オフィス改革とは?目的や事例を知って働き方改革を実現!

本記事では、オフィス改革の概要や必要性、成功するポイントなどを紹介します。「オフィス改革はどのような効果があるのか」「ほかの企業ではどういった改革を行っているのか」などを知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

公開日 2022.09.15

更新日 2022.09.15

オフィス改革とは?目的や事例を知って働き方改革を実現!

近年、政府の働きかけや新型コロナウイルスの影響などを受け、働き方改革を行う企業が増えています。従業員それぞれが自分に合った働き方を選択できる、柔軟性のあるオフィスをつくるには、どのようなポイントがあるのでしょうか。本記事では、働き方改革の実現につながる「オフィス改革」について、概要や目的、事例などを紹介します。オフィスのレイアウトや導入設備などで悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

働き方改革の現状

オフィス改革とは?目的や事例を知って働き方改革を実現!
厚生労働省では、働き方改革を「働く方々がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる、社会づくりのための取り組み」と定めています。2018年に「働き方改革関連法案」が成立し、残業時間の上限規制や有給休暇の取得などが義務付けられましたが、その後もさまざまな改正が加えられています。

働き方改革の主な内容は、フレックスタイム制や労働時間法制の見直し、リモートワークの推進、オフィス環境の見直しなどです。業種によっては変更が難しい分野もあるものの、新型コロナウイルスの影響などもあり、この数年でリモートワークや在宅勤務などが大幅に普及しました。一方で、時短ハラスメントやモチベーションの低下など、新たな問題も浮上しているようです。

働き方改革の一環である「オフィス改革」とは

オフィス改革とは?目的や事例を知って働き方改革を実現!
「オフィス改革」とは、従業員が働きやすい環境となるよう、オフィスのレイアウトや導入設備などを変更・改善する取り組みのことです。総務省も自ら実施しており、働き方改革をいっそう促進する方法として注目を集めています。

リモートワークや時差出勤、フレックスタイム制など新たな制度を導入し、ワークスタイルが変化すると、「快適」と感じてもらえるオフィスの在り方も変わります。この数年で出社人数が減ったり、個人での作業が増えたりと、オフィス空間の使い方に変化が見られた企業も多いのではないでしょうか。働き方改革をより促進させるためには、新しいワークスタイルに合ったオフィス環境をつくることが大切です。

オフィス改革の目的

ここでは、オフィス改革を行う目的や期待できる効果について解説します。オフィス改革のメリットを知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

生産性の向上

オフィス改革とは?目的や事例を知って働き方改革を実現!
従業員は出社すると、1日の大半をオフィスで過ごします。執務スペースの居心地が悪かったり、リフレッシュできる空間がなかったりすることで、環境に不満を持ってしまうと仕事のモチベーション低下につながるかもしれません。逆に、従業員一人ひとりに「働きやすい」と感じてもらえるオフィス空間をつくることは、個々のパフォーマンス向上に寄与し、業務効率・生産性の向上などにつながります。

社内コミュニケーションの活性化

オフィス改革とは?目的や事例を知って働き方改革を実現!
近年のオフィス改革では、個人デスクの廃止やフリーアドレスなど、所属部署に関わらずさまざまな従業員が同じ空間を利用する、オープンレイアウトが流行しています。これまで関わりがなかった人とも交流できるようになり、社内コミュニケーションの活性化につながるでしょう。業務連携がスムーズになるだけでなく、モチベーションの向上や離職率の低下などにも効果的です。

しかし、大掛かりなリノベーションが必要なケースも多く、予算や運用に懸念があり、導入に踏み切れない企業も多いようです。必ずしも大規模な改修を要するわけではないので、「休憩スペースのみから始める」など、まずは部分的に導入してみるのもオススメです。

メンタルヘルス対策

居心地のよい休憩スペースや社内カフェなど気分転換しやすい空間を設けることは、従業員のメンタルヘルス対策に効果があります。オフィスを改修する際、どうしても執務スペースを優先してしまいがちですが、メリハリを付けて業務を行うためには居心地のよいリフレッシュスペースが欠かせません。組織活性化や生産性の向上にも効果があるため、既存の給湯室や休憩ルームの設備を見直してみるとよいでしょう。

オフィス改革の具体例

ここでは、多くの企業で導入されているオフィス改革の具体例を紹介します。オフィスの環境改善を検討しているものの、どのような対策を取るべきか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

ペーパーレス化

オフィス改革とは?目的や事例を知って働き方改革を実現!
「ペーパーレス化」とは、ビジネスで使用する紙媒体を電子化し、データを保存・活用することです。リモートワークと併せて検討されるケースが多く、紙資料の取り込みやデータ作成などに特化した新たなツールを導入する企業もあります。これまで紙資料を保存していた収納が不要になり、新たなスペースが生まれるなど、オフィスレイアウトにも大きく影響を与えます。

また、紙資料をデータ化することによって、ネット環境さえあればどこからでも手軽に確認・承認が行えるようになります。それらの業務のためにわざわざ出社する必要がなくなるほか、データ共有もスムーズになるため、業務効率向上や生産性アップも期待できるでしょう。

一方、これまで紙資料のデータ化を行ってこなかった企業にとっては、新たなツールの購入やネット環境の整備などが必要になり、コストや手間がかかるデメリットもあります。業務のデジタル化が進んでいるIT企業などは、すぐにペーパーレス化に対応できるものの、紙資料に慣れている企業は業務オペレーションを変えるのに苦労するかもしれません。

フリーアドレスの導入

オフィス改革とは?目的や事例を知って働き方改革を実現!
「フリーアドレス」とは、個人用のデスクを廃止し、カフェのように従業員が自由に席を選んで着席するオフィス形態のことです。リモートワークや時差出勤など出社のスタイルが多様化すると、より柔軟性のあるオフィス空間が求められるようになります。個人作業やミーティングなど、さまざまな業務に対応できるフリーアドレスは現代の働き方にマッチしやすく、近年では国内外問わず多くの企業で採用されています。

フリーアドレスのメリットは、社内コミュニケーションの活性化が期待できることです。所属チームに関わらず自由に席を選べるため、普段関わらない者同士で盛んに情報交換が可能になります。さまざまな人と会話をすることで、一人ひとりがいつもと異なる視点から業務に取り組めるようになったり、部署間を越えた偶発的なコラボレーションが生まれたりするなど、企業全体での創造性向上が期待できるでしょう。

一方、フリーアドレスはただ導入すればよいわけでなく、運用ルールをきちんと定めないと効果を発揮しづらいデメリットがあります。「毎日同じ席に座らない」「私物を机に置きっぱなしにしない」などの規則を定めることで、上述のメリットを享受しやすくなるでしょう。

リフレッシュスペースの設置

「リフレッシュスペース」とは、文字通り社員が心身をリフレッシュするためのスペースのことです。企業によって内装や広さ、導入設備などは異なりますが、執務スペースと近過ぎる場所は避け、業務と休憩時間のメリハリがつくように配慮するとよいでしょう。リラックス効果のあるアロマを焚いたり、照明の明かりを一段落としたりなど、執務エリアとの違いを感覚的に表現する企業も見られます。

リフレッシュスペースを設置するメリットは、従業員の集中力向上や企業のイメージアップにつながることです。従業員がリラックスできる場所を設けることで、オン・オフの切り替えがしやすくなり、効率的に業務を行えるようになるでしょう。加えて、オシャレで居心地のよいリフレッシュスペースを設けたことで企業イメージが向上し、採用活動も有利になった事例も見られます。

一方で、設置の仕方によっては従業員があまり利用せず、思うような効果を得られないリスクもあります。人通りが少ない場所や、執務エリアから離れ過ぎている場所などは避け、利用しやすい雰囲気づくりを心掛けるとよいでしょう。

ソロワークスペースの設置

「ソロワークスペース」とは、一人で集中して作業に取り組むための執務スペースのことです。フリーアドレスなどのオープンレイアウトが主流になると、どうしても一人で静かに作業できる場所が確保しづらくなります。人によっては集中力を欠いて生産性が落ちたり、ストレスを抱えたりと、かえってマイナス要因になってしまうため、あらかじめ一人作業専用のエリアを設けておくとよいでしょう。

ソロワークスペースのメリットは、周りの人から見て一目で「この人は個人作業に集中している」とわかることです。オープンスペースで作業していると、どうしてもほかの人に話しかけられたり、ちょっとした打ち合わせが発生したりして、集中力が途切れてしまいがちです。ソロワークスペースなら、そのような外部要因に左右されることなく、自分の業務を遂行できます。

一方、「私語・グループワークを禁止する」というルールを周知できないと、運用が難しいことがデメリットに挙げられます。ルールが曖昧なまま運用すると、一般的な執務スペースとの差別化ができず、思うような効果を発揮しづらいので注意しましょう。

オフィス改革の実施事例

ここでは、オフィス改革の実施事例を企業ごとに紹介します。実際に行われたオフィスの改修内容や取り組みなどをまとめました。

ヤンマー

こちらは「ヤンマー」で実施されたオフィス改革の事例です。旧本社を新たな本社ビル「YANMAR FLYING-Y BUILDING」に建て替え、内装やレイアウト、設備などを一新しました。新オフィスのコンセプトを決める時、達成したいビジョンから理想の働き方を逆算し、オフィスの在り方を徹底的に議論したとのことです。広々としたオフィスカフェや立ち話ベースのミーティングスペースなど、より革新的なアイディアや事業を発信できるオフィス設計がなされています。

パナソニック

こちらは「パナソニック」で実施されたオフィス改革の事例です。間や場所に縛られないフレキシブルな働き方を模索し、オフィス改革を実施しました。活発な議論や会話が飛び交う、コミュニケーションの取りやすいオフィスを目指し、フリーアドレスを導入。多様な働き方に対応できるよう、執務ゾーンや集中エリア、部屋ごとに内装の異なる会議室など、さまざまなタイプの部屋を設けています。

オフィス改革とは従業員がより働きやすいよう、オフィスの在り方を見直す取り組みのことです。働き方改革の一環として多くの企業が採用しており、より柔軟なワークスタイルに対応するために、フリーアドレスやオープンレイアウトなどを導入する企業が増えています。
企業に合ったオフィス空間を実現するには、実績豊富なプロにデザインや必要な設備、レイアウトなどを相談するとよいでしょう。オフィスの改修を検討している人は、「カシワバラ・コーポレーション」にお気軽にお問い合わせください。

DIYer(s)

WRITTEN BY

DIYer(s)

Japan

DIYer(s)編集部です。DIYのアイデアやハウツー、おすすめツールやショップ情報まで幅広くお届けします!