靴を育てる:自由大学
東京メトロ表参道駅から徒歩約1分のCOMMUNE 2ndにメインキャンパスを置く「自由大学」。“知る楽しさと考える面白さを日常の中に取り込む”きっかけを提供するべく、ここでは様々な分野の学びをキュレーションしています。 そんな自由大学で行われている講義の中から、DIYer(s)編集部が気になるコンテンツをご紹介する本企画。今回は靴を大事に履き続けることの楽しさを学ぶ『20年履ける靴に育てる』をピックアップ!
公開日 2017.12.15
更新日 2022.01.11
ともに成長できる靴に育てよう
自由大学とは
そもそも明石さんが靴磨きに興味を持ったきっかけを教えてください。
靴を大事に履き続けることのメリットは何だと思われますか?
20年履ける靴に“育てる”
流れとしては、下記のように行なっているそうです。
TPOや、自分の足にあった靴の選び方などについて学びます。
■2回目
靴の保管方法や、長持ちさせるために気をつけたいちょっとした注意点を教えてもらいます。
■3回目
実際に靴を磨きます。コツを教えてもらいつつ、ツヤツヤに仕上げてみましょう!
■4回目
革靴の正しい水洗いの仕方や、カビ、シミが気になったときの対処法を学びます。
■5回目
大切な人の靴を持ち込み、磨きます。授業内でその方宛の手紙を書き、靴と合わせてプレゼントします。
「新品が必ずしもベストではない」と語る明石さん。実はこちらの授業では、靴に新品同様の輝きを取り戻すことが目的ではないのだそう。
「新品の靴はもちろん美しいのですが、まだ深みがないんですよね。傷や履き皺、シミができたからこそ表現される美しさがあるんです。エイジングしたからこその美と言いますか…。少し人間と通ずるものがありますよね」。
さて、そんな大事なパートナーを長持ちさせるために必要な技術として、靴磨きがあります。自宅でもできる靴のお手入れ方法を教えていただきましょう!
靴を丁寧にメンテナンスして、さっぱりキレイな足下にしよう
紐靴の場合、まずは紐を抜いておきましょう。
古いクリームを、靴用の汚れ落としで取り除きます。
靴の色にあったクリームを手で載せます。
これは乳化性のクリームで、水分、油分、乳化剤、そしてロウが主成分なのだそう。革の表面を柔らかくし、色味を整えてくれます。
続いて、豚毛のブラシで表面を磨きます。この作業によって、クリームをさらに浸透させることができるのです。細かい繊維に油分と水分が入り込み、ふっくらと柔らかい、履き心地の良い靴になります。
表面に残った余分なクリームを拭き取り、表面をサラサラに整えましょう。
靴をツヤツヤに仕上げていきましょう。ポリッシュを水で溶きつつ、指で塗りこみます。
この「ポリッシュ」は、ロウが主成分。塗ることで革の表面に膜ができて、水や傷に強くなりますよ。
次に柔らかい布を指に巻き付け、ポリッシュを含ませて磨きます。
指に巻く際、布に一切シワを作らないのが光らせるポイントです。
靴ひもを通しましょう。
仕上げには、水分を含ませたヤギ毛のブラシで丁寧にブラッシングします。
完成!ふっくら柔らかくも、こっくりとした革の色と上品なツヤがなんとも素敵ですね。
ちなみに初心者は、馬毛のブラシ、豚毛のブラシ、汚れ落とし、そして靴の色に合わせたクリームがあればじゅうぶんとのこと。ものにもよりますが、約3,000円でこれらを揃えることも可能だそうです。
靴を磨くこと、それは大量消費社会に対する優しいアンチテーゼ
講義を通して、生徒のみなさんには何を得てほしいと考えていらっしゃいますか?
モノは、新しい状態こそが最高である。そんな固定概念を失くすことは、自由に生きていくための第一歩になるかもしれませんね。
PROFILE
靴磨き職人。百貨店や一流アパレルブランドのイベントにて、靴磨きパフォーマンスを行なっていた。現在は『自由大学』、熊谷『NEW LAND』などにて、靴磨きの講師として活躍中。さらに、靴のケアをより身近感じてもらうため、代々木公園にてaozora shoeshine schoolも開講している。
aozora shoeshine studio: http://aozora-shoeshine.com
School Data
WRITTEN BY
Japan
DIYer(s)編集部です。DIYのアイデアやハウツー、おすすめツールやショップ情報まで幅広くお届けします!