断熱リフォームの効果がすごい!気になる費用や工期は?
住宅の断熱性が低いと、冷暖房の効きが悪く、夏場は2階の温度が上昇するなどのトラブルが生じます。断熱リフォームは、壁や床に断熱材を入れるなどして、外気温の影響を受けにくくするリフォームです。冬は暖めた空気が屋外に逃げず、夏は屋外の熱を遮断する効果が期待できます。
公開日 2020.05.20
更新日 2020.05.22
壁や床に断熱材が不足していたり、ドアや窓の立て付けが悪かったりすると、冬場に水回りが極端に冷え、真夏はエアコンの設定温度まで室温が下がらないなどのトラブルが生じます。断熱リフォームで室内温度を安定させれば、温度差による負担が少なくなるので、ご高齢の方や小さなお子様がいるご家庭は安心して生活できます。
住宅の構造や、住む人がどのような生活スタイルを実現したいかで断熱リフォームの内容は変わります。快適な住宅を実現するために、工事の種類と期間、費用目安などを事前にチェックしておきましょう。
住宅の構造や、住む人がどのような生活スタイルを実現したいかで断熱リフォームの内容は変わります。快適な住宅を実現するために、工事の種類と期間、費用目安などを事前にチェックしておきましょう。
断熱材でどのくらい変わる?断熱リフォームの効果とメリット
築年数が経ったマンションや古い木造戸建て住宅に住む人にとって、快適な室内温度を保った家は理想的です。
断熱リフォームは室温を安定させるので、冬は過ごしやすくなるのはもちろん、夏の暑さ対策にも効果があります。費用対効果を重視するのであれば、間取り変更やクロスの張り替えなど、一般的なリフォームと同時に断熱リフォームをするとよいでしょう。工事内容によっては防音対策にもなり、住宅の耐震性がアップする建材も流通しています。また、省エネ効果のある建築材料を用いたリフォームへの補助金制度や支援事業もあるので、2020年度の実施内容を自治体に確認してみてもよいでしょう。
では、断熱リフォームによる具体的な効果とメリットにはどのようなものがあるでしょうか。
断熱リフォームは室温を安定させるので、冬は過ごしやすくなるのはもちろん、夏の暑さ対策にも効果があります。費用対効果を重視するのであれば、間取り変更やクロスの張り替えなど、一般的なリフォームと同時に断熱リフォームをするとよいでしょう。工事内容によっては防音対策にもなり、住宅の耐震性がアップする建材も流通しています。また、省エネ効果のある建築材料を用いたリフォームへの補助金制度や支援事業もあるので、2020年度の実施内容を自治体に確認してみてもよいでしょう。
では、断熱リフォームによる具体的な効果とメリットにはどのようなものがあるでしょうか。
光熱費が安くなる
エアコンの効率が悪いのは、暖気と冷気が室内外に漏れてしまうのが原因です。断熱リフォームにより、室内の空気が逃げにくくなり、合わせて室外の温度が内部に伝わりにくくなるので余分な消費電力を使わなくて済みます。当然ながら、光熱費が安く抑えられるのです。
風邪予防やアレルギー疾患改善に期待できる
お部屋の冷えや乾燥は風邪、結露によるカビの発生はアレルギーの原因となります。断熱リフォームにより、密閉性と室温が安定することで、疾患が改善される例も報告されています。
また、女性に多い手足の冷えは、床や壁が快適な温度に保たれることにより軽減します。合わせて、トイレなどの水回りから廊下、さらにリビングへ移動する際の温度差が少なくなるので、ご高齢の方に多いヒートショックのリスクも抑えられるでしょう。家の中が快適になれば、ストレスのない健康的な生活が送れるようになります。
また、女性に多い手足の冷えは、床や壁が快適な温度に保たれることにより軽減します。合わせて、トイレなどの水回りから廊下、さらにリビングへ移動する際の温度差が少なくなるので、ご高齢の方に多いヒートショックのリスクも抑えられるでしょう。家の中が快適になれば、ストレスのない健康的な生活が送れるようになります。
快適な室温を保てる
空間の熱を逃さない構造になるので、場所によっての温度差が減り、冷暖房が必要な時期には安定した暖かさや涼しさが保たれます。快適な室温は結果的に建物に対しての負担が少なくなるので、経年劣化の速度を遅らせ、住宅の価値も保たれます。
断熱リフォームは部屋のどこに
断熱リフォームができる箇所は、壁や床、天井や窓などです。板状のパネルや繊維、塗料などを用いて施工します。窓においては、断熱機能のあるガラスに交換する以外に、内窓(インナーサッシ)を追加して二重窓にする方法もあります。暖かい空気は、窓や玄関ドアなどの開口部に向かって抜けていくため、開口部の密閉性や断熱性を確保するのが最優先となります。
家の外から施工する場合は「外張り断熱工法」と「断熱塗装」
「外張り断熱工法」は、住宅の柱や梁の外側から、断熱材で全体を包む工法です。断熱材が住宅の外側に接しているので、切れ目がなく、高い断熱性と気密性が実現します。湿気が住宅内部に侵入するのを防ぐので結露によるダメージの軽減も期待できるでしょう。
via blog.livedoor.jp
「断熱塗装」は熱伝導率を下げる機能を持っているため、冬は暖かく、夏は涼しく室温が保てます。塗装部分の耐久性もアップするのも嬉しいポイントです。断熱塗装のほかに、住環境によっては、遮熱塗装も選択肢の1つとなります。金属屋根や、吹き抜け構造で屋根直下にリビングや玄関がある場合、夏場の極端な温度上昇を抑えてくれますが、反面、熱を反射するため冬場は室温を保つのが難しくなります。
柱と梁の内側を施工する場合は「充填断熱工法」
住宅の内側を活用して断熱するのが「充填断熱工法」です。人間の体に例えれば「外張り断熱工法」が厚手のコートを羽織るのに対し、「充填断熱工法」は機能性インナーで内部の熱を逃さないようにするイメージです。
柱や梁などの構造材の間にボードやシート状、または液体の断熱材を吹き付けるなどして施工していきます。壁がある場合は一旦剥がす作業が必要となり、コンセントなどの電気設備、キッチンなどの水回り設備が接している場合は、移動に伴う作業も発生します。
柱や梁などの構造材の間にボードやシート状、または液体の断熱材を吹き付けるなどして施工していきます。壁がある場合は一旦剥がす作業が必要となり、コンセントなどの電気設備、キッチンなどの水回り設備が接している場合は、移動に伴う作業も発生します。
屋根部分は内側から断熱材で全体を覆うのが難しく、側面の壁においては、柱のあるエリアで断熱材が途切れてしまうので、外張り断熱に比べれば、効果は下回ります。しかし、工期が短くコストが抑えられ、一般的な木造住宅で多く採用されている工法です。
夏涼しくて冬暖かい!断熱リフォームの工事費用と工期の目安
断熱リフォームは、土地柄や住宅の構造、どのような生活スタイルを実現したいかで工事内容が変わってきます。オーバースペックにならないよう、一般的なリフォーム業者に問い合わせ、適切なエリアを適切な工法でリフォームすると経済的です。壁、床、天井、窓それぞれの工事費用と、工期の目安をご紹介します。住宅の状態や面積、施工会社によって価格は変わってきますので、施工業者による現地調査後の見積もりを比較して検討してみてください。
壁の断熱リフォーム
・外壁の外張り断熱リフォーム工法
壁を通して内部に外気の温度が伝わらないよう、住宅の外壁に軽量で板状の断熱材をビスで取り付けていきます。リフォームの場合は仮住まいの必要はありません。外壁が厚みを増すので、狭小地や住宅が密集している場合、施工が難しいケースがあります。
一般的な木造戸建て住宅の外壁面積は約150〜300㎡となるので、参考にしてください。断熱リフォームのみの費用は、トータルで約6,500〜8,000円/㎡が目安です。内訳は、既存の壁の撤去費用で約800〜1,000円/㎡、外張り断熱施工で約5,000〜6,000円/㎡、高所作業の足場設置として約700〜1,000円/㎡となります。
同時に外壁の張り替えをする場合、材料費と施工費が掛かります。ガルバリウムは約4,000〜6,000円/㎡、サイディングは約5,000〜9,000円/㎡が相場です。工期は2週間~1カ月程度です。
・外壁の断熱塗装
熱伝導率の低い塗料を使用するため、室内の熱が逃げにくくなり、外気が室内に伝わりにくくなります。既に断熱材が入っている住まいでも、夏場の温度上昇が気になる場合に有効です。塗装の寿命約13~15年、一般的な塗料に比べ長持ちします。相性の悪い壁材もあるため、現地調査、見積もり依頼をするタイミングでしっかり相談するようにしましょう。
価格は一般的な塗料に比べ1.5倍程度、施工費用は約5,000~8,000円/㎡が目安です。外壁を解体する必要はありませんが、高所作業となるので、足場の設置や高圧洗浄費用などが含まれます。
壁を通して内部に外気の温度が伝わらないよう、住宅の外壁に軽量で板状の断熱材をビスで取り付けていきます。リフォームの場合は仮住まいの必要はありません。外壁が厚みを増すので、狭小地や住宅が密集している場合、施工が難しいケースがあります。
一般的な木造戸建て住宅の外壁面積は約150〜300㎡となるので、参考にしてください。断熱リフォームのみの費用は、トータルで約6,500〜8,000円/㎡が目安です。内訳は、既存の壁の撤去費用で約800〜1,000円/㎡、外張り断熱施工で約5,000〜6,000円/㎡、高所作業の足場設置として約700〜1,000円/㎡となります。
同時に外壁の張り替えをする場合、材料費と施工費が掛かります。ガルバリウムは約4,000〜6,000円/㎡、サイディングは約5,000〜9,000円/㎡が相場です。工期は2週間~1カ月程度です。
・外壁の断熱塗装
熱伝導率の低い塗料を使用するため、室内の熱が逃げにくくなり、外気が室内に伝わりにくくなります。既に断熱材が入っている住まいでも、夏場の温度上昇が気になる場合に有効です。塗装の寿命約13~15年、一般的な塗料に比べ長持ちします。相性の悪い壁材もあるため、現地調査、見積もり依頼をするタイミングでしっかり相談するようにしましょう。
価格は一般的な塗料に比べ1.5倍程度、施工費用は約5,000~8,000円/㎡が目安です。外壁を解体する必要はありませんが、高所作業となるので、足場の設置や高圧洗浄費用などが含まれます。
工期は木造一戸建てで約2週間~3週間程度です。気温が5℃以下になると塗装施工に適さないので、寒い地域は春から秋に工事の予定を立てるとよいでしょう。
・内壁の充填断熱工法
クロスやボードを剥がして、室内側から構造材の間に断熱材を充填します。断熱材用のスペースを新たに設ける必要がないので、室内面積に影響を与えません。使用される素材は、グラスウールをはじめとする繊維系断熱材です。
火に強いので、火災時には延焼を遅らせる役割も果たします。費用は約5,000~1万円/㎡が目安です。そのほか、ブロアーで吹き付けて使う繊維系天然系バラ状製品のセルロースファイバーや、発泡プラスチック系のウレタンフォームなどがあります。どちらも小さな隙間まで行き渡りますが、専門業者による高い施工技術が必要です。
工期は施工面積にもよりますが、2週間~1ヶ月が目安です。
・内壁の充填断熱工法
クロスやボードを剥がして、室内側から構造材の間に断熱材を充填します。断熱材用のスペースを新たに設ける必要がないので、室内面積に影響を与えません。使用される素材は、グラスウールをはじめとする繊維系断熱材です。
火に強いので、火災時には延焼を遅らせる役割も果たします。費用は約5,000~1万円/㎡が目安です。そのほか、ブロアーで吹き付けて使う繊維系天然系バラ状製品のセルロースファイバーや、発泡プラスチック系のウレタンフォームなどがあります。どちらも小さな隙間まで行き渡りますが、専門業者による高い施工技術が必要です。
工期は施工面積にもよりますが、2週間~1ヶ月が目安です。
床の断熱リフォーム
築年数が古い住宅は、床下に換気口が配置されていたり、断熱材や緩衝材の厚みが足りない状態でフローリングが貼られているなど底冷えの原因が多くなります。戸建ての場合は、床材をわざわざ剥がす必要はなく、床の裏から断熱材を充填させられます。
合板フローリングは無垢材フローリングに比べ熱を通しやすく、冬場は冷たく感じるので、断熱リフォームと同時にフローリングの貼り替えも検討してみましょう。
断熱材の充填のみで約3,000~5,000円/㎡、張り替えも同時に行う場合は1㎡当たり単価が1万円を超えます。
同時に床暖房の導入も検討している場合は、電気式か温水式の2択となります。電気式は導入費用が抑えられますが、光熱費などのランニングコストがアップします。一方、温水式は導入費は高額ですが、ランニングコストに優れています。
工期は1~2日程度、床材の張り替え、床暖房の導入を同時に行う場合は3~6日が目安です。
合板フローリングは無垢材フローリングに比べ熱を通しやすく、冬場は冷たく感じるので、断熱リフォームと同時にフローリングの貼り替えも検討してみましょう。
断熱材の充填のみで約3,000~5,000円/㎡、張り替えも同時に行う場合は1㎡当たり単価が1万円を超えます。
同時に床暖房の導入も検討している場合は、電気式か温水式の2択となります。電気式は導入費用が抑えられますが、光熱費などのランニングコストがアップします。一方、温水式は導入費は高額ですが、ランニングコストに優れています。
工期は1~2日程度、床材の張り替え、床暖房の導入を同時に行う場合は3~6日が目安です。
天井の断熱リフォーム
天井に断熱材を敷き込むことで、熱が上から逃げるのを防ぎます。天井裏に人の入れるスペースがあり、十分な強度があれば天井材を剥がさずに施工できます。費用の目安は約2,000~8,000円/㎡で、天井を剥がす場合はやや割高になります。工期は2~4日程度で、部材の剥がしが生じる場合は3~4日が目安となります。
窓の断熱リフォーム
先に紹介した壁、床、天井に比べ、窓は圧倒的に断熱性が低い箇所です。窓が大きければ大きいほど、ガラスを伝って室内温度に関わるので、寒さ暑さ対策をすぐに実感したい場合は、まず窓から着手しましょう。施工にはいくつか選択肢があります。
まず、「内窓の後付け施工」を見てみましょう。
既存の窓の内側に、新たに窓を設置する工法です。工期は1~2日で済み、費用は1箇所当たり約8~15万円程度です。腰高窓のような小さいサイズであればさらに金額は抑えられます。合わせて結露や防音効果も実感できます。
次に、「複層ガラスに交換」する方法です。
ガラスとガラスの間に空気層や高断熱のガスを閉じ込めたペアガラスや、室内側のガラスを金属膜でコーティングした断熱複層ガラスに交換する施工方法です。通常は単板ガラス(フロート板ガラス)と呼ばれる一枚板のガラスが通常採用されています。単板ガラスに比べて複層ガラスは断熱性が高く、窓から空気が逃げるのを防ぎます。防音対策を一緒に行いたい場合には、一般的なペアガラスは不向きなので注意しましょう。費用は1箇所当たり約1~3万円、工期は1~2日が目安です。
まず、「内窓の後付け施工」を見てみましょう。
既存の窓の内側に、新たに窓を設置する工法です。工期は1~2日で済み、費用は1箇所当たり約8~15万円程度です。腰高窓のような小さいサイズであればさらに金額は抑えられます。合わせて結露や防音効果も実感できます。
次に、「複層ガラスに交換」する方法です。
ガラスとガラスの間に空気層や高断熱のガスを閉じ込めたペアガラスや、室内側のガラスを金属膜でコーティングした断熱複層ガラスに交換する施工方法です。通常は単板ガラス(フロート板ガラス)と呼ばれる一枚板のガラスが通常採用されています。単板ガラスに比べて複層ガラスは断熱性が高く、窓から空気が逃げるのを防ぎます。防音対策を一緒に行いたい場合には、一般的なペアガラスは不向きなので注意しましょう。費用は1箇所当たり約1~3万円、工期は1~2日が目安です。
最後は、「アルミサッシを樹脂サッシに交換」するケースです。
北海道など寒い地域を除けば、金属製のアルミサッシが採用されている住宅は多いでしょう。樹脂製は高い断熱性を持ち、気密性が高く防音効果もあります。結露を防げるのも強みです。費用は1箇所当たり約3~10万円で、工期は1~2日が目安です。
断熱リフォームは、しっかりと効果を実感できないと意味がありません。ご自宅に適した断熱工事や断熱素材を見極める必要があるため、気軽に取り掛かれるdiyでは限界があります。費用対効果を考えるなら、経験豊富なリフォーム業者へまずは相談してみてはいかがでしょうか。
北海道など寒い地域を除けば、金属製のアルミサッシが採用されている住宅は多いでしょう。樹脂製は高い断熱性を持ち、気密性が高く防音効果もあります。結露を防げるのも強みです。費用は1箇所当たり約3~10万円で、工期は1~2日が目安です。
断熱リフォームは、しっかりと効果を実感できないと意味がありません。ご自宅に適した断熱工事や断熱素材を見極める必要があるため、気軽に取り掛かれるdiyでは限界があります。費用対効果を考えるなら、経験豊富なリフォーム業者へまずは相談してみてはいかがでしょうか。
WRITTEN BY
Japan
DIYer(s)編集部です。DIYのアイデアやハウツー、おすすめツールやショップ情報まで幅広くお届けします!
Instagram
https://www.instagram.com/diyersjapan/