RECYCLED SKATEBOARD STOOL #3
アレキサンダー・リー・チャン氏のクリエーションに迫る密着取材企画“RECYCLED SKATEBOARD STOOL”。第1、2章とお送りしてきて、今回はついに完成までを追いかけた3章です。前回、組み立てていく上で問題点にぶち当たりましたが、果たしてどう解決していくのか。毎度のごとく驚かせられるアイデアをしかとご覧あれ。
公開日 2016.05.01
更新日 2022.01.07
まず前回起こった問題点をおさらい。
トルクヒンジだけでつなげていくと反った面に装着できず、接合個所が少なくなってしまう。そしてその安定性だと、土台の木造軸組構法は1本だけなのでバランスが悪くなってしまう。
この2点を解消すべく考えられたのが、つなぎ目のパーツの変更でした。トルクヒンジではなく、レザーにすることでデッキの反った面にも装着が可能。そして、幅広く設置できるので安定感が格段にアップするんです。実はこのアイデア、建築家の友人に相談した際に布ではどうかと言われて思いついたそうです。
それでは早速、レザーの下準備から今回はスタート。
アイデアもさることながら、レザーも切って終わりじゃありません。角は丸みがでるようにカットしてコバもノリをつけて仕上げ、見た目もしっかりキレイに。上の写真を見てもらうとその差がハッキリとわかると思います。
次に前回作ったパーツの精度をさらにあげていきます。
この引っかかり部分が木造軸組構法の重要ポイントになるので、丁寧に仕上げていきます。これと同じくこのパーツを通す穴もしっかりとヤスリがけ。
そしてスケートボード自体の見た目もキレイにしていくために、ブライワックスを塗っていきます。この際、布じゃなくてスチールウールを使うと少ない量で幅広い範囲を塗ることができますよ。
そして塗りながらの思いつきで、組み立ててない状態の時は吊るすことができ、組み立てた時はドリンクホルダーになる穴をそれぞれ開けることに。
さらに穴を開けただけでは終わらないのがリー・チャンさんのクリエーション。ドリンクホルダーの穴には布を取り付け、小さいサイズの缶なども収まる仕様にしてくれました。
そしていよいよ最終工程である組み立てへ。
用意しておいたレザーパーツもボンドを使いながら留めていきます。
リー・チャンさんも無事に完成してこの笑顔。前回判明した問題点も見事に改善されました。
それでは3章に渡ってお届けしてきました“RECYCLED SKATEBOARD STOOL”の仕上がりをじっくりご覧いただきましょう。まずはトランスフォームさせたスツール状態。安定感もしっかりとあり、思いつきでつけたカップホルダーもキレイに収まっています。
そしてスツール状態じゃない時は壁などに引っ掛けて、アート作品としてインテリアに加えるも良し。
もちろんコンパクトに畳むことができるので、棚にしまっておくこともできるんです。
第1章で作った模型がこうやって形になることはやはり取材陣としても嬉しい限り。そして完成度の高さに驚きを隠せんませんでした
リー・チャンさんの密着取材は今後も引き続き行っていきます。同氏の実用性がありながら、見ていても楽しいクリエイションは引き続きご期待ください。DIYにおいて大切である楽しむという精神が詰まった時間は、きっと読者諸氏のモノ作りの好奇心を揺さぶってくれるはずです。
PROFILE
アレキサンダー・リー・チャン
‘75年サンフランシスコ生まれ。
プロスケーターとして活躍し、アパレルブランドのディレクターを経て、’03年にChang co.,ltdを設立、’04年SSより自身のブランドAlexaderLeeChangを立ち上げる。
ストリートを軸にしながらも独特のセンスから生み出される洋服は、様々なアイデアが凝らされたものも多いが自由で自然体な服には根強いファンが多い。
SERIES ARCHIVES
WRITTEN BY
Japan
DIYer(s)編集部です。DIYのアイデアやハウツー、おすすめツールやショップ情報まで幅広くお届けします!