ゴミ・ゼロ宣言！廃材を再利用したブルワリー

四国は徳島県上勝町に構える、ブルワリー「RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store（ライズアンドウィンブルーイングカンパニーバーベキューアンドジェネラルストア）」。この建物の中には、“リデュース”“リユース”“リサイクル”の3Rに対する強い思いが込められているんです。

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公開日 2018.09.06

更新日 2022.01.07

ゴミ・ゼロ宣言！廃材を再利用したブルワリー

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廃材から生まれたモダンデザイン

徳島県上勝町の豊かな自然の中、青い空を背景に凛とたたずむえんじ色の建物。大きさの異なる窓枠が一面にレイアウトされた外観が非常にシンボリックなデザインです。実はこちらの建物、世界が注目する日本人建築家・中村拓志氏によってデザインされており、使われている建材はすべてゴミや廃材として処分されるはずだったものなんです。

マイクロ・ブルワリー「RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store（ライズアンドウィンブルーイングカンパニーバーベキューアンドジェネラルストア）」（以下RISE & WIN）が、入る建物なのですが、そんな廃材を利用した経緯にはある背景が。

RISE & WINが店を構える徳島県上勝町は、“リデュース”“リユース”“リサイクル”という3Rに対する関心が非常に高い地域なんです。例えば、上勝町はゴミ処理場を持たず、45にも及ぶゴミの分別を行い、再資源化に積極的に取り組んでいます。生ごみは自宅で処理、その他のゴミは資源置き場まで自分たちで持っていく、そんな大量消費・生産時代を見つめ直す取り組みを2003年から行ってきました。

そんな町の人々が続けてきた取り組みを象徴するのが、RISE & WINの建物なんです。ちぐはぐなサイズの窓は使い古されてリサイクルセンターへ持ち込まれたもの、渋柿とベンガラで染められた外壁は製材所で出た廃材を再利用したもの。そんな廃材たちが生まれ変わった結果、上勝町で暮らす人たちの思いを見事に体現しています。

廃材を使ったインテリア&エクステリア

古いビニールハウス用のボイラーを使用したオブジェ。このほかにも、上海のビルを解体した際に出た建材を再利用したエントランス部分の石レンガや、漬物樽をリユースして植木カバーにするなど、自分たちが持つ廃材への考え方を変えてくれるものばかり。

こちらはガラス瓶をリサイクルして作られたシャンデリア。日が暮れると店内をおしゃれに照らしてくれます。

トイレ内の壁紙は、処分される新聞紙に一つ一つ手作業で活版印刷を行ったもの。

ご紹介したほかにも、棚やテーブル、フロア、スタッフのユニフォームまで、3Rの考えが根付いたものを使用しています。

食にも根付く3Rの精神

建物にまつわるストーリーをご紹介しましたが、RISE & WINは「ブルワリー」「クラフトビールのテイスティング・スタンド」「バーベキューガーデン」「ジェネラルストア」の4つからなる複合施設。提供されるお酒や食べ物にもこだわりがあるんです。

クラフトビールには、上勝産の柑橘・柚香（ゆこう）を使ったものも。ちなみに柚香は、果実酢やポン酢の原料として果汁を搾った後、本来は廃棄されるもの。その余った皮をフレーバー用のピールとして再活用しているんです。

RISE & WINオリジナルのクラフトビールボトル。こちらのほかジェネラルストアの量り売りには、リサイクルの観点からリターナブルボトルを使用しています。海外ではスタンダードでもある、再利用方法なんです。

クラフトビールだけではなく、徳島産の豚や牛、ジビエを楽しむことも。自然に囲まれた環境で食べる食事には、おのずと笑みがこぼれるはず。

目まぐるしく新しい情報やものが交錯する現代において、消費の仕方を考えるきっかけとなりそうなRISE & WIN。2003年に上勝町という四国の町から始まったゼロ・ウェイスト宣言ですが、自分たちの暮らしのヒントとして取り入れるべき考え方かもしれません。
晴れた日には、緑もゆる自然の中で美味しいクラフトビールと食事に舌鼓を打ちに行きたくなるそんなお店でした。

INFORMATION

RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store
住所：徳島県勝浦郡上勝町大字正木字平間 237-2
TEL：0885-45-0688
営業時間：平日　 11:00～17:00(17:00以降予約制)
　　　　　土日祝 10:00～18:00(18:00以降予約制)
定休日：月・火曜日