JOURNAL vol.21 CRAFTSMAN SHIP | HIROSHI KODAMA ~後編~

ORGAN CRAFTでは、住宅、店舗のリノベーションやプロデュースだけではなく、家具や店舗什器の開発、イベント会場でのエリアディレクション設計など様々なものを作ることを主軸に展開しています。 ORGAN CRAFTのweb内では、JOURNALという色々な業種の作り手さんと対談する記事を展開しており主にこちらでは最新記事からそちらの紹介をしていければと思います。

公開日 2018.10.17

更新日 2022.01.07

JOURNAL vol.21 CRAFTSMAN SHIP | HIROSHI KODAMA ~後編~

ORGAN CRAFTでは、Web内にてJOURNALという様々な業界の作り手さんと"CRAFTSMANSHIP"をテーマにディレクターである渡會と対談するコンテンツを展開しています。

これまでフラワーコーディネーター、アートディレクター、醤油の醸造家、落語家など多岐に及ぶ方と対談をさせていただきました。

今回も前回に引き続き東京の世田谷区にあります個性的で温かみのあるインテリアアイテムを展開する「NOTEWORKS」のオーナー、児玉裕史さんに取材させていただきました。
自身でも廃材を使用した額縁を展開するなど、CRAFTSMANSHIP溢れる内容となっておりますので是非ご覧いただければと思います。
“CRAFTSMAN SHIP”
世田谷区・淡島通り沿いにあり、スローな時間が流れる住宅地に溶け込むように佇むお店。“Re think”をコンセプトに、廃材を使った温もりのある額縁やインテリアを世に送り出すNOTEWORKSという個性的なショップです。そんなアットホームなプロダクトを生み出す店主・児玉裕史さんと、“CRAFTSMAN SHIP”を心に持つ工務店ORGAN CRAFTの渡會が対談。物作りに対するフィロソフィをお聞きしました。

渡會:家具作りや内装施工はいつ頃スタートしたんですか?
児玉:フレームを販売してすぐに手がけていましたね。額縁を見てくれた方が、「フレームと同じパッチワークでトビラを作って欲しい」とオーダーをくれたのがきっかけでした。僕らは解体から取り掛かるので、廃材のベニヤを再利用して家具を作っています。木っ端にしてパッチワークにすれば柄が可愛いし、何よりゴミにするのはもったいないじゃないですか。

渡會:物作りで意識されていることはありますか?
児玉:その時々の気分が反映できているかですね。僕らも常に流行りがあって、作るものって変わっていくんです。ロゴですらどんどんリニューアルしますから。ただ、フレーム関してはお気に入りの写真や絵を飾って長く使うものなので、お客さんと一緒に歳を重ねて欲しいという想いで作っています。

渡會:一緒に歳を取れるのがいいですね。児玉さんも年齢を重ねていくにつれ、何か目標としているものはありますか?
児玉:都会から離れた場所で大きな工場を借りて、友人からもらった廃材を使って色々な物を作りたいなという憧れの気持ちはあります。でも、今は現状で一杯いっぱいですね(笑)。現在は種まきというか、自分たちが作ったものを見てもらう時期だと思っていて。それと同時に「NOTEWORKSといえばコレだ!」というのを模索する時間でもあるのかなと。

NOTEWORKS アトリエ内

渡會:額縁がそれじゃないんですか!?
児玉:正直、ネジみたいな小さい道具でもいいんですよ(笑)。フレームでさえ、10年以上も作っていますが未だに「コレだ!」というものに出会えていませんから。

渡會:10年経ってもですか?
児玉:だからこそ飽きずにここまでやれているのかも。今でも発見の連続です。お客さんからのフルオーダーも制作するんですが、中には「すべてお任せします」というゲストの方も。どこに置くか、映画はどんなものが好きかなど、「気に入ってもらえるものを作ってやる」と意気込んで制作しますね。

渡會:内装に関しても同じ想いですか?
児玉:そうですね。内装はより長い期間を必要とするので、自分たち2人のペースに合わせてくれるお客さんの仕事を担当しています。外部へお願いするのは電気と水道くらい。内装工事が入ると付きっ切りになるので、お店は基本的にクローズしてしまうんです。道行く人は「とうとうこの店、潰れてしまったか」と思っていても、1ヶ月後にはまたオープンしていて驚いている人をよく見かけます(笑)。

渡會:僭越ながら児玉さんも我々と同じ、心にCRAFTSMAN SHIPを持つ職人だと思います。
児玉:ありがとうございます。お客さんと一緒に物作りができるのは幸せなことですよね。この前は壁を塗装したいけど予算がないお客さんがいて、マスキングと下地だけは我々でやりました。仕上げの塗装はあえてお客さんにやってもらったんです。それだけでそのお店に来るゲストと話すネタになるじゃないですか。「この壁は自分で塗ったんだよ」って。密になって仕事をするからこそ、それぞれのオリジナルなストーリーが生まれる気がします。

NOTEWORKS 外観

渡會:最後に児玉さんにとってCRAFTSMAN SHIPとは?
児玉:先輩を立てながら冗談も言い合えるような、スケーター仲間のノリを大切にマイペースでやることですかね。。

渡會:児玉さんはスケーターだったんですか?
児玉:福岡にいた頃ですけど。今はスケボーに乗るなんてコンビニのプッシュくらいです(笑)。あのユルいノリが好きなんですよ。人と気負わず付き合うことで、知り合いが増えてすごく助けられています。自分たちは決して顔が広くないけど、友人たちは本当に知り合いが多くて。NOTEWORKSのものを使ってみたいなと思ってくれる人に、少しでも恩返しができるようなプロダクトを生み出すのが僕の信条です。

渡會:ウチとNOTEWORKSさんでコラボレーションしてみたいです!!
児玉:僕らにできることがあれば何でも相談してください。


TEXT:Shohei Kuroda
Photo:Akihiko Yokoi

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内装を創ることは、そこに住む人のドラマを感じること。そして創造すること。
職人の手によって 生まれ変わるその部屋は、新たなストーリーを作り出す。
リノベーションも時代と共に、多種多様になり、時を経て老朽化していく部屋を原状回復が
ゴールではなく、魅力的に「磨き上げること」で送り出したい。
一部屋、一部屋、丁寧に磨きあげる。また、そこに住む、新たな物語を想像する。
魅力的な部屋は時を超え、そこに住む人と共に輝ける時間を再生する。
我々は Interior craftman ship を心にもつ工務店です。

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