日本で唯一の大工道具の博物館として設立された「竹中大工道具館」は、竹中工務店の創立85周年を記念して1984年(昭和59年)に開館しました。2014年(平成26年)に開館30周年を迎え、新神戸駅にほど近い場所で「人と自然をつなぐ、伝統と革新をつなぐ」をテーマに移転オープンしました。
大工道具というのは、その名の通り、大工が建物を建てる時に使う道具です。強く、美しい建物を建てるためには、木を加工し、しっかりと組み立てていく技術が必要。そのため、大工は、道具を自分で作り、自分の手のように自由自在に使いこなし、大切にしてきました。
こちらの博物館では、日本の建築文化を未来に伝えていくために、そんな大工道具を集めて保存、展示。建物そのものも日本の匠の技を散りばめたデザインで、建築やインテリアに興味のある人から人気を集めています。
入り口を入って、まず感じるのは木の香り。名栗仕上げの自動ドアを抜け、足を踏み入れたロビーフロアは、木組みの技を駆使した柱のない大空間。そこには、アフリカのモアビ、ボッセといった天板を使ったパーテーションや杉の舟底天井、ホワイトオークの床で構成。大きなガラス窓からの採光も心地よく、木工作家16人の椅子の座り心地も確かめながら、木のぬくもりやデザインを鑑賞できます。また、ホワイトオークの階段、達磨窯で焼かれた瓦などを施した中庭、鍛造で作ったハイセンスな案内サインなど、博物館を歩いて細部をチェックするのも楽しい!
館内は、大工の道具や歴史や種類、仕組みを紹介する「歴史の旅へ」、「道具と手仕事」、「世界を巡る」、道具や手仕事の美を感じることができる「名工の輝き」、「和の伝統美」、ものづくりの心を棟梁の仕事を通して伝える「棟梁に学ぶ」、貴重な森の恵みをいかす伝統の知恵の数々を見ることができる「木を生かす」といった7つのコーナーで構成。
この展示を通して、約1,000点の貴重な大工道具の展示、吹き抜け空間 に建つ7mを超える原寸大の唐招提寺金堂の柱と組物、数寄屋の繊細な仕事が見えるスケルトン茶室など、五感を使って楽しめる展示が充実しています。 建築やインテリアに興味のある人、道具などツールに興味をお持ちの人にも大満足の博物館。移転後、新たに設置された木工室では宮大工の技を間近に体感できるプログラムが。DIYに興味のある方は大工道具を使ったワークショップに参加してみましょう!
ワークショップではプロの大工さんと一緒にカンナを使って木を削ったり、木の香りを体験できます。さらに古代の大工道具・ヤリガンナの実演も見学できます。
竹中大工道具館
http:// dougukan.jp
神戸市中央区熊内町7-5-1
TEL:078-242-0216
開館時間9:30〜16:30(最終入館は16:00まで)
休館日 月曜(祝日の場合は翌日)&年末年始
入館料 一般¥500、大高生¥300、中学生以下は無料
written by いなだみほ
WRITTEN BY
Japan
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