【賃貸リノベ③】“リノベして貸す”!床の下地づくり編

28歳で福岡へ移住し、築40年の物件をセルフリノベーションしながら生活。その様子をブログメディア「DIY MAGAZINE」で公開しているセーチです。3軒目4軒目に続いて、築32年の中古マンション(5軒目)をリノベーションしてきた過程をお届けします。

公開日 2024.01.25

更新日 2024.01.25

【賃貸リノベ③】“リノベして貸す”!床の下地づくり編

セーチのリノベ記録 五軒目

こんにちは。祖父母の物件をセルフリノベーションしつつ、インテリアなどを作っているセーチです。

築32年の中古マンションを賃貸向けにリノベーションします。
広さは約70㎡、3軒目にDIYした中古マンションシリーズと同じ建物で、もう一部屋空きがでたので修理を依頼されました。※リノベーションの見積もりを業者に出したところ、採算が合わないので父から私に依頼されました。

間取りを3LDKから2LDKに変更しリビングキッチンを大きくして、他の物件と差別化を図ろうと思います。 この部屋は賃貸として貸し出す予定なのでなるべく早く作業を進めていきます。

中古マンション購入を検討している方 リノベーションを検討している方の参考になるよう、どこにどれ位の費用が掛かったのか最後にお届けしたいと思います。

床の下地を作る

マンションの床の張替え工事を行うときには、多くの場合「防音規定」というものが関わってきます。遮音等級 L-45 や L-40 などの表記がそれにあたります。(L値は数字が小さい方が性能が優れています)
床の衝撃音は軽量床衝撃音(LLで表示)と重量衝撃音(LHで表示)の2種類あります。
軽量床衝撃音(LLで表示)は、椅子を引いた時やスプーンを落とした時の軽くて硬い音、重量衝撃音(LHで表示)は、子供が飛び跳ねた時などの重くてにぶい音。

遮音等級L-40 重量衝撃音はかすかに聞こえ、軽量衝撃音は遠くから聞こえる感じ
遮音等級L-45 重量衝撃音は聞こえるが意識はしない、軽量衝撃音は小さく聞こえる感じ
遮音等級L-50 重量衝撃音は小さく聞こえ、軽量衝撃音は生活音が意識される
遮音等級L-55 重量衝撃音は聞こえる、軽量衝撃音は生活音がある程度分かる

遮音等級毎に生活実感を建築学会が出しているので、気になった方は調べてみてください。
基準に対応する製品が各メーカーから出ているので、それを使えば問題ないのですがかなり良い値段になってしまいます。無垢のフローリングや対応外の製品を使う場合、下地材で基準の遮音性能をクリアする必要があります。
床材の選択肢としてカーペットや畳は、防音性能が高いので防音規定の対象外。
昔のように畳がメインのマンションは防音についてあまり対策されていない印象です。
このマンションでは重量衝撃音を吸収するために床材とコンクリートの間に10mm厚のゴムマットを敷いて施工します。
根太を固定する303mm間隔で防音マットを敷いていきます。

防音ゴムマットは「コニシ株式会社」のコンクリートボンドを使って固定。(ボンド K120 1kg コンクリート金属用)
全面にゴムを敷ければ簡単で良いのですが、それだととんでもない値段になってしまうので、振動が伝わる根太の下にゴムを敷くことで時間はかかりつつも費用を抑えて重量衝撃音(固体音)を防ぐ施工になったかと思います。
コンクリートボンドを付けて1日置きました。
押しても引いてもビクともしません。
2重床工法(浮き床工法)などの方法もありますが、このマンションは天井が低いので床を高く上げる工法は狭くなるのでNG。 少しでも快適に過ごせるように考え、この方法で施工することにしました。
残りの箇所もゴムと根太を敷いたらリビングキッチンの床下地は終了です。
重量衝撃音の防音対策をした下地が終わりました。
次は軽量衝撃音を防ぐ用の25mm厚のグラスウールを用意しているので、根太の間に敷き詰めて合板を張りたいと思います。

※ここまでの作業を動画にまとめています。

床防音で騒音回避!築32年マンションを貸し出すまで。【賃貸向けリノベーション4話】

根太に床からの高さを書いています。
ベランダ側が一番高くて、キッチン側が低くなっていました。
部屋の中心部が全体より少し低くなっているので、窓際の高さに合わせてベニヤ板を挟んで調整します。
ベニヤ板は買うと1,200~1,500円するので、押入れで解体した時にでた物を再利用します。
根太と同じ太さにカットしています。
ベニヤ板を入れた後に高さが合っているか確認、高さ調整が終わったらボンドでベニヤ板を固定します。
根太はコンクリートビスで後日固定する予定ですが、音が凄いので壁の固定をする日に合わせて打ち込みます。
ボンドの固定が終わったら、合板を上に乗せて1日置いておきます。
歩いても違和感無いので、ボンドが乾いたら合板を固定します。
断熱 吸音 グラスウール フェザーグラス「パラマウント硝子工業」のボード密度40Kを使用。(厚さ25mm × 幅1000mm x 長さ2000mm)

グラスウールの密度は「10K 16K 24K 32K 40K 48K 64K」と密度が高い製品ほど値段が高く性能が良いです。
普通、床にはスタイロフォームで断熱しますが、この部屋は3階なので下階の防音対策に重点を置いて施工します。

直接音が響く根太の下には重量衝撃音を防ぐゴムマットを敷き、根太の間には軽量衝撃音を防ぐグラスウールを敷き詰めて、重量衝撃音と軽量衝撃音の両方を対策。
グラスウールと合板とマットが組み合わさった製品もありますが、値段が高いのと厚みがあり過ぎるので今回の施工方法で実施しています。

前のシリーズでは、部屋が1階だったので防音は気にせず逆に地面からの冷気を防ぐ為にスタイロフォームを入れました。
グラスウールを敷き詰めたら、根太に合わせて合板を並べます。
押入れまわりやキッチンまわりのサイズ合わせが終わったら、リビングキッチンの床下地作りは終了です。
墨つぼを使って根太の位置に線を引きます。
合板のズレを直しながらビスで固定していきます。
コンパネビス 3.8 × 28mm 「WAKAI」を使用。
合板と根太とゴムの厚みを考えて、32mmではなく28mmを使います。

※ここまでの作業を動画にまとめています。

リビング床下地完成!築32年マンションを貸し出すまで。【賃貸向けリノベーション5話】

次回は新しい給湯器を取り付ける為のコア抜きを業者に依頼と、残り床の完成と電気配線を終わらせたいと思います。
これからマンション購入を検討されている方、中古住宅のリノベーションを検討している方、タグに「セーチのリノベ記録 五軒目」とつけているので、順を追って読めばリノベが完成するような構成です。ぜひ参考にしてくださいね。

セーチ

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セーチ

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DIYのブログ『DIY MAGAZINE』を運営。福岡在住の28歳です。物件をセルフリノベーションしていく過程とDIYに関する情報を発信しています。