中古マンションのリノベーションにかかる費用は? 注意点も解説
中古マンションをリノベーションする際には、1㎡当たり約20万円かかります。ほかにも、物件購入費や引っ越し費用、各種税金なども必要です。リノベーションを成功させるには、中古マンションをリノベーションするメリットとデメリット、注意点を把握することが重要です。
公開日 2023.04.28
更新日 2023.05.11
中古マンションのリノベーションは、新築マンションに比べて購入費用を抑えつつ理想の間取りや内装を実現できる、資産価値が下がりづらいといったメリットがあります。一方でデメリットもあるため、メリットとデメリットの両方を把握しておくことが大切です。この記事では、中古マンションのリノベーションにかかる費用や注意点について解説します。
中古マンションのリノベーションにかかる費用
中古マンションをリノベーションする際にかかる費用は、1㎡当たり約20万円とされています。50㎡(約15坪、約30畳)であれば1,000万円、100㎡(約30坪、約60畳)なら2,000万円です。あくまでも目安なので、物件の広さやリノベーションの内容などによって変わります。
ほかにも、中古マンション自体の購入費用はもちろん、諸経費や引っ越し費用なども必要です。
ほかにも、中古マンション自体の購入費用はもちろん、諸経費や引っ越し費用なども必要です。
今更聞けない! リノベーションとリフォームの違いとは
リノベーションとリフォームの違いは、構造自体をつくり直すか否かという点です。
リフォームは、構造自体は変えず、建築材料やシステムなどを修理したり、新しく取り替えたりする施工を指します。
一方、リノベーションは建物の構造自体に手を加えます。和室を洋室に変えたり、間取りを変更したりするなどマンションのつくり自体を一新させるので、原状回復や維持を目的とするリフォームと比べて家の価値が向上する可能性がある点も違いです。また、構造から手を加えるリノベーションは設計に関わる専門職が担当するのに対し、リフォームはハウスメーカーやリフォーム業者の営業職が担当する点も違いとして挙げられます。
リノベーションは「表層リノベーション」と「スケルトンリノベーション」の2種類があります。表層リノベーションは設備やシステム、フローリングや壁のクロスなどの目に見える部分のみに手を加える施工で、制限があることが注意点です。目に見える部分だけなので、配管や配線、断熱材などはそのままの状態になり、手を加えない部分が影響して間取りの変更が制限されるケースもあります。
スケルトンリノベーションは、配管や断熱材などを撤去し、内装工事に入る前の状態まで戻して施工を始めます。配管や断熱材も新しくできるうえ、表層リノベーションのような設計の制限がなくなる点が強みです。一方、リノベーションにかかる費用は相場より高く、施工期間も長くなる傾向があります。
リフォームは、構造自体は変えず、建築材料やシステムなどを修理したり、新しく取り替えたりする施工を指します。
一方、リノベーションは建物の構造自体に手を加えます。和室を洋室に変えたり、間取りを変更したりするなどマンションのつくり自体を一新させるので、原状回復や維持を目的とするリフォームと比べて家の価値が向上する可能性がある点も違いです。また、構造から手を加えるリノベーションは設計に関わる専門職が担当するのに対し、リフォームはハウスメーカーやリフォーム業者の営業職が担当する点も違いとして挙げられます。
リノベーションは「表層リノベーション」と「スケルトンリノベーション」の2種類があります。表層リノベーションは設備やシステム、フローリングや壁のクロスなどの目に見える部分のみに手を加える施工で、制限があることが注意点です。目に見える部分だけなので、配管や配線、断熱材などはそのままの状態になり、手を加えない部分が影響して間取りの変更が制限されるケースもあります。
スケルトンリノベーションは、配管や断熱材などを撤去し、内装工事に入る前の状態まで戻して施工を始めます。配管や断熱材も新しくできるうえ、表層リノベーションのような設計の制限がなくなる点が強みです。一方、リノベーションにかかる費用は相場より高く、施工期間も長くなる傾向があります。
中古マンションをリノベーションするメリット
中古マンションのリノベーションには、主に4つのメリットがあります。
・購入価格
・立地
・資産価値
・間取りや内装の自由度
「購入価格」
中古マンションは新築マンションに比べて、購入価格が抑えられる点がメリットです。国土交通省の「令和2年度 住宅市場動向調査」によると、令和2年調査において新築マンションの平均購入価格4,639万円に対して、中古マンションの平均購入価格は2,263万円でした。中古マンションの平均購入価格のほうが2,376万円安いです。仮に100㎡の中古マンションで相場の1㎡当たり20万円のリノベーション費用がかかったと想定しても新築マンションより購入費用を抑えられます。
参照元:国土交通省 令和2年度 住宅市場動向調査
https://www.mlit.go.jp/common/001401317.pdf
「立地」
立地の選択肢が多いことも、中古マンションのメリットです。駅の近くや周辺環境のよい地域にはすでにマンションや商業施設が立ち並んでいるケースが多く、新築マンションが建設されるスペースは少なくなっています。購入条件に当てはめると価格が高かったり、狭かったりするなど、選択肢は多くありません。一方、中古マンションは駅の近くや周辺環境のよい地域にも立っているので、購入条件内でも選択肢が多いです。
「資産価値」
マンションは時間が経つにつれて資産価値が下がります。しかし、下がり続けるのではなく、一定期間が経過すると下げ止まり、資産価値が安定します。リノベーションの内容によっては性能が向上し、さらに下がり幅を抑えられるので、新築マンションに比べて資産価値が下がりにくい点がメリットです。
「間取りや内装の自由度」
中古マンションを購入してリノベーションすることで、間取りや内装の自由度が高くなります。新築マンションは間取りや内装、設備などがある程度決められており、決められた条件の中から選ばなければいけません。一方、リノベーションを前提として中古マンションを購入すれば、間取りや内装は自由に選べます。
・購入価格
・立地
・資産価値
・間取りや内装の自由度
「購入価格」
中古マンションは新築マンションに比べて、購入価格が抑えられる点がメリットです。国土交通省の「令和2年度 住宅市場動向調査」によると、令和2年調査において新築マンションの平均購入価格4,639万円に対して、中古マンションの平均購入価格は2,263万円でした。中古マンションの平均購入価格のほうが2,376万円安いです。仮に100㎡の中古マンションで相場の1㎡当たり20万円のリノベーション費用がかかったと想定しても新築マンションより購入費用を抑えられます。
参照元:国土交通省 令和2年度 住宅市場動向調査
https://www.mlit.go.jp/common/001401317.pdf
「立地」
立地の選択肢が多いことも、中古マンションのメリットです。駅の近くや周辺環境のよい地域にはすでにマンションや商業施設が立ち並んでいるケースが多く、新築マンションが建設されるスペースは少なくなっています。購入条件に当てはめると価格が高かったり、狭かったりするなど、選択肢は多くありません。一方、中古マンションは駅の近くや周辺環境のよい地域にも立っているので、購入条件内でも選択肢が多いです。
「資産価値」
マンションは時間が経つにつれて資産価値が下がります。しかし、下がり続けるのではなく、一定期間が経過すると下げ止まり、資産価値が安定します。リノベーションの内容によっては性能が向上し、さらに下がり幅を抑えられるので、新築マンションに比べて資産価値が下がりにくい点がメリットです。
「間取りや内装の自由度」
中古マンションを購入してリノベーションすることで、間取りや内装の自由度が高くなります。新築マンションは間取りや内装、設備などがある程度決められており、決められた条件の中から選ばなければいけません。一方、リノベーションを前提として中古マンションを購入すれば、間取りや内装は自由に選べます。
中古マンションをリノベーションするデメリット
中古マンションをリノベーションする際の主なデメリットは、以下のとおりです。
・誰かが住んでいた家に住みたくない人には不向き
・建物の寿命
・建物の性能
・売却が難しい可能性
「誰かが住んでいた家に住みたくない人には不向き」
中古マンションは基本的に誰かが住んでいた物件です。誰かが住んでいた家の購入に抵抗がある人には向いていません。
「建物の寿命」
マンションは鉄筋コンクリートなので、管理次第では100年以上の寿命があります。ただし、この寿命は鉄筋コンクリートの部分だけであり、そのほかの部分の寿命は短く、建てられてから時間が経過するほど交換や手入れが必要です。購入した時点で経年劣化が進んだ中古マンションは、修繕費が高くなる可能性があります。
「建物の性能」
新しいマンションほど性能が高い傾向です。古い中古マンションでも耐震基準適合証明書が発行されていれば耐震性は保証されますが、免震や制震・制振、防音などの性能はマンションによって違いがあります。防音性能が低い場合は、騒音トラブルに発展しかねません。「一般社団法人 日本免震構造協会」によると、免震構造の建物が初めて建設されたのが1983年、阪神淡路大震災があった1995年から急増したとされています。築年数が長い中古マンションほど免震構造が組み込まれているケースは少なく、マンション自体の性能が低い可能性があります。
参考元:一般社団法人 日本免震構造協会
https://www.jssi.or.jp/wp/wp-content/uploads/society_economy/keizoku2.pdf
「売却が難しい可能性」
立地によっては売却が難しくなる可能性があります。中古でマンションを購入すれば、売却する時にはさらに経年劣化が進んでいます。その際に、売れるか否かのポイントになるのは立地です。立地がよければ経年劣化が進んだマンションでも売却可能ですが、逆に立地が悪いと売却が難しい可能性があります。
・誰かが住んでいた家に住みたくない人には不向き
・建物の寿命
・建物の性能
・売却が難しい可能性
「誰かが住んでいた家に住みたくない人には不向き」
中古マンションは基本的に誰かが住んでいた物件です。誰かが住んでいた家の購入に抵抗がある人には向いていません。
「建物の寿命」
マンションは鉄筋コンクリートなので、管理次第では100年以上の寿命があります。ただし、この寿命は鉄筋コンクリートの部分だけであり、そのほかの部分の寿命は短く、建てられてから時間が経過するほど交換や手入れが必要です。購入した時点で経年劣化が進んだ中古マンションは、修繕費が高くなる可能性があります。
「建物の性能」
新しいマンションほど性能が高い傾向です。古い中古マンションでも耐震基準適合証明書が発行されていれば耐震性は保証されますが、免震や制震・制振、防音などの性能はマンションによって違いがあります。防音性能が低い場合は、騒音トラブルに発展しかねません。「一般社団法人 日本免震構造協会」によると、免震構造の建物が初めて建設されたのが1983年、阪神淡路大震災があった1995年から急増したとされています。築年数が長い中古マンションほど免震構造が組み込まれているケースは少なく、マンション自体の性能が低い可能性があります。
参考元:一般社団法人 日本免震構造協会
https://www.jssi.or.jp/wp/wp-content/uploads/society_economy/keizoku2.pdf
「売却が難しい可能性」
立地によっては売却が難しくなる可能性があります。中古でマンションを購入すれば、売却する時にはさらに経年劣化が進んでいます。その際に、売れるか否かのポイントになるのは立地です。立地がよければ経年劣化が進んだマンションでも売却可能ですが、逆に立地が悪いと売却が難しい可能性があります。
中古マンションをリノベーションする際の注意点5つ
以下の5つの点に注意して、中古マンションをリノベーションしましょう。
・「買ってからリノベ」or「リノベ済み物件」
・築浅物件
・専有部分と共有部分
・構造壁
・周辺状況
それぞれの注意点について解説します。
・「買ってからリノベ」or「リノベ済み物件」
・築浅物件
・専有部分と共有部分
・構造壁
・周辺状況
それぞれの注意点について解説します。
1. 「買ってからリノベ」か「リノベ済み物件を買う」かを選ぶ
「リノベーションしたマンションに住む」という目的を達成するには、買ってから自分でリノベーションするか、リノベーション済みのマンションを買うかの2つの方法があります。
リノベーション済みのマンションはすぐに住めるメリットがありますが、間取りや内装などが好みと完全に一致せず、痒い所に手が届かない可能性があります。手直ししたくなる部分がないかを事前によく確認しましょう。
リノベーション済みのマンションはすぐに住めるメリットがありますが、間取りや内装などが好みと完全に一致せず、痒い所に手が届かない可能性があります。手直ししたくなる部分がないかを事前によく確認しましょう。
2. 築浅の物件には注意する
リノベーションのメリットで解説したように、マンションは建てられてから時間が経過すると資産価値が下がります。建設直後は資産価値の下がり幅が大きいため、築浅のマンションを購入すると予想以上に資産価値が下がる可能性がある点に注意しましょう。
大体築20年以上になると資産価値の下がり幅が軽微になるので、購入費用を抑えつつ、購入時より資産価値が大幅に下がるのも抑えられます。
大体築20年以上になると資産価値の下がり幅が軽微になるので、購入費用を抑えつつ、購入時より資産価値が大幅に下がるのも抑えられます。
3. 専有部分と共有部分を把握しておく
リノベーションできるのは専有部分のみです。共有部分は手を加えられない点に注意しましょう。エレベーターやエントランスは分かりやすいですが、意外と共有部分だと知られていないのがベランダやバルコニーです。住んでいる人の専用使用権が認められていますが、共有部分として扱われます。
そのため、リノベーションしたい場合は管理組合や管理会社の許可が必要です。場合によっては許可が下りない可能性もあるので事前に確認しておましょう。
そのため、リノベーションしたい場合は管理組合や管理会社の許可が必要です。場合によっては許可が下りない可能性もあるので事前に確認しておましょう。
4. 「構造壁」があるとリノベしづらい
構造壁がリノベーションの制限になる場合があります。構造壁とは、構造上壊せない、建物を支える壁です。条件に合う物件が見つかり、リノベーションで間取りを変更して広いリビングにしようとしても、構造壁が妨げになって施工できないケースもあります。物件を選ぶ段階から、構造上施工が可能なのかを確認しましょう。
5. 物件の周辺状況も確認しておく
リノベーションは「理想のマンションをつくる」という夢が膨らみます。しかし、長く住むうえで周辺環境を確認しておかなければ、思わぬトラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。主なトラブルとして、近隣トラブルと騒音問題が挙げられます。
時間によって周辺状況が変わるため、朝や夜、平日や週末など時間や日ごとに環境を確認しておきましょう。深夜や朝早くに騒音を出す住民がいるかもしれません。時間や日を変えて周辺状況を確認することで、このようなトラブルの元を発見でき、事前にトラブルを回避できる可能性があります。
時間によって周辺状況が変わるため、朝や夜、平日や週末など時間や日ごとに環境を確認しておきましょう。深夜や朝早くに騒音を出す住民がいるかもしれません。時間や日を変えて周辺状況を確認することで、このようなトラブルの元を発見でき、事前にトラブルを回避できる可能性があります。
押さえておきたい「リノベにかかるお金」
中古マンションの購入とリノベーション以外にも費用がかかり、予算オーバーになるケースがあります。以下の諸費用も把握しておきましょう。
物件購入以外にも経費がかかる
マンションの購入とリノベーション費用以外に、以下の費用がかかります。
・購入時の初期費用
・引っ越し費用
・管理費
・不動産取得税と登録免許税
・固定資産税
「購入時の初期費用」
マンションの購入時には、「仲介手数料(物件価格の3~5%)」「売買契約書用の印紙代」「保険料(火災や瑕疵に対する保険)」などが必要です。
「引っ越し費用」
一般的な家庭の引っ越し費用は10万~20万円とされていますが、家族の人数や荷物の量、時期、移動距離などによって変わります。
「管理費」
マンションの管理費や修繕積立金を毎月払います。安ければいいわけではなく、管理内容に対して妥当かどうかが重要です。
「不動産取得税と登録免許税」
不動産取得税はマンションを取得してから半年後くらいを目安に都道府県から通知される税金です。不動産を登記する際には登録免許税も納めます。どちらも支払うのは1回ですが、司法書士に登記依頼をした場合は報酬が必要です。
「固定資産税」
所有する不動産に対して毎年払う税金です。
・購入時の初期費用
・引っ越し費用
・管理費
・不動産取得税と登録免許税
・固定資産税
「購入時の初期費用」
マンションの購入時には、「仲介手数料(物件価格の3~5%)」「売買契約書用の印紙代」「保険料(火災や瑕疵に対する保険)」などが必要です。
「引っ越し費用」
一般的な家庭の引っ越し費用は10万~20万円とされていますが、家族の人数や荷物の量、時期、移動距離などによって変わります。
「管理費」
マンションの管理費や修繕積立金を毎月払います。安ければいいわけではなく、管理内容に対して妥当かどうかが重要です。
「不動産取得税と登録免許税」
不動産取得税はマンションを取得してから半年後くらいを目安に都道府県から通知される税金です。不動産を登記する際には登録免許税も納めます。どちらも支払うのは1回ですが、司法書士に登記依頼をした場合は報酬が必要です。
「固定資産税」
所有する不動産に対して毎年払う税金です。
自宅をリノベする場合は「仮住まい」が必要
住んでいるマンションをリノベーションする場合は、工事中の仮住まいが必要です。スケルトンリノベーションはもちろん、表層リノベーションであっても粉塵や工事による危険があるため、施工中はマンションに住めません。
2~3ヶ月のことなので、家具をトランクルームに預け、マンスリーマンションを利用するケースが多いですが、同じ条件の賃貸物件に比べて割高です。
2~3ヶ月のことなので、家具をトランクルームに預け、マンスリーマンションを利用するケースが多いですが、同じ条件の賃貸物件に比べて割高です。
水回りのリノベにはある程度費用がかかる
浴室やキッチンなどの水回りは、その広さにかかわらず一定以上の費用がかかります。そのため、浴室やキッチンが狭いからリノベーション費用も安くなると勘違いせず、事前に相場を把握しておきましょう。
WRITTEN BY
Japan
DIYer(s)編集部です。DIYのアイデアやハウツー、おすすめツールやショップ情報まで幅広くお届けします!
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