東京サバイバル物語 Vol.2 〜火が起こせないと暮らせない!問題〜

今、電気、ガス、水道などのライフラインがストップしてしまったら、あなたは生き残れますか?そんな状況を想像し、DIYでどこまでやれるのかを実際に試してみる、という実験的連載です。

東京サバイバル物語 Vol.2 〜火が起こせないと暮らせない!問題〜

こちらは、みなさまが生きている世界とは少し違う東京都。この街はひょんな理由から、電気、ガス、水道の供給がストップ。さらにガソリンやカセットガス、ライターまでも奪い合いが生じ、現在ではそんなエネルギー系アイテムは皆無になってしまったのです。
そんな街で生命をかけ、サバイバル生活を送るハメとなった男が二人。夜遊び&惰眠だけが生きがいだった、よろず屋のダメ店主・ヤマハと、子どものころからアウトドアに明け暮れていた、よろず屋スタッフのフルサワです。ダメ店主ヤマハの強引な泣き落としによって、フルサワは渋々共同生活に合意。そうしてはじまった二人のサバイバル生活や如何に!

人間らしい生活を送るために、火を起こそう!

ヤマハ「さてフルサワよ、我々にとって、水の次に必要なもんって何だ?」
フルサワ「愚問ですね。人間と、他の動物の一番の違いってなんだと思います?」
ヤマハ「動物との違いね……。あれか、時間の概念がある!」
フルサワ「ブー!」
ヤマハ「裸で歩くと恥ずかしい!」
フルサワ「ブッブー!」
ヤマハ「犬と仲良し」
フルサワ「バーカ。犬と仲良しのネコや猿もいます!答えは、火を使うことですよ。というわけで、今回は火をいちから起こしてみましょう!」
ヤマハ「お〜、これでハムも焼けるな。うむ。ビールの手配もシクヨロだよ〜」
フルサワ「無視。ではレッツ火おこしです!」
今回は最もメジャーな板と棒の摩擦で発火させる縄文式火おこしに挑戦。まずは廃材の板と様々な種類の枝を調達してきました。
次に枝を回転させるくぼみを作ります。鉛筆で印をつけてましょう。
三角の部分はのこぎりで切り落とします。
ヤマハ「ほうほう。この三角形はなんのためにつくるの?」
フルサワ「着火に焚付け材を入れるスペースになります。今回でいえばおがくずなどのことですね」
丸い部分は彫刻刀で削り出しましょう。少し深めに彫っておくと枝がずれにくく、作業がしやすくなります。
フルサワ「ここまでで出た木クズは着火剤として使うのでまとめておきましょう」
ヤマハ「おっ、削り終わったな。早速いい感じの枝を回転させて火を起こそう!」
フルサワ「よし!では一番太いこの枝で……、って全然真っ直ぐじゃないから回しにくい!」
フルサワ「おお!これなら回転させやすい!」
フルサワ「ってこれ痛い!手が!」
フルサワ「この節の部分が原因か!これじゃ火が出る前に血が出ます。なにか方法は……。そうだ!」
園芸や農業用の竹を用意して、回転軸を作ります。
竹の先に枝を差し込みます。
枝は長い必要がないので、4~5cmの部分で切り落とします。
続いて、竹も回転させやすい長さでカットします。
フルサワ「これなら痛くないし、回転させやすいですよ!」
ヤマハ「よし、じゃあ早速火おこし開始だ!応援はお任せあれ」
フルサワ「やっぱり俺がやるんですね……」
フルサワ「木くずを集めて、いざ!」
フルサワ「うおおおおおおぉぉ……!」
ヤマハ「フレー、フレー」
フルサワ「うおおおおおおぉぉ……!」
ヤマハ「頑張れ、頑張れ」
~15分後~
フルサワ「……全然火が出る気配がないです。疲労感もえぐいです……」
ヤマハ「フレー、フレー」(優香の写真集を眺めながら)
フルサワ「優香、いいですよね。っていうか、テメーもやるんだよ!」
ヤマハ「ええ~。応援する係がよかったな~」
フルサワ「いいから代われ!」
ヤマハ「では応援ヨロシクだよ!」
ヤマハ「うおおおおおおぉぉ……!」
フルサワ「フレー、フレー」
ヤマハ「うおおおおおおぉぉ……!」
フルサワ「頑張れ、頑張れ」
~2分後~
ヤマハ「もう無理や~。本当はできるけど、寝不足だし、腰もアレだし、風水的にも今日はやめとくわ」
フルサワ「ホント使えねーな!これじゃ火がつきそうにもないし……別の方法にチャレンジしてみましょう!」
ヤマハ「それはもっと簡単なのかい?」
フルサワ「今までやっていたのは“キリモミ式”、これからやるのは“ユミギリ式”と言って、手軽さなら前者なんですけど、後者のほうが火はつきやすいらしいですよ。体力も要らないみたいですし」
ヤマハ「じゃあサクッとそれで!」
ユミギリ式に必要な「弓」を作りましょう。今回は家にあったハンガーとパーカーの紐を使います。
まずはハンガーの余分な部分を切り落とします。
紐を結ぶために、少し残して切りましょう。反対側も同様です。
紐を結びます。
竹に紐を2回巻きつけます。
もう一方も紐を結べば完成です。
ヤマハ「ちょっとユルユルでない?」
フルサワ「うっせ~な。はいはい、調整しますよ」
今度はきつめに結び直します。
フルサワ「このくらいでいいかな?これで弓の完成!この弓を前後にひくことで軸が回転するってワケです」
ヤマハ「フレー、フレー」
フルサワ「また俺がやるんですね……」
フルサワ「回転させるために手で押さえて……」
フルサワ「って痛い!竹の繊維が手のひらに食い込んじゃって、さっきの何倍も痛い!」
ヤマハ「ほら、風水的中よ」(優香の写真集を眺めながら)
フルサワ「竹を押さえるパーツも作ったほうが良さそうですね」
端材を手頃な大きさにカットし、竹の直径に合わせて鉛筆でしるしをつけておきます。
彫刻刀でしるしに合わせ円状にくり抜きます。
ヤマハ「ぴったりはまったね」
フルサワ「それじゃあ、いざ!」
ヤマハ「おお~。回ってる回ってる!」
フルサワ「でもこれ力加減が難しいです。強く押さえすぎると軸が回らず、紐だけ空回転しますし、かといって押さえる力を緩めすぎると弓の勢いで板からズレちゃいます」
ヤマハ「難しそうだな~。今日の俺には無理そうだからまかせた!」
フルサワ「そう言うと思ってました」
フルサワ「軸が回っていたくぼみを触ると熱いですね。摩擦はしっかりあるみたいです」
ヤマハ「これならいけるんじゃない!?」
フルサワ「よっしゃやるぞー!」
フルサワ「うおおぉぉ!」
ヤマハ「さっきより手つきが慣れてきたね~。安定して回転してる。ん?なんか焦げ臭い!?」
フルサワ「煙も出てきました!」
フルサワ「微妙に赤い……?もうついてる?」
ヤマハ「やっぱりついてる!!」
フルサワ「はやくはやく!燃えやすいもの取ってください!優香の写真集でもいいです!」
ヤマハ「それはもったいないから、セットで管理しているティッシュをどうぞ!」
フルサワ「フー!フー!」
ヤマハ「いけるか……?」
ヤマハ「きた!!やった~!!」
フルサワ「まだですって!灰皿!早く!熱っ!」
ヤマハ「今度こそ一安心か~」
フルサワ「安心してる場合じゃないです!こんなのすぐ燃え尽きちゃいます!その前に小枝とかを入れないと!」
フルサワ「小枝をくべて、燃え移ってくれれば……」
フルサワ「生木っぽいのもあったので不安だったんですけど、なんとか枝にも燃え移りましたね。手をかざすとめちゃくちゃ暖かい。これでようやく一段落です」
ヤマハ「よっしゃ!これで火も扱えるようになって、夜でも優香の写真集が読めるな。じゃあタン塩でも焼いて、ビールで乾杯だ!」
フルサワ「いいですね~。残念ながらどちらもありませんが。それにしてもユミギリ式はあっという間に発火しましたね」
ヤマハ「確かに。これならいつでも火が起こせるな。まかせたよ、火おこし隊長!」
フルサワ「お前も訓練しろよ!しかし火を起こせるようになったので、これからはできることの幅が増えますよ。食料の調理やお湯を沸かすこと、明かりにしたり暖を取ったり、これぞ人間の知恵ですね」
ヤマハ「お湯が沸かせるのは地味に嬉しいな。シャワーも浴びたかったんだ~。制作シクヨロ!」
フルサワ「……次回はシャワー以外のものに挑戦します」

つづく

■今回使用した材料
・板(廃材)
・拾った枝
・園芸用の竹
・ハンガー
・紐
・ティッシュ

■今回使用した道具
・鉛筆
・彫刻刀
・のこぎり
89 アイテム

DIYer(s)

WRITTEN BY

DIYer(s)

Japan

DIYer(s)編集部です。DIYのアイデアやハウツー、おすすめツールやショップ情報まで幅広くお届けします!