ウニ!?ランプ!?海の音が聞こえるウニランプ:IIDものづくり学校

様々なクリエイターを講師に招き「ものづくり」のワークショップを行っている、IID 世田谷ものづくり学校。こちらのワークショップから毎月、DIYer(s)編集部が注目するコンテンツをご紹介。今回ピックアップしたのはKOKOPELI+(ココペリプラス)が行う『本物のウニの殻を使った「ウニランプづくり」』です。

2022.01.11

淡く光るウニのランプを、シーグラスやパール、珊瑚で彩る

2004年に廃校となった旧池尻中学校をリノベーションし、設立されたIID 世田谷ものづくり学校。施設内の各教室が、今ではクリエイターやデザイナーのオフィスとなっています。そんな世田谷ものづくり学校では、入居者をはじめとしたクリエイターが講師を務める、ものづくりのワークショップが毎月行われているのです。
今回は『本物のウニの殻を使った「ウニランプづくり」』の講師、KOKOPELI+の寺田さんにお話を伺いました。ワークショップ当日はどんな作業をするのか、そしてウニでランプを作ろうという発想に至るまでの経緯について語っていただきます。

IIDものづくり学校とは


旧池尻中学校が『IID世田谷ものづくり学校』として再生してから、2017年度で14年目を迎えました。かつて子どもたちが学んでいた教室は現在、あらゆるジャンルのクリエイターやデザイナーによってオフィスとして使われています。また、この施設ではクリエイターたちが講師を務めるワークショップや創業支援セミナーが行われており、その数は年間700件以上。IID世田谷ものづくり学校は“ものづくり”をキーワードに、クリエイティブ、地域交流、そして産業活性化のプラットフォームとして、人やモノ、情報が行き交う場を作り続けているのです。

「ウニの殻」と聞いて、その姿がピンとくる方は少ないのではないでしょうか。黒くトゲトゲしたあの姿をどうランプにするのか…という心配もありましたが、実際に見せていただいたウニの殻は思ったよりもかわいらしいものでした。

こちらがその「ウニの殻」。

今回は、そんなウニの殻でどんなランプを作るのか、実際にワークショップ当日にする作業を教えていただきました。


今回取材にご協力くださったのは、ワークショップの講師を務めているKOKOPELLI+代表、寺田浩之さんです。それでは早速、作っていただきましょう!


まずは、ランプのベースを作ります。ウニの殻はサイズがそれぞれ異なりますので、好みのものをチョイスしましょう。


基本の飾りつけは珊瑚で行います。ワークショップでは個数に制限がないそうなので、選んだウニの殻に合わせて使うサイズや量を調整しましょう。


今回の作業では、グルーガンを接着に使います。先端は熱いので要注意です!


それでは、作業に入りましょう。


ウニの殻は上下に穴が開けてあります。電球を下部の穴に合わせ、グルーガンで接着しましょう。穴のサイズが小さい場合は、カッターなどで広げます。


1分ほど置いて乾かしましょう。


続いて、珊瑚で土台とウニの境目を隠すように飾ります。グルーガンを少しずつ乗せましょう。


まずは大きい珊瑚でぐるりと飾ってしまいます。隙間は後から小さい珊瑚で埋めるので、多少隙間が空いてしまっても問題ありません。


少し乾かし、珊瑚を固定させます。


続いて、彩りを加える作業に入りましょう。以下のものから、好みのパーツを5つまでチョイスしていいそうです。


華やかなピンクやブルーのビーズがこんなにたくさん!上品な色合いのパールも選べます。


ウニの殻とぴったりな色味の貝殻も用意されていますよ。


スモーキーなものから透明感のあるものなど、色とりどりのシーグラスまで!


小さな巻き貝も、好みに合わせてチョイスしましょう。



使いたいパーツを自由に5つ選び、ウニランプを飾ります。華やかなランプも魅力的ですが、今回は落ち着いた色合いにまとめてもらいました。


まずは、上部の穴をビーズで塞ぎます。中に垂れないよう注意しながらグルーガンを載せましょう。


ビーズは柔らかい色合いのパープルをチョイス。ピンセットで微調整しつつ、慎重に載せます。


続いて、淡いレモン色のシーグラスをバランス良く接着します。


ここで、気になる隙間を珊瑚で埋めてしまいましょう。グルーガンを少しずつ乗せます。


ちょうど良いサイズの珊瑚をしっかり吟味し、ピンセットでつけましょう。


次に貝殻を飾り付けます。作業に没頭すると忘れてしまいますが、グルーガンは熱くなっています。注意しながら扱ってくださいね!


ピンセットでベストな位置に載せます。


パールも一粒載せてもらいました。


最後のパーツに、小さな巻き貝をチョイス。ちょうど良い隙間があったので、こちらもグルーガンでつけます。


バランスの良い角度を考え、巻き貝を乗せましょう。


完成です!全体的に色合いがまとまっていて、とても上品な印象になりました。

手のひらサイズのかわいらしいランプに、思わず癒やされます。



ちなみに、暗闇の中ではこんな風に光ります。


寺田さんが代表を務めるKOKOPELLI+は、『自然と人を繋げる』ことをテーマに様々な取り組みをされています。例えば今回見せていただいたウニランプ作りは、もともと子どもたちに海の生態を教えるために始めたワークショップなのだそう。
「ウニの存在は知っているけど、一体どういう生き物に分類されるものなのか。そんなことを考える機会って案外ありませんよね。ワークショップでは海に生きる生物について学ぶとともに、自然からとれるパーツを用いて自分だけの作品づくりを楽しんでもらえたらと思っています」と、寺田さんは語ります。

そもそも、寺田さんが自然に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?自然と存分に触れ合える地域で生まれ育ったのかと思いきや、実は都内のご出身なのだそうです。
「私は江東区生まれでして、家が密集した地域で育ちました。自然が大好きなのに、近所にある自然と言えば隅田川ぐらい。それでもなんとかして、虫や魚を観察できる場所を見つけましたね。子どもの頃から、都市部でも実は身近に自然はあることに気づいていたんです」

そんな寺田さんの目標は、子どもたちと自然の距離を少しでも近づけること。
「近頃は、子どもたちが自然から遠ざけられている気がするんです。“室内でゲームばかりしている”と言われている一方で、山や川など、立入禁止の区域が増えていたり。その矛盾がとても気になるんですよ。きちんと危険を理解し、何をしてはいけないのかを教わる機会がなければ、自然に近づくことも難しいもの。私は、自然の楽しさや美しさ、そして危険も教えられる立場として、街中で暮らす方に自然の魅力を伝えていきたいと考えています」

自然に触れたいけど、街中に住んでいるから機会がない…。そんな方は、寺田さんのワークショップに参加することから始めてはいかがでしょうか?都会にも小さな自然がたくさん隠れていること、そして“自然”が実はとても身近なものであることに気づけるかもしれません。

INFORMATION


KOKOPELLI+


大地に命を与え、自然の豊かな恵みをもたらす精霊であるネイティブインディアンの精霊“ココペリ”。
『KOKOPELLI+』はそんなココペリと同じように、日常生活で自然と触れる機会の少ない現代人に自然とのつながりを提供してます。「いつまでも人と自然がつながる社会」を目標に、日々活動されているそうです。
https://www.kokopelliplus.jp/

School Data

IID世田谷ものづくり学校


住所:〒154-0001 東京都世田谷区池尻 2-4-5

電話番号:03-5481-9011

一般開館時間:11:00〜19:00

休館日:月曜日(休館日が祝日または振替休日の場合、その翌日)

URL:https://setagaya-school.net

WRITTEN BY

DIYer(s)

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