オフィスの音がうるさい時の対策とは? 騒音対策を超えた音環境作り

この記事では、オフィスの音がうるさい時の対策を4つピックアップして紹介します。遮音や吸音、騒音自体の抑制、サウンドマスキングなどについて導入事例を交えてわかりやすくまとめました。オフィスの騒音対策を行いたい人は、ぜひ参考にしてください。

公開日 2022.04.12

更新日 2022.04.12

オフィスの音がうるさい時の対策とは? 騒音対策を超えた音環境作り

オフィスは大勢の人が利用するため、状況によっては周囲の会話により集中力が途切れたり、ビデオ会議中に周りの雑音が気になったりと、音のトラブルが発生することもあります。この記事では、オフィスで発生しがちな音の問題を挙げながら、取り入れるべき4つの対策を紹介します。オフィスの音環境づくりについて調べている人や、ストレスフリーなオフィス環境を目指している人などは、ぜひ参考にしてください。

オフィスで発生する音の問題とは

オフィスの音がうるさい時の対策とは? 騒音対策を超えた音環境作り
近年、壁を取り払い、それぞれの部屋をひとつにつなげた「オープンレイアウト」のオフィスが流行しています。しかし、柔軟性や開放感などのメリットがある一方、プライバシーを守りづらかったり防音対策を取りづらかったりといったデメリットが問題視されることも。そこで、近年のオフィスでありがちな音のトラブルを3つ紹介します。

騒音で業務に集中できない

日々の業務には、ひとりで集中して作業を行うものや、複数人でコミュニケーションを取りながら意見を出し合うものなど、さまざまな種類があります。
オフィスカフェやフリースペースを兼ねた執務ルームなどで従業員がひとり作業を行えば当然、「周りの人の会話が気になって、業務に集中できない」というケースは多く発生するでしょう。これが常態化すると、従業員の精神衛生の悪化や生産性低下などにつながりやすいため、業務内容によってブースを分けたり、空間を仕切るオフィス家具を導入したりと、対策を取る必要があるのです。

必要な音声が聞き取れない

オフィスの音がうるさい時の対策とは? 騒音対策を超えた音環境作り
近年、新型コロナウイルスの影響により、さまざまな企業でリモートワークが導入されています。ただビデオ通話は回線の問題などで音声が乱れることもあります。それに加えて周囲の雑音まで入れば、会話に支障が出たり会議の時間が長引いたりし、企業としてのデメリットにもつながりやすくなるでしょう。

また、電話対応中などに従業員の会話が聞こえてしまい、顧客に不快な思いをさせてしまうリスクも考えられます。取引先やお客様とのコミュニケーションが取りづらいと、信頼関係にも影響を及ぼす恐れすらあります。必要事項がきちんと相手に伝わるよう、音の問題にはきちんと配慮しましょう。

音漏れにより情報漏えいが発生する

オフィスの音がうるさい時の対策とは? 騒音対策を超えた音環境作り
オープンレイアウトのミーティングブースや、簡易的な会議室などは音漏れのリスクがあるため、機密情報を扱いづらいデメリットがあります。会議の音声が部外者に聞こえ、情報が漏えいしてしまうと、多くの人から信頼を失い企業成績に影響しかねません。顧客情報や財務情報、人事情報、また「リリース前の新製品の情報」などを扱う場合は、外部の人が立ち入れない場所や防音の会議室などで行い、音漏れによる情報漏えいへの対策を行いましょう。

オフィスの音環境対策1:騒音を遮断する

ここからは、オフィスの具体的な音環境対策について見ていきましょう。対策としてまず挙げられるのが、「遮音」の工夫を講じることです。音の発生源である空気の震えを遮断し、音を跳ね返すことにより防音性の向上を目指します。ここでは、オフィスの遮音性を高めるためのアイデアを、事例を用いて紹介します。

パーティションを設置する

オフィスの音がうるさい時の対策とは? 騒音対策を超えた音環境作り
パーティションは壁のない広い空間を簡易的に区切り、音が外に漏れないようにする効果があります。音漏れを防ぐには、目隠しや飛沫防止などで使われる小型のものではなく、床から天井までをカバーできる大型タイプが理想的です。自分で設置可能な簡易式タイプもありますが、業者に設置してもらうタイプのパーティションのほうが高い遮音性を期待できるでしょう。

また、パーティションを選ぶ時は、空間の遮音性能を示す値「D値」に注目することが大切です。D値とは、壁に入っていく音と壁を通過する音の差を表したもので、数字が大きいほど遮音性が高くなります。会議室など特に遮音性を高めたい場所用には「D-50からD-60ほど」を目安とするとよいでしょう。

なお、遮音性のみに優れたタイプは音漏れを防げる一方、スペース内の音環境が悪化する可能性もあります。より快適な空間を目指したい場合は、遮音・吸音性能を併せ持つパーティションが適しています。

隙間を塞ぐ

すでにパーティションや間仕切り壁などを設置している人は、壁やドアなどの隙間を塞ぐことで、音漏れを減らせる場合もあります。特にドアは、下部に1~2cmほどの隙間をつくらなくてはならないため、ドア付近はどうしても音が外に漏れやすいのです。

隙間による防音対策のひとつとして、防音テープの活用がオススメです。さまざまな素材・厚みのものが展開されていますが、ドアに使用する時は6mm以上などのなるべく厚いものを選び、ドアの開閉が多少きつくなるくらいまで重ねて貼るとよいでしょう。防音テープだけでは音漏れを完全には防げませんが、ほかの防音対策などと組み合わせて補佐的に使うことで、空間全体の防音性をアップしてくれます。なお、防音性を高めることにより空気がこもっていると感じたら、新型コロナウイルスの感染防止を意識し、換気装置を活用すると良いでしょう。

オフィスの遮音事例

こちらは「オフィスコム」に掲載されている「株式会社WillSmart」のオフィスデザイン事例です。「ワンフロアのオフィスをエントランス、ワークスペース、会議室、倉庫、リフレッシュルームに分け、それぞれ機能的な空間にしたい」という要望を受け、10cm単位で間取りを調整した、ゆったりとした広さの会議室を設置しました。ワンフロアのオフィスのため、吸音性の高いカーペットや気密性に優れたスチールパーティションなどを導入し、音漏れ防止に注力しています。既存のオフィスを活かしながらもセキュリティ性の高いオフィスが実現し、業務効率アップまで果たせたとのことです。

オフィスの音環境対策2:騒音を吸収する

遮音とともに検討したいのが、「吸音」の工夫です。素材が音を吸収することで、音の広がりを防止できます。吸音性の高い部屋は、外に音が漏れにくく、室内の音がはっきりと聞こえやすいメリットがあります。

遮音性をどれだけ高めたとしても完全な防音は難しいですが、遮音・吸音を組み合わせることで、高い防音効果を発揮します。「会議中に音が反響し、声が聞き取りにくい」などの問題は、遮音性を高めるだけでは解決できないため、吸音により余計な音を排除する必要があるのです。ここでは、吸音性を高めてバランスのよい空間をつくるアイデアを、事例を用いて紹介します。

カーペットを敷く

オフィスの音がうるさい時の対策とは? 騒音対策を超えた音環境作り
オフィスの床材にはフローリングやクッションフロア、タイルなどさまざまな素材が使われますが、吸音性を高めたい場合は防音カーペットがオススメです。カーペットは、足音を下のフロアに伝えづらくするため、一般的には床下の騒音対策に使われます。しかし、吸音力の高いカーペットを敷くことで、フロア内に騒音や反響の問題を軽減できるメリットもあります。特に、人が集まりやすい場所や音漏れを防ぎたい場所などは、カーペットの導入が適しているでしょう。

吸音材を貼る

人の声が反響しやすい場合には、壁や天井に貼るタイプの吸音材が有効です。タペストリーなどの布材を壁に貼るだけでも効果はありますが、専用の吸音材のほうが高い効果を実感できるでしょう。

また、現在は機能性やデザイン性に優れたオフィス用の吸音材も展開されており、大掛かりな工事が不要な本格的な吸音材や、カラー・デザインのパターンが豊富でオフィスの雰囲気を一新できる吸音材など、低予算で見栄えのよい商品も多く見受けられます。

吸音材の導入事例

こちらは「TOKYO BLINDS」に掲載されている大手通信会社の吸音材導入事例です。「会議中、声が反響してしまい会議に集中できない」という問題を受け、壁面やスチールパーティションにマグネットなどで取り付ける、フェルト材の吸音パネルを導入しました。
アイボリーを基調としてアクセントカラーにグレーを加えることで、既存のオフィス家具とバランスを取りながらも、ほどよい遊び心のある空間に仕上げています。吸音パネルを取り付けたことで、会議中の声が聞きとりやすくなるだけでなく、オフィスの情報漏えいのリスクも軽減し、従業員が落ち着いて働けるワークスペースが実現しました。

オフィスの音環境対策3:騒音自体の発生を抑える

ここでは、騒音そのものの発生を抑えて静かなオフィスをつくるアイデアを、事例を用いて紹介します。

静音性の高い機器の導入

オフィスの音がうるさい時の対策とは? 騒音対策を超えた音環境作り
複合機・シュレッダー・キーボード・エアコンなど、オフィスにある機器が騒音を増幅させていることもあります。しかも複数の機器が一度に稼働したり、さらにそこへ人の話し声も重なってきたりすれば、大きな騒音として感じられるようになるでしょう。
こうした事態を避けるためには、オフィス機器全体の騒音レベルを下げることが重要です。現在は、静音性の高いオフィス機器が数多く販売されているので、それらの導入を検討するとよいでしょう。

音を最小限にできる機器の導入

オフィスの音がうるさい時の対策とは? 騒音対策を超えた音環境作り
ビデオ会議や電話などをする際、機器の調子が悪かったり、スピーカー・マイクが遠かったりすると、普段よりも大きな声で喋る必要があります。このような状況が続くと、どうしてもオフィス全体の騒音も大きくなり、静かに作業したい人がストレスを感じてしまうかもしれません。電話や個人でのビデオ通話などにオススメなのは、ビジネス用ヘッドセットです。マイクとの距離が近く、相手の声も聞こえやすいため、最小限の音量で会話ができます。

また、ひとつのモニターを囲んでビデオ会議をする場合は、それぞれの席にスピーカーを設置するとよいでしょう。スピーカーが内蔵されたテーブルなど、システム化された製品を導入すれば、新たにスペースを確保する必要がありません。

オフィスの音環境対策4:騒音を覆い隠す

ここでは、騒音にほかの音を被せる「サウンドマスキング」について、定義や導入事例などを紹介します。

サウンドマスキングとは

サウンドマスキングとは、空調音を再現した特殊音を流すことで、騒音や周囲の会話が気にならないようにする技術のことです。しかし場所や場面に応じた適切な特殊音を選択し、しかもムラが出ないように流す必要があります。このためには、専用のシステムを導入しなくてはなりません。
こうしたサウンドマスキング導入時はプロに依頼することになりますが、成功すれば、オフィス空間や機器などを変更せずに音の問題を解決できる可能性も高く、非常に有効な手段であることは確かです。

サウンドマスキングの導入事例

こちらは「YAMAHA」に掲載されているサウンドマスキングの導入事例です。施工前のオフィスでは、パーティションのないフロアに従業員の執務スペースと役員席があり、役員席での電話や打合せなどの会話内容が周囲に聞こえてしまう問題がありました。役員席と執務スペースの境目にスピーカーを設置し、サウンドマスキングを実施したところ、役員席での会話が漏れづらくなったそうです。

オフィスの音対策では、「遮音性や吸音性の向上」「騒音そのものの抑制」「サウンドマスキングの導入」といった対策が有効です。自分で材料を用意し工夫することも可能ですが、気密性を高めてしまうと新型コロナウイルスの感染リスクが高まる恐れが出るため、定期的に換気を行うことを忘れないように注意しましょう。オフィスの状況によって適切な対策は異なるため、どれを取り入れるべきかについては、業者と相談しながら決めることをオススメします。
音対策で悩んでいる人は、オフィスのリノベーションの実績豊富な「カシワバラ・コーポレーション」にご相談ください。

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