世界中で親しまれている調理法「漬ける」を楽しむ:自由大学

東京メトロ表参道駅から徒歩約1分のCOMMUNE 2ndにメインキャンパスを置く「自由大学」。“知る楽しさと考える面白さを日常の中に取り込む”きっかけを提供するべく、ここでは様々な分野の学びをキュレーションしています。 そんな自由大学で行われている講義の中から、DIYer(s)編集部が気になるコンテンツをご紹介する本企画。今回は、保存食について学ぶ『漬けるを楽しむ』をピックアップ!

公開日 2018.01.06

更新日 2022.01.11

世界中で親しまれている調理法「漬ける」を楽しむ:自由大学

古来より人と共にあった『漬ける』文化を学ぼう

自由大学では2018年2月24日(土)より、私たちにとって身近な存在でありながらも、意外と作ることが少ない“保存食”について学ぶことができる『漬けるを楽しむ』講義が開催される予定です。今回は講師を務めるTOCCOさんにお話を伺いました。

自由大学とは

2009年に開校以来『大きく学び、自由に生きる』をテーマに、およそ170種類のオリジナル講義を実施している自由大学。のべ9,000人を超える人たちが受講しているこちらでは、それぞれが講義の中で自分について考え、人との対話を通して思考力を身につけています。自由に生きるヒントを得る場として、様々な角度から“学び”を提供しているのです。

『漬けるを楽しむ』

自由大学の講義は基本的に5回で1セット。そしてTOCCOさんが担当される講義では、保存食の文化について学べるとともに実際に保存食を作る実習を体験できます。また、農家さんのもとへ訪ねて、収穫させてもらった野菜を漬ける講義もあるのだそう。最終回では各々が考えてきた“漬ける”レシピコンテストもあるそうです。「料理好きな方が集まるだけあって、なるほど、とこちらも唸ってしまうほど見事なアイデアを皆さん持ってきてくださいますよ。毎回私も楽しませてもらっています」。

ザワークラウトを作ってみよう

世界中で親しまれている調理法「漬ける」を楽しむ:自由大学
今回は、発酵させることによってうまれる酸味と、キャベツ本来の甘みのバランスが絶妙な保存食「ザワークラウト」の簡単な作り方を教えていただきました。乳酸発酵食品であるザワークラウトは、主にフランスのアルザス地方や、北欧、東欧諸国、ロシア、さらにはドイツ移民が多いアメリカ合衆国やカナダでポピュラーな保存食。健康や美容に有効な成分がたっぷり含まれるこのザワークラウト、とても手軽に楽しむことができるようです。
それでは早速作り方を教えていただきましょう。

材料

・キャベツ………1kg(中1玉)
・天然塩………24g(キャベツの2%)
・水………200cc(1カップ)
STEP.1 汚れた箇所を取り除きます。
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あまり洗ってしまうとキャベツの常在菌が死滅してしまうので、外側の葉を二枚ほど剥ぐだけにしておきましょう。

STEP.2 なるべく幅が均一になるよう千切りにします。
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STEP.3 ここで、キャベツの2%に相当する量の天然塩を用意します。分量を間違えるとうまく発酵しない場合もあるので、きちんと計量しましょう。
世界中で親しまれている調理法「漬ける」を楽しむ:自由大学

千切りが難しい場合は、手でちぎっても問題ありません。この場合も大きさが均一になるよう意識してくださいね。

STEP.4 ボウルにあけたキャベツにまんべんなく塩をふりかけます。
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時間がない場合は、ボウルにあけずに材料をすべてジップロックに入れて揉んでしまっても大丈夫です。

STEP.5 続いて、鷹の爪もちぎって入れます。
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STEP.6 均一に馴染ませるために手で持ち上げては落としを数回繰り返します。
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STEP.7 ジップロックに移します。
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ここで水(200cc)を加えましょう。

STEP.8 空気をきっちり抜きながら閉めます。
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STEP.9 左が漬けたばかりのもの、右が1週間ほど発酵させたものです。
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STEP.10 漬け始めて半日から1日で水分がたくさん出てきます。室温20度前後の部屋であれば5〜7日間、25度前後の部屋であれば3日間ほどで発酵が進み、泡が出てきます。酸味が出てきたら、いよいよ食べごろ。冷蔵庫に入れて発酵を止めましょう。冷蔵庫で2週間ほどの保存が可能です。

注意点

・ まな板は熱湯をかけて消毒し、清潔な道具や環境で調理しましょう。
・ 基本の作り方で出来上がったものの味や香りを覚えるようにし、慣れてきたらローリエや粒胡椒、キャラウェイシードなどのスパイスで好みの仕上がりにすると良いでしょう。
・ 発酵中にキャベツから出てきた水分はつけ汁になるので、捨てないでください。

応用編

ザワークラウトを作っておけば、いろいろな料理に応用することができます。

【アルザス風シュークルート】

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ソーミュールに漬けた豚のスペアリブとザワークラウト、そして出汁代わりにもなるウィンナーを、白ワインでコトコト煮込んだ一品。ザワークラウトとウィンナーの出汁だけで十分味がつくので、塩で味を少し整えれば完成するんです!
ひとくち頬張れば、お肉の旨み、そしてキャベツの酸味と甘みが口いっぱいに広がります。やさしい味わいは、年末年始の飲み過ぎ食べ過ぎで疲れた胃腸にもぴったりです。

その他にも、以下のようなレシピを楽しむこともできますよ!

【韓国風ツナ缶の煮込み】

油を切ったツナ缶を用意。タマネギを半玉スライスし、ニンニクを3片みじん切りにします。コチュジャン大さじ2、お好みの量のザワークラウトと共に、すべての材料を煮込めば完成。

古い文化を現代に活かす

世界中で親しまれている調理法「漬ける」を楽しむ:自由大学

そもそも保存食に興味を持たれたきっかけは何ですか?

「『漬ける』という文化が世界中にある点に、おもしろさを感じたことがきっかけの一つです。今でも私たちにとって身近なこの文化は、最近できたものではなく、何世紀も前からあるもの。もともとは、海水を漬け物液にして保存食を作っていたと言われているんですよ」

では、保存食の魅力とは何でしょうか。

「食品ロスが無いというのは一つの大きな魅力だと思います。例えば、農家さんが作った野菜で形の悪いものは市場に出せないので、農家さんは色々工夫して食べてます。丹精込めて作った作物ですからすべてをいただくんですよ。その一つが“漬物”です」
「食品ロス」とは、食べられるのに捨てられてしまう食品をいいます。食品ロスを削減して、食品廃棄物の発生を減らしていくことが重要です。
赤ジソでジュースを作った際に、残りカスとなった葉を乾燥させて天然塩と混ぜたゆかりがとてもおいしい、と語ってくれたTOCCOさん。食品ロスが心配される昨今、こういった細かな無駄をなくす工夫はとても大事に感じられますね。
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また、職業上、会食やロケ弁が続くことが多いTOCCOさん。そういった食事が続くとどうしても体が疲れてしまい、丁寧に手で作られたものを食べたくなるそう。
「市販のものを否定するつもりはありませんが、やっぱり手作りされたものって本当においしいんです。それに、少し手間をかけて食事をすることは自分へ立ち返る時間にもなるんですよ」
古い文化である「保存食」は、いわゆる「時短」「ツクオキ」です。見方を変えれば現代の私たちが生きていく上で色々なヒントを与えてくれそうですね。料理が好きな方はもちろん「食事」という観点から新しい発見を得たい方は、ぜひこちらの講義を受けてみてはいかがでしょうか?

PROFILE

TOCCO

スタイリストとしてキャリアをスタートさせ、フードのみならず、ファッションやインテリアにも関わる。現在はフードコーディネーターを育成しつつ、自由大学で『漬けるを楽しむ』の講師を務めている。

SCHOOL DATA

自由大学 COMMUNE 2ndメインキャンパス
住所:東京都港区青山3-13 COMMUNE 2nd内
URL:https://freedom-univ.com/

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WRITTEN BY

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