コミュニケーションを取りやすいオンラインツールを導入したりするなどの対策が必要です。
従業員のモチベーション低下
普段オフィス出勤をしていた従業員の中には、「テレワークでの在宅勤務が合わない」と感じる人も少なくありません。自宅を仕事場にすると、プライベートと仕事との切り替えが難しく、集中力が続かないケースも多いでしょう。
つまり企業がテレワークを導入するなら、「いかに従業員のモチベーションを保つか」が成功の鍵です。従業員それぞれが適切なテレワーク環境を整えることはもちろん、企業側でも評価制度を見直したり、こまめな進捗報告をルール化したりするなどの対策も必要です。
つまり企業がテレワークを導入するなら、「いかに従業員のモチベーションを保つか」が成功の鍵です。従業員それぞれが適切なテレワーク環境を整えることはもちろん、企業側でも評価制度を見直したり、こまめな進捗報告をルール化したりするなどの対策も必要です。
テレワーク化に対する家族の理解
テレワーク化した従業員によっては、家族の負担が増えたり、家族仲が悪くなったりすることから、オフィス勤務以上のストレスを感じるケースもあります。特に小さい子どもがいる場合や、仕事用の個室が用意できない場合などは、業務に集中しづらいかもしれません。テレワークを導入する際は、必ず企業側からも家族の了承をもらい、必要に応じてサテライトオフィスなども検討するとよいでしょう。
テレワーク導入当初は従業員たちも新鮮な環境で気持ちよく働けていたのに、徐々にストレスを溜めていき、トラブルへ発展してしまうケースも見られます。これを避けるには、各従業員が自身の状況に合わせて「在宅か・出勤か」を選べる制度を作る、人が集まらないように複数のサテライトオフィスを設置するなど、長期的な計画を立てるのがオススメです。
テレワーク導入当初は従業員たちも新鮮な環境で気持ちよく働けていたのに、徐々にストレスを溜めていき、トラブルへ発展してしまうケースも見られます。これを避けるには、各従業員が自身の状況に合わせて「在宅か・出勤か」を選べる制度を作る、人が集まらないように複数のサテライトオフィスを設置するなど、長期的な計画を立てるのがオススメです。
情報漏えいのリスク
テレワークでは、オフィスから離れた場所で従業員が業務を行います。それゆえ、きちんとセキュリティ対策を取らないと、情報漏えいのリスクがあることを理解しておきましょう。
よくあるのは、自宅ネットワークからのウイルス感染や、Web会議やクラウドツールからの情報漏えいなどです。「セキュリティソフトの導入やパスワード管理を徹底する」「会社から指定されたツール以外は使用しないようにする」など、従業員個々人に、必ず設備やルールを再確認してもらいましょう。また、導入後も家庭内のネットワーク環境に注意し、常に最新のファームウェアにアップロードするよう呼びかけることも大切です。
よくあるのは、自宅ネットワークからのウイルス感染や、Web会議やクラウドツールからの情報漏えいなどです。「セキュリティソフトの導入やパスワード管理を徹底する」「会社から指定されたツール以外は使用しないようにする」など、従業員個々人に、必ず設備やルールを再確認してもらいましょう。また、導入後も家庭内のネットワーク環境に注意し、常に最新のファームウェアにアップロードするよう呼びかけることも大切です。
ニューノーマル時代におけるオフィスレイアウトの事例
ここでは、ニューノーマル時代のオフィスレイアウト事例を紹介します。執務デスクを取り払ったカフェのようなワークスペースや、オンラインツールを活用しやすいレイアウトなど、魅力的な実例をまとめました。
執務デスクのない土足禁止のワークスペース
via www.gensler.com
まずは「Gensler」より、「片山ホールディングス株式会社」のオフィスレイアウトを紹介します。執務デスクをすべて取り払い、ゆったりとしたソファや丸型テーブルを配置した、カフェのようなワークスペースです。感染症予防対策として、オフィス全体を土足禁止に切り替えました。内装は、木目を基調とした温かみのあるオフィス家具に、アクセントで観葉植物をチョイス。従業員のコミュニケーションを促進する、親しみやすい雰囲気が魅力的です。
オンラインの良さを活かすためのオフィス設備
こちらは「interoffice」掲載の、「東芝共創センター Creative Circuit」のオフィスレイアウトです。注目すべきは、広々とした壁面ホワイトボードと、複数設置されたデジタル工作機械。また、オンラインツールのよさを活かすために、ライブ配信や遠隔コラボレーションに関する設備も導入しています。チームの創造力を湧き立て、オンラインでさまざまな人とつながれる、ニューノーマル時代ならではの新しいオフィスレイアウトと言えるでしょう。
まとめ
コロナ禍ではテレワークの普及に伴い、ペーパーレス化やオンラインツールの導入など、働き方が大きく変化しました。テレワークにはコスト削減や業務効率化などのメリットがある一方、マネジメント面や従業員の管理など、対策すべき課題があるのも事実です。
コロナ禍のニューノーマル時代を乗り越えるためには、社内ルールを見直したり、コミュニケーションツールを活用したりするなど、それぞれの企業が適切な対応を講じなければなりません。オフィス環境の改善もこれにあたり、感染症対策やテレワークを意識したレイアウトの検討が求められます。
コロナ禍のニューノーマル時代を乗り越えるためには、社内ルールを見直したり、コミュニケーションツールを活用したりするなど、それぞれの企業が適切な対応を講じなければなりません。オフィス環境の改善もこれにあたり、感染症対策やテレワークを意識したレイアウトの検討が求められます。
今回紹介した事例なども参考にして、ニューノーマルに合わせたオフィスレイアウトを考えてみてはいかがでしょうか。オフィスのレイアウト・リフォームについてお悩みなら、お気軽に「カシワバラ・コーポレーション」へご相談ください。
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Japan
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