床の水平はこう作る!和室→洋室の基盤作り【耐震リノベ⑤】

28歳で福岡へ移住し、築40年の物件をセルフリノベーションしながら生活。その様子をブログメディア「DIY MAGAZINE」で公開しているセーチです。2軒目3軒目4軒目に続いて、福井県にある旧耐震空き家を新耐震にフルリノベーションする過程をお届けします。

公開日 2023.10.18

更新日 2023.10.18

床の水平はこう作る!和室→洋室の基盤作り【耐震リノベ⑤】

福井県の旧耐震空き家をリノベーション

こんにちは。祖父母の物件をセルフリノベーションしつつ、インテリアなどを作っているセーチです。

福井県の築55年になる旧耐震空き家。
1級建築士の元、旧耐震の空き家を新耐震に工事し、空き家を購入して活用したいと思う方々の参考になるようリノベーションしていきます。
前回は筋交いを入れる耐震補強をしました。今回は床の高さ調整をし床下地を完成させる作業です。

高さが40mm違う床を修正する

2階の床を作り直す前に、床の高さが合っているか調べておきます。
2階の部屋は和室だったので、床高の違いがあっても間に新聞紙や緩衝材を挟んで調整できていました。

築55年の家なので多少のズレはでてくるもので、この家も予想通り10mm~40mmズレている部屋がありました。ズレが大きい部屋は、床の木が盛り上がっているせいで差が大きくなっているようです。(部屋の真ん中と端で40mmのズレでした)
床のレベルを直す前に、既存の床が軋まないようにビスで固定します。
この状態で軋みがある場合、いくら綺麗に作り直しても床がギシギシと音鳴りするので厳しくチェックします。
板の固定が終わったら、墨出しをして根太の位置を決めます。(既存の床の上に根太を敷いて高さを調整していきます。)根太は303mm間隔で固定していくので、303mm間隔で墨出し。

線を引いた位置に高さを書いて、それぞれの場所でどれだけ高さがズレているか確認しやすくします。一番高い位置(100mm)を基準に、墨出しした線に差分を記載しベニヤ板や胴縁などで高さ調整をしていきます。
この高さを調整していく作業が大変で、高さが5mmとか7mmとかズレている箇所には2.5mmと4.0mmの薄い板をタッカーで固定。

差が大きい所は15mmの胴縁や12mmの合板を固定し、一番高い位置に高さを合わせていきます。
根太1本で完成する造りだだと簡単ですが、リフォームはこういう所が大変です。
合板を置いて簡易的に高さが合っているか確認、床が水平になると歩いてて気持ち良いですね。
これで床の下地は完成したので、綺麗な合板を敷いて仕上げていきます。

クロス合板(ホームベース)を敷き詰めて床を完成させる

12.5mm厚のクロス合板(ホームベース)が届いたので搬入。
サイズが合わない箇所はカットして綺麗に納めます。
廊下の床板は針葉樹合板を敷いた上に、クロス合板を重ねて各部屋と高さが合うように調整しています。部屋を跨ぐように合板を取り付けるので、角の部分がいびつな形になっています。

ドアを取り付ける位置に合板の境目がこないように施工。(1枚目の合板の繋ぎ目を避ける目的もあります)
これで2階床の下地が完成です。

※作業風景を動画にまとめています。

床の高さが40mm違う!?畳を剥いで2階の和室を洋室に作り変える!【築55年の旧耐震空き家】#10

2階の床が終わったら1階の床作りに移ります。
床束を追加し大引きを補強したら、45mm角の根太を敷き詰めて断熱材を入れ合板を2重張り。
窓サッシの荷着や耐震工事審査などが始まる前に、床を作って物を置いたり歩けるようにしておきたいと考えています。

床の基本構造

床の基本構造は「束石|床束|大引き|根太|合板|仕上げ材」です。
仕上げ材がフローリングの場合、フローリングの厚みが12mmあるので合板を1枚だけにすることが多いです。

フロアタイルを張る場合は、フロアタイルの厚みが3mm~5mmしかないので合板を2重張りにして、床を頑丈にしてから施工します。
仕上げる材料で工事内容も変わります。

床の高さを合わせる

大引きを支えている床束の間隔が1メートル以上空いているので、束石を置いて床束を追加します。
束石のサイズは厚さ300mm、縦横 900mm×900mm です。
床のレベルを合わせる為に、現状の床の歪みを計っています。
1階は玄関を上がった廊下の床を基準に、全ての部屋の床の高さを合わせます。
1階はそこまで床のズレがなく約10mm前後で収まりました。

大引きを新品に取り替える

玄関入って真正面の大引きは、グラグラして使い物にならなかったので新品に交換します。
大引き用に準備した105mm角材をカットして指定位置に固定します。
大引きは専用金物「BXカネシン」を使って端を補強します。

指定位置に釘で固定するのですが、真っ直ぐ打ち込むのが難しいです。
下の支える箇所に隙間ができないよう取り付けてから固定しています。

木の床束を鋼製束「城東テクノ」に交換

木で固定されていた床束は鋼製束に交換し、それぞれの地点で高さを調整します。
※高さに限りがあるので、床高を調べてから必要な大きさの鋼製束を準備してください。
鋼製束を束石の上にセットしたら、大引きにビスで固定します。
リビングキッチンの床も同じように鋼製束を大引きの下に取り付け高さを合わせていきます。
(ボンド束職人 500ml 「コニシ」を使って鋼製束と束石を固定。)
鋼製束の上下に付いている六角レンチをモンキーでガチガチに閉めたら準備OKです。

大引に根太を取り付ける

45mm×45mmの角材を根太に使います。(長さは4000mm)
根太が多少反っているので、なるべく真っ直ぐになるような向きにし、反っている部分は303mm間隔になるよう足で押しながら固定していきます。

根太を固定するビスは、根太専用ネジの根太ロック 「WAKAI」を使います。
先端と頭部分にネジ山が付いているので、かみ合わせが強くなるようです。

根太を敷き終わったら「床下断熱材フクフォーム2型」を詰めます。
施工性に優れた床下断熱材、フクビの「床下断熱材フクフォーム 2型」 が便利です。
2のスリット部のアジャスト効果で隙間が殆ど出来無い仕組みになっています。

根太は303mm間隔で固定しているので、根太と根太の間は258mmの広さです。
「床下断熱材フクフォーム 2型」の収まり寸法は「258mm~263mm」なので、キツキツの状態で詰め込むことができます。
「床下断熱材フクフォーム 2型」の厚みは45mmなので、45mm×45mmの根太にピッタリ収まります。
接合部分が独特で、差し込むように製品同士を密着、合いじゃくりのジョイントと言います。
※キッチンまわりは給排水管の設置が終わってないので開けておきます。


※ここまでの作業風景を動画にまとめています。

1階床はバリアフリー!束石→鋼製束→大引き→根太→断熱施工!【築55年の旧耐震空き家】#11

1枚目は構造用合板を使う

断熱床に合板を敷き詰めて床を完成させます。
今回フロアタイルで仕上げるので、下地合板を2枚重ねて強度を高めておきます。
根太の上に固定する1枚目の合板は下地になるので、表面が整っていない構造用合板を使用します。
1枚目の合板を敷き詰めたら、根太の位置に墨出し。(墨は303mm間隔で付けています)
1枚目の合板はコンプレッサー式の釘打ち機を使って固定。
いつもインパクトドライバーでビス打ちしていたので、コンプレッサー式はめちゃめちゃ楽、圧倒的スピードに感動です。
2枚目に張る合板は「クロス合板」という種類で通称「ホームベース」と言うらしいです。
※現場でホームベース持ってきてと言われて??となりました。

合板の表面が整えられていて節がないので、クッションフロアやフロアタイルを貼る時や壁紙を張る場合はホームベースで仕上げるそうです。
※両端が対象になるよう2枚目の張り初めに墨を出しています。
コンパネビスを約1500本ひたすら打ち込みました。(流石に右手が痛くなりました)
全ての部屋の床がフラットになるよう廊下や他の部屋もホームベースで仕上げています。

これで1階の床完成です。


※ここまでの作業風景を動画にまとめています。

24畳の広々した床完成!扉オーダーに照明と外壁プラン確認【築55年の旧耐震空き家】#12

このシリーズでは、旧耐震の空き家を新耐震に工事し、空き家を購入して活用したいと思う方々の参考になるよう、タグに「セーチの旧耐震リノベ」とつけているので、順を追って読めばリノベが完成するような構成です。ぜひ参考にしてくださいね。

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セーチ

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DIYのブログ『DIY MAGAZINE』を運営。福岡在住の28歳です。物件をセルフリノベーションしていく過程とDIYに関する情報を発信しています。