ペミカンのレシピをご紹介!味や日持ちはどのくらい?

ペミカンとは、山での保存食であり、出発前に途中まで調理を済ませておき、それらをラードまたはバターでコーティングすることにより、長期保存を可能にしたものです。こういった保存食は、登山などのアウトドアの際に活躍するだけでなく、震災などの非常時の保存食としても活用できます。

公開日 2019.11.28

更新日 2022.01.07

ペミカンのレシピをご紹介!味や日持ちはどのくらい?

みなさんは「ペミカン」をご存じでしょうか?

 

アウトドア好きの方はご存じかもしれません。

 

ペミカンとは、山での保存食であり、出発前に途中まで調理を済ませておき、それらをラードまたはバターでコーティングすることにより、長期保存を可能にしたものです。

 

長期保存ができるため、もともと極地探検家の間では高カロリー食品として利用されていました。日本でも、現地での調理の手間を省き、かつ、燃料の節約ができる簡易料理法として、長期に及ぶ冬季登山に重宝されています。

 

ペミカンは、凍らせたものを登山の際に持って行き、山の上で解凍して食べます。そのため、夏の登山には適しませんが、冬ならば数日から1週間ほどもつとされています。

 

こういった保存食は、登山などのアウトドアの際に活躍するだけでなく、震災などの非常時の保存食としても活用できます。

 

今回ご紹介するペミカンシチューは、簡単に作れるうえ、味も通常のシチューとそう変わりませんので、普段の作り置きとしても取り入れることができます。また、万一の災害に備えるためにも、保存食・ペミカンの作り方を覚えておこうと思います。

 

ではさっそく調理開始。今回はペミカンを使った、「ペミカンきのこシチュー」を作ります。

 

材料(3人分)

■バター…100g

■しめじ…1パック

■玉ねぎ…1個

■鶏肉…150g

 

*分量は目安となりますので、作りたい人数分に合わせて変更してください。

 

バターの量以外は、基本的に一般的なシチューの材料と一緒です。バターでシチューをコーティングすることによって、長期保存できるようになります。今回は、上記の材料で作りますが、他にもお好みの材料を入れていただいて大丈夫。いろいろと試してみてください。

 

バターでコーティングするため、バターの使用量が通常のシチューを作る時よりも大量です。

 

ちなみに、バターを切る際、包丁をラップでくるんでから切るようにすると、バターが包丁に付かず便利です。

 

作り方

STEP.01 材料を切る

玉ねぎと鶏肉をそれぞれ1㎝角に切っていきます。大きさがバラバラだったり、大きすぎたりすると、バターでくるむ際に包みにくくなるため、サイズを揃え、細かくカットしましょう。

鶏肉は筋を取っておくと、食べやすくなります。

 

しめじは手くだけでOK。

 

材料を切り終わったら、次は炒めていきます。

 

STEP.03 材料を炒める

用意したバター100gのうち、5分の1程度をフライパンに入れ、野菜から順に弱火で炒めていきます。

バターを使用しているため、焦げやすくなっています。焦らずじっくり弱火で炒めてください。

 

野菜がしんなりして、カサが減ってきたら、鶏肉も加えて一緒に炒めます。鶏肉にもきちんと火を通しましょう。

 

STEP.04 バターでコーティングする

鶏肉に火が通ったら、残りのバターを追加。フライパンの底に押し付けるようにして、熱で溶かしていきます。

 

ここで、バターの分量と具材のバランスを確認します。材料全体にバターが行き渡り、袋詰めする際に材料の隙間がバターで埋められるくらいのバターの量があれば大丈夫です。

少ない場合は、バターを追加して調整してください。

 

STEP.05 保存袋に詰める

炒めた材料を保存するため、二重にした食品保存袋に移します。今回は、ジッパー付きの袋を使用。炒めた具材だけでなく、フライパンに残ったバターも全て移しましょう。

 

STEP.06 袋を密封する

火傷しない程度に少し冷まし、まだ熱いうちに袋の空気をできるだけ抜き、しっかりと口を閉じます。ジッパー付きの袋でない場合は、空気が入り込まないようにきつく縛りましょう。

あとは冷まして冷凍するだけ。これでペミカンが完成しました!

 

山に持って行く場合は、さらにビニール袋を重ねたり、キッチンペーパーなどで包むのがオススメです。途中でビニールに穴が開いてしまうと大変悲惨なことになってしまいますので、お気を付けください。

では次に、実際に凍ったペミカンを使ってシチューを作る方法をご紹介。とても簡単ですよ!

 

材料(6皿分)

■シチューの素…約120g

■ペミカン

 

今回は粉末タイプの素を用意しました。粉末タイプは溶けやすく、量の調節もしやすいのがいいですよね。軽いので山などに持ち運ぶ際も便利です。

 

作り方

STEP.01 お湯を沸かし、ペミカンを投入

フライパンや鍋にお湯を沸かします。量は出来上がりイメージの半分ほど。少ないようなら後から足せますので大体で大丈夫です。沸騰したらペミカンを入れます。袋がべたべたしていたら、ナイフや包丁で切って入れましょう。一気にボチャンと落としてしまうと、お湯がはねて危険ですのでお玉を使うなど、注意してください。

お湯に入れると、ペミカンが溶けてきます。

 

STEP.02 シチューを投入

ペミカンが溶けたら、シチューの素を入れます。バターに塩が含まれているため、いきなり全部入れるのではなく、味を見ながら加えていくようにしてください。よりマイルドな味が好みの場合は、スキムミルクなどを入れて調味しても。もちろん牛乳でもOKです。

具材は冷凍前に火を通しているため、全体が温まったら完成です。

あっという間に出来上がり!

 

自宅の夕食として出しても何ら問題ない味のきのこシチューが出来上がりました。

 

このペミカンシチューがあれば、非常時の場合、お家にカセットコンロがあれば簡単に温めて、おいしいシチューを食べることができます。

またペミカンは、シチューだけでなくカレーや豚汁なども作ることができます。

知っておきたいペミカンの基礎知識

ぺミカンの起源やどのくらい日持ちするかなどぺミカンの基礎知識を知り、より理解を深めましょう。

ペミカンで使用する肉の種類

ペミカンのレシピをご紹介!味や日持ちはどのくらい?
もともとネイティブアメリカンの間では、地域や季節等に応じて、いろいろなタイプのペミカンが作られていました。製法もさまざまで、夏場は燻製や天日干し、冬場は霜で乾燥させることもあります。また使用される肉の種類もさまざまです。伝統的なペミカンでは、水牛やアメリカバイソン、ヘラジカなどの肉も使われてきました。もちろん、牛肉、豚肉、鶏肉などの一般的な食肉、ベーコンやハムなどの加工肉も使われます。ただ、保存のために一定の脂分が必要になるので、脂分が少ない鶏の胸肉などを使用する際は注意が必要です。

ペミカンはどれくらい日持ちする?

ペミカンのレシピをご紹介!味や日持ちはどのくらい?
ペミカンは、冒頭でもご紹介したように、1週間程度は問題なく日持ちします。しかし、その伝統的なレシピは多岐にわたるため、一般的に販売されている食品のように、保存期間や賞味期限が決められているわけではありません。保存環境により、日持ちする期間は大きく変わってきます。ペミカンが生まれた地域のように低温で湿度も低い気候の地域なら、通気性のいい日陰に保存すれば、1年から5年程度は保存が可能です。また、年間を通して雪が積もるような地域では、地下室に保存されていた10年以上前のペミカンが、問題なく食べられたという記録も!さらに18世紀や19世紀の記録にまで遡ると、その保存期間は50年以上との記述もあり、ペミカンがとても高度な保存食であることがわかります。

ペミカンのカロリーや栄養は?

ペミカンのレシピをご紹介!味や日持ちはどのくらい?
ペミカンは栄養価、カロリー共にとても高いことが特徴です。主原料が動物の肉なので、脂肪やタンパク質が多く含まれますが、これらのバランスは、2対1程度が理想的。100グラム当たりで考えると、脂肪が36〜52グラム、タンパク質が18〜26グラム、カロリーは400〜700kcal程度が目安になります。同じ100グラムでもビーフジャーキーは187kcalしかありませんので、ペミカンのカロリーがいかに高いかわかっていただけるでしょう。
また、ペミカンにはビタミンDやビタミンEなどの脂溶性のビタミン、カリウム、マグネシウム、鉄などのミネラル、リノール酸、オメガ3脂肪酸などの栄養素が含まれています。

今は防災グッズや非常食もさまざまなものが売り出されていますが、自宅でできる保存食作り、一度試してみてはいかがでしょうか。

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