日々の暮らしに、”東京の木”を。食卓にあたたかみを与えるカトラリーセットをDIY!

公開日 2015.07.16

更新日 2022.01.07

日々の暮らしに、”東京の木”を。食卓にあたたかみを与えるカトラリーセットをDIY!

今回のDIYerは、フリーランスとして、「東京のやまの木を、毎日の暮らしへ」をテーマに活動する木材ブランド「KINO」(キノ)の木彫り体験のワークショップを各所で定期的に行っている松本彩さんです。

もともと「人のいる空間」が大好きだった松本さん。希望通りに内装のインテリアデザイナーの職に就いたものの、そこで目にしたのは「つくっては壊す」を繰り返す、流行り廃りの激しい業界の実態でした。「私は本当にこういう仕事をしたいのだろうか?」。頭に浮かんだ「?」は日に日に大きくなり、ついに転職を決意。数社の面接を受ける中で、「KINO」と出会います。それはアートディレクション・企画・ブランディングを手掛ける会社budoriの代表・有村さんが立ち上げた「東京のやまの木を、毎日の暮らしへ。」というコンセプトを掲げる木材ブランドでした。

近代になるにつれ、安い外国産木材に押され、伐っても売れないために放置されるようになった東京の木。また、花粉症問題で今も本来の“伐り旬” を無視した伐採が進められており、山はバランスを崩す一方。この現状を変えるため、現在多摩地域では使われずに残ったスギやヒノキの木材利用を増やし、森の再生に繋げる為の活動を進めています。この活動に賛同し、少しでも山の再生を手伝うことができればと生まれたのがKINOです。そのためKINOでは全ての商品で東京の木を使用しています。


今回は、そんなKINOから発売されている「つくるきっと」を使って、カトラリーセット(お箸・スプーン・お皿)をDIYします。

 

材料

KINOで行われるワークショップでも使用されている、さまざまな大きさ・種類の彫刻刀を使います。

 
左奥からお皿、おはし、スプーンの原型となる木型。おはしとスプーンは「KINOつくるキット」としてbudoriから発売されています。


 
KINOの内装に使用している木はもちろん、「つくるキット」などのプロダクトでも都内で採れた木を使用しています。ワークショップではこの木材を産んだ多摩の山の話や、山の木を育てること、運ぶことがどれほど大変なことなのかなど、私たちが普段何気なく目にしている木材ができるまでの過程をじっくりとお話しするそう。

 

1.角を削る

それではいよいよDIYスタート! お皿とお箸は削りやすい角から削り始めましょう。お皿は特に分厚いので、大きめの彫刻刀を使うとベター。
 
 
スプーンはあらかじめ示されている黒い線を頼りに、曲線を意識しながら削っていきます。まだまだ道は長いので、この段階では完成形はまだ意識しなくても大丈夫です。ガシガシ削っていきましょう。

2. ある程度削れたら、形を意識して削る


おはしは柄の真ん中部分から持ち手にかけてはあまり削り過ぎず、少し太めにすると手になじみやすくなります。最終仕上げに入る前に、都度手で持って感触を確かめながら、ある程度なめらかな形にしましょう。先が細くなりすぎると折れやすくなるので注意してください。


お皿は周囲の丸みがでてきたら、みこみ(お料理が入る、へこんだ部分)を彫っていきます。

スプーンはある程度削れたら、「つぼ」とも呼ばれる先端部分の丸みを出していきます。柄との境目は特に刃が詰まりやすく難しいところなので、小さめの彫刻刀を使うといいでしょう。

 

3. やすりで仕上げる


 
表面を滑らかに仕上げる為、サンドペーパーをかけます。最初は粗めのサンドペーパー(60番程度)をかけ、最後に細かいサンドペーパー(240番程度)をかけて仕上げます。

4. 完成!

市販品には絶対にない、柔らかなあたたかみのあるカトラリーセットができあがりました。こんなカトラリーでごはんを食べれば、何を食べても今までとは一味違うことでしょう。

最後に、ワークショップではDIYの先生でもある松本彩さんにとっての「DIY」の定義を伺いました。


「『普段とは違う自分に出会える』ということです。何を作るにしても、最初は『出来るわけがない』と思ってしまうものですが、実際にやってみると、意外に自然とできたりする。それは意識じゃなくて、身体の感覚が覚えているからだと思うんです。私のワークショップでも、始めは険しい顔で苦戦していた人が、途中から生き生きとした顔になることが多いんですよ。同じものを作っても、出来上がりは人それぞれの形になっているのも、面白いですね」

 

KINOではこの他にもワークショップ参加者や、講師を募集しています。気になる方は以下のWEBサイトをご覧のうえ、気軽に参加してみてください。

 

■KINO | 東京のやまの木を、毎日の暮らしへ。

http://www.kino-mono.jp/

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