築55年「庭付空き家」をフルリノベーション!【耐震リノベ総集編】
28歳で福岡へ移住し、築40年の物件をセルフリノベーションしながら生活。その様子をブログメディア「DIY MAGAZINE」で公開しているセーチです。2軒目3軒目4軒目に続いて、福井県にある旧耐震空き家を新耐震にフルリノベーションする過程をお届けします。
公開日 2023.12.21
更新日 2023.12.21
福井県の旧耐震空き家をリノベーション
こんにちは。祖父母の物件をセルフリノベーションしつつ、インテリアなどを作っているセーチです。
福井県の築55年になる旧耐震空き家。
1級建築士の元、旧耐震の空き家を新耐震に工事し、空き家を購入して活用したいと思う方々の参考になるようリノベーションしていきます。
前回の記事で内装作業が終わりましたので、今回は総まとめでリノベーション内容をお伝えしていきます。
福井県の築55年になる旧耐震空き家。
1級建築士の元、旧耐震の空き家を新耐震に工事し、空き家を購入して活用したいと思う方々の参考になるようリノベーションしていきます。
前回の記事で内装作業が終わりましたので、今回は総まとめでリノベーション内容をお伝えしていきます。
リノベーション前の家
via diy-magazine.jp
土地が500㎡もあり、道路側には植栽が植えられていて、裏庭は50メートルプールがおけるくらいの築55年の旧耐震物件。
今回は1級建築士の先生に協力を頂きながら新耐震工事をして構造から頑丈にリノベーションし直します。
今回は1級建築士の先生に協力を頂きながら新耐震工事をして構造から頑丈にリノベーションし直します。
駐車場が無いので庭の解体作業から
via diy-magazine.jp
これだけ広い庭を流石に人力だけでは整地できないので、入り口のブロックや太い木を抜くのに油圧ショベルを使いました。
リノベ中、収集車を駐車場に乗り入れても地面が凹まないように大量の砕石を敷き詰め、乗用車を数台にカーポートや物置を置いても余裕がある駐車場になりました。
リノベ中、収集車を駐車場に乗り入れても地面が凹まないように大量の砕石を敷き詰め、乗用車を数台にカーポートや物置を置いても余裕がある駐車場になりました。
室内の解体作業
via diy-magazine.jp
新耐震工事をするので、壁や天井などはほぼほぼ解体します。
天井を解体した事で柱が何を支えているのか見えるようになりました。
解体後に一度1級建築士の先生に壁や柱の状況を見に来てもらいます。
天井を解体した事で柱が何を支えているのか見えるようになりました。
解体後に一度1級建築士の先生に壁や柱の状況を見に来てもらいます。
via diy-magazine.jp
解体した状態の家を1級建築士の先生と確認し耐震調査を行います。
補強すべき箇所と必要な強度などを数字で確認しながら進めていき、住みやすい間取りに近づけていきます。
現状だとまったく強度が足りていないので、筋交いが入っている場所と耐震壁を設置する場所を想定し1.00の評点を超えるような補強プランにしてもらいます。
打ち合わせ後に確定した図面を貰い、それに沿って耐震補強をおこないます。
補強すべき箇所と必要な強度などを数字で確認しながら進めていき、住みやすい間取りに近づけていきます。
現状だとまったく強度が足りていないので、筋交いが入っている場所と耐震壁を設置する場所を想定し1.00の評点を超えるような補強プランにしてもらいます。
打ち合わせ後に確定した図面を貰い、それに沿って耐震補強をおこないます。
白アリ対策と湿気対策
via diy-magazine.jp
耐震補強、設備工事に入る前に床下に防蟻材を撒き湿気対策をおこないます。
事前にシロアリが入っているか業者がチェックしてもらいました。
初めて防蟻材を撒く作業を見ましたが、想像の何倍も液を撒いていたので、こんなに吹きかけるのかと驚きました。
トイレとキッチンの場所を移動させるので、給排水の位置もこのタイミングで工事します。
事前にシロアリが入っているか業者がチェックしてもらいました。
初めて防蟻材を撒く作業を見ましたが、想像の何倍も液を撒いていたので、こんなに吹きかけるのかと驚きました。
トイレとキッチンの場所を移動させるので、給排水の位置もこのタイミングで工事します。
耐震補強工事
via diy-magazine.jp
解体した壁に「筋交い」を入れて金物で固定し耐震補強をします。
耐震金具は何でもOKというわけでは無く、金具ごとに強度があり耐震補強は金具含めて計算されているので取り扱いには注意が必要です。
取り付けた筋交いと金具は、後日1級建築士の先生と現場監督の方が確認をして写真で施工状況を記録します。
耐震金具は何でもOKというわけでは無く、金具ごとに強度があり耐震補強は金具含めて計算されているので取り扱いには注意が必要です。
取り付けた筋交いと金具は、後日1級建築士の先生と現場監督の方が確認をして写真で施工状況を記録します。
床を作り直す
via diy-magazine.jp
築55年の家なので多少のズレはでてくるもので、この家も予想通り10mm~40mmズレている部屋がありました。
ズレが大きい部屋は、床の木が盛り上がっているせいで差が大きくなっているようです。一番高い位置を基準に、墨出しした線に差分を記載しベニヤ板や胴縁などで高さ調整をしていきます。
ズレが大きい部屋は、床の木が盛り上がっているせいで差が大きくなっているようです。一番高い位置を基準に、墨出しした線に差分を記載しベニヤ板や胴縁などで高さ調整をしていきます。
via diy-magazine.jp
1階の床は大引きからやり直します。
大引きを支えている床束の間隔が1メートル以上空いているので、束石を置いて床束を追加。
床のレベルを合わせる為に現状の床の歪みを計り、玄関を上がった廊下の床を基準に全ての部屋の床の高さを合わせました。
根太を敷き終わったら「床下断熱材フクフォーム2型」を詰め断熱。
今回はフロアタイルで仕上げるので、合板を2重張りに施工しました。
大引きを支えている床束の間隔が1メートル以上空いているので、束石を置いて床束を追加。
床のレベルを合わせる為に現状の床の歪みを計り、玄関を上がった廊下の床を基準に全ての部屋の床の高さを合わせました。
根太を敷き終わったら「床下断熱材フクフォーム2型」を詰め断熱。
今回はフロアタイルで仕上げるので、合板を2重張りに施工しました。
古い窓を新品のペアガラス窓に交換
via diy-magazine.jp
全部屋の窓をペアガラスの窓に交換する作業。ペアガラスなので気密性が高く、今までの窓より断熱性能がよくなります。
今のままでは新しい窓サッシを固定できないので、既存の枠を解体し注文したサイズに合うよう枠を取り付け直しました。窓の取り付け方が分かったので、今後セルフリノベーションする際は、窓交換も選択肢にいれようと思います。
今のままでは新しい窓サッシを固定できないので、既存の枠を解体し注文したサイズに合うよう枠を取り付け直しました。窓の取り付け方が分かったので、今後セルフリノベーションする際は、窓交換も選択肢にいれようと思います。
柱を抜いて合わせ梁で補強
via diy-magazine.jp
梁が細いので150mm×120mmの角材で合わせ梁補強しました。
「合せ梁」とは、本来ひとつの部材で作り上げる梁を2つの物を合成して作り上げた物、またはその工法のことを言います。
固定するビスの位置も指定されているので、1級建築士の先生に頂いた指示書通りに固定していきます。
天井を作る作業では、天井付近にレーザー墨出し器を置いてラインを出す方法をしりました。
ラインに合わせて30×40mmの野縁を固定することで綺麗な天井が作れます。
「合せ梁」とは、本来ひとつの部材で作り上げる梁を2つの物を合成して作り上げた物、またはその工法のことを言います。
固定するビスの位置も指定されているので、1級建築士の先生に頂いた指示書通りに固定していきます。
天井を作る作業では、天井付近にレーザー墨出し器を置いてラインを出す方法をしりました。
ラインに合わせて30×40mmの野縁を固定することで綺麗な天井が作れます。
間柱を入れて断熱壁を作る
via diy-magazine.jp
既存の壁だと凹凸があり、石膏ボードを固定することができないので、30×105mmの間柱を使って壁が真っ直ぐになるよう仕上げていきます。
間柱の奥行きが105mmなので断熱材は100mm厚のグラスウールがピッタリ収まります。
キッチン横の柱は構造状残さないといけないので、柱を活かして小さいパントリーを作りました。
間柱の奥行きが105mmなので断熱材は100mm厚のグラスウールがピッタリ収まります。
キッチン横の柱は構造状残さないといけないので、柱を活かして小さいパントリーを作りました。
キッチン窓と玄関を交換
via diy-magazine.jp
玄関ドアは新品に交換。親子ドアにして入り口を大きくするか悩みましたが、大きい家具などはリビング窓から搬入できるので普通サイズのドアにしました。
キッチン後ろは裏庭からの光と風が入るので、カップボード上に6個の窓が来る想定で窓を設置。
ガラスをはめ込めるように溝を掘ったゴムの木の集成材で枠を組みました。
全部FIX窓にした方が楽なのですが、どうしても風が入るようにしたかったので開閉できる窓を設置しています。
キッチン後ろは裏庭からの光と風が入るので、カップボード上に6個の窓が来る想定で窓を設置。
ガラスをはめ込めるように溝を掘ったゴムの木の集成材で枠を組みました。
全部FIX窓にした方が楽なのですが、どうしても風が入るようにしたかったので開閉できる窓を設置しています。
壁と天井に石膏ボードを張る
via diy-magazine.jp
石膏ボードを張って壁と天井を完成させます。
さすがに家1軒分になると時間がかかります。
このタイミングで初めてケーシングタイプのドアを取り付けました。(ドア枠などの枠材と壁の境目を隠すための部材で壁の厚さに応じて調節できるようになっています。)
既存の柱や壁が微妙に斜めになっているので、ケーシング枠の方が融通が効き設置しやすかったです。
さすがに家1軒分になると時間がかかります。
このタイミングで初めてケーシングタイプのドアを取り付けました。(ドア枠などの枠材と壁の境目を隠すための部材で壁の厚さに応じて調節できるようになっています。)
既存の柱や壁が微妙に斜めになっているので、ケーシング枠の方が融通が効き設置しやすかったです。
フラット対面I型キッチンを取り付ける
via diy-magazine.jp
キッチンは「クリナップ」ラクエラのフラット対面 I 型 ペールウッドC4Vを取り付けました。
床から持ってきている給水管や電気線がキッチンの背面にくるよう、壁からの距離を測り線を引いて合わせています。
悩んで取り付けた窓の高さも丁度良い感じで、天井から光が入るので電気を点けずに自然光で作業ができ、良いキッチンになりました。
床から持ってきている給水管や電気線がキッチンの背面にくるよう、壁からの距離を測り線を引いて合わせています。
悩んで取り付けた窓の高さも丁度良い感じで、天井から光が入るので電気を点けずに自然光で作業ができ、良いキッチンになりました。
幾何学模様の壁紙「リザーブ」
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2階の壁紙は白をメインにクローゼットに色違いのアクセントクロスを貼ります。
1階はナチュラルカラーの淡いグレーを全面に使い、トイレや廊下などポイントでアクセントクロスを使いました。
リビングキッチンはキッチンまわりを目立たせたいので、アクセントクロスは使わずに1色だけで仕上げました。
1階はナチュラルカラーの淡いグレーを全面に使い、トイレや廊下などポイントでアクセントクロスを使いました。
リビングキッチンはキッチンまわりを目立たせたいので、アクセントクロスは使わずに1色だけで仕上げました。
アッシュの淡いフロアタイル床材
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協力頂いている「まいほむ株式会社」様が在庫を持っている製品で、8種類の色の中からアッシュのような薄い色のフロアタイルを選びました。
玄関には石目柄のフロアタイルを貼ります。
1階のソフト巾木は、壁紙に合わせてライトグレーを使っています(W-1R、W-97R)
玄関には石目柄のフロアタイルを貼ります。
1階のソフト巾木は、壁紙に合わせてライトグレーを使っています(W-1R、W-97R)
エコカラットを施工
via diy-magazine.jp
玄関横の壁は行き来する中で目線が集まる場所なのでエコカラットを張って印象良くました。
このタイミングでキッチン後ろや階段の内窓にガラスをはめて仕上げました。
このタイミングでキッチン後ろや階段の内窓にガラスをはめて仕上げました。
ナオスシートで階段を仕上げる!「WOODONE」ドアを設置
via diy-magazine.jp
元々の階段が急勾配だったので、既存の階段を活かして勾配を緩やかに増設しました。
以前使ったナオスシートの色がこの家の床色と似ているなと思い、切れ端を持ってきて確かめてみたらほぼ一緒だったので、階段にはナオスシートを施工しています。
玄関横に作ったシューズクロークにはパントリーと同じ色の棚を取り付けています。
各部屋のドアは「WOODONE」のB-XM ハイドア 2200 スモークブラウンを使用。
リビングキッチンは、縦に光を取り込めるラインが入ったXWを採用しました。
以前使ったナオスシートの色がこの家の床色と似ているなと思い、切れ端を持ってきて確かめてみたらほぼ一緒だったので、階段にはナオスシートを施工しています。
玄関横に作ったシューズクロークにはパントリーと同じ色の棚を取り付けています。
各部屋のドアは「WOODONE」のB-XM ハイドア 2200 スモークブラウンを使用。
リビングキッチンは、縦に光を取り込めるラインが入ったXWを採用しました。
フルリノベーションした部屋が完成
via diy-magazine.jp
旧耐震だった空き家を新耐震工事し丈夫な家に作り変えることができました。
24畳の広々としたリビングキッチン、特にキッチンは採光に拘ったので時間帯でいろいろな雰囲気を楽しむことができます。
残さないといけない柱もパントリーに上手く活用したり、リビングとキッチンの梁もむき出しにすることで平坦なイメージではなく特徴ある部屋にできたと思います。
元々トイレがあった場所には、洗面所と洗濯機を置くスペースにしています。
サンルームは外壁を貼り直しウッドデッキを作ったことで洗濯しやすくなったと思います。
※全ての作業風景を38分の動画にまとめています。
24畳の広々としたリビングキッチン、特にキッチンは採光に拘ったので時間帯でいろいろな雰囲気を楽しむことができます。
残さないといけない柱もパントリーに上手く活用したり、リビングとキッチンの梁もむき出しにすることで平坦なイメージではなく特徴ある部屋にできたと思います。
元々トイレがあった場所には、洗面所と洗濯機を置くスペースにしています。
サンルームは外壁を貼り直しウッドデッキを作ったことで洗濯しやすくなったと思います。
※全ての作業風景を38分の動画にまとめています。
via www.youtube.com
【DIY総集編】築55年「旧耐震空き家」をフルリノベーション!180日間の劇的ビフォーアフター!
かなり古い家でしたが新築と言われても分からないくらい良い家になりました。
福井市まで車で30分程度で着くので立地も悪くなく、500㎡と広い敷地で裏庭には畑を作ることもできます。
広い家に広い庭、個人的に理想とする生活環境で自分で住みたいと思える家にすることができました。田舎の古い家を相続したけどどうしようか困っている方、広い家が欲しくて郊外を検討されている方など、中古物件も購入しリノベーションするという選択肢も検討してみてください。
福井市まで車で30分程度で着くので立地も悪くなく、500㎡と広い敷地で裏庭には畑を作ることもできます。
広い家に広い庭、個人的に理想とする生活環境で自分で住みたいと思える家にすることができました。田舎の古い家を相続したけどどうしようか困っている方、広い家が欲しくて郊外を検討されている方など、中古物件も購入しリノベーションするという選択肢も検討してみてください。
このシリーズでは、旧耐震の空き家を新耐震に工事し、空き家を購入して活用したいと思う方々の参考になるよう、タグに「セーチの旧耐震リノベ」とつけているので、順を追って読めばリノベが完成するような構成です。ぜひ参考にしてくださいね。
WRITTEN BY
Japan
DIYのブログ『DIY MAGAZINE』を運営。福岡在住の28歳です。物件をセルフリノベーションしていく過程とDIYに関する情報を発信しています。
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