DIYerが教える“床リノベ”編!意外と意識していないその種類についてご説明します

28歳で福岡へ移住し、築40年を超える築古物件をセルフリノベーションしながら大阪と福岡の2拠点で生活。その様子をブログメディア「DIY MAGAZINE」で公開しているセーチです。築30年の中古マンションや築50年の戸建て等の床をリフォームしてきました。床の種類によってリフォーム方法や費用が変わるので、リフォームを検討中の人は、ぜひ参考にしてください。

公開日 2023.06.05

更新日 2023.06.05

DIYerが教える“床リノベ”編!意外と意識していないその種類についてご説明します

床材の種類で費用やリフォーム方法が変わる

普段生活していると傷みに気付きくいかもしれませんが、床材の耐用年数は意外と短く、数年~数十年住んでいれば1回は手を加えないといけません。リフォームで使用する床材の種類は豊富で、フローリングやフロアタイル、クッションフロアなどがあり、それぞれ価格や特徴が異なります。
まずは、工事で主に使用される床材の種類と特徴を押さえておきましょう。

フローリング

床のリフォームで最もポピュラーな床材がフローリングで、大きく分けると、無垢と複合の2種類に区分されます。無垢とは、ひとつの木材を削り出して成形したものを指し、複合はベースとなる木材の上に特殊シートや化粧材を貼って仕上げたものです。

無垢フローリングは木材を削りだして成形している物なので、複合よりも高く肌触りが柔らかく暖かいですが傷がつきやすいです。反対に複合フローリングは、表面に特殊シートや化粧材が貼られているので傷がつきにくいですが、肌触りは冷たいです。

下地材の劣化により、床材の固定に使用した釘の効きが甘くなっていたり、「パリパリ」といった床なりの場合、フローリング材の接着に使用したボンドの効きが弱くなっていることが考えられます。
床材そのものが劣化しているケースも考えられるため、床なりや沈み込みが多いようなら、張替えを検討しましょう。

フロアタイル

塩ビ素材を用いた床材で、PCV床材と呼ばれることもあります。大理石調や石畳調、フローリング調などバリエーションが豊富で、デザイン性に富んでいることが特徴で、住宅に使用される以外に、オフィスや店舗の床材として選ばれることも珍しくありません。

薄い素材であるためカッターナイフなどで簡単に切り分けられ、ボンドを塗布して施工を行います。製品そのものが薄く、硬質なため、衝撃をあまり吸収しません。それゆえ防音性も低く、階下に生活音が響きやすいというデメリットもありますが、フローリングに比べると材料費が安く重ね張りで施工ができるため費用を抑えられます。

フロアタイルの寿命は約10年と言われています。ただし、10年たてば全く使えなくなってしまうというよりも、表面の状態が悪くなり質感が落ちてくる時期が10年と考えると良いでしょう。

クッションフロア

フロアタイルと同様に、塩化ビニールを素材として用いた床材で、主に住宅のトイレや洗面所など、水回りに使用されるケースがほとんどです。厚みは1.5~2.5mm程度のものが多く、素材も柔らかいためクッション性に富んでいます。

また、数ある床材の中で最も安価で、他の部材よりも施工が簡単なのも特徴と言えます。工事費用を抑えたい人にも適していまが、耐久性の低さが挙げられます。柔らかく薄い素材であるため、耐久性の低く一点に強い衝撃を与えると破れてしまうことも少なくありません。

クッションフロアの場合、継ぎ目処理剤の寿命がくるとクッションフロアがめくれあがるなど、フローリングに比べて耐久性が低く、10年も経てば、シートのはがれやめくれが目立つようになってしまうため、10年になる前にリフォームを検討することをおすすめします。

張替えのタイミングは?

床材により耐用年数が異なるため、張替えのタイミングにも違いがあります。一般的なフローリング材の耐用年数は、10~15年前後と言われているため、これをひとつの目安としましょう。(床材ごとの耐用年数は、クッションフロアが10~15年、カーペットが5~6年、畳で10年前後と考えてください。)
ただこの年数はあくまで目安であり、実際にはその時々の状況によって判断すべきです。
例えば、歩いている際に床に軋みを感じる、汚れやシミが付いている場合、張替えを検討する目安になります。また、出産や介護等の生活スタイルが変化するタイミングで張替えするのも良いと思います。

床材別の張替え費用相場

張替え工法と重ね張り工法

床をリフォームする際、張替え工法と重ね張り工法のどちらかを選択するケースがほとんどです。
どちらの工法にするかは、現地調査や職人の技術、費用感で決められます。
※重ね張り工法とは、既存の床材を撤去せず、そのまま上に重ねて施工する方法です。

重ね張り工法であれば、既存の床を撤去しないため、手間や排出される廃材が少なく、リーズナブルに工事を行えますが、既存の床から10~12mm程度高くなるため、ドアに干渉する恐れがあります。そのため、場合によってはドアの加工が必要となることもあります。
現地調査をして、下地の劣化状況が酷い場合は、張替え工法を選択することにます。
歩いてみて床が沈んだりフカフカしている場合は、土台が劣化しているので、土台から作り変えないと軋みや床鳴りどが再発する可能性が高くなるからです。

張替え工法床材を撤去する手間が発生し、廃材も排出されるので、重ね張り工法に比べて費用が高くなるのはデメリット。しかし、劣化している床の上に重ね張り工法で隠すように工事すると、表面だけは綺麗になりますが、結局、軋みや床鳴りが再発するので、余計に費用がかかることを考えると現地調査をしっかり行い工法を選んだほうが良いです。

床材張り替えの費用相場

※床材のデザインやグレードによっても変わります。

6畳フローリングの場合、張り替え工法「9~18万円」重ね張り工法「6~14万円」
6畳クッションフロアの場合、張り替え工法「4.5~10万円」重ね張り工法「4~5.5万円」
6畳フロアタイルの場合、「5.5~10万円」重ね張り工法「5~6.3万円」
床材によって撤去や施工の方法、手間が異なるので最終的な費用も変わります。クッションフロアなら簡単に剥がして張替えができますが、フローリングは撤去するだけでも手間が掛かるので、それだけ費用が高くなると理解しておきましょう。

新製品も続々開発されている

床リフォームと言えば、フローリングかフロアタイルかクッションフロアでしたが、昨今の空き家問題もあり、新たな床材が続々と誕生しています。

例えば、段差を気にせず重ね張り工法で施工が可能な厚さ3mmのフローリング、UR都市機構と共同開発された部分補修可能な「ナオスシート」など、費用を抑えつつ床のリフォームが可能な方法も出てきているので、床の傷や変色、床鳴りなどが気になっている方は、リフォームを検討してみてください。

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セーチ

Japan

DIYのブログ『DIY MAGAZINE』を運営。福岡在住の28歳です。物件をセルフリノベーションしていく過程とDIYに関する情報を発信しています。