ミッドセンチュリーとは? 特徴や取り入れるコツを解説
「ミッドセンチュリー」または「ミッドセンチュリーモダン」とは、1900年代半ばにアメリカで流行したインテリアデザインです。本記事では、色使いやアイテムをはじめとするミッドセンチュリーの特徴や北欧デザインとの違い、ミッドセンチュリーな部屋を作るためのコツを紹介します。
公開日 2023.02.17
更新日 2023.04.06
ミッドセンチュリーは、1900年代半ばにアメリカでブームになった、建築物や家具のデザイン様式です。登場からすでに半世紀以上も経つミッドセンチュリーですが、シンプルで機能的な家具や曲線を描くデザイン、ビビットな差し色などで彩られたそのテイストは、現代においても根強い人気を誇っています。本記事では、ミッドセンチュリーな部屋に興味がある人に向けて、そのデザインの特徴や北欧デザインとの違いをはじめ、カラーコーディネートやアイテム選びなどの部屋づくりのポイントまでわかりやすく紹介します。
ミッドセンチュリーとは
ミッドセンチュリーとは、第二次世界大戦直後の1940年代半ばから1960年代にかけてアメリカで流行したインテリアデザインのスタイルです。すっきりした装飾、曲線を取り入れたフォルム、鮮やかな色彩、自然素材と人工素材の両方を用いた家具…。これらの要素で構成されたミッドセンチュリースタイルは、機能的かつ合理的でありながら、見る人にほどよくポップな印象を与えます。ミッドセンチュリーは半世紀以上経った現代においても広く好まれており、スタンダードなインテリアデザインのひとつになっています。
ミッドセンチュリーの特徴
続いては、ミッドセンチュリーの基本的な特徴や北欧スタイルとの違いなどを紹介します。
基本はシンプルなデザイン
ミッドセンチュリーは基本的に、シンプルな形とすっきりとしたラインが特徴のデザインです。ソファやチェアは先細りの四つ脚タイプが多く、フリルやリボンなどの装飾はありません。こうしたところに、機能性や合理性を重視する「モダンらしさ」が表現されています。
成形合板やFRP(繊維強化プラスチック)、アルミニウムといった素材や、丸みのあるフォルムが採用されているのも当時斬新に捉えられた特徴のひとつです。それまでは木材などの自然素材を直線的に切り出したデザインが主流でしたが、戦時中の技術革新によって、加工しやすい人工素材を使った曲線的な家具の大量生産が可能になりました。曲線デザインが可能になったことは、体へのフィット感や使いやすさなどにも影響しています。
また、カラフルな色使いもミッドセンチュリーの特徴です。ミッドセンチュリーの基調となるのはモノクロや木目などの中間色ですが、チェアやアクセントになるアイテムにはビビットなカラーをよく使います。このカラフルな色使いが、プラスチックなどの人工素材や曲線的なデザインとの相乗効果によって、ポップな印象を部屋に与えます。
成形合板やFRP(繊維強化プラスチック)、アルミニウムといった素材や、丸みのあるフォルムが採用されているのも当時斬新に捉えられた特徴のひとつです。それまでは木材などの自然素材を直線的に切り出したデザインが主流でしたが、戦時中の技術革新によって、加工しやすい人工素材を使った曲線的な家具の大量生産が可能になりました。曲線デザインが可能になったことは、体へのフィット感や使いやすさなどにも影響しています。
また、カラフルな色使いもミッドセンチュリーの特徴です。ミッドセンチュリーの基調となるのはモノクロや木目などの中間色ですが、チェアやアクセントになるアイテムにはビビットなカラーをよく使います。このカラフルな色使いが、プラスチックなどの人工素材や曲線的なデザインとの相乗効果によって、ポップな印象を部屋に与えます。
北欧風との違い
シンプルで機能的なデザインというと、北欧風のインテリアを連想する人も多いのではないでしょうか。実際、ミッドセンチュリーと北欧風は発展した時代も同時期で共通点も多く、相性のよいインテリアです。
両者の区別としては、ミッドセンチュリーでは人工素材やビビットなカラーがより多く使われているのに対し、北欧風では自然素材や温かみのある落ち着いた色使いが多用されている点が挙げられます。ナチュラルテイストな北欧風に比べ、モダンながらも、どこか落ち着いた古めかしさを感じるのがミッドセンチュリーです。
違いはあれど、両者とも「シンプルな家具を使って居心地のよい空間をつくる」という基本的なコンセプトが共通しているので、あまり違いを気にしすぎず、好みに合わせ、ミックスして取り入れるのもよいでしょう。
両者の区別としては、ミッドセンチュリーでは人工素材やビビットなカラーがより多く使われているのに対し、北欧風では自然素材や温かみのある落ち着いた色使いが多用されている点が挙げられます。ナチュラルテイストな北欧風に比べ、モダンながらも、どこか落ち着いた古めかしさを感じるのがミッドセンチュリーです。
違いはあれど、両者とも「シンプルな家具を使って居心地のよい空間をつくる」という基本的なコンセプトが共通しているので、あまり違いを気にしすぎず、好みに合わせ、ミックスして取り入れるのもよいでしょう。
ミッドセンチュリーのインテリアを扱う主なメーカー
ミッドセンチュリーインテリアを扱う代表的なメーカーとしてはHermanmiller(ハーマンミラー社)が挙げられます。ハーマンミラー社は、ジョージ・ネルソン、チャールズ&レイ・イームズ、イサム・ノグチ、アレクサンダー・ジラードなど、当時最も活躍していたデザイナーたちの作品を製作・販売することで、今日でも世界的に有名なモダン家具メーカーとして君臨しています。ジョージ・ネルソンらが手掛けたインテリアは、戦後の楽観的で豊かな時代を象徴するモダンスタイルとして、アメリカの上流・中流階級を中心に受け入れられました。
ミッドセンチュリーを取り入れるコツ
ミッドセンチュリーを部屋のインテリアにうまく取り入れるためには、どのような点を心掛ければよいのでしょうか。以下では、ミッドセンチュリー調の部屋づくりに役立つコツを紹介します。
カラーの使い分けを意識する
ミッドセンチュリーらしさを演出するために意識したいのは、カラーの使い分けです。具体的には、モノクロや木目といった基調となるカラーに対して、アクセントカラーにはコントラストが強く、明度の高い色を用いて視覚的にメリハリをつくるのがポイントです。ポップな印象を与えるイエロー、オレンジ、グリーン、レッドなどは、ミッドセンチュリーでよく使われる代表的なカラーです。多くのカラーを使っても、彩度や明度をそろえるとまとまりやすくなるでしょう。原色だと少しコントラストが強いと感じるという人は、パステルカラーを使うと北欧風の落ち着いた雰囲気に近づきます。
デザインのテイストをそろえる
基本的にどのインテリアスタイルにも共通することですが、テイストの組み合わせは2つ程度に絞り、統一感を持たせましょう。あまりに多くのテイストのデザインを組み合わせると、ごちゃごちゃとしたまとまりのない部屋になってしまいます。大切なのはバランスです。前述した北欧調やモダンスタイルなどは、ミッドセンチュリーと相性のよいデザインテイストです。家具の年代やデザイナーなどをそろえるのも、部屋に統一感を与えるのに役立ちます。
個性的なデザインはアクセントにとどめる
ミッドセンチュリーのコンセプトは、すっきりしたデザインと実用性を兼ね備えたインテリアを使用することにあります。しかし、それだけだと少し殺風景に感じてしまう人もいるかもしれません。そのような場合は、個性的なデザインのラグやカーテンをプラスしてみましょう。比較的面積の大きなインテリアアイテムで冒険することにより、ミッドセンチュリーらしいシンプルさを維持しつつ、部屋を個性溢れる空間にチェンジできます。例えば幾何学模様や花柄、抽象的な模様などはミッドセンチュリーで多用される要素のひとつです。また、現代的な抽象画もミッドセンチュリー調の部屋と相性のよいアイテムです。
小物やファブリックには個性的なデザインを取り入れる
カーテンやラグと同様に、ミッドセンチュリー調の部屋の中でも個性を出しやすいアイテムがクッションやランプ、時計などの小物です。これらのアイテムは空間全体への主張は大きくないので、個性的なデザインを取り入れてもしつこくなりすぎず、ほどよいアクセントになります。ソファなどの大きな家具にビビットなカラーを取り入れるのには抵抗がある人も、ソファに置くクッションであれば、色鮮やかなカラーも取り入れやすいでしょう。
ミッドセンチュリーなレイアウトに役立つアイテム
ミッドセンチュリー調の部屋をつくるには、どのようなアイテムを取り入れたらよいのでしょうか。以下では、ミッドセンチュリーなレイアウトに役立つアイテムやその特徴を解説します。
ソファ
ミッドセンチュリー調の部屋において、サイズが大きく存在感のあるソファは主役となる家具のひとつです。ミッドセンチュリースタイルのソファは、四つ脚で角ばったモダンなシルエットをしているのが特徴です。座面が床から離れているので光が通り、抜け感をつくることが可能です。
ソファの素材をレザーにするかファブリックにするかも、お部屋の雰囲気を左右する重要なポイントです。手入れのしやすさなどの機能性も考えたうえで選びましょう。ファブリック素材のソファならば、カラーはアイボリーやグレー、落ち着きのあるグリーンなどの色合いがミッドセンチュリーでは人気です。ミッドセンチュリースタイルのソファの代表作としては、ジョージ・ネルソンのマシュマロソファが挙げられます。
ソファの素材をレザーにするかファブリックにするかも、お部屋の雰囲気を左右する重要なポイントです。手入れのしやすさなどの機能性も考えたうえで選びましょう。ファブリック素材のソファならば、カラーはアイボリーやグレー、落ち着きのあるグリーンなどの色合いがミッドセンチュリーでは人気です。ミッドセンチュリースタイルのソファの代表作としては、ジョージ・ネルソンのマシュマロソファが挙げられます。
ローテーブル
ソファと並んでミッドセンチュリー調の部屋の主役になるのが、丸みを帯びたローテーブル(コーヒーテーブル)です。ローテーブルを木製のレトロな雰囲気のタイプにするか、ガラス天板などを用いたモダンなタイプにするかで、部屋の印象は大きく変わるでしょう。色合いとしてはウォールナット系やナチュラルな色合いのものが好まれる傾向です。
いずれにしても、ローテーブルがソファの前に置かれることで、部屋全体にミッドセンチュリーらしい統一感が生まれます。一緒に組み合わせるソファとの相性も考慮したうえで選びましょう。イサム・ノグチがデザインしたガラス天板のコーヒーテーブルは、ミッドセンチュリーデザインの代表作として知られています。
いずれにしても、ローテーブルがソファの前に置かれることで、部屋全体にミッドセンチュリーらしい統一感が生まれます。一緒に組み合わせるソファとの相性も考慮したうえで選びましょう。イサム・ノグチがデザインしたガラス天板のコーヒーテーブルは、ミッドセンチュリーデザインの代表作として知られています。
チェア
ミッドセンチュリー調の部屋には、ソファ以外にも脚のついたチェアがしばしば使われています。こうしたチェアを、ソファのデザインやファブリックに合わせて選ぶと、部屋全体の雰囲気に統一感を生むことが可能です。
他方で、ソファなどを大人しい色にする代わり、チェアにビビットカラーを取り入れてアクセントをつけるのもよく見る手法です。プラスチックやFRBなどの人工素材を使った丸みのあるチェアを選ぶと、ミッドセンチュリーのポップな要素をより強調できます。
他方で、ソファなどを大人しい色にする代わり、チェアにビビットカラーを取り入れてアクセントをつけるのもよく見る手法です。プラスチックやFRBなどの人工素材を使った丸みのあるチェアを選ぶと、ミッドセンチュリーのポップな要素をより強調できます。
装飾や照明
ミッドセンチュリーでは、ソファやローテーブルなどのデザインがシンプルである一方、装飾や照明などで個性や華やかさをアピールするのが一般的です。例えば、ミッドセンチュリー調の部屋では、天井の照明は丸みのあるペンダントライトが多用されています。テーブルライトやフロアライトに関しても、原色で光沢や丸みのあるタイプのものが人気です。
壁掛け時計も個性を演出しやすいアイテムです。ポップでデザイン性の高いものを選ぶと、ミッドセンチュリーらしさが大きく増します。そのほかでは、先に紹介したようにカーテンやラグのデザインをユニークなものにしたり、現代的なアート作品を壁に飾ったりするのもオススメです。
シンプルで洗練された現代的なデザインと、ポップなアクセントが魅力的なミッドセンチュリースタイル。本記事を参考に、ぜひお部屋に取り入れてみてください。
壁掛け時計も個性を演出しやすいアイテムです。ポップでデザイン性の高いものを選ぶと、ミッドセンチュリーらしさが大きく増します。そのほかでは、先に紹介したようにカーテンやラグのデザインをユニークなものにしたり、現代的なアート作品を壁に飾ったりするのもオススメです。
シンプルで洗練された現代的なデザインと、ポップなアクセントが魅力的なミッドセンチュリースタイル。本記事を参考に、ぜひお部屋に取り入れてみてください。
WRITTEN BY
Japan
DIYer(s)編集部です。DIYのアイデアやハウツー、おすすめツールやショップ情報まで幅広くお届けします!
Instagram
https://www.instagram.com/diyersjapan/