団地リノベーションの注意点や費用相場を解説!

この記事では、団地リノベーションのメリットやデメリット、施工の注意点などをまとめました。「そもそも団地とはどのような物件のことなのか」「マンションとの違いは何か」などの基本情報にも触れながら、団地リノベーションのポイントを紹介します。

公開日 2022.09.19

更新日 2023.04.14

団地リノベーションの注意点や費用相場を解説!

リーズナブルな家賃や利便性の高さなどから根強い人気を集める「団地」。地域の人とのコミュニケーションも取りやすく、あえて団地に引っ越して子育てをする人も増えているようです。そこで本記事では、団地リノベーションの費用や注意点、デザインの事例などを紹介します。築年数の経った団地をより暮らしやすく改修したい人は、ぜひ参考にしてください。

団地とマンションの違い

そもそも「団地」とは、「一団の土地」という意味があり、同じ敷地の中に複数の棟が建てられた共同住宅を指します。1950〜1970年にかけての高度経済成長期に多く建てられ、現在もさまざまな人が生活しています。一時期は団地に入居している人の高齢化が進み、社会問題として取り上げられることもあったものの、現在はリノベーションや建て替えなどで若い世代を呼び込む団地も増えているようです。

一方、「マンション」は一棟ごとに区分けされた3階建て以上の共同住宅のことです。鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリート、鉄骨造などでつくられており、団地よりも耐火性や耐久性に優れた高性能な建物であることが多いでしょう。マンションは1960年以降に日本に普及し、防犯性や利便性などに重点を置いて設計されたと言われています。

団地のメリット・デメリット

団地リノベーションの注意点や費用相場を解説!
団地のメリットは、家賃が安く、地域の人とコミュニケーションも取りやすいことです。団地には築年数が経過したものも多く、ほかの物件よりも手軽に購入できます。その分リノベーションやインテリアなどに予算をかけられるため、費用を抑えながら自分好みの住まいをつくりやすいでしょう。
また、団地独自のコミュニティがあったり、管理を住民が行っていたりと、近隣住民と顔を合わせる機会も多いです。こうした環境には、「子どもが友達をつくりやすい」など子育て面のメリットも期待できます。

一方、団地のデメリットは、「建物によっては利便性が低い場合もあること」「近隣付き合いが苦手な人にとっては窮屈に感じる可能性があること」などです。団地の建物に関しては、リノベーション済みの場合などまめに管理されている建物は少数で、多くは経年劣化が見られます。昔からのコミュニティとも関わらねばならないケースもあるため、一人で気楽に生活したい人などには、団地暮らしが向かないケースもあります。

マンションのメリット・デメリット

団地リノベーションの注意点や費用相場を解説!
マンションのメリットは、セキュリティ設備や共用の施設などが充実していることです。オートロックや防犯カメラ、広い駐車場・駐輪場、フィットネスジムなど、ほかの共同住宅にはないワンランク上の設備が揃っています。中にはプールやゲストルーム、音楽スタジオなどの共用施設があるマンションもあり、自分のライフスタイルに合った物件を選べば、より快適な暮らしが実現できるでしょう。

一方、マンションのデメリットは、家賃や管理費などが高いことです。設備が充実しているマンションほど金額も高く、なるべく月々の固定費用を抑えたい場合は割高に感じるかもしれません。リノベーションありきで物件を探している人や、家賃の安さを重視したい人などには不向きと言えるでしょう。

団地リノベーションのメリット・デメリット

比較的安く購入できる団地は、「リノベーションで自分好みの家をつくりたい」という人にはうってつけの物件です。ここでは、近年人気を集めている団地リノベーションのメリット・デメリットを紹介します。

団地リノベーションのメリット

団地リノベーションの注意点や費用相場を解説!
団地リノベーションのメリットは、ほかの中古住宅に比べて購入価格が安いことです。物件にもよりますが、団地は1,000万円以下のものが多く、中には200万〜300万円ほどで売られていることもあります。

近年、中古の一軒家を購入しリノベーションする人が増えていますが、「住宅購入費用とリノベーション費用を合わせると結局、新築と変わらない値段になってしまった」などの失敗も多いようです。家族が多い場合など、どうしても一軒家に住みたい理由がなければ、団地リノベーションも視野に入れて検討すると、大幅にコストを抑えられるかもしれません。

また、団地リノベーションは物件の購入に費用がかからない分、よりデザインやインテリアなどにこだわった、理想の内装をつくりやすいメリットもあります。水回りのリノベーションや間取りの一新など、大掛かりな施工は費用がかかりやすく、予算をオーバーしてしまうケースも少なくありません。購入費用をあらかじめ抑えておけば、空間全体のデザインを統一したり、最新の設備を導入したりと、ワンランク上の内装を目指せるでしょう。

団地リノベーションのデメリット

団地リノベーションの注意点や費用相場を解説!
団地リノベーションのデメリットは、建物が古く、共用部分の利便性が低い場合もあることです。ほとんどの団地にはエレベーターがないため、上階の部屋を購入すると後悔することも少なくありません。普段から重い荷物を運び出すことが多い人や、階段での移動をおっくうに感じる人などは注意が必要です。
さらに、物件によっては管理がずさんだったり、共用部分の設備が使えなかったりといったトラブルが発生する恐れもあります。契約前に、それらに関してきちんと確認するとよいでしょう。

また、団地は昔から住んでいる人が多いため、ご近所付き合いや地域ならではのコミュニティなどが盛んな傾向にあります。団地を購入し長く住み続けるとなると、それらにまったく参加しないのは難しいかもしれません。人との交流が苦手な人や、マイペースな暮らしを楽しみたい人などは、中古一軒家のリノベーションも併せて検討するとよいでしょう。

団地リノベーションの注意点

団地リノベーションの注意点や費用相場を解説!
中古団地を購入する時は、あらかじめ「建物自体の強度」「基礎部分の劣化具合」などを確認しましょう。団地は築40年以上などの古い建物が多いため、目に見えない部分の劣化が進んでいる恐れもあります。建物の躯体そのものを修復すると費用がかさみやすいため、リノベーション費用を抑えるには、「いかに基礎部分の劣化が少ない物件を選ぶか」が重要です。管理会社によってはリフォームの履歴を見せてくれるところもあるので、「きちんと修繕が行われているか」「まめに管理が行われているか」などをきちんと確認しましょう。

また、建物の構造によっては間取り変更が難しい物件もあるため、必ず担当者にリノベーションを行う旨を伝えましょう。共有部分が施工できなかったり、原状回復が必要だったりと、建物によってもルールが異なるため、「どの程度のリノベーションを行いたいのか」も現在わかる範囲で伝えておく必要があります。最近ではリノベーションを行う人に向けて、規約を見直す団地も増えており、あらかじめそのような物件に絞って検討するのもオススメです。

団地リノベーションの費用相場

団地リノベーションの注意点や費用相場を解説!
団地をフルリノベーションする場合の費用相場は、500万〜1,000万円ほどです。ハイグレードな設備を導入したり、デザインや建材にこだわったりすると、相場よりも費用が膨らむこともありますが、一般的なリノベーションであれば1,000万円以下で行える場合がほとんどでしょう。

また、比較的新しい物件であれば、既存の内装を活かして部分的にリノベーションする方法もあります。改修する箇所や場所などにもよりますが、部分リノベーションの費用相場は170万〜700万円ほど。経年劣化が目立ちやすい水回りは優先的に施工し、トイレや浴室、キッチン、洗面所などは設備を一新するとよいでしょう。水回り全体のリノベーション費用は、120万〜300万円ほどです。

団地リノベーションの事例集

ここでは、団地リノベーションの優れた施工事例をまとめました。スケルトンリフォームで全面改修を行った事例や、間取り変更でゆったりとしたワンフロアをつくった事例など、築年数の古い物件とは思えないオシャレな内装を紹介します。

築47年と思えない明るい空間

こちらは「リノベりす」に掲載されている団地リノベーション事例です。築47年の団地を改修し、「木」「アイアン」「コンクリート」の異素材をミックスした落ち着いた空間にリノベーションしました。LDKの中心には、ダイニングテーブルと一体になった広々としたカウンターキッチンを設置。また、2DKから1LDKに間取りを変更し、ゆったりとしたワンフロアに段差を設けることで、空間を視覚的に分ける工夫も見られます。古くて使いづらかった水回りの設備も一新し、トイレや洗面所、浴室をまとめて配置することでスムーズな導線を確保しました。

スケルトン工事で全体的な落ち着いた雰囲気に

こちらは「夢工房」に掲載されている築30年、4LDKの団地リノベーション事例です。基礎部分以外をすべて取り払い、新しく作り替えるスケルトンリフォームを行いました。キッチンはL型からI型の壁付けタイプへ変更し、カラーは内装と合わせパインの面材をチョイス。空間全体をシンプルにまとめつつ、明るく落ち着いた雰囲気の内装に仕上げました。

LDKとベッドルームを一体化してゆったり空間に

こちらは「リノベりす」に掲載されている団地リノベーション事例です。3LDKの間取りを大胆なワンルームに改修し、ゆったりとした住まいを実現しました。LDKとベッドルームを一体化し、壁がない分ラグやカーテン、ウッドブラインドなどで緩やかに空間を仕切っています。インテリアはヴィンテージ感のある木目や温かみのあるブラウンでまとめ、観葉植物を空間のアクセントに採用。木目の色を統一したことで、まとまりのある内装に仕上がっています。
団地リノベーションの注意点や費用相場を解説!
「昔ながらの建物」というイメージの強い団地ですが、近年ではリノベーション用の中古物件として注目を浴びています。団地リノベーションのメリットは、購入費用が安く、内装や設備などほかの箇所に多くの費用をかけられることです。中古の一軒家よりも施工面積が狭いため、比較的安く改修できる利点もあります。
一方で、物件によっては共用部分の利便性が低いことがあるうえ、ご近所付き合いが必要な点はデメリットと言えるでしょう。物件を選ぶ際は、「管理が行き届いているか」「建物の躯体は劣化していないか」などをよく確認するとよいでしょう。
団地リノベーションの詳しい費用やデザインなどを相談したい人は、住宅のプロ「カシワバラ・コーポレーション」にぜひご相談ください。

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