システムバスとは? メリットやデメリット、各パーツについて解説

システムバスには、どのような特徴があるのでしょうか。システムバスの種類やユニットバスとの違い、メリット・デメリットなど、導入前に押さえておきたいポイントについてまとめました。システムバスの導入を検討している場合は、ぜひ参考にしてください。

公開日 2023.02.18

更新日 2023.04.06

システムバスとは? メリットやデメリット、各パーツについて解説

浴室のリフォームにはさまざまな種類があります。システムバスの導入もそのひとつです。工期の短さやメンテナンスのしやすさなどに加え、断熱性や保温性が優れているといった魅力をもっています。

システムバスの基本的な構造や戸建てタイプとマンションタイプの違い、メリット・デメリットなど、導入の際に気になることについて詳しく紹介します。

システムバスとは

システムバスとは? メリットやデメリット、各パーツについて解説
浴室は、体をきれいにしたり、リラックスをしたりするうえで欠かせません。そのためリフォームをして、より心地よい環境にしたいという人も多いでしょう。

システムバスは、ユニットバスと混同されがちですが、実際には異なる点があります。システムバスの基本やユニットバスとの違いについて押さえておきましょう。

規格品の浴室

システムバスとは「規格品の浴室」にあたります。あらかじめ製造されたパーツを設置箇所で組み立てるタイプです。浴槽や天井、床などをひとつひとつ選ぶのではなく、先に必要なパーツを工場で製造し、設置する場所で組み上げていきます。

規格品とはいえ、システムバスはデザインや構造のバリエーションが豊富です。施主の好みに一致したものがあれば、一から浴室を作るよりも、手軽にリフォームを完了させられるメリットがあります。

ユニットバスとの違い

ユニットバスと聞くと賃貸住宅などで多く見られる、浴槽がトイレや洗面台と同じ空間に設置されているものを想像される方が多いかもしれません。しかし、この形態は3点ユニットバスと呼ばれるもので、ユニットバスの本来の意味は「工場で壁、床、天井、浴槽を一体化して生産する浴室」を指し、言葉の意味としてシステムバスと明確な差はありません。

明確な意味の差はないものの「トイレと同じ空間によく層がある」というユニットバスが持つイメージと差別化を計るために「システムバス」という言葉が使用されるようになりました。

戸建てとマンションで異なる

システムバスは、戸建て用とマンション用で違いが生じます。戸建ての浴室は天井が高く、床下も広いため、一般的にサイズが大きめのシステムバスが設置されます。一方、マンションは省スペースでの設置が求められることが多く、戸建てよりも小さなサイズを設置する場合が一般的です。

また、費用面でも違いが生じます。戸建てタイプの方がリーズナブルで、マンションタイプの方が高めの相場です。ただ、あくまで傾向であり、設置業者や選ぶタイプなどによって金額が変わることも把握しておきましょう。

介護用のシステムバスもある

システムバスとは? メリットやデメリット、各パーツについて解説
システムバスはバリエーションが豊富です。より安全な入浴環境が必要なご家族がいらっしゃる場合、介護用システムバスの選択がオススメです。

体が不自由な人や高齢者の中には、一般的なバスタブの高さではまたぎづらく、入浴しにくいと感じることがあります。転倒してしまう危険性も考慮しなくてはなりません。一方、介護用のシステムバスなら、バリアフリー設計になっており、そのような懸念を解消してくれるでしょう。

また、手すりの設置や浴槽の高さを低めに設定することで、入浴時の安全性を高められます。一般的な浴室では転倒などの危険を懸念していた人も、介護用のシステムバスにリフォームすれば安心して入浴できるのではないでしょうか。

システムバスのメリット

システムバスとは? メリットやデメリット、各パーツについて解説
リフォームでシステムバスを導入することによって、さまざまなメリットを得られます。工期やメンテナンスのしやすさ、断熱性・保温性などが代表的です。

在来工法にくらべて工期が短い

浴室の組み立て方は、在来工法とシステムバス導入の2種類があります。在来工法とは、天井や床、壁を含め、現場ですべて一から作り上げる方法です。構造から組み立てていくため、どうしても時間がかかってしまいます。

一方、システムバスは、前述の通り規格品を設置するタイプです。すでにできあがったパーツを現場で組み立てるため、在来工法より工期が短縮できます。リフォーム中に浴室が使えないことに対して不便を感じる人にとって、システムバスの短い工期は大きなメリットでしょう。

メンテナンスがしやすい

システムバスは、メンテナンスがしやすいことも大きなメリットです。システムバスには防水性や防汚性に優れた素材が使われています。従来の浴室でよく使われているタイルや木材よりも汚れづらく、お手入れの手間がかかりません。湿気がこもる浴室でもカビが発生しにくい性質もメリットです。

また、浴槽や排水口の掃除がしやすく設計されている製品も増えています。こういったシステムバスを導入すれば、日々のお手入れの負担が軽減されるでしょう。

断熱性・保温性が優れている

システムバスには防水性が高い素材が使われており、床や壁につなぎ目がありません。在来工法ではどうしても床や壁につなぎ目ができてしまい、そこから水漏れが発生することもありましたが、システムバスなら安心です。断熱性や保温性にも優れているため、寒い季節に心配されるヒートショックの対策にもなるでしょう。

システムバスのデメリット

システムバスとは? メリットやデメリット、各パーツについて解説
多くのメリットがある一方で、システムバスにはデメリットもあります。リフォームの計画や出来上がりの希望などによっては、設計の自由度や費用などがデメリットに感じる可能性があります。

自由度が低い

システムバスは、デザインやサイズなどがすでに決まっている規格品です。導入する際には、メーカーが提供するものの中から選択することになるため、細部までこだわった浴室を作りたい場合には自由度が低いと感じることもあるでしょう。特別な要望やこだわりがあり、設計の自由度が高い浴室を作りたいのであれば、システムバスよりも細かい部分までデザインできる在来工法の方が向いています。

また、浴室のサイズによってはシステムバスが設置できない可能性も考慮しましょう。気に入ったシステムバスを見つけたら、ぜひサイズの確認をしてください。

費用が高くなる傾向がある

在来工法で造られた浴室からシステムバスにリフォームする場合、システムバスの入れ替えによるリフォームの時より費用が高くなる傾向があります。また、築年数次第では土台部分の補修作業などが必要になるケースもあり、その場合はさらに追加の費用が必要です。

システムバスのパーツ

システムバスを構成するパーツについて紹介します。同じ箇所のパーツでもさまざまなタイプがあるため、お気に入りのものをぜひ見つけてください。

ドア

システムバスとは? メリットやデメリット、各パーツについて解説
浴室のドアは、一般的に開き戸、引き戸、折れ戸の3種類あります。まず、開き戸は洋室のドアと同じ構造で、引き戸や折れ戸と比較すると開きやすいため、子どもやお年寄りがいるご家庭でも安心して使えるでしょう。床に溝がなく、掃除がしやすい特徴もあります。ただ、開閉のためのスペースが必要な点は考慮しましょう。

引き戸は、ふすまのように横にスライドさせるため、出入り口を広く取りやすいことや、スペースが狭くても設置できることがメリットです。お風呂や洗面所が狭い家でも有効活用できます。また、バリアフリーリフォームとして補助金の申請が可能です。

折れ戸はドアを真ん中で折るようにして開きます。浴室に設置するドアとしては最も一般的です。狭いスペースでも設置でき、費用も比較的リーズナブルという特徴があります。ただ、少し開けにくいと感じる場合も多く、子どもやお年寄りがいるご家庭では注意した方がよいでしょう。

システムバスとは? メリットやデメリット、各パーツについて解説
窓の有無は、光の差し込み具合に関わります。マンションなどでは住宅の構造上、窓が設置されていない浴室もありますが、一戸建てなら窓の設置を検討してみてはいかがでしょうか。

浴室に窓を設置すると、日中、光が差し込みます。光が差し込む浴室は湿気のこもり具合が軽減され、カビ対策にも有効です。窓を大きくすれば開放感も味わえるでしょう。

問題は防犯面における懸念です。窓を大きくするとカビ対策になったり開放感が生まれたりするメリットがある一方、デメリットとして外部から侵入されるリスクが上がります。そのため、空き巣などの防犯対策が必須です。しっかりと施錠をすることや、外から見えにくい目隠しの設置、格子をつけるなど、可能な範囲で防犯対策を取り入れましょう。

浴槽

システムバスとは? メリットやデメリット、各パーツについて解説
システムバスへのリフォームで、浴槽にこだわりたい人も多いのではないでしょうか。浴槽の素材は多く、幅広い選択ができます。

システムバスの浴槽として主流のタイプは、人工大理石やガラス繊維強化プラスチック(FRP床材)です。人工大理石には合成樹脂(アクリルやポリエステルなど)が使われています。表面がなめらかにできており、手触りがよく、防汚性に優れている点が魅力です。高級感も感じられるため、浴室のグレードが上がるでしょう。

FRP床材は保温性や防水性に優れています。また、耐久性や防錆効果、防腐効果も高く、浴室に使うなら理想的な素材です。快適な環境を長期間保ちやすいメリットがあります。

素材以外では形状もチェックしましょう。和洋折衷タイプなら、肩までお湯に浸かりながら身体を伸ばせます。足を伸ばしたければ洋式タイプ、膝をたたみ浴槽に深く浸かりたければ和式タイプも検討するとよいでしょう。

設置するシステムバスによっては浴槽の機能も選択できます。浴槽の噴出口から気泡を出すジェットバスや、肩周りにお湯をかけられる肩湯機能など、多種多様です。浴槽を照らせる照明機能もあり、規格品とはいえ細かいニーズに合わせられます。

システムバスとは? メリットやデメリット、各パーツについて解説
床は浴室の印象を左右することに加え、安全性にも関わるパーツです。最近では、安全性とお手入れ面で優れたタイプが主流になっています。

システムバスの床に使われる素材は、FRP床材と樹脂床材の2種類が一般的です。前述の通り、FRP床材は防水性や耐久性などに優れ、メンテナンスの負担を軽減してくれるでしょう。

樹脂床材は在来工法でも使われる素材です。耐水性と水はけに優れています。すべり止め加工も行われているため、安全性の高さも特徴です。

床の素材として使われるものとしては、ほかにもさまざまなタイプがあります。クッション性の高い素材や、床に触れた時の冷たさを軽くしてくれる素材などバリエーションが豊富です。

システムバスは工期の短さや豊富なバリエーションなど、多くのメリットを持っています。安全性や耐久性の面でも優れているため、ご家族で安心して長く使えるでしょう。浴室のリフォームを検討するのなら、ぜひ選択肢に加えてみてください。

DIYer(s)

WRITTEN BY

DIYer(s)

Japan

DIYer(s)編集部です。DIYのアイデアやハウツー、おすすめツールやショップ情報まで幅広くお届けします!