まだ家に“選ばれてる”?toolboxが「マイホーム」で語る本当の家の暮らし方

内装建材やDIYグッズの販売・空間づくりの提案を行う株式会社toolbox。暮らしに長く携わってきた同社が2020年9月、2冊目となる書籍を出版しました。そこに登場するのは型破りな「マイホーム」を実現する8組の暮らしと、そのルーツ。さあ、家の持つ無限の可能性を探しにいきましょう。

公開日 2020.12.05

更新日 2020.12.05

まだ家に“選ばれてる”?toolboxが「マイホーム」で語る本当の家の暮らし方

はじめに

マイホームという言葉を聞いて、みなさんはどのようなイメージをお持ちになるでしょうか。「マイホームといえば、持ち家だ!」と思う方もいるでしょうし、賃貸や分譲であっても自分が住む家をそう呼ぶ方もいらっしゃると思います。このように住まいの形が多様化している現代ですが、それを選ぶ基準が、築年数や家賃など、数字だけの機械的にものになってきてはいないでしょうか。
このように、いつの時代も自分たちの欲望のままに住まいを作ってきた人間が、近年その形を作り手に委ね、住み手は受け身になってしまったと一石を投じる本が登場しました。「マイホーム」と名付けられたその書籍を発行したのは、DIYアイテムの販売でもおなじみの住まいのプロ、「toolbox」。同社2020年9月に発行した最新書籍を早速読み、その感想も含めて、簡単に内容のご紹介をさせていただきます。

toolbox(ツールボックス)って?

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toolbox(ツールボックス)は、内装建材やDIYツール、リフォームサービスなどを提供しているウェブサイトを運営しており、そのユニークなサービスの数々はDIYer(s)でもお馴染みとなってきました。
元々は、個性的な物件のセレクトショップとして知られる不動産会社「東京R不動産」から生まれた同社。「素敵な家をより良くできるように、自分たちで手を加えていける選択肢が欲しい」という顧客の要望に応えるように、同社が運営するウェブサイト「toolbox」には、数々のアイテムとそれを活かす独特なアイデアが並びます。
このようにして、誕生から今日に至るまで「家」というものに対して向かい合い続けてきた同社が、2冊目として発行したのがこの「マイホーム」という書籍。直球すぎるとも言えるそのタイトルに負けないくらい真っ直ぐに、家についての想いが詰まっていました。

本書を盛り上げる「8つの暮らし」

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本書には家というものに対して独特かつ斬新な向き合い方をする8組が登場し、それぞれの持つ「マイホーム論」を語ってくれるのですが、この8組がとにかく個性派。例えば、自分の家を働く場所として提供したり、動く家に住んでみたり、モノにあふれていたり、逆に何もなかったり、「どうやって見つけてきたんだ!」と思わずツッコミたくなってしまう個性派がずらり集結しています。

でも、一見めちゃくちゃに見える彼らの暮らしですが、本書を読み進めていくとその理由は非常にロジカル。彼らなりの理由や考え方を聞いているうちに、いつの間にか「僕もこんな生活がしたい!」と共感してしまっている自分がいて驚きます。(笑)どのご家族も、ただ自分たちの内側から湧き出る欲求に素直に家と向き合っている、そんな印象を受けました。

ちなみに個人的に面白かったのが、本書のあとがきでこの8組が“未来を予感させる変態たち”と紹介されていること。確かに、変態的なまでの家に対する姿勢には、今後の新しい人と家の付き合い方を予感させてくれるヒントが多くあったように思います。そんな愛すべき8組の変態たち、ぜひ読んでみてください。

一つだけご紹介「家づくり自体が目的の家」

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先にご紹介した8組の登場人物、本当は全員をご紹介したいところですがそうもいきませんので、1組だけ簡単にご紹介させていただきます。

この「家づくり自体が目的の家」と題された住居には、4人の家族が暮らしています。どうしてこのような名前がつけられたのかというと、なんとこのご家族、ボロボロの家を買っては改装し、しばらく住んだらまた次の家へという生活を続けているのだとか。読みながら「一体、どうしてそんな生活を..!?」としばらく呆気に取られました。でも、この生活を続ける理由についてご主人が「鳥が巣を作るように、僕も巣を作り続けたいだけ」と語るのをみて、端からみていると不便そうに感じる生活も、当人たちにとってそれは必要なことなのだと強く感じました。
まだ家に“選ばれてる”?Toolboxが「マイホーム」で語る本当の家の暮らし方
ちなみにこのご主人、近所の人がいらなくなった家具や、潰れてしまった工場の什器などを片っ端から引き取っているのだとか。ご主人曰く、近所の人から「あいつなら喜ぶやろ」と思われているそうで、次から次へと不用品の話が舞い込んでくるのだとか。実は、以前は建築関係のお仕事に就いていたご主人。仕事で新築を作る際、無駄になる資材の量の多さに疑問を抱いていたのだとか。ちなみに、古い家を直しはじめたのもそんな想いがきっかけになっているのだそうで、とても納得しました。
使っては捨てるスタイルがとても不自然で、古いものを直しながら永く使う行為が自然だと語るご主人。こうした家への向き合い方は、大量消費される現代へのアンチテーゼのようにも見えました。

toolboxの使う奇妙な言葉の美しさ

まだ家に“選ばれてる”?toolboxが「マイホーム」で語る本当の家の暮らし方
本書の魅力は不思議な登場人物たちだけじゃなく、それを盛り上げる奇妙で美しい言葉たちにあります。例えば、先ほどの「家づくり自体が目的の家」以外にも、「移動できる移動しない家」「蓄えられた家」など、ツールボックスは8組全てにユニークな愛称を名付けています。これらのタイトルは一見奇妙な響きなのですが、読み進めていくとスッと腑に落ち、「次はどんな名前の家が出てくるんだろう」とワクワクまでさせてくれる、本書に欠かせない存在となっていました。
また、度々出てくる「住むことの編集権を取り戻す」という言葉も印象的です。見たい映画や読みたい本は自分で選ぶのに、いつの間にか家は作り手に与えられるばかりになっていると指摘する際のこの言葉。響きももちろんかっこいいのですが、家賃や間取りだけで家を選んで住んでいた自分に、一つの疑問符を提示してくれた一言でした。
このように本書では、ちょっと詩的で鋭い言葉たちが随所に登場し、文章に華を添えています。それだけでなく、この言葉たちによってにより強いメッセージ性を持った書籍になっていることも間違いありません。これから本書を読まれるという方は、ぜひこの言葉たちにも注目して読み進めてみることをオススメします。

まとめ

まだ家に“選ばれてる”?Toolboxが「マイホーム」で語る本当の家の暮らし方
toolboxの最新書籍「マイホーム」、いかがでしたでしょうか。僕は既に何度も読み返しましたが、この先も永く持ち続けて、また家を選ぶ際には必ず開きたい一冊となりました。
また、本書に登場するのは風変わりな家に住む方ばかりでしたが、toolboxが伝えたいのは「十人十色の家への向き合い方がある」ということなのだと思います。ですから、建物に詳しかったり、デザインのセンスがある人だけがおしゃれで自分らしい家に住めるという話では決してありません。ぜひ、自分が住みたいのはどんな家なのかを、今一度考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

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