外壁塗装に最適な塗料の種類と選び方

外壁塗装は、建物を美しく保つだけでなく、耐久性や防水性を保持するための重要な作業です。しかし、適切な塗料を選ばなければ、長期的な効果が得られず、問題が生じることもあります。 本記事では、外壁塗装における塗料の種類や選び方のポイントについて解説します。

公開日 2024.04.18

更新日 2024.04.18

外壁塗装に最適な塗料の種類と選び方

外壁塗装に用いる塗料の種類と特性

外壁用の塗料には様々な種類があります。それぞれの特性を理解し、適切な塗料を選ぶことが重要です。

外壁塗料、基本のグレード

外壁塗装で主に使用される塗料には、シリコン、フッ素、アクリル、ウレタンなどがあります。それぞれの特徴を考慮し、建物の環境条件やニーズに合わせて適切な塗料を選びましょう

アクリル塗料

外壁塗料の中でも安価であり、発色が良く、施工が容易です。
ただし、熱や紫外線に弱く、耐用年数が短く、外壁材としてはやや不向きとも言われています。外壁塗料として使う場合は他の塗料と比べて塗り替えの頻度が高くなり、コストパフォーマンスは低くなります。
期待耐用年数3年~5年

ウレタン塗料

アクリル塗料よりもグレードが高いのがウレタン塗料です。密着性や伸縮性に優れており、汎用性が高い塗料です。耐久性はそこまで高くはありませんが、価格と機能のバランスが良いとされています。一昔前は外壁塗料として主流でしたが、現在は雨樋などに使われることが多い塗料です。
期待耐用年数5年~8年

シリコン塗料

現在、外壁で最も多く使われているのがシリコン塗料です。熱や紫外線に強く、汚れにくい塗料で、バリエーションが豊富なのが長所です。デメリットとしては、塗り重ねに高度な技術を要することや、劣化が進むとひび割れする可能性もあります。
期待耐用年数8年~12年

フッ素塗料

シリコン塗料よりも高価で耐用年数が長いのがフッ素塗料です。非常に高い耐候性を持ち、紫外線や雨風による劣化が少ない特徴があります。表面が滑らかで汚れが付きにくいため、美観を長期間にわたって維持します。他の塗料より高めですが、耐用年数が長いため、結果的にコストパフォーマンスが良いととらえるケースもあります。
期待耐用年数15年~18年

高性能な塗料:ラジカル、無機塗料など

前の段落で記載した塗料のほかに、さらに高性能な塗料としてラジカルや無機塗料などがあります。これらは従来の塗料よりも耐候性や耐久性に優れていますが、施工時の技術やコストが高い傾向にあります。
ラジカル塗料と無機塗料は、外壁塗料の中でも特に高性能な塗料として知られていますが、それぞれ異なる特性を持っています。

ラジカル塗料

ラジカル塗料は、塗膜の劣化を進める原因となるラジカルの発生を抑える塗料であり、ラジカル制御型塗料、ラジカルフリー塗料とも称されます。

従来の塗料では、顔料として含まれる酸化チタンがラジカルを生成してしまいますが、ラジカル塗料では高耐候酸化チタンに置き換えられ、表面保護層によってラジカルを封じ込める仕組みが採用されています。発生したラジカルは、光安定剤によって抑制されます。

ラジカル塗料は、価格と耐久年数の点でシリコン塗料とフッ素塗料の中間に位置し、価格を抑えつつも耐久性を確保できる利点があります。しかしながら、市場に出回って間もないため、施工実績が少なく、今後の成長が期待される塗料と言えます。
期待耐用年数12~15年

無機塗料

一般的に、外壁塗装に使用されるアクリル塗料やウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料は、合成樹脂を用いた有機塗料であり、有機化合物で構成されています。

一方、無機塗料は無機化合物を主成分としており、自然界に存在する鉱石などの炭素化合物です。無機化合物は日光の影響を受けにくい特性がありますが、単体では塗料として使用することはできません。

そのため、有機塗料に無機化合物を混合して耐久性を向上させた塗料が、無機塗料として製造されています。無機塗料の耐用年数は、基本的にはシリコン塗料やフッ素塗料などの有機塗料の耐用年数に依存します。
期待耐用年数15~20年

特殊な塗料:ナノテク塗料、光触媒塗料、セラミック塗料など

ナノテク塗料や光触媒塗料、セラミック塗料など、特殊な塗料もあります。これらは特定の効果を持ち、外壁塗装において特定の問題を解決するのに効果的です。
ナノテク塗料、光触媒塗料、セラミック塗料は、特殊な技術を用いて開発された外壁塗料であり、それぞれ異なる特性を持っています。

ナノテク塗料

ナノテク塗料は、ナノテクノロジーを応用した塗料で、石油由来の減量をカットできるため、環境に優しい塗料と言えます。低汚染で、かつラジカル制御型なので、長寿命です。
デメリットは、艶を出したいときに不向きという点で、マットな仕上がりになります。
期待耐用年数12〜15年

光触媒塗料

光触媒塗料は、紫外線や照明光を受けて反応を起こし、汚れを分解する特性を持っています。汚れを分解することで、表面の清潔さを保ち、美観を長期間にわたって維持します。

環境にやさしい塗料であり、有害物質の発生や大気汚染を軽減します。
ただし、紫外線や光が当たらない場所の汚れに対しては効果を発揮できない可能性があります。
期待耐用年数16〜20年

セラミック塗料

セラミック塗料は、石や砂、セラミック微粒子を含んだ塗料です。アクリル塗料、ウレタン塗料、シリコン塗料、フッ素塗料のどれかにセラミックが配合されたものを指し、耐久性はセラミックではなく配合する樹脂に依存します。

また、セラミックを配合することによって、特殊な効果を発揮するものもあり、「石材調」の見た目になる塗料、「断熱・遮熱効果」を持つ塗料、「低汚染性」を発揮する塗料などがあります。

塗料の成分・溶剤について

現在流通している多くの外壁塗料は樹脂塗料です。この樹脂塗料の塗膜となる部分は、樹脂、顔料、添加剤の3つの成分から成り立ち、それぞれ以下の役割を担っています。
樹脂:硬化して塗膜の主成分となる。保護機能を担う。
顔料:色彩。
添加剤:塗膜を形成する副要素。成分調整の役割を担い、防カビ、防腐といった様々な機能を付与する。

塗膜にならずに揮発する部分は水やシンナーなどの溶剤です。

塗料の水性・油性について

塗料には水性と油性があります。水性塗料とは希釈剤として水を使用するものです。この場合は水が蒸発・乾燥して塗膜が形成され、強い臭いが発生しないため、近隣への迷惑などを防ぐことができます。かたや、油性塗料はシンナーを希釈剤とし、きつい臭いが発生します。

一般的に、水性塗料は環境にやさしいが、耐久性が高いのは油性塗料であると言われてきました。しかし、昨今では塗料メーカーの技術革新により耐久性の差がなくなってきており、現在は水性塗料が主流になっています。ただし、水性塗料は乾燥に時間がかかることや、金属類には塗装しにくいというデメリットもあるので注意が必要。

塗料選びのポイントと失敗しない選び方

外壁塗装における塗料選びのポイントと、失敗しないための工夫についてご紹介します。

外壁塗装の塗料選びの4つのポイント

外壁塗装における塗料選びには4つのポイントを確認しましょう。

1.外壁材の種類

外壁の素材や環境によって適した塗料が異なります。木材、コンクリート、鉄など、外壁材に何が使われているのかを確認し、適切な塗料を選択します。

2.予算

予算内で最も性能の良い塗料を選ぶようにします。初期費用だけでなく、ライフサイクルコストを考慮することが重要です。次回の塗り替え時期を見据え、パフォーマンスが良い塗料を選ぶようにしましょう。

3.耐久性

耐用年数を元に、塗料のグレードを選びましょう。長期間美しさを保持するためには、それだけ塗料も高価になります。また、建物の立地条件によっては、特定の塗料が適している場合もあります。日差しが強い場所海風が当たる場所といった特殊な場合は、それぞれのケースごとに適した塗料を選択してください。

4.環境負荷

外壁塗装では環境や人体への環境に配慮する必要があり、刺激臭を伴う油性塗料が使えないケースが多くあります。建物の近隣住民への配慮はもちろんのこと、施工する側の負担を減らすためにも、外壁塗装には水性の塗料が推奨されています。

外壁塗装で失敗しないために

塗料の種類や選び方は大体ご紹介しましたが、一番肝心なのは施工業者選びです。施主側に塗料の知識があり、こだわって塗料を選ぶことができても、施工品質に問題があっては台無しです。
多くの製品から適切な塗料を提案でき、なおかつ確かな技術を有する施工業者を選ぶようにしましょう。

外壁塗装は塗装歴75年のカシワバラ・コーポレーションにおまかせください

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