押入れを書斎にして再活用するメリットとは?DIYやアレンジも解説

この記事では、押入れを書斎にアレンジするメリットを紹介します。オシャレな書斎をつくるDIYのアイデアや導入すべき設備、押入れを書斎に改修する際の注意点なども併せて解説しますので、使っていない押入れを再活用したい人は、ぜひ参考にしてください。

公開日 2022.07.16

更新日 2023.04.14

押入れを書斎にして再活用するメリットとは?DIYやアレンジも解説

近年、家のデッドスペースを活用して書斎をつくる人が増えています。書斎は広いスペースを必要としないため、実は押入れをアレンジして書斎にすることも可能です。
この記事では、押入れを書斎にするメリットに触れながら、自分でできるDIY方法やインテリアの選び方などを紹介します。家にちょっとしたワークスペースをつくりたい人や、使っていない押入れの活用方法を調べている人などは、ぜひ参考にしてください。

押入れを書斎にする目的とは?

押入れは、棚や引き出しなどほかの収納に比べて奥行きがあります。一般的な押入れの奥行きは90cmほどで、布団や衣類などをしまうには丁度よいですが、本や雑貨などの細かいアイテムを収納すると、かえって取り出しづらくなるでしょう。

実は近年、「しまうものを限定されずに、押入れをすみずみまで使いたい」「もっと使いやすい空間にアレンジしたい」といった要望から、押入れを書斎にリフォームする人も少なくありません。押入れの奥行きを活かし、本棚や机などを設置することで、自分だけの書斎をつくり出せます。

押入れ(和室・洋室)を書斎にするメリットとは?

奥行きが深く、しまうものが限定されやすい押入れ。しかし書斎化することを念頭に置けば、この深い奥行きは「居心地のよい空間をつくるために不可欠な要素」に変わります。たとえ昔ながらの和室であっても、押入れを書斎に変えることで、機能的な空間として活かせるでしょう。
奥行きを活かして、押入れを書斎にリフォームすると、大きく2つのメリットを得られます。ひとつずつ見てみましょう。

プライバシーを守ることができる

押入れを書斎にして再活用するメリットとは?DIYやアレンジも解説
書斎は用途によって「適切な広さ」が異なります。ただ、最低限の設備を備えた書斎なら1帖ほどで十分です。押入れは、扉を外すと幅が165cmほどで、中は1帖ほどのスペースがあるため、小さな書斎化には丁度よいと言えます。

基本的に、押入れの書斎化は「余計なものを置けない小さな書斎をつくりたい」「集中力を高められるワークスペースがほしい」といった人に適しています。一般に、自分用の無駄のない空間がほしい場合は有効な選択肢です。
また、押入れはもともと三方を壁に囲まれているため、プライバシー性や独立性を重視する書斎に適しています。押入れを活用することで、周囲の視線を緩やかに遮れる「半個室タイプの書斎」をつくれるでしょう。

加えて、デザインや収納などにこだわれば、「大人の秘密基地」のようなおこもり感を楽しめる、魅力的な書斎に仕上げることも可能です。

仕事や趣味に集中できる

自分の個室がない住まいでは、デスクワークや趣味に集中するのは難しいものです。特に小さい子どもがいる家庭では、子どもから目を離せないため、リビングなどで作業を行わざるを得ないケースもあります。

押入れでつくる半個室タイプの書斎は、「周囲に気を配りつつ、集中力を高められる」というメリットもあります。家事の合間に仕事をしたり、子どもを遊ばせながら作業を行ったりもできるため、効率よく仕事をこなせるでしょう。
また、子どもに対しても「書斎に座っている時は、ママ・パパの邪魔をしない」というサインを出せます。そのため子育て世代にとっても、「子どもとの関係を崩すことなく、ひとりの時間を確保しやすくなる」というメリットが得られます。

押入れを書斎にリフォームした場合の椅子選び

押入れを書斎にして再活用するメリットとは?DIYやアレンジも解説
書斎は長時間仕事をしたり、本を読んだりするスペースになるため、高さに合った快適な椅子を導入することが大切です。

また一般的な押入れは、床から中板までの高さが70cm以上あります。なので押入れの中板を机として活用した場合は、一般的なデスクと比べてやや高く感じる可能性も。そのため、高さ調節ができるオフィスチェアを導入するとよいでしょう。
ちなみにオフィスチェアは新品だと3~4万円ほどで販売されています。しかし、オフィス家具などの取り扱いがあるリサイクルショップでなら、比較的安く購入することも可能です。

書斎に長い時間滞在する可能性がある人は、座面高を高めに設定でき、椅子の上であぐらがかけるオフィスチェアもオススメです。スツールや一般的な椅子などでは、高さが合わず腰を痛めてしまったり、長時間の作業が苦痛に感じたりするケースも少なくありません。姿勢が悪いと仕事に集中しづらいばかりか、体の不調にもつながりやすいため、多少コストをかけてでも、「長時間快適に座れるチェア」を導入してください。

押入れの書斎にDIYなどで棚を作ると便利

押入れを書斎にして再活用するメリットとは?DIYやアレンジも解説
書斎では仕事道具や本などを扱うため、棚などでしっかりと収納を確保するのが理想的です。押入れは奥行きに余裕があるため、机となる中板の奥に本棚や引き出しなどを設置しても、手前の作業スペースをあまり圧迫しません。
雑貨・文房具・パソコン周辺機器などを、細かく分類してしまえるように数種類の収納を設置してもよいでしょう。これにより、「必要なものを卓上に取り出し・すぐにしまえる」という快適な業務スペースになります。なお、壁付収納や簡易的な棚などは、DIYでつくることも可能です。

押入れの書斎にライト・照明を入れる方法

書斎の卓上に置くスタンドライトも、忘れてはいけません。部屋全体の照明だけでは、押入れスペース内までを十分に照らせないからです。作業中の手元が暗くなってしまったり、明るさを調整しづらかったりと不具合が生じることもあります。
ここでは、押入れを書斎化するときにぜひ設置しておきたいライト・照明と、その設置方法をまとめました。

延長コードを使用する

卓上のライトには、主に電源コード式と電池式の2種類があります。電池交換の手間を考えると、書斎を長時間使う人や使用頻度が高い人などは、電源コード式を導入するとよいでしょう。ただ、配線で雑然とした印象になりやすいため、足元や収納の裏など目立たない場所に配線を隠すのがオススメです。

押入れ付近にコンセントがない場合は、延長コードを使用してください。書斎とコンセントをつなぐ延長コードは、壁にぴったりと沿わせます。書斎付近を通る人が足を引っかけないよう、なるべく壁に密着させましょう。また、薄くフラットな延長コードを選んだり、押入れの奥の空間に配線をまとめたりすることで、よりすっきりとした空間をつくれるでしょう。

電池式のスタンドライトを置く

書斎の使用頻度が低い場合は、電池式のスタンドライトも検討してみましょう。電池式は配線がなく見た目もコンパクトなため、卓上をすっきりとまとめやすいメリットを持ちます。また、コンセントの有無にかかわらず気軽に設置できることから、気分・状況に合わせてさまざまな照明を試したい場合にも適しています。

一方、書斎の滞在時間が長い場合は、電池交換の頻度が増え、かえって手間がかかってしまう恐れがあります。在宅勤務でのワークスペースとして書斎を使う人や、ひとりの時間をたくさん確保したい人などには、やはり電源コード式を導入しましょう。

押入れの書斎をオシャレにするコツは?

せっかく自分の書斎をつくるのなら、見た目にもこだわったオシャレなデザインを取り入れたいものです。ここでは、印象をがらりと一新する、オシャレな押入れ書斎のつくり方を紹介します。

壁紙を貼るなどアレンジを加える

一般に、部屋の壁は面積が広いので、目に入りやすい要素です。そのため、壁のデザインにこだわると空間全体の印象ががらりと変化します。
押入れ内部の壁を適切にリフォームすれば、「書斎」という印象も一気に強まるでしょう。リフォーム方法としては「壁紙を貼る・塗料で塗装する」などがありますが、賃貸の場合は原状回復しやすい「シールタイプの壁紙」がオススメです。ホームセンターや通販などで市販されており、比較的簡単に施工可能です。初めてDIYに挑戦する人や、さまざまな壁紙デザインを試したい人などにも適しています。

また、書斎用の壁紙・塗料は「部屋全体のインテリアに馴染みやすいものを選ぶこと」が大切です。テイストが異なるものや奇抜過ぎるものを選ぶと、書斎スペースだけが浮いてしまいます。あくまで「部屋全体の部分」であることを意識し、統一感のある素材やカラー・柄などを選びましょう。

床を好みの仕様にアレンジする

床は壁と同様に、空間の雰囲気を左右する重要なポイントです。「押入れの床が味気ない」「椅子を動かすと、ふすまのレールが邪魔になってしまう」といった場合、床のアレンジを検討するとよいでしょう。

デザイン・用途などによってさまざまな床材が選べますが、「押入れ書斎用」として有用なのは「フローリングシート」「フロアタイル」などです。好きな形状にカットして、既存のフローリングの上に敷き詰めて使えるため、DIYでも簡単に施工できます。
またこれらを敷くと、ふすまのレールを隠して凹凸を目立たなくする効果も得られます。「チェアの足をレールに引っかかりづらくする」というメリットにも期待できるでしょう。

押入れの書斎で快適に過ごすための注意点

押入れを書斎化するメリットは先述のとおりです。しかし押入れスペースは、基本的に収納としての使用しか考慮されてないため、書斎として利用すると思わぬトラブルが発生することもあります。
あらかじめそうしたトラブルの種類を知り、対処方法を押さえておくことで、押入れ書斎をさらに快適に活用しましょう。ここでは、代表的なトラブル回避方法を2つ紹介します。

空調設備の調整を行う

押入れを書斎にして再活用するメリットとは?DIYやアレンジも解説
押入れは人が長時間滞在することを想定していないため、空調や窓がありません。押入れがある部屋にそれらの設備があり、共有できる場合はよいものの、「書斎の個室感を高めるために仕切りを設置する」といった場合は空調が効かなくなることもあります。

書斎には、仕事などで長時間こもることも多いでしょう。空調がなければ快適に過ごせず、特に夏場は熱中症になるリスクまで高まります。
実際「暑くて過ごしづらい空間になり、結局あまり使わなくなってしまった」などの失敗例も多いため、部屋全体の状況や使用頻度を考慮しながら、「窓の増設・空調設備の新設」といったリフォームも併せて検討しましょう。

床下のカビや湿気対策を行う<

押入れを書斎にして再活用するメリットとは?DIYやアレンジも解説
押入れの書斎で最も多いのは、「湿気が溜まりやすく、カビが発生してしまった」というトラブルです。結露が発生する部屋では特に、押し入れスペースにカビが繁殖しやすいので注意してください。押入れが傷んだり、黒ずんだりしている恐れすらあります。

押入れの壁に調湿効果のある壁紙を使用したり、市販の除湿剤を設置したりすることで、ある程度カビの発生を抑えることは可能です。しかし、すでにカビの繁殖が進んでいる場合は、「断熱材を使った工事」「ルーバータイプの扉の設置」といったリフォームも検討する必要があります。

使っていない押入れを書斎として再活用することで、自宅に「ワークスペース・趣味の空間」をつくれます。押入れ書斎の快適性をアップするには、「棚などの収納・照明・空調設備」などを導入し、長時間滞在しやすい空間構築を心掛けるとよいでしょう。また、壁紙・床材を変えたり、DIYでアレンジを加えたりすれば、「大人の秘密基地」のようなオシャレな書斎をつくれます。
押入れ書斎をつくるにあたり、空調設備や防カビなどのリフォームが必要になった際は、住まいづくりのプロ「カシワバラ・コーポレーション」にどうぞお気軽にご相談ください。

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