飲食店向けの店舗物件の探し方を解説!契約までの流れとポイントを整理
この記事では、飲食店の物件探しを成功させるコツについて紹介します。物件の種類などの基本知識に触れながら、初期費用や立地、広さなどの視点から、押さえるべきポイントや物件探しのコツについてもまとめました。これから飲食店の開業を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
公開日 2022.04.16
更新日 2022.10.19
「いつか自分のカフェやレストランを開業できたら」と考えるものの、開業までにどのような手順を踏めばわからないといった悩みを抱える人は少なくありません。この記事では、飲食店開業の第一歩として欠かせない物件探しのポイントを、立地・コスト・広さなどの項目ごとに、実際の選び方について具体的な知識も交えながら解説します。また理想の物件を探すコツや、具体的な探し方についても紹介しますので、飲食店開業を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
物件探しから契約までの流れを把握しよう
飲食店を開こうと賃貸物件を探す際、基本的な流れとしては、通常の住居用物件と同じと考えて問題ありません。ただ、探し始める前にお店のコンセプト決定や営業計画を立てるとよいでしょう。例えば、何を売るのか、どのようなお客様に、どれくらいの価格で、どの程度の頻度で来店してほしいのか、といった内容をできるだけ具体的に詰めていきます。
開業する飲食店のプランニングができれば、それを基に必要な広さや間取り、求める立地がおのずと明確になります。明確になった希望を不動産業者へ伝えることで、自身の理想に近い物件を探してもらいやすくなります。
また、気になる物件が出てきたら、実際に足を運んで、不動産業者を介して物件を見せてもらうのもポイントです。こうした内見を通すことで、開業後の具体的なイメージがわき、新たなビジネスのアイデアがひらめくかも知れません。
ただ、賃貸の店舗物件には内装面などの条件によって多種多様な物件があります。選ぶ物件の種類によってメリットやデメリットも異なるため、以下で詳しく紹介します。
開業する飲食店のプランニングができれば、それを基に必要な広さや間取り、求める立地がおのずと明確になります。明確になった希望を不動産業者へ伝えることで、自身の理想に近い物件を探してもらいやすくなります。
また、気になる物件が出てきたら、実際に足を運んで、不動産業者を介して物件を見せてもらうのもポイントです。こうした内見を通すことで、開業後の具体的なイメージがわき、新たなビジネスのアイデアがひらめくかも知れません。
ただ、賃貸の店舗物件には内装面などの条件によって多種多様な物件があります。選ぶ物件の種類によってメリットやデメリットも異なるため、以下で詳しく紹介します。
飲食店向け物件の種類
インターネットなどで不動産の情報を調べると、さまざまな種類の物件があり、どのような基準で選べばよいか迷ってしまうことは少なくありません。そこでまずは、飲食店に向いている物件の種類を3つ紹介します。
すぐ開店できて人気の居抜き物件
via tempodas.com
「居抜き物件」とは、もともと入っていたテナントの内装や設備などが、そのまま残っている店舗物件のことです。本来、飲食店を開業するには厨房設備や内装デザイン、家具などをゼロから発注しなければなりません。一方、居抜き物件はすでに設備が一通り揃っているため、それらを活かして開業すれば、コストを大幅に削減できるからです。
しかし、残っている設備は入居すると借主の所有物となるため、設備を売却するための「造作譲渡料」が新たに発生する恐れもあります。また、残されている設備がすべて使えるとは限らず、中には設備が古くて使い物にならないケースや、床や壁のみ残っていて厨房設備がないケースなどもあるので注意しましょう。
しかし、残っている設備は入居すると借主の所有物となるため、設備を売却するための「造作譲渡料」が新たに発生する恐れもあります。また、残されている設備がすべて使えるとは限らず、中には設備が古くて使い物にならないケースや、床や壁のみ残っていて厨房設備がないケースなどもあるので注意しましょう。
すべてを思い通りにできるスケルトン物件
「スケルトン物件」とは、前のテナントの設備や内装をすべて取り払い、コンクリートが剥き出しの状態になっている物件のことです。居抜き物件は人気・競争率が高いため、多くの場合はスケルトン物件を契約し、自分で内装工事や設備の発注などを行うことになります。
スケルトン物件は建物の躯体だけが残っている状態であるため、間取りやデザインなどの希望を叶えやすく、理想の店づくりができるメリットを持ちます。しかし内装や設備などの準備には費用と手間がかかりやすいため、予算をしっかりと確保しておくことが大切です。
スケルトン物件は建物の躯体だけが残っている状態であるため、間取りやデザインなどの希望を叶えやすく、理想の店づくりができるメリットを持ちます。しかし内装や設備などの準備には費用と手間がかかりやすいため、予算をしっかりと確保しておくことが大切です。
費用最小ではじめられる間借り・シェア物件
「間借り」「シェア物件」は、近年人気を集めている新しい形態の飲食店です。もともと営業している飲食店に掛け合い、営業していない時間や使っていないスペースを借りて、新たな飲食店を開店します。「お昼はカレー屋で、夜は居酒屋」といった具合に、内装や設備はそのままに、複数のお店が時間帯ごとに入れ替わる飲食店を見たことがある人も多いでしょう。間借り・シェア物件は、居抜き物件と同様に初期費用を削減でき、賃料も安く済むことから注目されています。
飲食店の物件探しで押さえるべきポイント
ここでは、飲食店の物件探しで押さえるべきポイントを紹介します。初期費用や立地など、飲食店の物件選びに欠かせない情報をピックアップしてまとめました。
賃料だけじゃない!把握しておきたい初期費用の内訳
開業までにかかる主な費用は、店舗投資費と物件取得費です。店舗投資費用は物件の種類によって金額が異なり、スケルトン物件の場合は1,000万円ほどの費用がかかると言われています。物件取得費はただ家賃を払えばよいわけでなく、下記の費用が発生します。
【物件取得費の内訳】
・保証金(敷金):相場は賃料の6〜12ヶ月分。退去時に補修費用を引いて返還される
・礼金:相場は賃料の0〜2ヶ月分。返還されない
・仲介手数料:家賃の1ヶ月分
・前払い賃料:契約月と翌月の家賃
・造作譲渡料:居抜きの場合のみに発生。相場は0〜200万円ほど
また、契約したあとは家賃のほかに共益費・管理費などの支払いも発生し、契約更新時には契約更新料が発生します。物件によっては、更新時に賃料引き上げの可能性もあるので注意しましょう。賃料や初期費用の予算を組む時は、想定する売上から逆算し、いくらまで出せるかをしっかりと検討することが大切です。
【物件取得費の内訳】
・保証金(敷金):相場は賃料の6〜12ヶ月分。退去時に補修費用を引いて返還される
・礼金:相場は賃料の0〜2ヶ月分。返還されない
・仲介手数料:家賃の1ヶ月分
・前払い賃料:契約月と翌月の家賃
・造作譲渡料:居抜きの場合のみに発生。相場は0〜200万円ほど
また、契約したあとは家賃のほかに共益費・管理費などの支払いも発生し、契約更新時には契約更新料が発生します。物件によっては、更新時に賃料引き上げの可能性もあるので注意しましょう。賃料や初期費用の予算を組む時は、想定する売上から逆算し、いくらまで出せるかをしっかりと検討することが大切です。
飲食店の成否を決める核になる立地条件
立地は大きく分けると、商業エリア・オフィス街・住宅街の3種類があります。必ずしも繁華街や駅前など人気がある立地ならよいわけではなく、自分の店舗に必要な人流と、想定する客層などから立地を絞り込むことが大切です。
その土地の性質に合わない店舗だと、いくら人通りが多くても立ち止まってもらえない恐れすらあります。まずは店舗のターゲット層を絞り込み、インターネット検索や自ら足を運ぶなどしてエリアのリサーチを慎重に行ってください。そのうえで下記の項目に着目して、具体的な物件を絞り込んでいくのがオススメです。
・最寄り駅、駅からの距離
・人通りの多さと質
・1階/路面店とそれ以外
その土地の性質に合わない店舗だと、いくら人通りが多くても立ち止まってもらえない恐れすらあります。まずは店舗のターゲット層を絞り込み、インターネット検索や自ら足を運ぶなどしてエリアのリサーチを慎重に行ってください。そのうえで下記の項目に着目して、具体的な物件を絞り込んでいくのがオススメです。
・最寄り駅、駅からの距離
・人通りの多さと質
・1階/路面店とそれ以外
後で困ると取り返しのつかない広さ・面積
物件を決める時、賃料のほかに大切なのは「広さ(面積)」です。想定する売上や使用したい従業員の数から逆算し、あらかじめ大まかな広さを決めておくと、物件を絞り込みやすくなります。なお、面積が広くなるほど人件費も増えていくため、予算だけで物件を決めると後悔する可能性があるので注意しましょう。
また、多くの場合は賃料と面積をもとに、坪あたりの賃料を計算します。その場合、契約面積ではなく実効面積を用いることが大切です。特にビルなどでは、通路や階段などの共有部分を含むケースも多く、実際に店舗として使えるスペースが契約面積と異なる場合も少なくありません。
また、多くの場合は賃料と面積をもとに、坪あたりの賃料を計算します。その場合、契約面積ではなく実効面積を用いることが大切です。特にビルなどでは、通路や階段などの共有部分を含むケースも多く、実際に店舗として使えるスペースが契約面積と異なる場合も少なくありません。
飲食店の物件を探すコツ
飲食店を開業できる物件は多々存在しますが、実際に物件を探す段階では、どのような点に気を付けると効率よく理想の物件に出会えるのでしょうか。ここでは、飲食店の物件を探す際に、ぜひ押さえておきたいコツについて紹介します。
妥協するポイントを押さえておく
飲食店を開業する際にどのような物件を選ぶかによって、その後の売上や会社の成長に大きな影響を与えます。とくに飲食店の場合は立地がお店に与える影響が大きいためより重要視されます。しかし、立地や賃料など希望に合った優良物件になかなか出会えず、長い期間を費やしてしまうケースもあります。物件選びに注力するあまり当初立てた計画の進行が遅れてしまうと、ビジネスチャンスを逃すことにつながりかねません。
そこで、まず求めたい条件をすべて洗い出し、その中からある程度、妥協できるポイントを用意しておくことが大切です。もちろんすべての条件がそろった物件に出会えれば契約するほかありませんが、マイナスに感じたポイントも、もし妥協できる範囲であればその物件で決定するのも一案でしょう。
そこで、まず求めたい条件をすべて洗い出し、その中からある程度、妥協できるポイントを用意しておくことが大切です。もちろんすべての条件がそろった物件に出会えれば契約するほかありませんが、マイナスに感じたポイントも、もし妥協できる範囲であればその物件で決定するのも一案でしょう。
未公開物件を探す
物件の情報には、インターネット上で公開されていない「未公開物件」や、不動産業者間でのみ共有されているようなものがあります。つまり、一般的に知られていない物件の中に、優良物件が埋もれている可能性があります。人気のエリアでは、特別な広告を打たずに現地広告のみで次の借りてが見つかることがあるため、不動産に直接問い合わせてみたり、直接足を運び「テナント募集」などの張り紙がある物件を探してみるのもオススメです。
店舗のコンセプトを洗い出しておく
前述したように、飲食店の物件を探すには、どのようなコンセプトの店舗にしたいのかを洗い出し、あらかじめ事業計画として立てておくことが重要です。それを基に立地や賃料など、物件の条件設定につながっていきます。店舗のコンセプトが明らかになれば、物件においてどの条件を優先すべきかが明確になるでしょう。また、たとえ希望する物件になかなか出会えない状況に陥ったとしても、どの条件なら妥協してもよいのかがクリアになり、候補となる物件数が増えることから、開店準備がスムーズに進みます。
飲食店の物件の探し方
飲食店の物件を探す方法としては、主に「インターネット検索」「不動産屋」「歩いて探す」「ツテを頼る」などがあります。以下、それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
インターネットで検索する
インターネット検索では、いわゆる流通物件の情報を閲覧できます。サイトごとに物件の特性はさまざまで、居抜き物件のみを扱う不動産サイトもあれば、飲食店にオススメの物件をまとめているサイトなどもあります。
インターネット検索は効率よく物件を探せるものの、出回る店舗物件は限られており、ネット検索だけで希望通りの物件を探せるケースは少ないでしょう。物件を探すというよりも、不動産屋をリサーチしたり、サイトに登録しておいて紹介や情報サービスを受け取ったりすることを目的とするのがオススメです。
インターネット検索は効率よく物件を探せるものの、出回る店舗物件は限られており、ネット検索だけで希望通りの物件を探せるケースは少ないでしょう。物件を探すというよりも、不動産屋をリサーチしたり、サイトに登録しておいて紹介や情報サービスを受け取ったりすることを目的とするのがオススメです。
現地の不動産屋に足を運ぶ
地域に特化したローカルの不動産屋は、その土地ならではの強みを持っており、インターネットに載っていないレア物件などにも出会える可能性があります。また、そもそもあまりインターネットに情報を出さない不動産屋もあるため、ある程度エリアを絞り込んだら、現地の不動産屋に直接足を運んでみるとよいでしょう。優良テナント情報は、業者の間であまり情報交換されない傾向にあるため、実際に不動産屋を訪ねることで魅力的な物件にたどり着けるケースは意外と多いのです。
エリアを実際に歩いてみる
不動産屋を訪ねる以外にも、実際にエリアを歩いて物件を探す方法もあります。案外「テナント募集」の貼り紙が出ていることも多く、店構えや外観を見ながら、思いもよらない魅力的な物件に出会える可能性もあります。
ネットだけではわからない立地条件などの情報まで確かめられる利点もあるため、上述した「不動産屋めぐり・エリアの探索・内見」の3つを組み合わせて物件探しを進めると、信頼できる情報を合理的に集められるでしょう。
ネットだけではわからない立地条件などの情報まで確かめられる利点もあるため、上述した「不動産屋めぐり・エリアの探索・内見」の3つを組み合わせて物件探しを進めると、信頼できる情報を合理的に集められるでしょう。
ツテを頼る
店舗物件の情報は、一般的な物件に比べて全体数が少なく、競争率も高いと言われています。そのため、一般流通が開始されるとすぐに契約が決まってしまい、優良物件が残っていないケースも少なくありません。そのため、ビルオーナーと直接コンタクトを取ったり、知人から情報提供してもらったり、SNSで情報を探したりするなど、物件情報を持っている個人をターゲットに情報収集することも、優良物件を取得するひとつの方法と言えます。
飲食店の物件探しにかける期間
なかなか条件に合う物件に巡り合えず、不安になる人も多い飲食店の物件探し。ここでは、「飲食店用の店舗探しには、どれくらいの時間をかければよいのか」という点について目安となる期間を紹介します。
店舗物件探しは長期戦
そもそも、店舗物件はインターネットなどで公開されにくい性質があります。閉店を伴うためネガティブな印象を持たれる懸念があり、公開範囲を限定したり、表に出ないようにしたりする人も多いからです。また、一般住宅に比べて店舗物件を扱う不動産屋は少なく、それゆえ情報が出回りづらい特徴もあります。
そのため優良物件は競争率が高く、なかなか条件に合う物件に巡り合えないケースは少なくありません。店舗用の物件探しでは、マンションなどよりも長いスパンでスケジュールを組み、長期戦を覚悟で臨む必要があるでしょう。また、新築物件は入居可能になる1年以上前から物件の出現がわかるため、余裕を持って物件を探すことをオススメします。
そのため優良物件は競争率が高く、なかなか条件に合う物件に巡り合えないケースは少なくありません。店舗用の物件探しでは、マンションなどよりも長いスパンでスケジュールを組み、長期戦を覚悟で臨む必要があるでしょう。また、新築物件は入居可能になる1年以上前から物件の出現がわかるため、余裕を持って物件を探すことをオススメします。
じっくり探し、即断する
店舗物件探しは、長期戦を想定してじっくり情報収集を進めるべきです。しかし条件のよい物件に出会ったら素早く行動することも大切です。競争が激しいため、迷っているうちにほかの人が即決してしまう可能性があるからです。
エリアについての知識や物件の条件など、時間をかけて知識を深めることも重要ですが、魅力的な物件を見つけた時は、迷わず契約を検討している旨を伝えましょう。
エリアについての知識や物件の条件など、時間をかけて知識を深めることも重要ですが、魅力的な物件を見つけた時は、迷わず契約を検討している旨を伝えましょう。
まとめ
飲食店の物件選びで大切なポイントは、店舗のコンセプトを明確化したうえで、条件に合う立地・予算・広さなどを検討することです。居抜き物件やスケルトン物件など、物件の種類によるメリットやデメリットにも着目するとよいでしょう。また、物件を探す時は、コンセプトから妥協点を検討したり、未公開物件にも足を運んでみたりすると、早期に理想の物件と出会える確率が高まります。
理想の飲食店開業を実現するためには、店舗内装のリフォームにも強い「カシワバラ・コーポレーション」へぜひ気軽にご相談ください。
理想の飲食店開業を実現するためには、店舗内装のリフォームにも強い「カシワバラ・コーポレーション」へぜひ気軽にご相談ください。
WRITTEN BY
Japan
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