andMade:服作りの新たな楽しさを提案するFAB施設/CIRCLE of DIY Vol.22
モノ作りにまつわるヒト・コト・モノを訪ねる本連載。今回はアパレルの街、北参道にオープンした国内最大級のファッションFAB施設「andMade」にフィーチャー。服作りをしたことがない人でも着たい服が自由に作れるという同施設をつくるにいたった経緯、そこに込められた想いについてお伺いしました。
公開日 2017.07.27
更新日 2022.01.11
フリーアナウンサー古舘伊知郎さんらが所属する「古舘プロジェクト」が展開する、ファッションとハンドメイドをテーマにした「MAKE MY BRANDプロジェクト」。
その一環としてつくられたファッションFAB施設「andMade(アンドメイド)」は、プロ仕様の業務用ミシンをはじめ、テキスタイルプリンターやレーザーカッターなどの最先端デジタル機器を取り揃え、新たな服作りのカタチを提案しています。
その一環としてつくられたファッションFAB施設「andMade(アンドメイド)」は、プロ仕様の業務用ミシンをはじめ、テキスタイルプリンターやレーザーカッターなどの最先端デジタル機器を取り揃え、新たな服作りのカタチを提案しています。
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オープニングイベントには古舘伊知郎さんや、所属タレントでファッションデザイナーの篠原ともえさんが登場。
今回はこのMMBプロジェクト立ち上げに携わった、同プロジェクトのエグゼクティブプロデューサーである荒木浩二さんにandMadeができるまでの全貌をお伺いしました。
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インタビューに答えてくださったMAKE MY BRANDプロジェクト、 エグゼクティブプロデューサーの荒木浩二さん。
出発点は「モノ作り×普遍的」
―はじめにandMadeが生まれたキッカケについて教えてください。
「ハンドメイドマーケットのECサイト『minne』さんであったりビッグサイトのDIYイベントであったり、ここ数年ハンドメイドが盛り上がってるな、という感触はあったんですね。だから古舘プロジェクトの新規事業開拓にあたり、もっとも注目したのも“モノ作り”というキーワードでした。なおかつ、トレンドによって揺らいだり変わってしまうものではなく、“普遍的”なものにしたいと考えたんです」
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「普遍的なものといえば、まず“衣・食・住”じゃないかと。そう考えたとき“食”は『クックパッド』や『ABCクッキング』、“住”はホームセンターやFAB施設などが充実しているけど、“衣”に関しては自分で作るというサービスがあまりない……ということに気づきました」
―アクセサリーならまだしも、服作りの施設やサービスってたしかに聞き慣れませんね。
「実際、服って極端にセルフメイドの発想がないんです。欲しい服を作るっていう選択肢自体がない。でも、百貨店すらない頃ってお母さんが家で縫っていたわけじゃないですか。そう考えると、服って本来作れるものだと思うんです。なので、まずそれを提案していくのが重要だなと。服を買う、ではなく“創る”という選択肢を世の中に見せていく―。それが現在の『MAKE MY BRANDプロジェクト』の軸となるコンセプトであり、andMadeが生まれたキッカケでもあります」
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andMadeのロゴデザインを手掛けたのは、2020年東京オリンピックのエンブレムを製作した野老朝雄氏。糸を編み込むような2つの“&”記号が連なったデザインは、“ファッションとFAB”、“工房と個人”など、さまざまな関係性を表現しているという。
―服を創るというコンセプトをカタチにしたのが、このandMadeなんですね。
「そうですね。コンセプトができてからファッション業界のことをリサーチしていく中で気づいたのが、服を作るには専門の機材が必要だけどそれを使える場所がない、ということ。“創る”ことを一般化するためにも、まずは誰もが自由に服作りができるような場所が必要だと思いました」
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andMadeで“創る”を体験
服作りに関するさまざまな設備とサービスが揃ったandMade。今回は、「服作りは楽しい」ということ知ってもらうために開催しているというワークショップを体験させてもらいました。
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店長の荒尾美穂子さんにレクチャーしてもらいながら“創る”を体験!
キャンバストートバッグ作りを体験
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今回、体験するのはミシンの基礎を学べるというキャンバストートバック作り。「トートバッグは、はじめに直線縫いで手を慣らしていただけて、難しいところがちゃんと最後にくるようになっているので、とてもワークショップ向きなんです」(荒尾)
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はじめに職業用ミシンを使い、生地を縫い合わせて持ち手やバッグ本体を作っていきます。家庭用ミシンよりパワーとスピードがあるので、キャンバスのような厚い生地でもスムーズに縫い合わせていくことができます。
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バッグ本体を縫い合わせたら、端の部分がほつれないようにロックミシンを使って“かがり縫い”をします。これにより余分な布端を切り落とし、バッグの両端を補強することができます。
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出来上がったバッグ本体の口部分を三つ折りにして、持ち手を縫い付けていきます。
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縫い付けが終わったら、強力なスチームが出るプロ用アイロンでプレスし、バッグを綺麗に整形していきます。
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バッグをひっくり返して表にしたら、いよいよ最後の仕上げ。
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見本を参考にしつつ、持ち手の付け根部分を✕形に縫って補強します。こうすることでバッグの耐久性が格段に高まります。
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これでキャンバストートバッグは完成。ここまでの工程でミシンの基本の縫い方を一通り体験することができました。
初心者でも短時間で効率よくミシンの使い方を覚えることができるこのワークショップ。手ぶらで参加でき、費用もたった500円というのも嬉しいですね。服を作ったことがないという人も、気軽に体験できるので、作ることに興味をもつ良いきっかけになるのではないでしょうか。
ワークショップに続いて、今回は特別にオリジナル刺繍を施すことができる「刺繍ミシン」の体験もさせていただきました。先程作ったトートバッグにDIYer(s)のロゴを刺繍してみましたよ。
ワークショップに続いて、今回は特別にオリジナル刺繍を施すことができる「刺繍ミシン」の体験もさせていただきました。先程作ったトートバッグにDIYer(s)のロゴを刺繍してみましたよ。
刺繍ミシンでバッグにオリジナリティをプラス
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こちらがその刺繍ミシン。機器に内蔵されたアルファベットや図柄、もしくは持ち込みの画像データを変換してオリジナルの刺繍を施すことができます。
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用意した画像データを専用ソフトに入れて刺繍データに変換。刺繍をする位置合わせなどをモニターで確認・調整したらあとは待つのみ……!
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ミシン針がすばやく動いて糸を縫い付け、画像データを再現していきます。
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これでDIYer(s)の刺繍が入った他にはないオリジナルトートバッグの完成!刺繍がワンポイント入ることでオリジナリティも愛着も生まれます。
MAKE MY BRANDプロジェクトという名前には、“自分にしか作り出せない自分のブランドを作る”という想いが込められているという荒木さん。
「まずは自分のために作ることから始めて、どんどん腕を磨いてもらい、こだわりが詰まった自分のブランドを作っていってもらえればと思います。最初のハードルを超えれば、すんなりと入っていけると思いますし、DIYが好きな人には服作りもその一つと捉えて飛び込んでみてほしいですね」
「まずは自分のために作ることから始めて、どんどん腕を磨いてもらい、こだわりが詰まった自分のブランドを作っていってもらえればと思います。最初のハードルを超えれば、すんなりと入っていけると思いますし、DIYが好きな人には服作りもその一つと捉えて飛び込んでみてほしいですね」
ミシンを踏むことはカッコいい
―最後に、andMadeのこれからの展望について教えてください。
「まずは、服作りに対するイメージを変えたいですね。料理で言うならコンビニより手作りのお弁当、家具ならDIYしたベンチ……というように、服を創る=クールなことと捉えてほしい。スタバでPCを開くように、andMadeでミシンを踏むことを“カッコいい”と思ってもらいたいです」
「そのためにも、僕らがこれからやらなくちゃならないのは、原宿を歩いている女の子や、キャンプやDIYが好きな男性たちにandMadeのことを認知してもらって、服作りの面白さを知ってもらうこと。近々、AbemaTVにてandMadeを舞台としたリアリティーショー(詳細はandMade公式サイトをご確認ください)も始まりますし、そういったアピールは今後もしていく予定です。最終的にはandMadeから、パリコレやメディアで活躍するようなスターがでてきてくれたら嬉しいですね」
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大きな可能性を秘めたandMadeはまだ動き始めたばかり。ミシンはもちろん、店内にある数々のデジタル機器を使っても、面白いことがたくさんできそうです。同時に、今後もさまざまな仕掛けでアパレル業界にムーブメントを起こしていくであろうこの施設。皆さんもオリジナルの発想で唯一無二の服作りを始めてみては―?
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