海外オフィスのようにリノベーションする時のポイントとは?

この記事では、リノベーションで海外のようなオフィスをつくるポイントを紹介します。海外オフィスの特徴に触れながら、事例を交えて取り入れるべきレイアウトや間取り、デザイン、設備などをまとめました。オシャレなオフィスデザインを目指している人は、ぜひ参考にしてください。

2023.04.20

近年の働き方改革により、オフィスをより過ごしやすくリノベーションする企業が増えています。オフィスデザインにはさまざまなテイストがありますが、海外のオフィスを参考に内装やレイアウト、導入設備などを決める企業も少なくありません。この記事では、海外のオシャレなオフィスデザイン事例に触れながら、リノベーションのポイントを解説します。オフィス環境を改善したい人や、働きやすい環境づくりを調べている人などは、ぜひ参考にしてください。

海外オフィスのレイアウトの特徴

日本と海外では仕事に対する価値観や考え方、文化などが違うため、オフィスレイアウトで重視しているポイントも異なります。日本では「コミュニケーションを取りながら組織全体で業務を行う」という考え方が浸透しているのに対し、海外では一人ひとりの能力が尊重される「個人主義」が主流です。したがって、海外オフィスは日本のようにチームで働くことに特化したものではなく、個人がそれぞれの仕事を快適にこなせるレイアウトを採用しています。

また、海外オフィスは仕事に関する設備だけでなく、「リフレッシュ空間が充実している」という特徴もあります。執務ルームは「個人が仕事に集中できるレイアウト」を採用しているのに対し、リフレッシュルームは「仕切りのない大部屋」など、オープンレイアウトを採用することが多いです。ビリヤード台や横になれるスペースなどと、仕事のオン・オフが切り替えやすい遊び心のある設備を設置しています。

海外オフィスの事例とリノベーションポイント

ここでは、海外オフィスのデザイン事例に触れながら、リノベーションのポイントを解説します。デザインの特徴や期待できる効果、日本オフィスとの違いなどをまとめました。

あらゆる色を取り入れたオフィス

こちらは「OFFICE SNAPSHOTS」に掲載されているオフィスデザイン事例です。アイルランドのダブリンにある「Google」のオフィスは、コンセプトに基づいたカラフルな色使いが特徴的です。空間ごとに異なる色が使われており、「活気を与える赤を基調としたワークスペース」や「ヒーリングカラーである青を全体にあしらった会議室」など、明確な差異が設けられています。

それぞれの色は人間に与える効果が異なると言われています。そうした効果を念頭に、配色を工夫するとよいでしょう。仕事の効率性をアップしたり、オン・オフを切り替えやすくしたりするメリットを得られます。オフィスをリノベーションする時は、「色彩心理」を意識した内装デザインをぜひ検討してみてください。

多くの自然を取り入れたオフィス

こちらは「LIG」で紹介されている外資系広告代理店「TBWA/Hakuhodo」のオフィスデザイン事例です。ボウリング場予定地であったテナントをオフィスに改修し、公園や自然をイメージした内装にリノベーションしました。温かみのある木目や、植物のグリーン、そして清潔な白を基調とし、ナチュラルで開放的なデザインに仕上げています。

植物には緊張をほぐしたり、生産性向上につながったりする効果があるため、海外オフィスのリフレッシュルームや執務ルームなどにも多く取り入れられています。オフィス家具は無機質なデザインのものが多いため、リノベーションで自然の要素をプラスするのもオススメです。

辺り一面ガラス張りのオフィス

こちらは「LIG」で紹介されている、スペインの建築家事務所「Selgas Cano」のオフィスデザイン事例です。森の中にひっそりと佇む半地下のオフィスは、一面がすべてガラス張りになっており、四季折々の自然を眺めながらゆったりと仕事ができる大胆なデザインです。内装は明るいホワイトを基調に、イエローやオレンジなどのビタミンカラーをアクセントとしています。

日光を浴びると、モチベーションアップや目覚まし効果などを得られます。そのため採光の度合いは、業務の生産性にも影響を与える大切なポイントです。ガラス張りの空間や天窓など、日光を積極的に取り入れる空間をリノベーションでつくる企業も増えています。

公園が再現されたようなオフィス

こちらは「LIG」で紹介されている「Skype」のオフィスデザイン事例です。余裕を持たせた空間に、芝生をイメージしたカーペットや、カラフルなオフィス家具を配置した、まるで公園のような内装デザインです。部屋全体が「執務スペース・コミュニケーションスペース・休憩スペース」を内包しており、リラックスしながら働ける空間になっています。

「仕切りを取り払った大部屋に、複数のスペースを設置する」というレイアウトは、柔軟性が求められるアフターコロナのオフィスづくりでも人気を集めています。インテリア・配色・デザインなどでゆるやかに空間を区切り、仕事と休憩のメリハリを付けられるように配慮するとよいでしょう。

アットホームを意識したオフィス

こちらは「ねとらぼ」で紹介されている「Twitter Japan」のオフィスデザイン事例です。内装には「ナチュラル」「オーガニック」などをコンセプトとした親しみやすいデザインを取り入れ、待合室に遊戯スペースやキッチンを設けるなど、アットホームな印象のオフィスです。また、スペースごとにデザインのテーマが異なり、オリジナルの壁紙があしらわれている部屋もあります。

オフィス全体は正方形の間取りになっており、社内コミュニケーションを活性化させるために「皆がエントランスから一周して席に着く」ように設計されているそうです。あえて導線を長くつくることで、互いに顔を合わせやすいオフィスを目指しています。

オフィスリノベーションの注意点

オフィスは住宅のリノベーションと違い、工事中の業務や原状回復、消防法などに注意してリノベーションを行う必要があります。ここでは、特に気をつけるべきオフィスリノベーションの注意点を3つ紹介します。

リノベーション中の業務のことも視野に入れる

オフィスをリノベーションしている最中は、基本的にそのオフィスに勤務はできません。間取り変更を含む大掛かりなリノベーションを行う場合は工期が長くなりやすいため、「工事中の業務形態」をしっかりと考える必要があります。
業務のデジタル化が進んでいる企業は、その期間だけ在宅勤務に切り替えることも可能です。しかし業種・業態によっては、仮オフィスの契約を検討するとよいでしょう。

一方、部分的なリノベーションなら、手を加えないスペースで今までと同じように仕事は可能です。工期にもよりますが、オフィス出勤と在宅勤務を組み合わせたり、貸しオフィスを使用したりするなど、柔軟性のある対応策を取り入れることで、仮オフィスなしで業務を行う企業もあります。

賃貸の場合は原状復帰を考慮する

オフィスが賃貸の場合は、必ず管理会社にリノベーションの許可を取る必要があります。賃貸は物件の退去時に原状回復を行わなければならないため、物件によっては大掛かりなリノベーションを禁止しています。また禁止されていなくても、大掛かりな工事を行うと、退去時の費用が高額になるケースも少なくありません。
管理会社の許可なく施工を進めると法的なトラブルになることもあるため、必ず事前に「工事可能・不可能」を問い合わせてください。

多くの場合、原状回復では、床材・壁材・設備などをすべて取り払い、「コンクリートの駆体がむき出しの状態」にします。あらかじめ業者に「原状回復のしやすい施工ができないか」相談するとよいでしょう。
また建物の構造自体に影響を及ぼす工事は、基本的に行えません。「リノベーションとして、どの程度まで施工できるのか」も業者に確認すると、リノベーションプランを立てやすくなります。

消防法を考慮する

消防法とは、火災を予防し、被害を最小限に抑えるために守るべき法律のことです。「火災報知器の設置基準」や「避けるべき間取り」など、細かい規定が設けられています。この消防法をしっかりと頭に入れたうえで、リノベーションを行う必要があります。

例えば、近年多く見られる「執務ルームの大部屋などに、仕切りを設置する」というスタイルのリノベーションでも注意が必要です。視線の高さほどの小型パーテーションなどなら問題ありませんが、「床から天井にまで届く仕切り」を採用する場合は、消防署に届出が必要なので注意しましょう。
なお基本的に「行いたいリノベーション内容が、消防法の基準を満たしているかどうか」を素人が判断するのは難しいでしょう。リノベーション会社に依頼しつつ、消防法面も確認することがオススメです。

オフィスリノベーションのメリット

近年では、「過ごしやすく、フレッシュしやすい空間づくり」を実現する、ワンランク上のオフィスをつくる企業が増えています。ここでは、リノベーションで居心地のよいオフィスをつくるメリットを紹介します。

仕事の効率や生産性が上がる

快適に過ごせるオフィスは、業務の効率性や生産性などをアップする効果があります。従業員はほぼ毎日オフィスに出勤し、多くの時間を執務ルームやミーティングルームなどで過ごします。居心地が悪かったり、業務に取り組みづらいと感じたりするオフィスでは、従業員の能力を最大限に引き出すのが難しいでしょう。

リノベーションによって業務に集中しやすく、チームの生産性を高められるオフィスを作ることができれば、業務成績向上や売上アップなども期待できます。また、リフレッシュ空間を充実させ、仕事のオン・オフを切り替えやすいオフィスをつくったことで、業務の効率性がアップした企業も見られます。

従業員のモチベーションが上がる

内装デザインを一新し、オシャレで機能的なオフィスをつくることは、従業員のモチベーションアップにつながります。モノが多く雑然としたオフィスや、設備が古く居心地の悪いオフィスなどでは、従業員が気持ちよく業務をこなすのは難しいかもしれません。

リノベーションはオフィスの雰囲気をがらりと変えることで、社内満足度を高めてやる気を引き出す効果があります。「企業の士気を高めたい」「従業員の気分を一新したい」といった場合に、リノベーションは非常にオススメです。

会社のブランディングになる

特徴的なオフィスデザインは幅広い人に認知されやすく、企業のブランディングに役立ちます。コーポレートカラーを盛り込み、企業イメージに合った内装デザインを実現しましょう。それによって、訪問者に「このオフィスといえばこの企業」という印象を与えられるので、視覚的に企業のコンセプトをアピールできるでしょう。

また近年では、就職先を探す際、「オフィス環境の快適さ」を重視する人も増えています。そのため、インターンなどで求職者にアピールすることを目的として、快適なオフィスをつくることで、採用対策に役立てている企業も少なくありません。

海外オフィスの特徴は、「個人の働きやすさを重視したレイアウト」や「充実したリフレッシュ空間」「色彩やデザインでの工夫」によって、従業員の効率性・生産性をアップさせていることです。
快適なオフィス空間は従業員のモチベーションを向上させ、業務成績アップにもつながります。オフィスのリノベーションを検討している人は、オフィス設計の業績豊富な「カシワバラ・コーポレーション」までお気軽にご相談ください。

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DIYer(s)

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