お風呂の手すり取り付け完全ガイド!リフォーム費用やDIY方法も徹底解説

本記事では、お風呂に手すりを取り付ける方法や費用などを解説します。お風呂の安全性をより高められる手すりの位置や、手すりの種類などの基本的な情報に加えて、DIYで手すりを設置する方法まで幅広い知識を紹介します。バリアフリーリフォームに興味がある人は、ぜひ参考にしてください。

公開日 2021.04.07

更新日 2022.01.07

お風呂の手すり取り付け完全ガイド!リフォーム費用やDIY方法も徹底解説

築年数が経つにつれて段々と気になってくるのが、水回りの使い勝手です。リフォームのタイミングで、将来を見越して安全性の高い設備や、体に負担がかからない設備に変更する人が増えています。
そこで今回は、「リフォームのタイミングでバリアフリーにしたい」「将来のことを考えて安全な住宅に作り替えたい」と考えている人に向けて、お風呂に手すりを付ける方法や費用、手すりの種類などを紹介します。補助金や工事不要の手すりなど、費用を抑えるコツも解説しますので、これからリフォームを考えている人はぜひご一読ください。

そもそもお風呂に手すりって必要?リフォームのタイミングで取り付けをオススメする理由

お風呂や洗面所、トイレ、キッチンなどの水回りは、10〜15年を目安にリフォームするのが一般的です。水回りは毎日使用するため、ほかの箇所に比べて設備や資材の劣化が早いと言われています。溜まっている汚れを落としたり、設備の修理・交換を行ったりする改修が主流ですが、将来のことを考えてバリアフリーリフォームを行う人も増えています。
手すりの設置は、バリアフリーリフォームの中では最も気軽に行える施工なので、メンテナンスのタイミングで一緒に施工してもらうのがオススメです。

特にお風呂は滑りやすく、転倒などの事故が起こりやすい場所です。消費者庁のデータによると、毎年約3万人の高齢者が不慮の事故で亡くなっていますが、最も多い原因である「誤嚥等の不慮の窒息」に次いで、「転倒・転落」「不慮の溺死・および溺水」などが挙げられます。特に、溺死や溺水は近年やや増加傾向にあるため、浴室のバリアフリー化が重要性を増していることがわかります。
(参照元:https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_009/pdf/caution_009_180912_0002.pdf

ユニットバスの多くは、10年以上の長い期間使用します。もし今、手すりの必要性を感じていなくても、将来のことを考えてあらかじめ設置しておくとよいでしょう。必要になってから個別で設置するよりも、住宅をメンテナンスする時にまとめて施工したほうが、費用や手間を削減できます。

どこに取り付ければいい?お風呂に設置できる手すりの種類と、使いやすい位置について

いざお風呂に手すりを取り付けようとしたものの、どこに設置すればよいのかわからない人は多いでしょう。ここでは、お風呂に設置できる手すりの種類や特徴、設置する位置、高さの目安などを紹介します。

「浴室への出入り」を補助するI型手すり

浴室の出入り口の床が濡れていると、体のバランスを崩しやすくなります。脱衣所側と浴室側の2箇所に手すりがあれば、出入りがスムーズに行えるでしょう。出入り口に設置するなら、立った状態で体を支えやすいように、縦方向のI型手すりがオススメです。特に、浴室に段差がある場合は、手すりによって転倒の危険性を防ぎ、段差をまたぐ際の負担軽減が期待できます。

ドアそのものに手すりを付けるタイプと、ドア付近の壁に手すりを付けるオフセットタイプがあります。オフセットタイプならドアを開けてすぐ握れるため、よりしっかりと体を支えられます。どちらのタイプも、握る位置が120cm前後になるよう設置しましょう。

「浴室内の移動」を補助する水平手すり(I型手すり)

浴室内の移動をサポートしてくれるのが、水平方向の手すりです。手すりを伝いながら浴室内を安全に歩けるので、誤って転倒するリスクを減らせるでしょう。出入り口から洗い場までの壁に沿って設置すれば、スムーズに動線を確保できます。

手すりの高さは75~85cmほどを目安とし、使用する人の身長などに合わせて調節してください。縦方向の手すりよりも、高さで使いやすさが変わりやすいため注意しましょう。

「洗い場での立ち座り」を補助するI型手すり

洗い場で腰を下ろした時に、バランスを崩して転倒してしまうケースもあります。立ち座りが楽にできるように、縦方向のI型手すりを設置するとよいでしょう。洗い場の鏡に沿って、壁付けで設置するケースが多いですが、中にはシャワーハンガーと一体になったタイプもあります。スリムでスッキリとした見た目で、スペースを有効に使えるのが特徴です。これからリフォームで洗い場周りをリフォームする人は、手すりと一体のタイプを選ぶのもオススメです。

洗い場の椅子に腰掛けた時の、ちょうど頭のてっぺん辺りが握る位置になります。床から60〜120cmほどに握り部がくるよう設置し、手すりの長さは80cmほどを基準にするとよいでしょう。

「浴槽への出入り」を補助するI型手すり

浴槽をまたぐ時に、水に足を取られて滑ってしまう人も多いでしょう。浴槽の縁付近に縦方向のI型手すりを設置すれば、体を支えながら浴槽に出入りできます。設置位置の目安は、浴槽の縁のちょうど上で、浴槽の底から80〜140cmほどの箇所に握り部がくるイメージです。洗い場の床から70cm辺りに手すりの最下部がくるよう設置すると、バランスよく設置できるでしょう。

壁にリフォームで手すりを固定するものもあれば、浴槽の縁に後付けできる市販の手すりもあります。市販のものなら工事不要で、購入したらすぐに使えるので、怪我で急に手すりが必要になった場合なども重宝するでしょう。

「浴槽内の立ち座り」を補助するL型手すり

浴槽から立ち上がったり、腰を下ろしたりする時に便利なのが、L型タイプの手すりです。水平タイプの手すりを設置するケースも多いですが、L型なら入浴中の姿勢を安定させるだけでなく、立ち上がる時の負担も軽減してくれます。浴槽から立ち上がる時、膝や腰などが痛む人は、L型手すりを設置してみてはいかがでしょうか。

一般的な深さ50〜55cmのユニットバスであれば、浴槽の縁から10〜15cmほどの位置に手すりの水平部分がくるよう取り付けます。立ち上がった時に、手すりの上端が肩と同じか少し高いくらいを目安としましょう。

目安が知りたい!手すりの後付けや交換にかかるリフォーム費用相場

手すりの後付けや交換は、バリアフリーリフォームの中では比較的安価な施工です。手すりのサイズや場所、素材などによって価格が変わるので注意しましょう。ここでは、手すりの設置や交換にかかる費用相場を紹介します。

リフォームにかかる金額は「手すりの商品代+工事費」が基本

お風呂に手すりを設置するリフォームの費用は、手すりの本体価格と工事費用を合わせた金額が基本となります。
I型や水平型手すりの本体価格は1本あたり5,000〜8,000円ほどで、L型手すりは7,000〜8,000円ほど。工事費用はお風呂の種類にかかわらず、平均15,000円前後なので、すべて合わせると20,000〜23,000円ほどになることが多いでしょう。

古い手すりを新しいものに交換するリフォームの場合、費用は20,000〜28,000円ほどが相場となります。新たに設置するリフォームよりも工事費用が割高になる可能性があり、かえって高くつくことがあるので注意しましょう。

手すりの取り付けリフォームには、介護保険制度による補助金が使えることも!

手すりの設置はバリアフリーリフォームに該当するため、状況によってはリフォーム費用を介護保険の補助金でまかなえることもあります。
お風呂の手すり取り付け完全ガイド!リフォーム費用やDIY方法も徹底解説
補助金を受けるには、「住宅の使用者が介護認定を受けている」「使用者はリフォームする住宅を住民票上の住所として登録しており、実際に今住んでいる」「リフォーム内容が介護保険に適応している」「市町村で工事の許可が下りている」などの条件を満たしている必要があります。また、リフォーム費用の上限は20万円で、そのうち9割を上限として補助金が適用されます。
(参照元:https://www.mhlw.go.jp/general/seido/toukatsu/suishin/dl/07.pdf

介護保険のほかにも、地域によっては自治体が独自の補助金制度を実施していることもあります。各自治体のホームページなどで、お住まいの地域の制度を確認してみてください。

手すりの取り付けはDIYでもできる?

近年、「リフォーム費用を抑えたい」「自分好みに住宅をデザインしたい」などの理由から、DIYでリフォームを行う人が増えています。ここでは、タイルの壁にDIYで手すりを取り付ける方法や、工事なしで設置できる浴槽用手すりについて紹介します。

タイルの壁にDIYで手すりを取り付ける方法

浴室の壁がタイルの場合は、柱の位置に関係なく作業可能なため、DIYで手すりを設置できることもあります。必要なものは電動ドリルドライバーや樹脂プラグ、タイル用のドリル、浴室用シリコンコーキング材などです。

市販の手すりを購入し、設置場所を決めたら、まずはネジ穴を開ける場所にペンで印を付け、タイル用のドリルで穴を開けていきます。穴が空いたら中に樹脂プラグを入れ込み、上からシリコンコーキング材を塗りましょう。最後に手すりを取り付け、部品のネジを締め、カバーを被せたら完成です。

作業自体は初心者でもできますが、DIYの知識がないと水道管に穴を空けてしまったり、手すり本来の強度が出なかったりするなどのトラブルを招く恐れもあります。それらの補修でかえって費用がかさむこともあるので、なるべくプロに施工してもらうのがオススメです。

工事不要で設置できる「浴槽用手すり」の導入を検討するのもオススメ!

「リフォームせずに手すりを取り付けたい」「まずは市販の手すりを試してみたい」という人は、工事なしで設置できる浴槽用手すりを導入するとよいでしょう。
浴槽用手すりには、浴槽のフチを挟んで固定するものや、吸盤で壁に固定するものなど、さまざまなタイプがあります。浴室の壁材や浴槽の縁幅によっては、使用が難しいものもあるので、住宅に合った種類を選んでください。高さを調整できる機能があると、使用者の身長や体格に適宜合わせられるので、より安全性が高まるでしょう。

今の住宅に長く住み続けるなら、設備交換リフォームをするタイミングで、バリアフリーを意識した改修をするのもオススメです。手すりの設置は比較的安価で施工できるため、「将来のために安全な家作りを目指したい」「バリアフリー住宅に興味がある」という人は、ぜひ業者に見積もりを依頼してみてください。
具体的な手すりの種類やサイズ、使用用途に合った位置などを相談したい人は、リフォーム実績が豊富な「カシワバラ・コーポレーション」にお任せください。

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