サイディングの外壁をリフォームしたい!気になるリフォーム費用の目安は?

近年、耐久性やコスト面で優れることから、壁材として「サイディング」が注目されています。この記事では、サイディングの耐用年数や種類について解説します。 あわせてリフォーム費用の内訳や注意点、施工実例などもご紹介しているので、外壁リフォームを検討中の方はぜひ参考にしてください。

公開日 2020.03.05

更新日 2022.01.07

サイディングの外壁をリフォームしたい!気になるリフォーム費用の目安は?

快適なマイホームを維持するために欠かせないのが、外壁のリフォームです。近年では、「サイディング」を壁材として使用するご家庭が増えてきています。
とはいえ、サイディングについて詳しく知っている方はそう多くありません。
そこで今回は、サイディングの耐用年数と種類、外壁リフォームのタイミングなどについて解説します。
リフォーム費用の内訳と注意点、施工実例も併せてご紹介しますので、外壁リフォームを検討する際の参考にしてください。

サイディングってどんな外壁?

近年よく使用されている「サイディング」とは、外壁の仕上げに使用するボードのことで、規格サイズのボードを外壁に貼り付けるかたちで施工します。
外壁の広さに合わせてボードを裁断し、繋ぎ目をシーリングで埋め込むため、雨漏りを防止できます。

一般的にはセメント製や金属製のものが使用されています。軽量ながら雨や紫外線などの自然条件による劣化に強く、耐火性・耐久性に優れます。
また素材の種類や色、デザインが豊富で、多くのパターンから選択可能です。
施工時は工場生産された板状のパネルを貼る作業が主となるため、材料費が安くなりやすいのが魅力です。職人が手作業で仕上げるような特殊な技術も必要なく、施工期間の短縮も見込めます。
期間が短くなればその分工費も安くなるので、全体的なコストカットが可能となります。
そのため、ほかの壁材に比べてサイディングは人気が高く、現在では住宅全体の7~8割を占めるといわれています。

サイディングの耐用年数

耐久性が高いとはいえ、サイディングも耐用年数の影響はあります。一般的にセメント質や繊維質を素材に使用しているため、もともとの性質として吸水性を持っています。
外壁の防水機能を高めるには、サイディングの表面の塗膜が重要です。塗膜が劣化してしまうと雨などが建物内に浸み込み、住宅に大きなダメージを与える恐れがあります。
一般的な塗膜の耐用年数は7~8年といわれており、ちょうどリフォームをするタイミングの目安にもなります。ただし、以下のような劣化の兆候が見られた場合、早めにリフォームを検討する必要があります。

・シーリングの剥がれ
・手で触ると白い粉がつく(チョーキング)
・サイディングボードが反る
・サイディングボードのヒビ割れや剥がれ

「チョーキング」とは塗膜の剥離によって生じる劣化症状で、自分でも確認できます。いずれも防水効果が落ちているサインなので、これらが発覚し次第、なるべく早めに対処したほうがよいでしょう。

サイディングの種類

サイディングの種類は、主に窯業系・金属系・木質系・樹脂系の4つに大別できます。
それぞれ特徴があり、耐久性や防火性、断熱性などスペックに違いがあります。種類ごとに詳しく見ていきましょう。

窯業系サイディングの特徴

セメント質と木質繊維を主な原料とし、固めて成型したサイディングです。住宅外装における約7割を占めています。
セメント質を使用するため地震などの衝撃に強く、耐火性も高め。遮音性にも優れ、断熱性も保てます。傷が付きにくく、耐久度が高いのも特徴です。
また、施工やメンテナンスの負担が少なく、工期も短くできるため、工事費用を抑えられるのもメリットです。ほかの種類に比べてデザインやカラーも豊富に揃っています。
総じて性能のバランスがよく、リーズナブルであることから広く普及しています。従来、窯業系は木質繊維を原料に含むため吸水性があり、防水性に難があるとされていましたが、最近は雨水で汚れが落ちるセルフクリーニングモデルもあります。
色褪せやひび割れしにくく、長期間塗り替えせずに済むなど、より機能性が高いモデルも選べます。

金属系サイディングの特徴

ガルバリウムなどの鋼板と裏打材を使用したサイディングで、窯業系の次に普及しています。
裏打材には断熱材が使用されており、断熱性だけでなく遮音性にも優れています。外気温の影響を受けず、室温を一定に保てるので、寒冷地帯の外壁として最適です。
金属製で水が浸み込む心配がなく、高い防水性もあるため、豪雪地帯でもメンテナンスがほとんど不要で長持ちします。
メンテナンスの手間がかからず、デザインも増えたため徐々に利用者が増えています。一方でサビや傷、汚れなどの心配があり、値段も窯業系よりやや高めです。
金属系サイディングにはスチール・アルミ・ステンレスの3タイプがあります。ステンレスが最も耐久性に優れますが、価格も高く一般的ではありません。

樹脂系サイディングの特徴

北米発祥の塩化ビニル製サイディングで、日本ではあまり知られていませんが、アメリカの外壁材の約5割を占めます。
樹脂で成型されているため潮風や凍結などに強く、北海道や東北など主に寒冷地方で普及しています。撥水性・防水性にも優れ、雨漏りのリスクもほとんどありません。
サビの心配がなく、弾力性もあるため衝撃に強いなど、耐久性が非常に高いのが特徴です。シーリングを使用していないため目地の補修の必要がなく、メンテナンスの負担は軽め。また、軽量ゆえ施工がしやすく、破損した場合はその部分のみ張り替えも可能です。
デメリットとしては、全体的に薄く設計されているため、遮音性や断熱性、防火性に難がある点が挙げられます。

木質系サイディングの特徴

天然木を使用し塗装加工したサイディングで、木の温かみが感じられます。上質な木造住宅を望む方も多く、外壁も木目で統一すると外観がオシャレです。
天然木のため、1本として同じものがなく、年数が経つごとに風合いが生まれ、個性的な外壁デザインにできます。
木質系サイディングは断熱性が高いメリットがありますが、耐火性に劣り、汚れやすいデメリットがあります。
防水性にも難があり、水が浸み込んだ状態で放置すると木材が傷んでしまうため、定期的なメンテナンスが欠かせません。窯業系などに比べて価格も高めです。
最近では不熱加工処理をした製品もあり、防火構造の指定がある地域でも使用できるモデルがあります。

サイディングの外壁リフォームにかかる費用

サイディングの外壁をリフォームしたい!気になるリフォーム費用の目安は?
サイディングのリフォームは塗り替え・重ね張り・張り替えのほか、モルタル外壁からサイディングに変更する工事があります。
既存のサイディングの劣化が進んでいない、あるいは色を変えたい場合は塗り替えで対応できます。
費用を抑えて外壁デザインを変えたい場合は、既存の上に新しいサイディングを取り付ける重ね張りが最適です。
劣化が著しい場合は既存のものを撤去し、新しいサイディングに張り替えます。モルタル壁から変更する際は、モルタル壁の上から張り付けることも可能ですが、重さが気になる方はモルタル壁を撤去して張り付ける工法がオススメです。
リフォーム費用は、工事内容やどのサイディングボードを使用するかによって相場が変わります。約30坪の住宅の塗り替えや重ね張り、モルタル壁からの変更の相場は60~200万円、張り替えは60~300万円とかなり幅があります。
サイディングボードの種類別で見ると、窯業系は160~230万円、金属系は150~220万円、樹脂系は200~270万円、木質系は170~240万円が参考相場です。

外壁リフォーム費用の内訳と注意点

外壁リフォーム費用を内訳で見ると、塗料やボードなどの材料費・足場の組み立て費用・職人の人件費・そのほかの雑費や運営費などがあります。内訳の割合は材料費2割、足場代2割、人件費3割、そのほか3割が目安です。
ただ、業者の見積書では人件費を材料費や工事費としてまとめていることが多く、割合は業者によって異なります。リフォーム費用の見積で注意したいのは、相場より高くなる次のようなケースです。

厚みがあるサイディングボード

サイディングボードの標準的な厚みは14mmで、厚みが増すほど値段も上がります。施工方法にも影響があり、通常は釘打ちですが、厚みが増すと金具の取り付けが必要になるため、さらに工事費用が高くなります。

材料の運搬が難しい

サイディングの外壁をリフォームしたい!気になるリフォーム費用の目安は?
リフォームを依頼した業者が遠方にあるほど、材料の輸送が難しく、職人の移動時間もかかります。出張費や宿泊費などの出費が増え、費用が高くなります。

リフォームのやり直し

もし、リフォームが上手くいかず、張り替えなどをやり直す場合は費用が倍になります。
無駄な出費を防ぐには、リフォームの実績が豊富な地元業者に依頼することが一番です。また、外壁と屋根リフォームを同時に行うと、足場の組み立てが1回で済むので、費用を節約できます。

サイディングの外壁リフォーム施工実例

続いては、外壁リフォームを具体的にイメージするために、住宅用外装材ブランド「ケイミュー」の施工例をご紹介します。
外壁の色やデザインの特徴、オシャレに見せるポイントなどを通して、リフォームでどのように変化するのかが分かります。

アクセントカラーがオシャレなサイディング外壁の実例

洗練されたシンプルなデザインとナチュラルな素材感が特徴のシンプルナチュラルです。石や木、タイルなど自然のテクスチャーを活かしたやさしい色使いで、横基調柄が引き締めます。屋根材や雨どい、素材やカラーをコーディネートすることが可能です。
ご紹介した施工例は外壁材をアクセントカラーにし、外観をオシャレに見せています。寒冷地に対応するモデルもあり、そちらも色や素材が選べます。

ブラックアイアンが引き立つサイディング外壁の実例

ランダムに配置された石積みがナチュラルでやさしい外観を作るニューインプレース。チタン製のカラーはホワイト・ブラウン・グレーの3色から選べます。
ご紹介した施工例はチタングレーで、ブラックアイアンが住まいの外観をひときわ印象づけるデザインです。
光触媒を使用したセラトピアシリーズの製品で、雨の日も晴れの日も光触媒が汚れをセルフクリーニングし、紫外線の色褪せも防ぐため美しさが長持ちします。寒冷地域にも対応します。

立体感を演出するサイディング外壁の実例

木目の風合いを再現したグラデーション塗装のセフィロウッドと、鋳物のようなテクスチャーと細かなストライプデザインのキャストストライプを組み合わせたパターンです。
ご紹介した施工例は木目のチタンオークと、キャストストライプのMWニューホワイトのコントラストで立体感を演出しています。
キャストストライプは雨で汚れを流す親水コートで、セフィロウッドは光触媒を使用したセラトピアシリーズの製品です。オシャレなデザインと耐久性を兼ね備えています。

外壁材として使いやすく、最も普及しているサイディング。耐久性や耐火性、コスト面に優れ、工事期間も1~2週間と短期間で済むのが魅力です。素材の種類は窯業系・金属系・樹脂系・木質系があり、トータルバランスを見れば窯業系がオススメですが、何を重視するかによって変わってくるでしょう。
サイディングは色やデザインも豊富にあるため、その人の個性が表れる外壁材ともいえます。外壁リフォームを検討中の方は、ぜひ選択肢のひとつとしてご一考ください。

DIYer(s)

WRITTEN BY

DIYer(s)

Japan

DIYer(s)編集部です。DIYのアイデアやハウツー、おすすめツールやショップ情報まで幅広くお届けします!