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昨今ブルックリンでモノ作りのインキュベーター的役割を果たしている「ブルックリン・フリー」。不要品を売りに出す従来のフリマではなく、独自にハントしてきたヴィンテージ品やハンドメイドの家具・フードを売るスタイルだ。ここで知名度を獲得し、実店舗を構えるまでに成長するサクセス・ストーリーが多々生まれている。今回でパート4となる『DIYer(s) in New York』はこの物語にフィーチャー。独自性のある動きで注目を集める兄弟の話を紹介しよう。
「ブルックリン・フリー」で活動する新進作家たちの舞台で目を引いたのが、木材とメタル、ガラスと異なる素材を組み合わせた家具。モダンでありながら、ハンドメイドの爪あとが色濃く残り無骨さも持ち合わせた、この家具はまったく異なる職種からキャリアチェンジを果たした兄弟が手掛ける「Recycled Brooklyn」の一品。
「兄のマットは脚本家で、僕は広告業界出身。もともと大工仕事が好きで、アパートにあった木の窓枠で額縁を作ったり、鏡を使ったり、家にある素材を用いて作ったモノを売り始めたんだ」と弟のマイクは語る。
デザインセンスに長けていたのはもちろんだが、彼らがつくる家具が人気を獲得した秘密はそのユニークな素材選びにある。
「僕らが住んでいるグリーンポイントの古い工業地帯の一角はペイントやメタル工場に囲まれていて、木製パレットやメタルがよく道に落ちていたんだ。ビルの解体現場に遭遇しては、廃棄されていた古いブリキ製天井や木の梁、窓枠を持ち帰ったね」。
当時2人にお金がなかったという状況も、廃材を使うアイデアを後押ししたのだという。
「ほらよく言うだろ、必要は発明の母って。木材は買うと高いし、道端に廃棄されている木材だって何とかしなくちゃいけない。廃材にはストーリーがあるんだ。悲しいことに古いビルはいつの日か解体される運命にあるけれど、そこから古いメタルや木材をとっておいて別のモノに再利用させることで、また新たなストーリーが生まれる。それが美しい」
彼らが拾わなければ、ただ埋立地に行く運命の廃材が新たに家具として息を吹き返す。デスクに向かう毎日から、汗をかきながら自らの手でモノを生み出す毎日に180度変わった2人は、心の充実度がはかり知れないという。
「スタジオに来て、1日の終わりに裏庭で仲間とビールを片手に作ったモノを眺める。たとえ間違ったモノでも、崩れたりしないし何年でも持つ。自分の手で作ったモノなんだ。それが素晴らしいし、だから僕はとても幸せだ」
兄弟2人で始めて、今では巨大ガレージで8人の男たちが働くほどに。オーダーが引きも切らないほど人気を獲得しているが、今後は、デトロイト、LA、ロンドンなど他都市で同様のプロジェクトが実行されたらと夢を語ってくれた。実直なまでにモノ作りに励む彼らの目にとって、それは夢ではないかもしれない。ぜひ、この話に感化されて自分の感覚でDIYの世界に飛び込んでほしい。
STUDIO DATA
Recycled Brooklyn
HP:http://recycledbrooklyn.com/
Email:info@recycledbrooklyn.com
Phone:917 902 0662
Working day & time:Monday - Friday 10:00am - 6:00pm Saturday and Sunday Closed
Adress:84 Ferris St Brooklyn, NY 11231
WRITTEN BY
Japan
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